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場所がないので、製薬会社の会議室や実験室を使って講習を行う事になった。
月謝とは別に、必要な道具も全部向こうが用意してくれるそうである。ありがたやありがたや。
そんなこんなで、俺達は製薬会社に来ていた!
快く子供と俺、3人の見学も許してもらい、守の夏休みの日記のネタはこれで決まった。子供達は格好いい白衣の皆さんと実験施設に大はしゃぎだ。
さて、俺は忍者装束に着替えて、いざ授業!
覚醒薬を飲んだ生徒(10粒追加で持ってきたので20人)以外にも製薬会社の人が沢山集まっている。ビデオでの記録準備もバッチリで、緊張してきた。
ちなみに、見学者分も月謝をくれている。すげー。
「まずは、教本に書いてある通り、チャクラを感じ取る所から」
「あ、教本に書いてある事は全部出来ます」
「え?」
「教本がわかりやすかったので、全部出来ます」
は、早ぁ!
「レシピも簡単なものは大体」
は、早ぁ!!
「あうあうあうあう」
「先生! 俺達は覚醒したばかりなので何も出来ません!」
「そ、そうだな。じゃあ、2班に分かれて、一班は感じる所から、試しにヨモギの軟膏を作ってもらおうか」
それから、俺の授業は始まった。
なんかレシピがすんごいグレードアップされてる……。
「すげーな。この薬はもっとチャクラを込めて調合すべきだったな。でも回復力は1番高い」
「こっちはチャクラ込めすぎ」
「これはもっとじっくりチャクラと混ぜないと」
「一目でわかるんですか!?」
「ああ、調合眼があるからね」
「それってどうやれば手に入るんですか?」
「特殊な才能がないとダメだから、これは手に入らないかな」
俺が説明をすると、製薬会社の人達はヒソヒソした。
「鑑定眼だ」
「鑑定眼……」
「鑑定眼すげー」
「調合眼だから!」
すると、製薬会社の人達はせっせと薬を持ってきた。
「これはなんて出ます?」
「これは?」
「この薬は?」
ヨモギ軟膏以外のものが続々と持ち込まれる。
まあ月謝もらってるし、教えられる事があんまない見たいだからいいか……。
「あっ これ副作用強いな。腎臓がダメージを受けるぞ」
「えっ」
「えっ 副作用教えてくれるの助かる」
「研究中の薬持ってきます」
後はもう鑑定鑑定鑑定だ。一班の人ももう調合に移ってるし。
一時間で一月分の予定全部終わったので、後はひたすら質問に答えて鑑定を続けた。医療系オンリーだと時間が持たないから、身体強化とかの技術も教えよう。
高度な調合とかは素材の関係もあるし、結局は試行回数だしな。コツとやり方だけ教えた。
元々、エリートで専門家。教本だけで色々習得してたように、勝手に俺を超えて成長していくだろう。
代金の他に、薬を優先的に売ってくれるようにお願いした。
「先生、この薬の存在意義を問う、食べるだけで傷が治るチートな薬草を育てるのにチャクラ石が必要との事ですが、なくなったらどうすればいいですか?」
「空になったチャクラ石にチャクラを込めます」
「効率めちゃくちゃ悪いですね」
すでに試していたらしい。そうなんだよね。一回魔力が抜けた魔石にまた魔力を入れるのは大変なのだ。
「後は忍びの秘伝の採掘場で取ってきます」
「なんでもありですね。そこは買取するしかないって事ですか」
「そうですね。それにあそこは熟練の忍びでも危ないので」
「崖とか?」
「妖が出ます」
「ダンジョン?」
「秘伝の採掘場です」
「一月で熟練の忍びになれますか?」
「うーん。こればっかりは……。戦闘の才能がないと」
「そうですか……」
ごめんよ。こればっかりは、事故が起こっても大変だからね。
それから、1ヶ月。
みっちり授業をして、逆に色々調合やレシピについて教えてもらったりして、俺は忍者村に帰った。
忍者村に帰ると、まず村長さんに菓子折りを持って伺う。
「全く。稼ぎどきの期間を丸々休んで、ずいぶん暴れてきたようだね」
「すみません、村長」
「色々と話を聞きたいのだけれど、忍者村でも取り入れられる奴あるかな、あと、演目増やしたい。食堂にも忍者飯とか入れてほしい。できる?」
「はい、任せてください、村長」
そうして打ち合わせをしていると、同僚が駆け込んでくる。
「忍!! デモとか起きて大変な事になってるらしいぞ!! あと、すぐに総理官邸に来てほしいって連絡が来てる!! 忍者村にも問い合わせが、なんとかしてくれ!」
「ええ!? デモって何で!? 俺、悪いことした!?」
九月。日本国民は激怒した。
必ずや邪智暴虐の薬事法の緩和をさせねばならぬと決意した。
国民のデモ隊が国会議事堂を覆い尽くし、大変な事態となった。
全ては、一つの動画が原因だった……。
『ということで、我が社に忍者さんが来てくれました! 拍手ー!』
パチパチパチパチパチ!
『今日の授業では、忍者の秘伝の軟膏、ヨモギ軟膏を教えてもらいます!』
パチパチパチパチパチ!
『作り方ですが、まず、取ってきたヨモギを洗って、こう処理をして、葉っぱを擦り潰し……』
『忍者さんだけが使えるチャクラを使って材料を合成し……』
『上手に出来ましたー!』
パチパチパチパチパチ!
『これを怪我をしたマウスに使ってみるよ! ほら、綺麗に治りましたー!』
『当社では、忍者さんから教えてもらったこのヨモギ軟膏を販売する事になりました! 他にも忍者さんからは、鎮痛丸(痛み止め)、覚醒丸(ドーピング薬)、兵糧丸(栄養サプリ)、若返丸(若返り薬)、籠絡丸(お肌プルプル美容薬)、転性丸(性転換薬)、修復丸(後天的欠損修復薬)、回頭丸(頭が良くなる薬)、覚醒薬(チャクラが使えるようになる薬)など様々なレシピを教えていただき、また教えていただく予定です! 忍びさんの一番弟子として、いや、医療忍者として、当社は他社とも協力し、頑張っていく所存です。皆さん、当社を応援してくださいね! ヨモギ軟膏は既に完成されているので、八年後には発売されます! 他の薬も続々と十から二十年後には発売予定!よろしくお願いします! あっ 被験者の数の関係から転性丸は三十年後になりますね』
これである。
この動画が原因である。
八年も待てるかぁぁぁぁ!
妄想言ってんじゃねぇ、そんな薬が本当にあるなら試させてみろ。
今、困っている私がいるんですよ! すぐに薬を売らせるべき!!
もう完成してて長く使われてるんだろ、秘伝なんだから。安全面保証されてね?
うおおおおおおおおおおおお若返りぃぃぃぃぃ!
戦争利用できる薬の開発反対! 軍靴の音が聞こえる!
三十年後とかもはやババァじゃねぇか、俺は今美少女になりたいんじゃ!
欠損修復薬だとぉ!? 冗談でしたじゃすまさねぇぞ! 今すぐ使わせろ!
兵糧丸の味は! 味はいいんですか!? ご飯が薬になるとかやめてぇぇ!!!
テストの点数が赤点だとお小遣いカットされちゃうんですぅぅぅ!
人生で一度でいいから頭が良くなってみたい!!
そんな国民の怒りがなんの罪もない首相に突如として襲い掛かったのである。
「国民が大規模デモ!? おとなしい国民性の我が国の国民がなんでぇ!?」
朝ごはんを食べ終わった首相は、報告を聞いて度肝を抜かれた。
「薬事法を緩和してほしいとかで。審査を簡易化してほしいらしく」
「ダメに決まってるだろ、薬事法が崩れれば日本の医療が根本から破壊される。じっくり副作用がないか確認したものしか扱わせない。これを守らないと、日本の薬事情は大変な事になるぞ。すぐ認可しないと国民が全滅するような事情でもあるのかね?」
ただでさえ、流行病だのなんだので大変バタバタしたのである。
首相は真顔で告げた。対する秘書も真顔で答える。
「国民は全滅しませんが、議員が全滅するかもしれません」
「そんなに凄いの?」
「凄いです」
秘書がテレビをつける。
そこにはヒートアップする国民が写っていた。
「何が彼らをそこまで追い立てているの……?」
プルプルとちいかわ化した首相。
出来る秘書は、発端の動画を見せた。
「はぁ? 修復丸に転性丸? そんなのありうるはずがないだろう。タチの悪い冗談だ」
「問い合わせもしたのですが、向こうは事実だと告げています」
「事実だとしたら、法改正しないといけないじゃないか。薬を使う人に対してもそうだし、チャクラ? を使う人に対しても免許制度が必要だし、第一、チャクラの持ち主しか作れないなら、量ができないだろう。もちろん、それらの問題は副作用がないか確認した後の事だ。三十年はかかるんじゃないか?」
「そのへん丸っと含めてすぐ試せるように国民は法改正を求めております」
「えええええええええ……。まあ、その薬品会社に試験を見せてもらって、まずそれが本当か調べてからだね……」
「国民はどうしますか? このままでは警備員なども危険です」
「事実だったら法改正が必要なので、今確認中ですとだけアナウンスしてくれ」
ところが、そんな高度な薬はまだ作れないので、当然の事として先生である忍くんが引っ張り出される事になったのであった。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
今度からマシュマロ返信していくことにしたので、よろしくお願いします!
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