超次元ゲイムネプテューヌ Origins Transition 作:シモツキ
腹が減っては戦は出来ぬ、という言葉がある。お腹が空いている状態じゃ戦えない、戦えても本来の力は発揮出来ないという、文字通りの諺で、これは食事のみに限定した話じゃなくて、大きな、或いは長期の戦闘における補給や休息の重要性であったり、もっと広く捉えれば、良い結果を出す為にはきちんとした事前準備が大切なんだって事を示しているように私は思う。今ある力で頑張る事も大切、取り敢えず動いてみる事も時には必要、だけど事前にやるべき事をしておかなければ、或いはその時出来る精一杯の事をしても足りていなければ、望む結果には至れない…そういう風にも、捉えられる。
でも…逆に、こういう事も言えると思う。戦いの前の食事は、その後の結果の為に大事だけど…どんな結果を迎えたとしても、その後に『食』があるっていうのは、心の保養になる、って。
「でーきた、っと」
完成品を見て、こくりと頷く。味見をして、もう一度頷く。うん、これは美味しい。これならばっちり。
「ぜーちゃん、分けるんでしょ?私も手伝うよ」
「私もお手伝いします」
「ありがと、二人共。でも流石に三人でやる程じゃないし…あ、そうだ。トッピングになりそうなの探すから、その間に取り分けてもらってもいい?」
そう言って私は、食品庫を見に行く。確か、保存が利く食品の中にあれがあった筈、と私は探し、思っていた通りのものを発見。そしてそれを、茜とピーシェが取り分けてくれたものに添えて…皆の下へ、戻る。
「お待たせ、デザート持ってきたよー」
「ごほごほ…いつも悪いねぇ、イリゼ…」
「ネプテューヌ、具合悪い?風邪なら、暖かくして寝るべし」
「あ、うん、心配してくれてありがとねイリスちゃん…でもこれ、ただの冗談だから……」
純粋無垢故のボケ殺しを受けて、何とも言えない顔をするネプテューヌ。そのやり取りに私達は苦笑し…デザートのお皿を、皆の前へ。
「わっ、美味しそう。さっきちょっと覗いたんだけど、これってスベールバナナを使ったアイスだよね?」
「ふふ、残念。これはバナナアイスじゃなくて、バナナジェラートだよ」
「バナナジェラート…ジェラートって、アイスとどう違うんです?」
「それに関しては、それぞれの名前の由来と歴史に目を向ける必要がある…というのはさておき、一般的にジェラートは、空気含有量や脂肪分等がアイスより少ない氷菓であるとされているね。またその性質から、素材の風味を活かすのにも向いているらしい」
「あ、そうなの……貴方って、大概何でも詳しいわね…」
早速食べたそうな顔をしてくれたルナとビッキィへ、私とズェピア君がそれぞれ答える。さらりとしっかり説明をしたズェピアへと、セイツが感心と呆れの混ざり合ったような言葉を返す。
そうして行き渡ったバナナジェラート(ビスケット添え)は、私謹製のデザート。そしてこれまでに私達が食べていたのは…愛月君がメインになった、野菜カレー。
「ピリ辛カレーの後のジェラート…別にわたしは食べ方の拘りなんてないけど、これって中々の組み合わせよね」
「まあ、分かるわ。カレーで今はちょっと暑いし…もしかして、愛月がカレーを作るって事で、ジェラートにしようと思ったの?」
「そんなところかな。でもほんと、美味しい野菜カレーだったよね。私辛いの苦手だけど、それでも最後まで食べられたし」
「僕もカレーは沢山作ってきたからね。どうやったら『辛いけど美味しい』ってなるのかはそこそこ分かってるんだー。…出来る事なら、ナスも入れたかったけど……」
「そんな非道されたら、『なっ!何をするだァーッ!』って叫んでたかなー!だから止めてほしいかなーっ!」
うんうん、とエストちゃんとイヴが頷き合う。そして、私達はバナナジェラートを食べ始める。
さっきズェピア君が説明してくれたけど、ジェラートは素材の風味をアイスより上手く出せるのが良いところ。それに舌触りも滑らかだから、甘さがしっかりしてて、元々滑らかな舌触りをしているバナナとはばっちり合う。
「…美味いな」
「だよね、ほんとスイーツ系はぜーちゃんには敵わないなぁ」
「確かに美味しいッス。これはもう、スイーツ系女神イリゼ、と呼ぶ他ないッスね」
「それだと全然違う意味になりそうだから止めてほしいかなぁ…!」
突っ込みを入れる私に対し、アイはきょとんとした顔で首を傾げる。くっ、絶対分かってるのにこの反応…!影と茜も…っていうか、皆も「賑やかだなぁ」って位の顔をして全然私のフォローに入ってくれないし、皆私の扱い方を変な意味で熟知し過ぎでしょ……!
「…って、こんなのが私の扱い方だとか嫌過ぎるんだけど…!?」
「うわっ…いきなり叫ばないで下さいイリゼさん……」
「あ、ご、ごめん……」
そして、よりにもよってなタイミングで発動してしまう私の悪癖。じとーっとした目で言ってくるディールちゃんに、私は肩を落として謝る。今に限らず、いつだって発動してほしくないものだけど…だとしても、今のはタイミングが悪過ぎた。これじゃあ私の扱いについて文句を言える気がしなかった。
「はは…しかし本当に、錬金術というのは凄いものですね。食材は勿論ですが、消耗した弾薬や推進剤まで作る事が出来るのですから、心強い以外の何物でもありません」
「でしょ?まあこれも、わたしとディーちゃんの実力があってこそだけどね」
「…ディールとエストは、凄いという事?イリスも、ディールとエスト、凄いと思う。…ので、イリスは二人に、提案がある」
「提案?えっと…何かな、イリスちゃん」
「凄い事は、褒められるべき。皆、ディールとエストを褒めてあげて」
『へっ?』
褒めてあげて。そう言ったイリスちゃんに、ディールちゃんとエストちゃんはぽかんとなる。私達にとっても、それは意外な提案で…ただそれが、何人かの悪戯心に火を点ける。
「ふふ、確かにそうね。凄いわ、二人共」
「うんうん、偉いよ二人共!」
「あ、っと…はい、どうも……」
「称賛されるのは悪い気しないけど…何かちょっと、小さい子を褒める感じの言い方な気がするわね…」
「考え過ぎじゃないッスか?それより褒めるんだったら、勿論撫でるのもセットッスよね?」
「えぇ…?そんなの聞いた事ないし、明らかに別の意図が──」
『確かに』
『確かに!?』
こくり、と頷くセイツと茜……と、私。これは良くない展開だ、と気付いた様子の二人は席を立とうとしたけど…もう遅い。
「まあまあまあまあ、皆感謝してるんだからここは遠慮せずに受け取ってよ」
「そうそう、プリンとなでなでは何でも受け取っておくべきだって、今日の格言コーナーでも言ってたでしょ?」
「いや言ってませんよね…!?絶対嘘ですよね……!?」
「ディールさん、エストさん。こういう時は…受け入れた方が、基本早く終わりますよ」
「ビッキィまでそっち側なの!?ちょっ、こういうのは凄く不服なんだけどぉぉ!?」
がしっ、と後ろから両肩を掴む事で、私とネプテューヌが離脱を阻止。冷や汗を滲ませるディールちゃんとエストちゃんへ、セイツ達が手をわきわきとさせながら近付いていく。そして……
「…ディール、エスト、褒められたくない?…イリスは、間違っていた……?」
「うっ…いや、それは…その……(ちらちら)」
「わ、わたし!?…うぅ…あーもう!好きにしたらッ!」
まさかのディールちゃんに視線で丸投げされた事で、エストちゃんはキレ気味に観念。そして本人からの承諾を得た私達は……思う存分、二人をなでなでするのだった。
「むぅぅ…髪がくしゃくしゃになっちゃったじゃない……」
「…でも割と、皆ほんとに優しく撫でてくれたような気はする……」
「はふぅ…なでなでってさ、撫でられる人じゃなくて、撫でる人も幸せな気持ちになるんだね…イリスも撫でてあげよっか?」
「折角なので、撫でてもらう」
いつの間にか参加していたルナが今度はイリスちゃんを撫でる中、私達はそのルナの発言にうんうんと頷く。参加していなかった面々からは、何やってんだか…みたいな表情や、生暖かい視線を受ける事になったけど…満足度は高いから、気にしない。
(…やっぱり、いいよね。こういうのって)
何か、特別な事をした訳じゃない。ジェラートだって、今の私にとっては食材と時間さえあれば、そこまで苦労せず作る事が出来る。特別な事があるとすれば、皆がいる事…こういう形でまた皆が集まっているって事位で、それだって「折角皆が集まったんだから」…という意識でいた訳じゃない。少なくとも私は、そういうのを意識せずに話していた。話したり、ふざけたりしていた。…それがいいって、私は思う。特別な何かをする、その中で楽しむのも良いし、そういう刺激のない日々はきっと退屈に思ってしまうものだけど…何も特別じゃない、だけど楽しい時間が、ここにはある。
「…嬉しそうね、イリゼ」
「うん、思ったんだ。どこにもない普通、それが素敵なんだ…ってね」
セイツの言葉に、私は軽く肩を竦めてみせる。これは、この賑やかさや温かさは、私にとって特別じゃなくて普通の事。ありふれているもの。だけど…この時間は、ここにしかない。私と皆の時間は、今だけのもの。その瞬間その瞬間にしかない、似ている日々はあっても全く同じ時間は存在しない…だから尊くかけがえのない、私達のひと時。
「ねぇ、皆。ここからの行動はどうする?これまでとは色々状況も違うし、ここは焦らずじっくりと今後の方針について話を……」
出来る事ならこのままこの時間に浸っていたいところだけども、流石に休日じゃないんだからそうもいかない。休息も必要ではあるけど、同時にメリハリも大事。休むにしても、先の事は考えておかなきゃいけない。そう思い、私は皆に話を振る。そして皆も私の意図を汲んでくれた、或いは恐らく同じように思ってくれていたからか、すぐにこっちに視線を向けてくれて……
「じっくり…?オリジンハート様、それは本気で言ってるんですか…?本気でそんな、悠長に構えていても大丈夫だって思ってるんですか…?」
「…エリナ?それは、どういう……」
「皆さんも、そうですよ…!なんでこんな、落ち着いた調子でいるんですか…?なんで、こんな……!」
何を言っているのか分からない。そんな声で、面持ちで、エリナは異を唱えた。私にも、皆にも、動揺混じりの疑問を呈した。
けど…私には、それが分からない。エリナの動揺も、その言葉の意図も。どうやらそれは私だけじゃないようで、皆も困惑の表情を浮かべている。そんな私達の反応を見て、更にエリナは表情を歪め、信じられないという瞳を見せる。そして、エリナは唇を震わせ……言った。
「私達は、あの建物を探索して、地下で謎の存在を…フェニセクトを倒してきたんですよ…?なのにどうして──こうして普通に、ここに戻ってきてるんですか…?なんでそれを、誰も変だと思っていないんですか……?」
何故。どうして。そう、エリナは訴える。語気が強い訳じゃない。だからこそ、本当に動揺しているのだと、理解出来ないのだと伝わってくる。或いは、もしかすると…恐怖しているのかもしれない。エリナから見える『今』は、あまりに異質なのかもしれない。…ああ、そうだ。思えばエリナは、さっきからずっと黙っていた。多分…ずっと、今口にした事を言いたかったんだろう。私達の事が、異様に見えていたんだろう。
でも…私には、分からない。私にも、理解が出来ない。勿論エリナの言葉を、抱いた感覚を疑う訳じゃないけど、私の方こそ何故、と思ってしまう。だって…そうでしょう?確かにエリナの言う通り、私達は発見した建造物に突入、四チームに別れて塔を攻略し、行き着いた先の地下空間でフェニセクトを撃破した。エリナの言う事は、その認識は、何も間違っていない。だけど…それがなんだっていうの?そんなの、そんなの…特筆する事のない、良くも悪くもただ『そういう事があった』というだけの……
…………本当に?本当に、ただそれだけの事?特筆する事がない、って──あれだけの事が、あったのに?
「あ、あれ…おかしいな、私…いや、だって、そんな……」
確かに私の記憶にはある。エリナの言った通りの出来事を、私も経験してるし覚えている。でもそれは、おかしい事なんてない筈で…だから今、私達はここに、普通に、いて……。
(…いや、違う……)
じわじわと、自分の中の奥底から湧き上がってくる。自分の考えに、自分の意識に…自分の
そして、違和感は実感に、確信に変わっていく。変貌していく。抱いた違和感は、自分の認識に対するものから──今ここに、当たり前のようにいる事そのものへの動揺へと塗り変わる。
「……っ…そうよ、わたしは…なんで……」
私だけじゃない。セイツも、皆も、自分達のおかしさに気付く。 変だと、明らかにおかしいと、正しく気付いて……だからこそ、戦慄する。こんなにもおかしい状況を、当たり前として受け入れていた事に。そう、思ってしまっていた事に。
「…これは、想定外だな…まさかこうまで、全く以っておかしいと認識する事が出来なかったとは……」
「ちょ、ちょっと待って。それじゃあ…これも、時間が分からないのと同じような状態だった、って事……?」
「…かも、しれないわ。正直まだ現状を飲み込むのに精一杯で、全然頭が働かないけど……」
口元に手を当てて、ズェピア君が呟く。あのズェピア君すら、これには動揺を感じ得ず…ルナが見回しながら、皆へと問う。自信なさ気に、イヴが答える。
今イヴが言った通り、皆現状を飲み込むので手一杯だった。認識が歪んでいた事に気付けて良かったとか、他にも何かおかしい事があるんじゃないかとか、そういう事まではまだ思考が回らない。意識を向けようとしても、まるで思考が滑るように続かない。
「…ねぇ…これってまさか、建造物の中を探索した事も、フェニセクトとの戦闘も、全部夢とか幻覚だったとか、そういう事はない…わよね……?」
「…それは、ないかと思います。少なくとも、戦闘があった事は間違いありません」
「なんで…って、あ……」
首を横に振り、確信がある様子で答えたワイト君。疑問を口にしたエストちゃんは、それに言葉を返そうとし…目を丸くする。それを聞きながら、私も思い出す。建造物からこの施設へと戻る最中、一番苦労したのはワイト君のアームズ・シェルの運搬だった事に。
戦闘で大きく損傷したアームズ・シェルは、自力での移動は出来る出来ない以前に見てる私達が不安過ぎる状態だった。その機体は今、まだ損傷した状態のまま外にある。それがある以上、夢や幻覚じゃない事は間違いない。
…うん。そうだ。不安だと思った事も、その時のやり取りも、私は覚えてる。本当に、全部ちゃんと覚えているのに、エリナに言われるまで何でもない事かのように認識していたんだから……ゾッとする。
「…って、あれ…?…待って、どうしてエリナは…エリナだけは、おかしいって思えていたの……?」
「言われてみると、確かに…りなちゃんって、特別記憶力が良かったり、そーゆー系の能力を持ってたりするの?」
「いや、そんな事は…。…それに、私も最初からおかしいと思っていた訳じゃないの。最初は違和感があっただけで、でも段々とおかしいと思えるようになっていったっていうか……」
「…つまり、エリナさんもわたし達よりはマシな状態だったってだけで、全く影響を受けていない訳じゃなかった…って事ですか…?」
恐らくはそうだと、私はディールちゃんに頷く。そこからも私達は、ぽつりぽつりと疑問や気になる事を口にしては、誰かが分かる範囲で、或いは予想で答える。多分誰も意図した事ではないけども、そうして今の状況を思い付く度に見直し、確認し、噛み砕く事で、少しずつ現状を受け入れていく。ゆっくりとだけど、現状を把握した上での思考が出来るようになっていく。
「…状況を、整理しましょうか。まず、私達は全員、今に至るまでに何をしてきたのか…どんな行動や戦いがあったのかを、結果含めて覚えている…そうですよね?」
「うん、それで良い…と思う。最後は擬似台風…で倒して、それから僕達は戻った…そうでしょ?」
「わたしも同じように記憶してます、ピーシェ様。階段を引き返して、上がってみたら閉じたままだった扉も開いていて、外に出る事が出来た…けど……」
「その時のウチ等は、こう考えていた筈…ッスよね?ボスっぽい存在を倒したのに何も起こらない、これは一体どういう事かと。で、外で何か変化が起きてるんじゃないかと思って、建造物から出た…確かにそうだった筈なんスけど、ねぇ……」
腕を組み、アイは首を傾げる。その疑問、言いたい事は分かる。こうして思い返せばその時の私達は正常な、当然の思考をしていた訳だし、その時の認識は正しいものだった筈なのに…いつの間に、どの段階で、認識が歪んでしまったのか…それが、分からない。
「…恐らく、それについて考えても仕方がないんだろうな。これまでの認識への干渉と同じように、今回も『そういうもの』なんだろう。だから考えるべきは『どうして』ではなく『どうするか』だ」
「どうするか…つまりは、これからの事よね。結果的には、イリゼが話そうとしていたのと同じような事だけど」
言いながら、セイツが私の方を見てくる。私はそれに、頷いて返す。…尤も、さっきと今とじゃ、全く意識も心境も違う訳だけど。
「どうもこうも、やる事は一つでしょ?本当に何も起こっていないのか、それを調べる為の行動を再開する…それ以外にある?」
「エストの言う通りね。でも、その行動中にまた認識がおかしくなって、さっきまでと同じ状態になる可能性は?」
「そうなっても、エリナちゃんがまた気付かせてくれればOKじゃない?大丈夫、うちのエリナちゃんを信じて!」
「む?ウチのエリナちゃんという事はつまり、ウチのエリナちゃんッスよ?」
「いやあの、パープルハート様…それはプレッシャーがあるというか…ローズハート様もややこしいので変な事は言わないで下さい……」
もしもに言及したイヴに対し、ネプテューヌが答える…けど、そこから一旦変な流れに。ただその流れは、エリナの本当に困った感じの反応によって修正される。…うん、まあ…うん。それはそうだよね。本当に軌道修正したいなら、マジトーンで言うのが適切であって、叫びながら突っ込むなんてある意味脱線に乗っかってるようなものだもんね…分かってる、分かってはいるよ…?
「ネプテューヌ様の言う事は一理あります…が、エリナさんが気付いた、気付けた理由が定かでない以上、確実とは言えませんね。先程ディール様も言いましたが、エリナさんも全く影響を受けていない訳でもないようですし」
「それもそうだし、何をどう調べるか…って話でもあるんじゃないかな。またえー君とワイトさんに、空からぐるっと見てもらう?」
「機体を修理するまで、ワイトは無理だな。俺はまあ、構わないが」
言うが早いか、影君は外へ行って飛び立つ。建造物を出た時点で、私達の格好は元に戻っていて、影君達も装備を纏えるようになっていた。
その影君を待つ間、何気なく私が食器の片付けをしていたら、何名かから「相変わらずのお母さん…」という目で見られた。そういう目で見るなら、もうデザート作ってあげないよ?…と言おうとしたけど、そんな事を言ったらそれこそお母さん感が出そうだったから、止めた。
「戻ったぞ。端的に言えば、特に気になる事はなかったな」
「じゃあ、また片っ端から探すしかないって事…?」
そうかもしれない…とルナの言葉に思いつつも、私は肯定するのを躊躇う。そうなるとまた、長い道のりになるから。完全なゼロから、最初の取り組みとして一つ一つ調べていくのと、ある程度事が進んで、いよいよ大詰め…みたいな事があった上で、また一から調べ直し…ってなるのとじゃ、感覚として全く違う。そして皆も同じように思ったのか、恐らくはそうなんだけど…というような雰囲気が流れ……そんな中で、ビッキィが静かに声を上げる。
「…もう一度、あの場所を調べてみるのはどうでしょう?」
「もう一度…調べ直し、って事?」
「はい。今思うと、戦闘後の疲労もあって撃破後は大して調べてなかったような気がしますし、戦闘前もじっくり調べてはいませんでしたよね?」
「ふむ、確かにまだ来ていない面々はいつ来るか、そもそもこれは四ヶ所同時に攻略する必要あったのか…という事ばかりに意識が向いていたのは事実だね。確かにビッキィ君の言う通り、調べ直す価値はあるかもしれない」
私が訊き返せば、ビッキィは続けた。あの地下施設を調べる…これは、いいかもしれない。闇雲に全体を探すより遥かに楽だし、可能性もありそうな気がする。気がする、で決めてしまうのは少し軽率だけど…あくまで最初に調べてみる、調べ直しの第一歩としては、最適だと思う。
「わたしもそれに賛成よ。ぐるっと見回しても特に何もなかった訳だし、もう一度行ってみない?」
「ウチも賛成ッス。あんな格好までして調べた場所が、結論ただ変わった場所だっただけでしたーなんて、なんか釈然としないッスし」
初めにエストちゃんが、続いてアイが調べ直しに賛成。そこ以外は調べないって話でもないからか、異論や反対意見は出る事がなく…まずはもう一度地下空間へ行ってみよう。そう、話は決まる。
「調べ直しかぁ…ビッキィ今回は冴えてるね!もしかして、噂の本気モード?」
「そんな噂初めて聞いたんですけど…。…忍者は諜報も仕事の内、だから調べるという事に関しては少しだけ慣れてるんです。…まあ、わたしは別に忍者って訳じゃないですけど」
「忍術を使うのに、忍者じゃない?…あ、でも、ロムとラムは、魔法を使うけど魔法使いじゃない…納得した。これは良い気付き。ありがとう、ビッキィ」
「…え、っと…なんでわたしは今、感謝されたの……?」
ゆっくりと首を傾げるビッキィに、私達は苦笑をする。まぁ、イリスちゃんの言う通り、イリスちゃん的には納得して、プラスになったから、感謝をしたんだと思う。多分だけど。
「それじゃあ、あそこにもう一度突入、だね。けど、念の為ちゃんと休んでからの方がいいかな?」
「その方がいいと思います、茜さん。怪我はわたし達が魔法で治したとはいえ、疲労までは回復させられませんし、もし何かあったら大変ですから。…いや、今の状況的にはむしろ何かあってほしいですけど……」
再調査前に休息を。それもまた、重要な事。だから今日は休み、また明日調査に行こうという事になって、解散となる。
色々気になる。地下空間には本当に何もないのか、それとも何か見落としているものがあったのか、もし本当にないならそもそもあの建造物は何だったのか…気になる事ばかりだけど、焦りは禁物。私が、誰か一人が突っ走っても意味がないし、何か見つけられた時はすぐにそれを深く調査する為にも、今は休むべき。…そんな風に思う中、ふと聞こえたのは…エリナの声だった。
「…本当に…どうして、私だけ……」
それは、誰にも分からなかった事。理由の予想すら出来なかった事象。内容的にはプラスの、歩みが止まりそうになっていた私達を助けてくれた事だったけど……分かる。良いとか、悪いとか、そういう事じゃないんだって。
「…あのさ、エリナ。全く根拠のない事、言ってもいい?」
「へ?…いい、ですけど……」
「ありがと。じゃあ…明日の調査で、これからまた調べていく中で、エリナがおかしいって気付けた理由が分かるかもしれない。或いは意外なところで、意外な形であっさり答えが出てくるかもしれない。だから…大丈夫だよ、きっと」
私は思い出していた。自分がまだ記憶喪失だと思っていた頃を、自分は何者なのかを追い求めていた頃を。それとこれとは色々違うけど、自分についてどうしても分からない事があって、でもきっとそれは大きな事で…ってなった時の気持ちなら分かる。だから、言った。伝える事で、ほんのちょっぴりでもエリナの気持ちが楽になればいいなと思って。
それを聞いたエリナは、目を丸くして沈黙する。そして、その沈黙の末…少し表情を緩めて、言った。
「…ありがとうございます、オリジンハート様。お気遣い、嬉しいです」
「それなら良かった。ほんとに根拠のない事だけど、それでも少しは違うものでしょ?」
「そうですね。でも…別に私、気に病んでいた訳じゃないですよ?」
「え?」
思っていたのと違う言葉を返され、私は一瞬ぽかんとなる。それからエリナをよく見て…気付く。確かにその表情に、憂いはない事に。
(つまり…単に、深く考えてただけだって事……?)
静かで、ともすれば落ち込んでいたようにも聞こえたエリナの声。けど実際には、私の勘違いだったようで……恥ずかしさから、じわじわと顔が赤くなる。それを、頬に感じる熱で察した私だった。
*
今日は休んで、明日また調査…って事になった。イリゼ達みたいに、いつものように戦えない人達も多い中での戦いだったんだから、皆疲れてるだろうし、僕もその方がいいよねって思った。
でも、僕は…多分僕が、一番疲れてない。全然疲れてない訳じゃないけど、僕は皆と違って直接戦ってた訳じゃないから、まだ「疲れたぁ……」って感じがなくて…今は砂浜を、ゆっくり散歩しているところ。
「フェニセクトって、なんだったんだろう…やっぱり、炎で虫…?でもそれなら、なんで炎と虫……?」
まるでRPGのボスみたいな感じに現れたフェニセクトと、タイプ的な意味で似ているポケモンはいる。…けど、流石に関係ないと思う。だからそれより気になるのは、どうしてあの時現れたのか、フェニセクトはどういう存在なのかで…それも今は分からない。だけど地下空間を調べたら、何か分かるのかもしれない。
「うーん…あ、そうだ。ここなら静かだし、周りに誰もいないし……」
考えても何も分からないなら、このままうんうん唸ってても仕方ないかなぁ…と思った僕は、代わりにある事を思い付く。そしてボールに手を伸ばし……たところで、何か重い物が落ちるような音が聞こえてきた。
なんだろうと思って、僕はそっちに向かう。念の為ゆっくり、出来るだけ足音を立てないように近付いていって…気付く。
「……あれ?皆、何してるの?」
「あ、愛月」
音の発生源…だと思う場所。そこにはイリスちゃん、茜さん、イヴさんがいた。その三人と、ワイトさんのロボットがあった。
「愛月、今の『あ』は愛月に気付いたからの『あ』で、愛月の『あ』ではない」
「そ、そうなんだ。えっと、皆さんは何を…って、うん?」
何をしてるのか聞こうとした僕は、もう一つ気付く。もう暗くて最初は分からなかったけど、ワイトさんのロボットが、なんだかスリムになっている事に。一瞬「もしかして、フォルムチェンジ…?」…と思ったけど、違う。
「…装甲が、なくなってる?」
「えぇ。フェニセクトとの戦いで、大分損傷したでしょ?だから修理の為に、装甲を外したのよ。…まあ、普通ならこれはもう廃棄レベルだけどね」
「…申し訳ない」
よくここまでやったものね、とイヴさんが肩を竦めていると、上から声が聞こえてくる。それはワイトさんで、ワイトさんはコックピットから降りてきた。
「そんなに酷い状態…なんですか?」
「そーだよ。装甲は勿論ボロボロだけど、中もけっこー酷くてね。でも…こんな酷いのに、崩れ落ちてないのは凄いと思わない?」
「それは…そうね。ワイトのダメージコントロールは見事だとしか言いようがないわ」
「そっかぁ…機械の事はよく分からないけど、ワイトさんは凄いんだね。…えっと…それで、直りそうなんです…?」
外も中も酷いなら、直せないんじゃないのかな。そう思った僕だけど、イヴさんは呆れ気味に小さく笑う。そうして、直すしかないのよ、って言う。
「さてと。じゃあ、私も始めるとするわ。やれるだけの事はやるけど、元通りに…なんて事は期待しないでくれるかしら」
「勿論。最低限動くようにさえなれば、後はその状態で出来るだけの事をさせてもらうよ」
「よーし、がんばろーねゆりちゃん!」
「……?茜さんも、機械に詳しいんですか?後、私『も』って……」
「ふふ、実はそーなんだ。で、ゆりちゃんが言った『も』っていうのは……」
僕が首を傾げて、茜さんが答えてくれていると、今度は足音が聞こえてくる。二つの足音が聞こえてきて…次に聞こえたのは、二つの声。
「ワイトさん、一つ直してみました」
「ちょっと色が変わっちゃったけど、強度的には問題ない筈よ」
「おお、ほんとにカチカチ。ボロボロが、カチカチになった」
やってきたのは、ディールさんとエストさん。二人が持ってきたのは、ロボットの装甲。姿が見えると、すぐにイリスちゃんが走っていって、装甲をぺたぺたと触る。僕も見せてもらって…わっ、ほんとだ。戦いの後は溶けてたり今にも砕けそうになってた筈の装甲が、薄っすら茶色いけど綺麗に直ってる…。
「見せて見せて〜。…うん、確かにだいじょーぶそうだね。もう直せちゃったなんて、二人ともやるぅ!」
「トーゼンよ。わたし達を誰だと思っているのかしら?」
「エストとディール」
「あ、うん、それはそうなんだけど……」
「はは……これで大丈夫なら、同じ要領で直していきますね。明日までに、どれだけ直せるかは分かりませんけど……」
「お二人にも、ご迷惑をおかけします……」
さっきイヴさんが『も』って言ったのは、二人が装甲を直してたから。そして二人が直してたって事は…多分、錬金術による修復。ほんとに二人の錬金は凄いなぁ…と思っていると、二人は近くにあった砂浜の岩へと歩いていって…それを魔法で粉々に砕く。
「えぇ!?な、何を!?」
「装甲を修復する上で、岩と砂…正確に言えば、その中の砂鉄を一緒に錬金してるのよ。イメージとしては、某錆び付いちゃってる剣を元に戻す感じね」
「それをその辺の岩と砂で出来るって、我ながら謎だよね…。…あ、そうだ。愛月さん、フロストとファングに手伝ってもらう事って出来ますか?」
「手伝う?…あ、そっか。いいよ!」
そういう事か、と僕は手を叩き、フロストとファングに出てきてもらう。先ずはファングに岩砕きをしてもらって、それをフロストと一緒に運んでもらう。僕も付いていこうかな、と思ったけど、フロスト達はあのプールの空間でディールさんと協力してから仲良くなったみたいで、僕がいなくても大丈夫な感じだった。
「最初はここかな。よいしょ、っと」
「見るだけで何でも分かるのは、本当に便利ね。けど、サイズの合う工具がないからこの姿で分解…なんて初めての経験だわ」
「工具というのは、これ?…これなら、出来る?」
「わっ、すーちゃんの手がでっかい工具に…でも、工具は回したり捩じ込んだりするのに使うんだよ?だからすーちゃんの手でやったら、凄く痛くなっちゃうんじゃないかな」
「痛くなる?…それは嫌……」
「大丈夫、作業は私達でやれるわ。だからイリスは、愛月と一緒に私達を見てて。ほら、小さいパーツが落ちちゃった時とか大変でしょ?」
「小さいパーツ…分かった。その時は、愛月と探す」
こくん、と頷いたイリスちゃん。二人からは、イリスちゃんを頼むね、という視線が送られてきて、僕もそれに頷いて返す。確かにイリスちゃんって好奇心旺盛だし、危ないものに触っちゃうかもしれないから、作業中はちゃんと見ていてあげないとだよね。
「ところで、イリスちゃんはどうしてここに?最初から手伝うつもりだったの?」
「イリス、中を見てみたかった」
「中?…あー、そういえばそうだったね」
言われて僕は、前にイリスちゃんが中を見ようとして装甲の隙間へ顔をくっ付けていた事を思い出す。でもそうなると、ほんとに危ない事をしないか気を付けておいてあげなきゃ…。
「んーと、これは…ワイトさん、ここの辺りの図面ってあったりする?」
「すみません、流石に内部構造の図面までは……」
「そっかぁ…ゆりちゃん、これってどういう意図の作りだと思う?」
「……?…あぁ、そうか。構造は分かっても、どういう考えでそうしたかは見たところで…って話よね。…これは……」
じぃっ、と茜さんとイヴさんがロボットのお腹辺りの部位を見つめる。コックピットから降りたワイトさんは、僕達と同じように見上げていて……
「…あの、ワイトさん。もしかして、火傷か何かしてたんです…?」
「…うん?どうしてかな、愛月くん」
「いや、その…いつもより、表情が暗いような気がして……」
暗いというか、硬いというか…その、ちょっと怖いというか。そういう感じの顔を、ワイトさんはしていた。そして、僕の言葉を聞いたワイトさんは、目を丸くして……それから困ったような顔で笑う。
「…どうやら、表情に出てしまったみたいだね。けど別に、怪我をしたという訳ではないよ」
「それじゃあ、どうして……」
「…不甲斐なさ、かな。茜さんやディール様が言っていたように、本来なら休むべきで、皆疲れているだろうし休んでほしい。けど、私一人では直す事が出来ない。そして機体がなければ、私が女神様達の力になる事は難しい。だから…頼るしかないんだ、私は」
話してくれたワイトさんは、それから「こんな話をしてすまないね」と言う。僕はそれに、ふるふると首を横に振る。
それは…その気持ちは、よく分かった。だって、僕も同じだから。僕も直接戦うのはポケモンの皆で、その皆がバトルで体力を消耗してたりすると、戦えなくなるから。でも、違いもある。僕は傷薬とか木の実とかで皆を回復させる事が出来るけど、ワイトさんはそうじゃない。修理する能力があっても、一人で直すってなったら凄く時間が掛かっちゃうから、結局誰かに協力してもらわなくちゃいけない…っていうのは、僕にだって理解出来る。だから多分、僕が分かる以上に…ワイトさんは、苦しい気持ちなんだと思う。……でも。
「…ワイトさん。多分だけど、もしワイトさんが悪い人だったら、こうやって皆が直すのを手伝ってはくれないんじゃないかな…って思います。ポケモンだったら、嫌なトレーナーの為に戦ってくれたり、力を貸してくれたりはしない…ですから」
「愛月くん……」
「それに僕、もしああいう作戦をするから…って言われたら、一緒に謝ります!だってあれ、僕とワイトさんの作戦だったし!」
ぐっ、と顔の斜め前で両手を握る。あの作戦…ワイトさんが押し込んで、ファングが最後に決めるっていうのは、僕とワイトさんで考えた動き。その結果ワイトさんのロボットがボロボロになって、直さなきゃってなったんだから、僕だって悪い。悪いのは、ワイトさんだけじゃない。その思いを、僕は伝えて…気付けばワイトさんは、また目を丸くしていた。驚いたような顔になって……それからまた、笑う。けど、今度は困った感じじゃない。さっきよりも…柔らかい。
「…君はきっと、良い大人になるよ、愛月くん」
「え?…そ、そうかな…?」
「そうさ。頼りになる、良い大人にね」
いつもしっかりしてて、大人だなぁ…と思うワイトさんからの言葉。それは凄く嬉しくて…だけどなんだか、照れ臭かった。
「愛月、愛月」
「どうしたの、イリスちゃん」
「ディールとエスト達、ポケモンじゃない」
「へっ?……あはは、そうだね」
「……?愛月、何か面白い事あった…?」
それはそうだね、と思わず僕が笑ってしまうと、イリスちゃんは首を傾げる。気付けばワイトさんもまた笑っていて…イリスちゃんの首は、更に傾いた。
…でも、ちょっと助かったかも。だってイリスちゃんの言葉がなければ、僕照れ臭くて何を話せばいいか分からなかったし……。
「そうか。最後のアレはやはり、狙った上での行動だったんだな」
「おわっ!?え、影さんいつの間に…!?」
と、思っている中、またいきなり聞こえた声。しかも今度は後ろから聞こえて、僕はぎょっとした。
「おっと、悪い。少し前から声を掛けるタイミングを図っていたんだが…逆効果だったか」
「イリスも驚いた。全然足音しなかった」
「癖になってるんだ、音殺して動くのがな。…と、いうのは冗談だが…俺も俺で、その表情で驚いたと言われて少し驚いているよ」
確かに全然驚いてる感じのないイリスちゃんに、影さんは小さく肩を竦める。もうイリスちゃんの無表情にも慣れたけど…やっぱりちょっと不思議だよね。
「影くん…それに茜さんやイヴさんも、申し訳なかった。説明する余裕がなかったとはいえ、最後の愛月くんとの連結の話をしていなくて」
「んぇ?あ、そうだったの?そっかぁ…でも、結果オーライってやつだよね?」
「まぁ、確かにそうね。女神の皆は、だとしてもあんな危険な真似は…って言うかもしれないけど、あの行動は妥当なものだったと思うわ。それに、二人で話をしていたのなら、無策で突っ込んだって訳でもないんだし」
「…そう言ってもらえると、助かるよ」
そんなに気にしていない様子の茜さんとイヴさん。その二人…っていうか皆に向けて、ワイトさんは小さく頭を下げた。…多分、イリゼ達も怒る事はないんじゃないかな。
「さて、それよりもワイト。この機体について話がある」
「あれ、もしかして影さんも修理を?」
「修理というか、その後に関して…だな。この機体…そういえば、機体の名前は……」
「ああ、そういえば言っていなかったね。──レイドッグス局地戦テスト仕様、コードネーム『ドリフティングスノー』…それがこの機体の名前さ」
そうしてワイトさんと影さんは話し始める。それは専門用語…っていうのかな?そういう難しい言葉がどんどん出てくる話で、僕には全然理解出来なかった。でも多分、大事な話だったんだと思う。
暫く見ていた僕だけど、その内眠くなってきて、イリスちゃんも眠そうだったから、僕達は先に戻る事にした。こういう時に何とか起きてようとしても、結局寝ちゃってワイトさん達に運んでもらう…みたいな事になるって分かってるから。そして勿論、ワイトさん達はその後も作業をしていて…だけど次の日、僕より寝るのがずっと遅かった筈の皆は、(元から寝起きが悪い影さん以外)全然眠そうな感じじゃなくてシャキッとしていた。…ちょっと前も思ったけど、本当に大人って凄い。でも大人だって、僕みたいな子供だった時もある筈なんだから…僕も、頑張ろう。ワイトさんが言ってくれたような、良い大人になれるように。
今回のパロディ解説
・「〜〜なっ!何をするだァーッ!〜〜」
ジョジョの奇妙な冒険 ファントム・ブラッドの主人公、ジョナサン・ジョースターの名台詞(誤植)の一つのパロディ。誤植の結果、違う意味や伝わり方になるって面白い偶然ですよね。
・「〜〜今日の格言コーナー〜〜」
イナズマイレブンシリーズのアニメにおける、各話ラストのコーナーの事。これに似たようなコーナーが、メガトン級ムサシのアニメでもありましたね。
・「〜〜わたし達を誰だと思っているのかしら?」
天元突破グレンラガンの主人公、シモンの代名詞的な台詞の一つのパロディ。このネタはこれまでにも複数回使っていますね。とにかく使い勝手が良いんです。
・「〜〜某錆び付いちゃってる剣〜〜」
ドラクエシリーズに登場する武器の一つのパロディ。錬金含めてのネタです。因みにドラクエには、これとは別に『錆びた剣(つるぎ)』っていうのもあるんですよね。
・「癖になってるんだ、音殺して動くのがな〜〜」
HUNTER×HUNTERに登場するキャラの一人、キルア=ゾディアックの代名詞的な台詞の一つのパロディ。この台詞、音を消して歩くのが…みたいな感じに間違って認識してる人は結構いる気がします。