超次元ゲイムネプテューヌ Origins Transition   作:シモツキ

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第三話 相応しい装い

 小さく、不安定で不完全。それ故に不明瞭で、未知数で…だから危険なこの次元に、皆は留まる選択をした。それが現状の最善策ではあるけれど、きっと皆単に最善だからというだけじゃなく、今ここで起こっている、これから起こり得る事を自分事として、誰かに任せるんじゃなく自分達でやれる事をと思ってくれたからこそ、その選択をしてくれたんだと思う。それから、もう一つ…自分達なら、皆とならって気持ちも、あったと思う。勿論、そういう気持ちだけじゃなくて、そこにそれぞれの考えだったり、思うところだったりがあった上での選択だろうけど…そう思ってくれる、だから手を貸してくれる皆だって、私は知ってるんだから。

 これから何があるか分からない。何か起こっても、私達だけで乗り越えなきゃいけない。でも、私達なら、皆でなら、きっと大丈夫。私は、そう思える。だって、皆とはこれまでも苦難困難を乗り越えてきたし……色んな意味で、結構な戦力が揃ってるしね!

 

「こほん。それじゃあ皆、まずは次にやるべき事を確認しなきゃね!」

 

 全員の意思を確かめ、選択を決め、それをイストワールさん達に伝えた。今出来る、可能な限りの情報共有と確認を行い、やれる限りの事を全て済ませた上で、この次元の封鎖をしてもらった。イストワールさんがコンタクトを取れる相手に限られるけど、各次元や世界にこっちの事情も伝えてもらう事になった。今はもう、この次元は他の次元や世界と隔絶され、次元の扉が開かないのは勿論、連絡も通じない。

 そして、私達料理をしていたメンバーもエリナに自己紹介をした後取り敢えず食べ掛けの冷やし中華と炒め物を食べきって、片付けて(もらって)、全員また食堂エリアに来たところで、茜が咳払いと共に声を上げた。その言葉で皆の視線を集め、そこから教師の様に「はい、えー君!」と影君へと振る。

 

「やるべき事…まずはこの次元を閉じた事による影響が何か生じているかどうかの確認だな」

「うん、それもひつよーだよね。だけど違うよえー君」

「違う?…あぁ、影響関係なく、この次元の調査を進める…って事?まだ見て回った範囲は一部に過ぎないし」

「それも違うよ、ゆりちゃん。後でやらなきゃいけないとは思うけどね」

「ふっ、分かっていませんね皆さん。こういう時まず必要なのは、食料の確保です。休む場所と食べる物、それを確保しない限りは調査も確認もままならない──」

「ごめんねきぃちゃん、自信満々なところ悪いけど、それもふせーかいだよ」

 

 各々考えを口にした三人だけど、ものの見事に全員空振り。影君とイヴはけろっとしてたけど、ほんと自信満々だったビッキィは空振った事でかぁっと恥ずかしそうに顔を染める。まぁそれはともかく、そのどれも違う?と茜の返答に皆は首を傾げ、ならばなんだろうかと茜を見つめる。

 皆からの視線を受けて、軽く肩を竦める茜。そうして茜は小さく息を吐き、更に問う。

 

「皆、ここって暑いでしょ?いつもの調子で動いてたら汗びっしょりになっちゃうし、体力も消耗するよね?」

「その通りです。全面的に同意します」

「あ、うん、食い気味の同意ありがとうディールちゃん…。…それにここって、どう見ても島で、砂浜になってる場所も広いよね?今後水上や水中で何かする事も考えられる…そうでしょ?」

「ええ、その通りですね。丁度今回の機体は水中での運用も想定してますので、調査をするのであれば、この島周辺も視野に入れた方が良いかと」

 

 深く頷いたワイト君に、茜は頷いて返す。そして皆を見回した茜は一拍置き…満を持して、言った。

 

「つまり、私達は着替えるひつよーがあるんだよ。この次元に相応しい格好…つまり、水着にねっ!」

『……はい?』

 

 話された答えが生み出したのは、皆のぽかんとした表情。…いや、まあ…言いたい事は分かる。ほんと暑いし、水の中に入るなら服の問題があるし、そういう意味で水着に着替えるっていうのは一理ある選択。…では、あるんだけど……

 

「…そんな、重要事項みたいに言う事かな……?」

「んもう、分かってないなぁぜーちゃん。これは……」

「愛しのえー君へ自然に水着姿を見せるチャンスって事ッスね?」

「さっすがシノちゃん!ふふん、そのとーりだよ!」

「あ、マジでそうだったんッスね…冗談半分で言ったつもりだったんスけど……」

 

 屈託のない笑みを浮かべる茜。結果、茜の思考の中にあったのは、純度100%の煩悩だった。…うちの茜がすまん、そんな表情を影君はしていた。

 

「水着ねぇ…ディーちゃんじゃないけど、わたしは賛成よ?ほんと暑いし、わたしも暑いのは苦手だし」

「ディールとエストが賛成なら、イリスも賛成。…ところで、水着とは?」

「あ、そこからなんだ…自分も賛成かなー。だってほら、状況はともかく場所的にはほんと南国バカンスって感じでしょ?夏イベに孤島とくれば、水着verを出さない訳にはいかないものだよ!」

「ええぇ…?ネプテューヌはどういう視点でそれを言ってるの…?特に夏イベって…。…でも、私も良いと思う。皆、着よう、水着」

「……はっ。茜の心に見惚れちゃってたけど…こほん、わたしも水着に賛成するわ。だってその方が…うん、絶対良い。絶対良いわ…!」

 

 提案者はがっつり私情で言っていた訳だけど、エストちゃんにイリスちゃん、ネプテューヌにルナにセイツと意外と水着への賛成者は多い(最後の二人、特にセイツは茜同様私情が強いような気もするけど)。というか、かくいう私も強く推すつもりはないだけで、賛成か反対かでいえば賛成。

 

「水着…まあ別に着るのはいいですけど、どうやって用意するんです?もうこの次元は閉じられてるんですよね?」

「それであれば、奥の倉庫に浮き輪やビーチパラソル、サーフボード等と共に、水着も色々と置いてあったよ。茜君も、それを見つけて提案したのではないかな?」

「…なんというか…本当に不思議な場所ね。やっぱりここには誰か…というか、普通に社会が存在してるんじゃないかしら」

 

 怪訝な顔をし考えを口にするエリナに、私達も小さく頷く。この施設に関しては、不安定な次元故にあり得ないものが存在している…って事なんじゃないかって話は出てきたけど、実際のところよく分からない。そうなのかもしれないし、エリナの言う通り、実は人の営みがある…ってだけかもしれない。それを確かめる為にも、この島の、次元の調査は必要になる。

 

「えっと…それじゃあ、水着に着替えればいいのかな?水着、着るの久し振りだな〜」

「そうそう、皆で水着に着替えよー!」

『お、おー』

 

 のんびりした様子で言う愛月君に首肯をし、茜は音頭を取るように拳を突き上げる。テンション高いなぁと思いつつも私達はそれに応じて…水着があるという、奥の倉庫へ。

 

「確かに色々とありますね。男性用は…こっちか」

「我々が同じ場所で着替える訳にはいかないね。めぼしい物を幾つか見繕って、私達は別の場所で着替えるとしようか」

「そうしてもらえると助かるッス。…絶対に覗かないで下さいッスよ…?」

「……?イリス、それ読んだ事がある。アイは今からはたを織る…?」

「いや普通に着替えをするだけだよ…?アイさんは多分、そういう指摘…っていうか、突っ込みを期待して言ったんだろうけど……」

 

 そッスそッス、とディールちゃんの発言にアイが満足する中、男性陣は水着を見ていき、羽織るものなんかも選んで倉庫を出ていく。

 

「しかしまあ、本当に色々あるわね…愛月じゃないけど、私も着るのは久し振りかも……」

「それならエリナ、私と一緒に選ばない?因みに私は…少し前だけど、神生オデッセフィアで大規模な水着イベントをやったなぁ…あの時は女神の姿で着たんだっけ…」

「女神の姿で、大規模な水着イベント…?…何をやってるんですか貴女は…神生オデッセフィアの舵取りは大丈夫ですか…?」

「ふっ、違うわよピーシェ。会場は神生オデッセフィアでも、イベントそのものは五ヶ国共同での運営だもの」

 

 腰に手を当ててセイツが発した返答に、余計に訳が分からない…とばかりの顔をするピーシェ。まあ、アレは事の発端が発端だから、事情を知らなければそういう反応をするのも仕方ないよね。

 

「そ、それはまた愉快な…?…イベントですね…。…そういえば、オリジンハート様の女神としての姿は……」

「うん、見せてあげる…と言いたいところだけど、今はシェアエナジーを節約しておきたいし、また今度の機会でもいいかな?それとも、写真で見る?」

「あ、では別の機会に。それよりも…水着選び、私とでいいんですか?」

「勿論。こうしてあったのも何かの縁…いや、何かっていうかカイト君絡みの縁だけど…とにかく折角知り合えたんだから、私はエリナと仲良くなりたいなって思ったんだ」

「…それは、その…そういう事、面と向かって言われると、ちょっと気恥ずかしいですね……」

「うっ…そういう事言われるとこっちも恥ずかしくなってくるというか…と、とにかく水着選ぼう水着…!」

 

 言った時点では恥ずかしくも何ともなかったのに、相手の反応で恥ずかしくなってしまうのはよくある事。それを誤魔化すように私が水着の掛かっているハンガーラックの一つへと駆け寄れば、エリナも後から着いてきて…水着選びスタート。

 

(うーん…前に水着を着た時の話が出たし、あの時の水着に近いやつを選ぼうかな。あんな感じのを、こっちの姿で着たら似合うかどうかも気になるし)

 

 ラックの水着を物色しつつ、あの時の事を思い出す。途中ちらりと横を見れば、エリナも水着選びに集中していた。まだエリナの人となりを把握しきれてない(出会ったばかりなんだから当たり前だけど)私だけど、こうして見る限り、水着…というか服選びにおいては、エリナは普通の女の子って感じ。

 

「どんな水着にしよっかなぁ…ビッキィはどうする?危ない感じの水着?」

「い、いや着ませんよそんなの。普通の水着を選びます…」

「…でも、アレってよく考えたら、そこまで危なくはないような気も……」

「まあ、他の面々が鎧とかローブとか着てる中で一人だけ水着だったら、色んな意味で危ないって事じゃない?」

 

 当然皆も水着を選んでいて、聞こえてきたのはセイツ、ネプテューヌ、ピーシェ、ビッキィによる四人のやり取り。その最中、ちらりとこちらを向いたセイツと目が合って…セイツは一つウインクをした。多分これは、エリナの事は任せたっていうメッセージ。うん、そうだよね。あまり皆で声掛けたら逆に「気を遣わせちゃってる…」ってエリナに思わせてちゃうだろうし。

 と、思っていたら、今度はディールちゃん、エストちゃん、イリスちゃんのやり取りも聞こえてくる。

 

「水着…どれも布地が少ない…何故?費用削減?」

「いやいや…水着っていうのは、その名の通り水場で活動したり水の中に入ったりする時の為の服なのよ。だからほら、素材も動き易さ重視になってるし、布地が少ない分涼しく過ごせるでしょ?…まぁ、涼しさを得る為に水着を着る人はあんまりいないと思うけど」

「成る程。理解した。けれどそれなら、イリスは提案がある」

『提案?』

「そういう事なら、何も着ないのが一番。これは名案。イリス、早速脱いで……」

「ちょっ、待った待ったイリスちゃん!それは色々問題だから!それだとヌーディストビーチになっちゃうからね!?」

「いやそこでヌーディストビーチってワードが出てくるのもどうなのよディーちゃん…なんか連想の仕方がえっちぃわ」

「ぶッ…た、他意なんてないよ…っ!?」

 

 無垢で好奇心旺盛なイリスちゃんを、ディールちゃんとエストちゃんが気に掛けてあげるという三人のやり取りには、ほっこりさせられる事も多い…んだけど、今回はそうもいかなかった様子。ちょっと見ていたけど、イリスちゃんは脱ごうとするし、エストちゃんは呆れたかと思えばからかうようににやっとするし、ディールちゃんはあたふたしてるし、まあ賑やかだった。

 そして気付けば、エリナも三人のやり取りを見ていた。エリナも気になったのかもしれないし…或いはディールちゃんとエストちゃんが、『双子の女神』が気になっていたのかもしれない。

 

「ねぇねぇルナちゃん、こっちがいいかな?それともこっちの方がいいと思う?」

「どっちも良いと思う。どっちも、似合うと思う…!」

「ありがと、ルナちゃん。でもここは選んでくれた方が嬉しかったかな〜」

「そ、そっか。…あっ、ならいっそ、両方着ちゃうっていうのは……」

「み、水着の重ね着…?ルナちゃんって偶に変な事言う…と思ったけど、某うさぎフードの精霊みたいに、二重の水着でえー君をドキドキさせるって手もあるよね…」

 

 更に別方向、ずっと機嫌の良い茜はルナと水着を選択中。…なんか茜だけ、影君とデートに行くテンションになってない…?まあ別に良いんだけども…。

 ともかく二人も二人で前向きに水着を選んでいる。なんだかんだ誰も強く反対はしてなかったし、皆で水着に着替えるというのは選択としても良いものだったのかもしれない……

 

『センスなっ!』

 

…なんて穏やかな気持ちになっていた私の耳に飛び込んできたのは、アイとイヴの叫ぶ顔。え、今度は何事……?

 

「色気!色気が壊滅的じゃないッスか!ウチもまあ人の事は言えないッスけど、だとしてもそれは見てられないレベルッスよ!機能性の為に色気が死に体になってると言っても過言じゃないッスからね!?」

「そ、そこまで言う!?っていうかほんとに人の事は言えないわよ貴女の格好!水着を選ぼうって流れでそれはもう、根本的に色々間違ってるから!一体どこに色気を落としてきたらそれで良しと思うのよ!?」

「くっ…これは100点目指して失敗するより、無難に70点をという発想で……」

「だとしてもそれは大爆死して0点だけどねっ!ちょっ、あぁもうアイの水着は私が選ぶわ!そんな格好見ていられないし、他の人には見せられないから…!」

「それはこっちの台詞ッス!流石にウチでも、今のイヴよりはマシな格好選べるッスよ多分!」

 

 言い争いらしき、二人のやり取り。一頻りそれが聞こえた後、お互いがお互いの水着を選びに行ったのか、そのやり取りは閉幕した。…二人共、一体どんな格好してたんだろう…知りたいような、知らないでいた方が良さそうな……。

 とまあ、面子が面子だけに、水着を選ぶだけでもまあまあはっちゃけていた。でもそういうのも、楽しい時間というもの。どんな水着を着たいか、どれが似合いそうか、考えながら選んで、試着もして、そこからまた組み合わせを考えて……そうして暫しの時を経て、私はこれだ、って水着を選ぶ。

 

「ん、良い感じに纏まったかな。…うん、我ながら似合ってる」

 

 服を脱ぎ、下着も脱いで、水着のボトムスに脚を通す。続けてトップスの紐を結んで、脱いだ服を畳んだ後サンダルを履く。それから姿見の前に出て、自分の姿を確認する。

 私が選んだのは、サファイアブルーのホルダービキニ。トップスは首の後ろで紐を結んで身に付けるタイプで、ボトムスは前に着たのとよく似た、腰の左右にリング状の留め具があしらわれているタイプ。履き物はグルカサンダルで、コーディネートのコンセプトは…まぁ、大人っぽさの発露ってところ。極端に肌を出す訳じゃない、でも胸と腰回り以外は何も隠さず、水着も留める部位も細い紐や腰の左右がちらりと見えるリングタイプのものを選ぶ事で、しっかりと私が持つ魅力をアピール。加えて色も暗めの寒色系にして、更に大人っぽさを…普段よく着る明るい色合いの服とのギャップが生み出す色っぽさを表現する。グルカサンダルも動き易さとファッション性を両立する事が出来ていて、今回の私の仕上がりは上々。色っぽいけど下品じゃない、必要以上に飾らない事で『私』そのものの魅力を見せ付ける、それこそが今の私の姿。

 

「へぇ、素敵じゃない。確かにとっても似合ってるわ」

「あ…ふふっ、ありがとセイツ。セイツも凄く似合ってるし、綺麗だよ」

 

 自分の姿に納得をしていたところで掛けられる声。振り向けば、そこにいたのは片手を腰に当てたセイツで…そのセイツも、既に水着へと着替え終えていた。

 そのセイツが身に付けているのは、ルビーレッドのビキニ。トップスは私のものと似たホルダービキニで、ボトムスはレイヤードビキニ。私同様布地を繋ぐ部分が紐になっている事で腋や首周りを隠さず、整ったスタイルをばっちり見せる事の出来ている上半身と、布地が二重になったデザインが目を引く、普通の水着の下に更に細く小さい水着が組み合わさったような下半身。上も下もちゃんと最低限以上の布地がある…それなのに刺激的でどこかイケナイ感じのする、色香たっぷりの出で立ち。濃い暖色系の色はセイツの積極性、大胆さを表しているようで、履いているヒールサンダルもセイツと水着が生み出す雰囲気に上手く合っている。そしてもう一つ。色こそ違うけど、トップスの種類はホルダー…つまり私と同じな訳で、自然と同じような水着を選んだのかなと思うと、なんだか嬉しい気持ちになる。

 

「…しかし…んー……」

「…どうかした?」

「いや、思ったのよ。わたし達って姉妹なだけあって似てるけど、こうして水着を着るとスタイルがよく分かる分更に似てる感じが増すというか、さっき姿見で見た自分の姿と、イリゼとがかなり近いな…って。イリゼ、ちょっと手で目元隠せる?」

「え?うん」

 

 言われるがまま、手で顔の上部分を隠すと、セイツが隣に立ち、すぐ後に写真を撮る音が聞こえてくる。どうやらセイツは携帯端末で撮ったみたいで、その写真を見てみると、確かに目元を隠した状態且つ水着姿の私とセイツは、本当によく似ていた。私は編んだ髪に巻いたリボンを、セイツはカチューシャを見れば判別出来るけど、それを抜きにすると自分でもどっちがどっちだか一瞬迷うレベルだった。…ただ、まぁ、それはそれとして……。

 

「ね?凄く似てるでしょ?」

「似てるね。似てるけど…水着で目元隠してる写真って…その、如何わし過ぎない……?」

「あ……」

 

 指摘を受けた瞬間固まり、そこからかぁっと顔を赤くするセイツ。き、気付いてなかったんだ…普段は変態的な言動をちょいちょい見せる割に、こういうところは普通っていうか、まともだよね…。

 

「ぜーちゃんせーちゃん、何してるの?記念撮影?」

「へ?あ、二人も着替え終わったんだね」

「こ、こほんっ。茜もルナもよく似合ってるじゃない、可愛いし綺麗よ」

 

 微妙に会話を続け辛い雰囲気の中、再び声を掛けられる。今度の声の主は茜で、水着を纏った茜は同じく着替えたルナと共に、私達の方へ歩いてくる。

 色々な水着を手にしては矯めつ眇めつしていた茜が選んだのは、赤を基調に黒をあしらったフリルのビキニ。一見シンプルなデザインだけど、フリルの可愛らしさと、赤と黒という水着においては『攻めた』印象を抱くこの組み合わせは特徴的で、同時にそれが茜の明るく快活な面と、情熱的極まる愛情を表しているよう。加えて茜ならきっと積極的に動くだろうし、そうなればフリルが揺れて、躍動感が生み出される。そうなれば茜のスレンダーなスタイルへ自然に目が吸い寄せられる事も、それと共にフリルが生み出すボリューム感が、控えめな胸を違和感なく隠す事も間違いなし。そんな水着に合わせたんだろうサンダル、こっちは白をベースに赤を差したデザインで…そこから感じる清純さが、水着との対比ではっとさせてくる。…うん、間違いない。シンプルたけど、よく計算されているのが茜のコーディネート。

 その隣でちょっぴり恥ずかしそうにしているルナの水着は、私やセイツと同じホルダービキニのトップスと、タイサイドビキニのボトムスに、パレオを巻いた組み合わせ。私達の物より少し布地が多く、色も明るい水色な分、可愛さ重視というか、パレオ含めて肌を出し過ぎる事への気恥ずかしさが伝わってくるけど…その方がルナらしくて、そういうところ含めてやっぱり可愛い。でも、それだけで終わったりなんてしていない。トップスの布地同士の繋ぎ目部分から脇腹にかけて伸びる金の飾りの存在が、可愛いだけに留まらない華麗さを生み出していて、トップスもボトムスも留める部分が紐タイプである事が、ここまでの評価とは打って変わって危なさを醸し出している。視線を下に向ければそこにある乳白色のサンダルもルナの素直な性格とマッチしているようで、見れば見る程ルナの装いは魅力を出す上での隙がない。

 

「ふふん、でしょでしょ?選ぶの最後まで付き合ってくれてありがとね、ルナちゃん」

「…………」

『…ルナ(ちゃん)?』

「…あっ、ごめん…ちょっと皆の姿を目と記憶に焼き付けるのに忙しくて、聞いてなかった……」

『えぇぇ……』

 

 突如飛び出してきた、まあまあアレなルナの発言。この面子だから良かったものの、なんならセイツは今のルナの心に興奮してるみたいだけど、相手次第では引かれるよ……?

 

「はふぅ、ギラギラ輝くようなルナの心に感無量…。……っと、そういえばイリゼ、エリナは?」

「あぁ、エリナは私より選ぶのに時間が掛かってたみたいだからね。でもそろそろ来ると思う…っと、噂をすれば……」

 

 やっぱりエリナを気に掛けていた様子のセイツに言葉を返していた最中、丁度そのエリナが姿を現す。お待たせしましたと言って、小走りでこっちにやってくる。

 結構真剣に悩んでいたエリナが最終的に選び着てきたのは、白いワンピースタイプの水着。それもフリルの付いた、ある程度体型が隠れるタイプのもの。けど体型が隠れるからって、水着だからこその魅力が削がれている訳じゃない。むしろ一見隠れがちに見えるからこそ、露出している胸元や脚の肌の綺麗さが際立つし、お腹周りのラインは水着の上からでもよく分かる事で、素肌がそのまま見えているのとはまた違う色っぽさを生み出している。ワンピースタイプに白を組み合わせる事で清涼感がばっちり出てるし…それでいて背中は大胆に開いているものだから、前と後ろで全然印象が変わってくる。前からの後ろは、間違いなくどきりとさせられる。そんなエリナはシンプルな薄紫のサンダルを履いていて、水着との組み合わせが醸すのはほんのりとした上品さ。色香も品も、きっと誰が見ても高いレベル。

 

「……!…いい…エリナさんもいい……!」

「あ、うん…。…えぇと、変…じゃないですか…?」

「変どころか、ばっちり似合ってるわよ?けど、少し意外だったわ。エリナも私達みたいなビキニタイプかと思ってたから」

「それも嫌じゃないですけど、どちらかといえば体型をカバー出来る水着の方が好きなので」

「私より出るとこ出てるスタイルなのにカバーって、それはどーゆーつもりかなぁ?…なーんてね。えー君は私みたいな体型の方が好きみたいだし♪」

 

 再びルナはアレな感じだし、茜はふふんと胸を張るしで二人は平常運転。その二人にエリナは困惑し…今はポニーテールの様に後頭部で一纏めになった茶色の髪が小さく揺れる。うん、ほんとこの髪型含め、今のエリナは爽やかな感じ。

 と、思っていたところで今度は足音が聞こえてくる。一つ…に聞こえるけど実は二つの、つまりはほぼ同じ歩調で歩いてくる二人組がいて…振り向いてみれば、歩いてきたのは私が予想した通りの二人。

 

「へぇ、やっぱり皆で水着を着てると華やかね。まあ、わたしとディーちゃん程じゃないけど」

「わたし達、華やかなのかな…?」

 

 片やいつものように自信満々で、片やその発言に微妙そうな表情を浮かべて、二人が…ディールちゃんとエストちゃんが合流する。

 自分の華やかさに疑問を持つディールちゃん、その水着はピンクのフレアビキニ。種類こそ茜のそれと同系統だけど、ディールちゃんが身に纏う事で生まれる雰囲気は柔らかさ。可愛らしさや落ち着きが織り混ざった柔らかさで、一眼見るだけで分かるディールちゃんとフレアビキニの相乗効果。より具体的にいえば、ディールちゃんの腕やお腹から自然に感じる『柔らかそう』という印象が、フレアビキニで一気にブーストされていると共に、人によっては浮いてしまいがちな水着のフリルも、ディールちゃんが着れば全く違和感に繋がらない。しかもそれでいてショーツ側のフリルは短いから、その裏の水着の布地が見えていて…見え隠れするからこそ、そのまま見えているよりずっとドキッとする。白と水色のサンダルもまたディールちゃんのイメージにぴったりで、確かに劇的はないけど…間違いなく、今のディールちゃんは華やか。

 一方そんなディールちゃんに軽く呆れてるエストちゃんはといえば、彼女もフレアビキニ。色こそオレンジだけど、デザインは同じ。でも同じフレアビキニでも、印象はまるで違う。オレンジという色自体の力や、普段は厚手のコートを着ている事もあって、今のエストちゃんからは溢れんばかりの活発さが伝わってくる。フリルが見せてくれる軽やかさはエストちゃんと合っているし、そのフリルがふわりと揺れる度に、エストちゃんの細くきゅっとしたスタイルが余すところなく際立つ。更にフレアビキニは鎖骨の下辺りや腰の左右に結び目があって、それが可愛らしさのアクセントにも、もしそこが解けたらという色っぽさにもつながっている。白と桃色でこれまたディールちゃんと同じデザインのサンダルは、エストちゃんの素の愛らしさを感じさせてくれていて……健康的な可愛さとその奥の色香、それが存分に引き出されていた。

 

「あ、二人もフリルの水着にしたんだね。…やっぱり、こういうの選びたくなっちゃう感じ?」

「それは……まぁ、ね…」

「フリルといえば、エリナの服にも…って、うん?ディールちゃん、その持ってるのは……」

「ラッシュガードです。そういえば、こういうのもあったな…って思って」

「あー、ラッシュガード…ん、それもいいかも。わたしも取ってこよーっと」

「二人の姿も良いなぁ…あれ?っていうか、イリスは一緒じゃないの?」

「イリスちゃんなら、浮き輪が気になるって言って見に行ったんですけど…あ、来たみたいです」

 

 小首を傾げたルナにディールちゃんが答える中、これまた足音が、それも今度は軽快な音が耳に届く。直後にハンガーラックの影からイリスちゃんが出てきて、ドーナツ柄の浮き輪を抱えてやってくる。

 

「ディール、エスト、イリスはいいものを見つけた。けれどこれは食べられないので注意すべし」

「あはは、確かに食べたら破裂しちゃうものね。ドーナツ好きなの?」

「ドーナツは甘いので好き。でも、ドーナツ以外も好き。イリスは好きが沢山。多分これは、とても良い事」

 

 両手で浮き輪を持ち上げた後、胸を張るイリスちゃん。その様子に、質問をしたエリナは再び顔を綻ばせ、私達も揃って笑う。

 浮き輪と共に現れたイリスちゃんの装いは、白地に水色と桃色の水玉模様があしらわれたワンピース水着。足を包むのはベージュのサンダル。水玉模様を除けばこれといって飾りのない、至ってシンプルな水着だけど、その飾らない、ありのままなデザインはイリスちゃんによく合っていて、どの色も淡くてあまり主張は激しくないからこそ、イリスちゃんの髪や瞳の鮮やかさと対比になって互いをよく引き立てている。加えて飾らないという事はつまり、被服面積の多いワンピースタイプながらもスタイルが分かり易くなるという事で…きっと本人はそんな意図なんてないんだろうけど、イリスちゃんのほっそりとした体型、愛くるしいスタイルをばっちり見せてくれてもいる。しっかりした作りのサンダルからはイリスちゃんがこの格好で動き回りたい事を感じさせてくれるし、見た目も機能面も抜かりは皆無。

 

「イリスちゃん、それは自分で選んだの?」

「違う。これはディールとエストが選んでくれた。イリスは特に色が良いと思っている」

「ふふっ、そう言ってもらえると選んだ甲斐があるわよね」

「でもイリスちゃん、わたし達とお揃いじゃなくて良かった…?」

「お揃いだったら、嬉しかった。でも、これも嬉しい。…つまりイリスは、ディールとエストが選んでくれたものなら、なんでも嬉しい…?」

『それをわたし達に訊かれても……』

 

 まるで自分の事じゃないように言うイリスちゃんに、ディールちゃんとエストちゃんはそれぞれの利き手で頬を掻く。

 でも、そんなイリスちゃんだけどやっぱり嬉しそう。変わらずの無表情だけど、嬉しいって気持ちが伝わってくる。だからディールちゃんもエストちゃんも微笑ましそうな顔をしていて…この三人のやり取りって、癒されるよね。…という視線を皆に向けたら、全員揃って頷いていた。

 

「皆、お待たせ〜!なになに?何の話してるのー?」

「ピーシェ様…はまだ来てないのか…待ってた方が良かったかな……」

 

 元気で軽快な声と、独り言であろう呟き。それと共に次に現れたのは、ネプテューヌとビッキィの二人組。反応して私達が目を向ければ、ネプテューヌはどう?…とばかりに両手を腰に当てて胸を張り、ビッキィは微かに気恥ずかしそうな表情を浮かべる。

 自分の姿を惜しげもなく見せるネプテューヌは今、白と水色、それに藍色の三色が用いられたバントゥビキニ姿。やはりというべきか、ネプテューヌが重んじたのは動き易さのようで、バントゥビキニは胸周りをしっかり覆いつつ、首周りへのストラップもある事でズレたりするような心配はなし。だけど動き易さしか考えていないかといえばそんな事はなくて、今着てるバントゥビキニは胸が完全に隠れるからこそ、鎖骨周りや腋、脇腹含めた腹部といった、胸以外の部分の綺麗さや滑らかさを意識させてくれている。一方でショーツ側は普通のビキニタイプだからこそ、無駄のない腰や脚がよく映える。ビキニの種類でスタイルを、色でネプテューヌらしさをばっちりと見せてくれていて、全体的に明るい印象を抱かせながらも、履くサンダルの色が黒である事が上手く雰囲気を締めている。自分の魅力をよく分かってる、それが伝わってくる。

 対照的に主張する様子のないビッキィが着ているのはトライアングルビキニで、色は黒とオレンジのツートーン。ビキニとしてはベーシックなスタイルのトライアングルビキニは、ベーシックだからこそビッキィの身体のメリハリをしっかりと見せてくれていて、同時にそのシンプルなデザインから、ビッキィもまた動き易さを意識してる事が感じられる。色も明るい印象のオレンジと、水着の場合大人な雰囲気の出る黒が組み合わさる事で、普段の活動的なビッキィの姿と、普段はあまり見せない色香とを上手く共存させている。元のスタイルの良さを活かす、それと共にばっちり動き回れるようにもする、それがビッキィのコーディネートって感じで…そのビッキィが履く黄と黒のサンダルもまた、見るからに丈夫そう。明るさと静けさの組み合わせは足元でも表現されていて、親しみ易さと綺麗さ、その両方が高いレベルで融合している。

 

「……!…なんて、美しい……!」

「分かる、美しい…イリスやビッキィも可愛いし綺麗だけど…今のネプテューヌは、美しい…!」

「それは聞き捨てならないわ。パープルハート様は今限定じゃなくて、いつも美しいもの」

「だ、だよね…いつも美しいけど、今は普段とはまた違う美しさが…って事だよね…!」

「お、おおぅ…なんかこうも熱烈な視線を向けられると、普通になんか恥ずかしくなるね……」

「あはは…あ、そういえばビッキィ、さっき見てたサングラスも選んだのね。その頭に掛けるスタイル、ちょっと格好良い感じで素敵だと思うわ」

「ふっ、分かってもらえて嬉しいです。やっぱりサングラスって格好良いですよね、なんかイカしてますよね…!」

「うんうん、水着で解放的になってるからかちょっとテンション高くなってる今のビッキィの心も良いわっ!」

「あー…それは、はい…」

 

 何故か真面目に美しいとか言い出すルナとエリナに流石のネプテューヌも困惑し、格好良いと言われたビッキィは機嫌良さそうにサングラスを掛けた…かと思えば、続くセイツの言葉で即呆れる。そしてそれぞれのやり取りに私は苦笑し、それと共に「そういえば、ビッキィも言ってたけどピーシェって二人やセイツと一緒に見てたよね?まだ迷ってるのかな?」…と思っていたら、それが呼び水になったかのように、ネプテューヌ達へ少し遅れてピーシェも登場。

 

「私で最後…ではないみたいですね。…良かった、一人だけ遅れたとかになったら流石に気不味い……」

「あ…ごめんなさいピーシェ様、置いていっちゃって」

「いや別に、それは気にしなくても…待たせるのもそれはそれで悪いし」

 

 合流すると共に、ピーシェはぐるりと見回して着替え終えたメンバーを確認。続いてビッキィに声を掛けられ、大した事ではないと肩を竦める。

 水着選びに迷ったのか着替えに手間取ったのかは分からないけど、ピーシェは今黒地に青と白のラインが入った競泳タイプの水着を着ている。背中を除き肩から腰…というか股の辺りまでを覆うタイプの競泳水着は当然肌をしっかり隠していて、でも泳ぐ上での無駄を徹底的に削ぎ落としたからタイプの水着だからこそ、ピーシェのスタイルは一切隠れる事なくはっきりくっきり見えている。いっそ見せ付けてる位に、割と良いスタイルが水着越しに表れている。黒ベースと二色の縦ラインのおかげで引き締まった感じに見えるのも、一層そのスタイルの良さを示してくれていて…それでいて背中は楕円形に開いているのが、なんだか『隙』って感じがあって色っぽい。対照的にサンダルは薄紫と黄色で明るい感じなのが、ちょっと可愛らしくて…泳ぎ易さを優先しているのに見た目もばっちりな辺り、これは凄いと言わざるを得ない。

 

「ピーシェの水着、イリスと似てる。エリナのも、似てる。…これは、トリオ結成するべき?」

「いやいや、そんな理由でトリオを結成しても特に意味は…って、あの?皆さん…?」

 

 謎の理由でイリスちゃんが声を上げる中、私達は逆に静まり返る。初めはピーシェの姿を普通に見ていたけど、段々と全員が口を噤んでいく。その内にピーシェもそれに気付き、ピーシェが怪訝な顔をする中……私は、いや私達は、言った。

 

『……なんか、エロい…』

「何故っ!?」

 

 ご尤も。ピーシェの返しは本当にご尤も。だけど私達はこう言うしかなかった。だって本当に、競泳水着姿のピーシェはなにかエロいんだもの。

 

「おー、賑やかだと思ったら、もう全員集まってたんッスね」

「私達が最後…まあ、色々あったものね……」

 

 まあそれはともかく、これで残るはアイとイヴ…と考えていたら、再びその思考が呼んだみたいに、その二人も着替え終えた様子でこちらへと来る。二人が来た事で、全員集合となる。

 お互いの水着を選んだらしいアイが着る事になったのは、トライアングルビキニとボーイレッグタイプのビキニ。スレンダーな体型のアイだからか、ビキニちゃんと胸を隠せるレベルで少しだけ布地が少なくて、その少なさが品を損なわない範囲で艶やかさを演出している。逆にショーツとなるボーイレッグはすらりと綺麗なアイの脚を存分に引き立てていて、同時に普段はあまり女性的な服を着ないアイらしさも表現している。そしてその上で、色はどちらも黒一色。ある種かなり大胆な選択だけど、これがまた似合っているというか、基本飄々としているアイが時折見せる大人な部分が前面に出たような、ドキドキさせる魅力がある。加えてそれに合わせたらしい革サンダルもまた黒。白く綺麗な脚と黒の革サンダルというのもよく合っていて…過激じゃない筈なのに、凄く艶めかしい。間違いなく魅力的で、果てしなく魅惑的。

 同じく相手に選んでもらっているのであろうイヴの方は、オフショルダービキニとスカートタイプの水着による組み合わせ。胸の部分から肩…というより二の腕周りへ繋がるフリル状の袖が可愛らしく、同じくミニスカート風なショーツ側もひらりとした感じが愛らしい。爽やかさや清楚さを感じさせる水色のカラーリングが更にそれを強くしていて、きっとこれは可愛さ重視のコーディネート。だけどそれをクールなイヴが、しっかり女性的な凹凸あるスタイルの彼女が着る事によって、可愛いだけに留まらない、可愛さに包まれた色香を醸し出してくれている。可愛いからこそ、イヴ本来の魅力が奥から引き出されている。水着同様ビーチサンダルも白という明るい色だけど、こっちは逆に白が大人っぽさに繋がっている。可憐さを強調する事で、その印象を与えつつも逆にセクシーさを増幅するという、高度な仕掛けがそこにはあった。

 

「二人共、凄く似合ってます。どっちも綺麗ですし、その上で大人っぽいっていうか……」

「ディーちゃんに同感。二人共そんなにお洒落なイメージがなかったけど、実は結構レベル高いのね」

「ま、まあその気になればね。…よく考えたら、水着に機能性をやたら求める事自体、方向性として間違ってた気もするし……」

「どっちも綺麗、可愛い、とにかく素敵…どうしよう、どこを見ても幸せ過ぎる……!」

「うっ、前回ぶりにまたルナから危ない気配が…イヴ、ちょっとウチより前に出てほしいッス……」

 

 ディールちゃんとエストちゃんからの称賛の言葉に頷きつつも、イヴは小声でごにょごにょと呟く。鼻息を荒くし始めたルナを見て、アイはほんのり恥ずかしそうな顔をしながら一歩下がる。

 本当に、二人共似合ってる。互いのを選んだ訳だから、お互いの良さをよく把握してるって事でもある。…けど、だからこそ……

 

「…この二人ってさっき、色気が死に体とか、どこに落としてきたとか言ってましたよね……?」

「うん…なんて自分の時は酷い有り様になってたっぽいのに、相手のを選ぶとこんな上手く纏まるんだろうね……」

 

 さっき聞こえたやり取りとの差があり過ぎる。人の事についてはばっちり見えてるのに、自分の事になると駄目駄目なんて、一体どこのラブコメヒロインなのか。…そんな思いで私とエリナは顔を見合わせ、何とも言えない気持ちになるのだった。

 

「さてと。それじゃあ皆着替えた訳だし、男性陣と合流しましょ?」

「そーだね。ふふふっ、えー君に見てもらうのが楽しみだな〜」

「あ、ちょっと待って皆!その前に一ついい?」

 

 くるりとセイツが倉庫の出入り口の方を向き、茜が同意して歩き出そうとする。男性陣は先に水着だけ選んで出ていった…つまり私達が選び始めた時点で着替えられる状態になっているんだから、まあまず私達より先に着替えも終えていて、今は待ってくれている筈。だからこれ以上待たせない為に、さっさと合流をと私も考えていたんだけど…そこでネプテューヌが静止を掛ける。そして何事かと私達が注目する中、ネプテューヌはこほんと一つ咳払いをし……

 

「ある意味予想通りかなり尺を持っていかれちゃったから、今話はここまで!次話をお楽しみにっ!」

『凄くメタい!』

 

 薄々そんな気がしてはいたけど、それ以上にド直球なネプテューヌのメタ発言。え、えーっと…うん、まぁ、そういう事だからまたね!これが最新話じゃない場合待つ必要はないけど、とにかくまたねっ!




今回のパロディ解説

・「〜〜絶対に覗かないで下さい〜〜」
鶴の恩返しにおける、鶴の台詞の一つのパロディ。覗きネタはやってみたい気持ちもありますが、OSの合同コラボ同様、それをやれるような面子がいないんですよね。コラボでやる事かって問題もありますし。

・「〜〜危ない感じの水着?」
ドラクエシリーズにおける防具の一つ、あぶないみずぎの事。でも今回のやり取りでも触れた通り、他の防具と比較したら(性能は別として)色々危なくても、水着としてはもっと過激なのも色々ありますよね。

・「〜〜某うさぎフードの精霊〜〜」
デート・ア・ライブのヒロインの一人、四糸乃の事。四糸乃って、水着絡みだと凄まじい破壊力のあるシーンを作中で二度も見せているんですよね。幼い見た目だからこそのインパクト、というやつでしょう。

・「〜〜100点目指して〜〜無難に70点〜〜」
前橋ウィッチーズの登場キャラの一人、上泉マイの座右の銘のパロディ。アイとイヴが元々どんなコーディネートをしていたかは、それが明かされる場面があるかどうかは…未定です。
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