超次元ゲイムネプテューヌ Origins Transition 作:シモツキ
偶然にも本日は新日本プロレスにおける年の初めにして年間最大の大会となる、1.4と定期投稿とが重なった事で、そしてこの試合はある方の引退試合もあるという事で、この話を書く事にした訳です。コラボの途中且つ、もう四度目とはいえOriginsシリーズの中でもかなり特殊な内容のものではありますが、最後まで読んで下さると幸いです。
1.4 神生オデッセフィアドーム大会 IWNPヴィーナス級・IWNPインターコンチネプタル級 王座統一戦
(実況)いよいよ…いよいよこの時がやってきました!放送としては前回以上の間が空いた約三年ぶり、本当に皆様お久し振りです!新年一発目がこれなのかと驚く方も多い方は思いますが、今この時、今日という日だからこそ、この話には意味があるのです!
(解説)いつもそうですが、開幕から飛ばしていきますね…まあ、今更な話ではありますが。それにテンションはともかく、今日という日だからこそ、というのは事実ですしね( ̄▽ ̄)
(I&F)そういう事です!投稿日と重なったのは完全なる偶然ですが、偶然であるからこそ運命めいたものを感じる、そんな思いで今に至ったという訳です!それでは初めて参りましょう!本日も実況は私I&F、解説はヒストリーさん、そしてゲストは再びこの方!これからの新女神の未来を決める一戦に相応しい原点たる創始者、レジェンダリー・ジ・オリジン選手です!
(レジェンダリー・ジ・オリジン)前もそうだったが、熱の籠った紹介をしてくれてありがとう、I&F君。未来を決める戦い…それを見届ける場に私が在るべきだと思ってもらえた事は、私としても誇らしい。故に、この席に座る者として、それこそ相応しい姿を見せるとしよう。
(I&F)えぇ、やる気に満ちた宣言をして下さりありがとうございます!さぁ、そんなジ・オリジン選手を迎えてお送りするのは今年最初にして本日のメインイベント、何より新女神の歴史を変え得る決戦、IWNPヴィーナス級王座及びIWNPインターコンチネプタル級王座、両チャンピオン同志による王座統一戦です!
(ヒストリー)二つの王座を統一し、真の頂点を定めるべきだという意見を背負うヴィーナス級チャンピオンと、それぞれの歴史を守り、真なる道は一つではないと示さんとするインターコンチネプタル級チャンピオンによる決戦。その為ヴィーナス級チャンピオンが勝利すれば二冠チャンピオンとなると共にインターコンチネプタルは封印、インターコンチネプタル級チャンピオンが勝利すればその理念から王座の移動は行われる事なく、双方存続というルールでこの一戦は実施されます。そして試合形式は一本勝負、即ちヴィーナス級王座と同様のルールで行われる訳ですが……(。-_-。)
(
(I&F)そうです、その通りです!そして会場のボルテージは既に十分過ぎる程高まっている今、これ以上の前置きは不要!二人の女王、二つの至宝を輝かせし両雄が、今ここに入場します!まずは、最高のチャンピオンの入場です!
(入場曲)〜♪〜〜♪
(I&F)最高とは何か、その高みにあるのは一体なんなのか。それを彼女は、チャンピオンは見せ続けてきた!強さだけでは辿り着けない感動を、この王座は生み出し続けてきた!だからこそ、彼女は戦う!最高の道を守る為に!最高も最強も、それぞれあっていいのだと伝える為に!新女神本隊・コアハーツ所属、166㎝体重非公開、IWNPインターコンチネプタル級チャンピオン、サンライズルネートゥル・ルーラードオリジぃぃぃぃンッ!
(ヒストリー)……!いつもは和やかに、ファンサービスもばっちりで明るく入場してくるルーラードオリジン選手ですが、今日は気迫が違いますね。やはり、それだけの一戦だと考えているのでしょう
(`・ω・´)
(Lオリジン)ああ。だがその上で、笑みを浮かべている。これだけの一戦だからこそ昂る気持ちがあるという事だろうが…どんな戦いであろうと、ファンの為の『最高』を忘れはしないという、彼女の…インターコンチネプタル級チャンピオンとしての在り方が表れているという事でもあるのだろう。
(I&F)これは期待が持てる、いえ期待しかありませんね!そしてルーラードオリジン選手はなんと現在十度の防衛に成功中、ここで勝てばV11となります!それでは続いて、もう一人の……最高と双璧を成す、最強のチャンピオンの入場です!
(入場曲)〜♪〜〜♪
(I&F)最強、唯一にして絶対であるその称号を掲げ、チャンピオンはここまで歩んできた!その戦いぶりで、何より勝利で、ベルトの勝ちを高め続けてきた!だからこそ、彼女は応えた!最強と最高、どちらがより優れているのかという声に!彼女の歩みに迷いはない、突き進む事こそが使命であり信念!さあ、真の最強、その先を見せてくれ!新女神本隊・コアハーツ所属、164㎝体重非公開、IWNPヴィーナス級チャンピオン、ネバーエンドヒロイン・デュークオブパープルぅぅぅぅッ!
(ヒストリー)良いですね、デュークオブパープル選手はいつも通りの佇まいです。いつも通りに…その上で、最高潮だと一目で分かる雰囲気を纏っています。これぞ正に女王の風格ですね(*´∀`*)
(Lオリジン)いつもと同じように戦い、勝てば良いだけだと分かっているのだろう。伊達に最強の座に君臨し続けている訳ではないという事だ。されどこれはタイトルホルダー同士の戦い且つ、IWNPヴィーナスと基本同様のルールでの一戦。つまりただ勝つのではなく、やはり彼女こそ最強だと誰もが思う姿を見せなければいけないのだ。
(I&F)確かに、デュークオブパープル選手は相当なプレッシャーの中であると言えましょう!しかしその上であの落ち着きぶりは圧巻ですね!そんな両者が今、リングに立ちました!向かい合い、その視線を交錯させます!
(ルーラードオリジン)最高と最強、存続か封印…まさかここで、こんな形で、君と戦う事になるとは思わなかった。君とは純粋な勝負で、覇を競い合いたかった。…だが、同時に沸き立つ気持ちもある。互いにタイトルホルダーとして、最高の私と最強の君とで、これだけのファンの前で戦えるのなら……心が燃えない筈がない!
(デュークオブパープル)ふふっ、同感よ。今は互いに大きなものを背負っていて、ただ勝った負けたを言える立場じゃないけど…元よりわたしも貴女も、限りない強さと果てしない高みを目指してきた。そうして走り続けてきた末にあるのがこの戦い、この勝負なんだから……決めましょう?わたし達の、新女神の──未来を!
(I&F)ルーラードオリジン選手とデュークオブパープル選手、二人の熱い思いが早くもぶつかり合っています!その熱が、情動が、伝わってきます!研ぎ澄まされた闘志が解き放たれるのはもう間近!レフェリーによるチェックと、リングナースとーはいるさんによる確認も滞りなく……これより、世紀のの一戦が開幕です!それでは本日のメインイベント、IWNPヴィーナス級及びIWNPインターコンチネプタル級、両王座の統一戦、60分一本勝負……開始ですッ!
*
それぞれがタイトルホルダー…即ち新女神のトップ戦線を走る
基本に忠実な、お手本のような探り合い。相手をロープに押し込んでからのクリーンブレイク、反撃の押し込みとお返しのクリーンブレイクという、これまた基礎を一つ一つ見せていくような流れを経て、初めにRオリジンが動く。
Rオリジン「ふ……ッ!」
Dパープル「く……ッ!」
一瞬の隙を突いての掌底と、追撃のエルボー。怯んだDパープルを掴んでロープへ振ると、Rオリジンは反動で戻ってきた彼女の膝へ低空ドロップキックを打ち込む。
両脚での蹴りが直撃し、Rオリジンを飛び越える形で前に倒れるDパふープル。しかしRオリジンはフォールをせず、Dパープルが立つのを待つ。
I&F「これは…余裕を見せている、という事でしょうか」
ヒストリー「そうでしょう。しかし同時に、出方を伺っている面もあるのではないかと思います。何せまだ序盤も序盤ですからね(・ω・`)」
実況と解説の声がスピーカーでドーム内へ広がる中、Dパープルが立ち上がる。ゆっくり、ゆらりと立ち上がり…即座にエルボー。後退したRオリジンを掴んでロープへ押し込み、そこから反動で反対側のロープへと振る。そうして反対側まで走り、跳ね返ってきたRオリジンへ向けて、胸へと突き上げるようなドロップキックを放つ。
I&F「あーっと、Dパープル選手の十八番であるドロップキックが早速出たーっ!今回も打点が高い、跳躍力が光るーっ!」
Lオリジン「今回はRオリジンにドロップキックを先取りされる形だったからな。放つまでの流れからしても、先のお返しという意図があるのだろう」
諸に受けてひっくり返ったRオリジンに対し、Dパープルもまたフォールはせずに悠然と見つめる。一方跳ね倒されたRオリジンも、静かに立ち……歓声が上がる。
Rオリジン「相変わらず、良いキックだね。よく響くよ」
Dパープル「でしょう?…さてと、小手調べはこの位にして…ここからは、ギアを上げていくわよ!」
互いに笑みを浮かべあってからの、ロックアップ。がっちり組み合った状態から二人は押し合い…少しずつ、Dパープルが押していく。
ヒストリー「じわじわとDパープル選手が優勢になっていますね。やはり単純な押し合いではパワーで勝るDパープル選手が有利なようです( ̄^ ̄)」
Lオリジン「ああ。されどロックアップはただの力比べではない。そしてテクニカルな勝負となれば……」
一歩、二歩、三歩と、低い体勢になりながらRオリジンは押されていく。しかし四歩目となった瞬間、素早くRオリジンはロックアップを振り解くと低い体勢のままのDパープルの首元を掴み、捻りを掛けて横へ投げる。
I&F「出たーっ!首へのドラゴンスクリューこと、ツイスト・アンド・シャウトー!更に倒れたDパープル選手へ、Rオリジン選手が間髪入れずにその場飛びのムーンサルト・プレスだーっ!」
後方宙返りからのボディプレス。追撃にDパープルが表情を歪める中、RオリジンはDパープルの片脚を掴んで抱え、片エビ固めのフォールに入る。カウントは1、2と進み…しかし3となる前に、Dパープルは跳ね除ける。
しかし、先と違ってRオリジンはDパープルの立ち上がりを待つような事はない。
ヒストリー「……!待って下さい、これは……Σ(・□・;)」
I&F「Rオリジン選手がトップロープと飛び越えてコーナーポストに向かっている!?ま、まさかハイフライオリジンか!?もう勝負を決めようというのかー!?」
Lオリジン「意表を突き、最強がその強さを発揮しきる前に勝負を決めようという事なら一理ある。…が、どうなるかな」
実況席の予想通り、Rオリジンはコーナーポストの上へと登る。そしてロープに足を掛け、最上段に立つ。それは正しくRオリジンのフィニッシュ・ホールド、ハイフライオリジンの構えであり……だがその時、Rオリジンがコーナーポスト上に立った時、Dパープルもまた立ち上がっていた。高く立つRオリジンを迎え討つように立つDパープルの姿に、観客は目を見開き……次の瞬間、Dパープルは跳ぶ。再び放たれたドロップキックが、今正に飛ぼうとしていたRオリジンを捉える。
I&F「二発目のドロップキックが発射されたーっ!なんという高さ!一発目以上の高打点ドロップキックが、Rオリジン選手をコーナーポストから叩き落とすーッ!」
ヒストリー「流石の一撃です、Dパープル選手。しかし、これは中々危険な角度で落ちましたね…恐らく場外戦になるでしょうが、Rオリジン選手は大丈夫でしょうか(゚д゚lll)」
コーナーポストから転がり落ちたRオリジン。それを追い、Dパープルもセカンドロープを潜ってリングの外へと戦場を移す。
Dパープル「ふっ、舐めた事をしてくれるわね…だけど、そう簡単に『最強』は崩れないわよ?」
Rオリジン「そう、みたいだな…ッ!」
流石にダメージを隠せない様子で立ち上がったRオリジンの腕をDパープルが掴むと、身体全体で振って柵へと飛ばす。
リング内でも見た光景。しかしリング外にあるのは弾性皆無の鉄柵。そこへ叩き付けられたRオリジンは激しい音と共に身体の背面が本来曲がらない方向へと曲がり…走り込んだDパープルがそこを捕える。前方に倒れそうだったRオリジンの頭部を内股で挟み、腹部に両腕を回して抱え込んで…膝を突きつつ頭から落とす。そうして打ち込まれたパイルドライバーで、Rオリジンはリング周辺のマットへと突き刺さる。
ヒストリー「これはまた、容赦のない…リング外にもマットが敷いてあるとはいえ、あくまで床の保護が主目的のものですからね(−_−;)」
I&F「ほんの少し前まで短期決着かと思っていましたが、一転してDパープル選手が圧倒的優勢!そのままDパープル選手、Rオリジン選手をリングに戻してフォール!1、2……」
無理矢理ロープの下からRオリジンをリング内へと転がしたDパープルの片エビ固め。されど先のDパープル同様Rオリジンも3となる前に肩を上げて跳ね返す。
されど、Dパープルの攻勢は終わらない。ならば、と再びRオリジンを前屈み状態で立たせると、片脚をRオリジンの脚に、もう片脚を首に絡め、片腕をRオリジンの背中側に引っ張るとそれを腋で抱え込む。
Lオリジン「…卍固め、か。古くからあるこの技をここで使ってくるのは、歴史の転換点になり得る一戦だからか、それとも私に見せつけているのか…何にせよ、良い決まり具合だ」
ヒストリー「そうですね、かなり締まっています。連撃を受けた流れからのこれは更に体力を削られるでしょうし、Rオリジン選手としては一刻も早く脱出したいところでしょうが……(。-∀-)」
I&F「おっとRオリジン選手、苦しげな顔をしながらも歩いています!Dパープル選手に乗られたまま、技を掛けられたまま、一歩、また一歩と歩き…ロープを掴むー!」
関節技から脱する為の方法の一つ、ロープエスケープ。それによりレフェリーから技を解くよう促されたDパープルは、落ち着き払った様子で離れる。対するRオリジンは技が解けた瞬間片膝を突き、ダメージと疲労の深さを感じさせる。
一見すれば、どちらが有利であるかは歴然。そこから二人はリング中央付近でエルボー合戦に入るも、やはり勢いがあるのはDパープル。
Dパープル「わたしはまだまだ、こんなものじゃないわよ?貴女も、この程度で終わったりは…しないわよね?」
Rオリジン「……っ…流石は最強の座に君臨するチャンピオン、余裕綽々といったところか…」
重い一発をDパープルが打てば、Rオリジンは二発三発と返す。しかし一発の威力は明らかに劣っており、次第にRオリジンは後退していく。そうして遂にロープ際まで追い詰められる…が、Rオリジンの目は死んでいない。そしてその事に気付いたDパープルは油断する事なく、放たれたエルボーをきっちり受け止め反撃するつもりだった。だが次の瞬間、Dパープルは蹌踉めく。想定していたのとは逆側からの衝撃に襲われる。
Dパープル「な……っ!?」
Rオリジン「油断はせずとも、見誤ったようだなDパープル…!」
I&F「なんとRオリジン選手、ここにきて左腕でのエルボーを放った!そしてそこから怒涛の左右エルボー連打!これは驚きですね!」
ヒストリー「あの一発、直前までは右腕でエルボーを放つ動きを見せていましたね。そしてそこから素早く左に切り替え、意表を突いた訳です(・∀・)」
Lオリジン「今のはRオリジンの得意ムーブの一つ。押されているように見えて、その実この反撃を狙っていたという事だろう」
想定外の反撃で怯んだDパープルを、連続エルボーで一気にRオリジンは押し返す。逆側のロープが近付く中、自ら後ろに下がる事で次のエルボーを躱したDパープルはマットを踏み締めてのエルボーを打ち返すも、それをRオリジンは身を屈める事で躱し返し、そのままエルボーを潜るようにして彼女の背後へ。そこから瞬時に両腕を上げさせ羽交い締め…所謂フルネルソンの形を取り、ドラゴン・スープレックスでDパープルを叩き付ける。
打ち付けられたDパープルだが、元々ロープが近かった事もあり、足先がロープへ引っ掛かる。この状態ではフォールを取っても無効となる…が、初めからRオリジンはフォール狙いではないらしく、腕を離すと今度はDパープルの脚を掴む。
I&F「Rオリジン選手、ここでマグナ・クローバー・ホールドを選択ー!Dパープル選手をひっくり返して…腰を落とすーっ!」
ヒストリー「ドロップキックのお返しをしたDパープル選手の様に、今度はRオリジン選手が関節技を掛け返す形になりましたね。ここからDパープル選手はどう動くか……(´ω`)」
脚を捕らえ、うつ伏せのDパープルの上で腰を落としつつ背を逸らす。そうして決めた関節技にDパープルは苦痛の表情を見せるも、自らを鼓舞するように片手でマットを強く叩くと、両腕の力で身体を持ち上げる。そこから必死にロープを目指し…一方のRオリジンも踏ん張り耐える。
ロープという命綱へ手を伸ばすDパープルと、そうはさせまいと更に背を逸らし技をより深く決めるRオリジン。根性の勝負とも言えるせめぎ合いの中、双方を応援する声がドームに響き、反響し……Dパープルの指が、ロープへと触れる。
Dパープル「く、ぅぅ……っ!」
Rオリジン「……っ!…はぁ、はぁ……」
I&F「辛うじてDパープル選手がロープエスケープ!ギリギリ持ち堪えて逃れたDパープル選手ですが、ダメージの深さは一目瞭然!しかしRオリジン選手もかなり体力を消耗したようだー!」
Lオリジン「マグナ・クローバー・ホールドは背を逸らせば逸らす程、相手の背中や腰へ大きなダメージを与えられるが、その分使用者への負荷も大きくなる関係上、長く拘束するのには向かない。RオリジンはDパープルがタップしないと読んで、少しでも多くダメージを与えておこうと考えたのだろう」
負ったダメージでDパープルはすぐには立ち上がれず、Rオリジンもロープに背を預けて肩で息をする。だが勿論、いつまでもそんな時間は続かない。
先んじて次の行動に出たRオリジンは、コーナーに登りサンセット・フリップ。宙返りからのプレスを浴びせ、そのまま即座にフォールを狙うも、Dパープルは返してみせる。その後もRオリジンは攻め手を緩めず、一発一発技を決めていく。
Lオリジン「Rオリジンの攻勢が続いているな。しかもただ攻めるのではなく、きっちりと観客席へアピールや煽りを入れて、完全に声援を味方にしている。これぞインターコンチネプタルチャンピオン、と言ったところか」
I&F「確かにこういう場合、声援は押されている方に送られる事が多いですからね!これはRオリジン選手が流れを完全に掴んだと言ってもいいのでしょうか!?」
ヒストリー「そうですね。しかしDパープル選手の強みの一つは、底知れない体力…即ちタフネスさです。まだまだ勝負は分かりませんよ(`・∀・´)」
今有利なのはRオリジンだが、まだ勝負は決まっていない。実況席でそんなやり取りが交わされる中、背後を取ったRオリジンは再びドラゴン・スープレックス…と見せかけて、掛けられないよう脇を閉めたDパープルを腕ごと捕らえてダルマ式ジャーマン・スープレックス・ホールド。クラッチを解かず、そのままフォールを狙い……それも、Dパープルは返す。
フェイントという魅せる動きを披露し、更に流れを引き込んだRオリジンは、次なる技の体勢に入る。一方Dパープルは片膝を突き、そこからゆっくり前傾姿勢の形で立つ。しかし、やはりそのダメージは絶大と誰もが思った時……Dパープルは、動いた。
Rオリジン「──なッ!?うぐっ……!」
I&F「ど…ドロップキックだーっ!Dパープル選手、前屈みの状態から脚を跳ね上げるようにして近距離ドロップキックを打ち込んだー!本日三度目のドロップキックが、劣勢の流れを断ち切るかー!?」
攻撃体勢に入っていた分諸に受けたRオリジン。マットに着地したDパープルは、間髪入れずにコーナーポストの最上段に登り、そこからダイビング・エルボー・ドロップ。立ち上がろうとしていたDパープルの胸元へエルボーを叩き付け、彼女を再びマットへ沈める。
Dパープル「まだまだ、こんなものじゃないわよッ!」
Rオリジン「ぐぁ…っ!くっ……それは…こちらも、同じ事…ッ!」
左手でRオリジンの右手首を掴み立ち上がらせたDパープルは、その場から近距離ラリアット。再度倒したRオリジンへ、もう一撃Dパープルはラリアットを喰らわせようとするも、立ち上がったRオリジンは一瞬早くヘッドバットを放ち、打たれる直前で攻撃を潰す。
続けてRオリジンは、蹌踉めいたDパープルへ逆水平チョップ。打たれたDパープルは踏み留まり、Rオリジンの片膝へ足裏でキック。更にそこからお互い打撃技を打ち合い、互いが互いを削っていく。
I&F「激しい戦い、激しい打ち合いです!引いたらそのまま押し込まれるような打撃戦、これを制するのはどちらか!」
ヒストリー「このまま打ち合うならDパープル選手が上回りそうですが、それはRオリジン選手も分かっている筈。恐らくどこかでまた意表を突いた動きを……」
何か仕掛けるとすればRオリジンの方。ヒストリーがそう言いかけた直後、エルボーを放とうとしていたRオリジンへDパープルが突如タックル。突っ込んだ事でエルボーを諸に受けながらも、そのまま肩をぶつけて自分諸共マットに倒す。まさかのDオリジンの方が意表を突くという展開に会場が驚愕する中、馬乗りになったDパープルは上から打ち下ろす形で連続エルボー。更にレフェリーが止めようとする直前で立ち上がると、今度は倒れるようにエルボー・ドロップ。打撃でダメージを蓄積させ…立ち上がった上で、声を上げる。その声で、観客の声援を一身に集める。
Lオリジン「これは……」
I&F「はい!これはDパープル選手、一気に決めるつもりです!さぁ決まるか、Dパープル選手のフィニッシュホールド!」
再度、DパープルはRオリジンの右手首を掴んで立たせる。それと共に背後へ周り、腕を引いて振り向かせる。
それは正しく、Dパープルの切り札の動き。Rオリジンが回転し向き合う中、大太刀が如くDパープルは右腕を振り抜き……しかしその一撃は、空を切る。当たる寸前、腕を潜る事でRオリジンは躱し、その勢いで腕を振り解いたかと思えば、素早い反転から逆に左手で胴を回り込んでDパープルの右手首を掴む。そして……
Rオリジン「はぁああああぁぁッ!」
I&F「プリンメーカーッ!Dパープル選手のプリンメーカーを躱したRオリジン選手が、掟破りのプリンメーカーだーッ!」
ヒストリー「しかも直撃です…!これは物理的なダメージは勿論、精神的なダメージも計り知れません…!∑(゚Д゚)」
Lオリジン「…いいや、違う!」
首を刈るように叩き込まれた腕の一撃。背中を激しく打ち付けて倒れたDパープルへ、すかさずRオリジンがフォールに入る。
自身の必殺技とも呼べるフィニッシュホールドを躱され、逆にその技で痛烈な反撃を喰らう。それはリングに上がる者であれば誰であっても屈辱的な、そして愕然とさせられる瞬間であり、ヒストリーの見立ては真っ当なもの。しかしそこでLオリジンは言う。その直後、フォールを掛けたRオリジンは跳ね飛ばされる。
I&F「1です!ここに来てDパープル選手、フォールを1で返したーッ!」
Lオリジン「掟破りの一撃は大きなショックを与える者だが、強い心を持つ者の場合、むしろ闘志を燃え上がらせる事もあり得る。…今の、彼女の様に」
フォールを跳ね飛ばしたDパープルは、そこから両頬を自ら叩き、力強く立ち上がる。対するRオリジンも立て直し、両者は再びの打撃戦に入る。数度打ち合い、互いに相手を躱しながらロープへ走る。Rオリジンは腕を伸ばし、Dパープル目掛けて飛び込むが、それを読んでいたDパープルは深く踏み込み体勢を落とし、避けると共に肩は担いでフラップジャック。そこからDパープルは逆エビ固めに入ろうとするも、その瞬間RオリジンはDパープルに組み付きスモール・パッケージ・ホールド…クラッチ技と呼ばれる、不意打ちで丸め込んでフォールを狙う一手を放つ。
Dパープル「……っ…!ここに来て丸め込みなんて…それで決まったら、興醒めだとは思わないかしら…ッ!」
Rオリジン「元より、これで決まるとは…思っていないさ…!」
クラッチを振り解き弾いたDパープルは、立ち上がりざまにキック。Rオリジンは後転からの跳躍で間一髪躱し、立て直す。
落ちる事のない、両者のパフォーマンス。しかしダメージと消耗が積み重なっている事は、実況席は勿論、観客にももう伝わっていた。
I&F「驚き続きの戦いですが、ここにきて両者睨み合う!これはお互い次の動きを伺っているという事ですかねヒストリーさん!」
ヒストリー「それもあるとは思いますが、同時にお互いもう決着を見据えているのでしょう。既に大技が決まれば即決着もあり得る、逆に一撃受ければそれだけで終わってしまうかもしれない…そう思うからこその睨み合いだとわたしは見ています(`・ω・´)」
Lオリジン「同感だ。そして、次に両者が動けば、そこからは恐らく決着まで一直線だろう」
じわじわと、ゆっくりと近付いていく距離。実況席でも緊迫感ある会話が発される中、RオリジンとDパープルは後一歩で手が届く距離となり…先に動いたのは、Dパープルだった。
Dパープル「さぁ、最後まで見せて頂戴貴女の力を!その上で、わたしが全て捩じ伏せてあげるわッ!」
I&F「気合いと共にローリング・ラリアットが炸裂!腕で防御したRオリジン選手が後退する中、Dパープル選手はリング内を駆ける!走って、ロープの反動で加速して、また走って、ロープで加速して……そして跳ぶーッ!なんとなんとギア・カッター!これはロイヤリングパープル選手のギア・カッターですッ!」
ヒストリー「しかもDパープル選手、更に何か狙っていますよ…!ひょっとしてこれは……!( ゚д゚)」
飛び乗ったセカンドロープからの大技で、Rオリジンは叩き付けられる。しかしDパープルはすぐさまRオリジンを立たせると、腕を取りつつ背後に回る。それはプリンメーカーを思わせる流れであり…されど違う。敢えてプリンメーカーらしい動きを見せておきながら、そこからDパープルは手首のみならず腕全体を完全に捕らえると、そこから跨り締め上げる。
Rオリジン「がッ、ぐっ…ぅぅううぅ……ッ!」
I&F「ブラックネスホールド…!Dパープル選手、ギア・カッターに続いてエンプレストブラック選手の技まで出してきたーっ!これはまるで戦いの軌跡、Dパープル選手が時にぶつかり、時に肩を並べた選手達との歩みを見せているかのようですッ!」
Lオリジン「ここからタップアウトを狙…わない?ならば、これもフィニッシュへの道か……!」
勢い良く、一気に関節へ負荷を与えたDパープルながら、早期に関節技を解く。Lオリジンの言う通り、この攻撃も真のフィニッシュへ向けた繋ぎであり…しかしDパープルが自ら関節技を解いた瞬間を、Rオリジンは見逃さなかった。或いは…初めから、その瞬間を狙っていた。
Rオリジン「ねじ伏せるというのなら、私は貫くのみ…!私の道を!一つ一つ築いてきた、Rオリジンの在り方をッ!」
I&F「Rオリジン選手、Dパープル選手が離れた事で僅かに生まれた距離で助走を付けて跳んだーっ!これはガバナディアレジスト選手のボセイェでしょうか!?」
Lレジスト「いや…これはRトリガーか…!」
突き立て突き上げるような、跳ね上がる膝蹴り。その一撃でDパープルを弾き飛ばし、Rオリジンはその場に着地。大きく距離を開けられたDパープルは頭を振り、意識をはっきりさせるようにしながら立ち上がろうとするも、その為に片膝立ちとなった瞬間、再びRオリジンはマットを蹴る。一直線に、Dパープルへ迫る。
Dパープル「んな……っ!?」
I&F「畳み掛ける一撃!再び突き上げる膝蹴り!Rトリガーに続いてのグリモア・ウィザード!Rオリジン選手もまた、外敵として激戦を繰り広げ、その末に絆を結んだ選手達の技を放っていく!これこそ集大成!歩んできた過去が今に、未来に繋がるのだという証明!」
Lオリジン「新女神の名立たる選手達の技を使い、その末に勝つ事で自らのみならず、新女神そのものが最強であると示さんとするDパープルと、他団体が誇る選手達の技を魅せ、その果てに勝つ事で最高の極致、最高峰の景色がプロレスにあると呈さんとするRオリジン、といったところか。ふふ…今更ながら、言わせてもらおう。どちらが勝とうとこの一戦、未来永劫語られる事になると!」
Lオリジンすらも熱く語る空気の中、RオリジンとDパープルは技を打ち合い、受け止め合う。モナークリッドグリーンにマジェスティックホワイト、新女神における味方陣営は勿論ヒールサイドの面々の技もDパープルは次々と発射し、Rオリジンも他団体に所属する盟友の、或いはライバルの技を一つ一つ放っていく。どちらも相当の疲弊がある中で、フィニッシュ・ホールド級の技が幾度も行き交う。
それは、いつ終わってもおかしくない、途中でどちらかが力尽き、ノックアウトやテクニカルノックアウトになっても不思議ではないぶつかり合い。互いに倒れても立ち上がり、何度倒れようとも闘志を燃やし…それでも大技を受けたDパープルが仰向けに倒れる。倒したRオリジンはふらつきながらも、ゆっくりとロープを越えて再びコーナーポストの上に立つ。
Rオリジン「これで、この一撃で…勝負を……ッ!」
Dパープル「……ッ、まだよ…ッ!」
I&F「今度こそ放たれたハイフライオリジンッ!だが押し潰す直前、Dパープルは膝を突き立てたーッ!」
ヒストリー「疲労で跳ぶまでの時間が掛かった事で、迎撃が間に合ってしまった形ですね…!これはRオリジン選手にとって非常に痛い展開、ですがDパープル選手も落下の衝撃を諸に受けた膝のダメージは少なくない筈です…!(><)」
横たわった状態から突き出された膝が腹部へ食い込み、Rオリジンは苦しみながら横に転がる。全衝撃を膝に受けたDパープルもまた呻きを上げるが、呻きは奮起の叫びへ変わり、ゆらりとそこから立ち上がる。Rオリジンを待ち構え、終わるものかと立ち上がらんとするDパープルを向かい合う形で抱え上げ、ツームストーン・パイルドライバーで落とす。そして今一度観客を煽り、立ち上がらせたRオリジンの手首を掴む。
Dパープル「Rオリジン…ッ!これがわたしの、全力…全開よッ!」
引き寄せ、振り向かせ、叩き込む腕。本家本元のプリンメーカー。かち上げられたRオリジンは宙を舞い、リングに落ち、歓声と拍手が巻き起こる。
もう打つのも精一杯。それでも渾身の力を込めて放った一撃。誰もがそう察せるような足取りで、Dパープルは近付き、半ば倒れるように体固め。両者それぞれを応援する声が響く中、カウントは1となり、2となり、3の為の腕が振り下ろされ……
R「……ッ!ぁぁぁぁああああああッ!」
I&F「カウント2.9!2.9999!ギリギリのギリギリ、刹那よりも短い寸前の寸前で、Rオリジン選手が肩を上げたーっ!」
咆哮の様な叫びと共に、Dパープルを押し返したRオリジン。しかしだとしても虫の息。観客の多くが、殆どがそう思っていたが…Dパープルには見えていた。Rオリジンの瞳に灯る、意思の光を。
立ち上がると共に、もう一度Dパープルは手首を掴む。引っ張り上げたRオリジンを今度こそ沈めるべく、再度掻き集めた力でプリンメーカーを放とうとし……だがその瞬間、再び吠えたRオリジンがドラゴン式張り手で機先を制する。されど、それだけで終わらない。Dオリジンが攻撃を潰され一瞬止まった瞬間に、Rオリジンは走る。ロープの反動を活かし、Dパープルへ肉薄する。
I&F「息を吹き返したRオリジン選手を迎え討つDパープル選手のラリアット!だがそれをRオリジン選手は躱し、尚も走って…スリング・バスタードだぁぁッ!更に決まった直後に倒れたDパープル選手の脚を掴んで、グラウンド・ドラゴン・スクリュー!そしてそして、Rオリジン選手コーナーポストに登る!ロープを踏み締め、天高く腕を掲げるーッ!」
ヒストリー「あぁっ、でもDパープル選手も立ち上がっています…!今度はただの防御ではありません、真っ向からのカウンターを狙っています…!o(`ω´ )o」
Lオリジン「間違いない…この勝負、次で決まる……ッ!」
狙い定めるRオリジンに対し、Dパープルが正対する。Rオリジンには、Dパープルが何を狙っているのかは分からない。しかしDパープルがRオリジンの瞳の光に気付いたように、RオリジンもまたDパープルの心に燃える闘志の炎が消えていない事に気付いていた。
最強と最高の戦い。新女神の歴史の転換点。そんな思いは、もう二人の間にはなかった。実力を心底認め合う仲間として、競い合う友として…ただ、勝ちたい。今は、ひたすらにそれだけだった。
そして、Rオリジンは跳ぶ。渾身の力を込めて、全身全霊を懸けて…最後の一撃を、叩き込む。
Rオリジン「勝つのはッ!」
Dパープル「勝つのはッ!」
『(私・わたし)だぁぁああああああああッ!!」
迫り来るハイフライオリジンを、Dパープルは真っ向から受ける。二人の身体は重なりながらリングに倒れ、殆どそのまま動かなくなる。動きはしないが、体勢からRオリジンが体固めをする形になる。
静寂に包まれる会場。静かさの中、レフェリーのマットを叩く音だけが響く。一度響き、二度響き──三度目の音が、ただ一つ鳴る。
I&F「き…決まったぁぁぁぁああああッ!遂に、遂に、遂に両チャンピオンの決戦が、最強と最高の戦いが決着です!勝者はルーラードオリジン選手!そして彼女の勝利により、IWNPインターコンチネプタル級王座の存続も決定しましたーッ!」
ヒストリー「それだけではありません。この勝利で、Rオリジン選手はIWNPインターコンチネプタル級王座の連続防衛回数を前人未到の十一回に伸ばしました。これも凄い、凄まじい事です…!(*≧∀≦*)」
Lオリジン「その通りだ。だが、凄いのは彼女だけではない。何か一つでも、微かにでも違えば、勝敗は逆であっただろう。それ程までの、頂点に輝くような試合だった」
割れんばかりの大歓声が会場を包む中、RオリジンにIWNPインターコンチネプタルのベルトが渡される。それを手にし、掲げ、もう一度Rオリジンは叫びを上げる。その声に、更に強い歓声と拍手が返され響く。
I&F「本当に凄まじい、凄まじく素晴らしい戦いでした!そして最後の連撃、ハイフライオリジンとそこへ繋がる得意技の数々は……」
Lオリジン「──THE・ACE。Rオリジンが編み出し形にしようとしているのは知っていたが…まさか、こんな大舞台で披露してくれるとは、な」
激闘だったからこそ、叫びこそすれどすぐには話せないRオリジン。しかし実況戦のやり取りを経て、膝に手を突いていたRオリジンは顔を上げる。
Rオリジン「はぁ…はぁ……まずは、まずは…ッ!…ありがとう、Dパープル。これだけの試合が出来たのは、こんなにもファンの皆に喜んでもらえたのは、相手が貴女だったから…私はそう、確信してる…っ!」
Dパープル「…そうね…わたしも同じ気持ちよ。こっちこそ、ありがとうRオリジン。皆も最後まで見守ってくれて、本当に感謝しているわ。だから、心残りは一つだけ。その心残りを果たす為に……次こそ、わたしが勝つわ」
深い感謝を互いに伝える。その上で、Dパープルは笑みとこれからへの闘志を見せ…Rオリジンは、真っ直ぐ見つめ返して頷く。このやり取りにもまた拍手は送られ、支えを受けながらDパープルはリングを去っていく。一人になったRオリジンは、ゆっくりと会場中を見回し…再び、口を開く。
Rオリジン「会場の皆!それにTVや配信で見てくれている皆、今日は本当にありがとう!私を応援してくれるファンの皆のおかげで、私は勝つ事が出来た!皆の期待に、思いに、応える事が出来た!私が最高で在る事が出来るのは、君達の存在があってこそ!この王座は、最高の称号は、君達がいてこそその意味を成し、輝くものだと私は思う!」
握ったマイクで声を張り上げ、Rオリジンは会場全てへ声を届ける。そこには勝利の興奮と共に、確かな感謝の思いがあり…だからこそ、Rオリジンは支持されている。そうなのだと、伝わってくる。
Rオリジン「だが、同時にここにはDパープルを応援していた人達や、王座の統一によりこのインターコンチネプタルを封印するべきだと考えていた者もいるだろう!私はそんな人達の思いも否定はしない!何故なら、新女神プロレスは、私一人で作るものではないのだから!違う考えがあっても良い、目指す場所が違い、それ故にぶつかる事があってもいい!そうして磨かれるものもあるのだから!故に私はただ、そんな人達でも応援したくなるような、見たいと思うような戦いをするのみだ!」
一つの道を、正しさを決めるのではない。むしろそうでないからこそ生まれる良さがあるのだと、Rオリジンは伝える。その言葉にまた、拍手が送られる。その拍車こそが…観客からの、ファンからの答え。
Rオリジン「そして、もう一つ!もう一つだけ話させてほしい!……この試合は、未来を決める一戦と呼ばれていたが…この決着を以て、未来の全てが確定した訳ではない。今あるものが、これからもある確証などどこにもない。きっとこれまでのように、これからも新女神を去る者や、別の道を歩む者、それに…プロレスラーとしてのゴールを決め、そこに辿り着く者もいるだろう。だが…だけどどうか、俯かないでほしい!それがただの『終わり』だとは思わないでほしい!未来は未定だ、だからこそ新たな風が吹く事もある!多くのものが生まれ、成長し、まだ見ぬ先を描いていく!一度は別れた道が、再び重なる瞬間もある!未来はいつも、今ここにある道と繋がっていて……皆が望んでくれる限り、私は私で在り続ける!だから──行こう、皆で!全員で!私達で!」
それはきっと、ファンだけに向けた言葉ではない。もっと多くの、もっと沢山の、届けたい相手がいて……その全てへ向けた、思いと叫び。そして、誓い。Rオリジン自身が示す、自分と、皆との、これから先の道標。
Rオリジン「皆、ありがとう!これまでも、今日も!それじゃあ…それじゃあ最後に……会場の皆ーっ!愛してるーっ!」
Rオリジンの決め台詞。いつもの…自分で在り続けるといったRオリジンの、心を込めた思いの言葉。それを合図とするように、祝福の紙吹雪が舞う。祝いの声が、歓声が、会場に長く深く鳴り響く。
そうして幕を閉じた、女王同士の決戦。これが未来で、この一戦が過去のものとなった時、どんな風に評されるかは分からない。されど今この時、この瞬間を生き、見届けた者達にとっては、間違いなく最強を、最高を決めるに相応しい試合であった事だろう。
ヒストリー「…未来…そうですね。これがどれだけ大きな意味を持つ一戦であろうとも、新女神の歩みは続きます。だからわたし達も、未来に目を向けて進まなくてはいけませんね(^◇^)」
Lオリジン「あぁ。しかしただ進めば良いものでもない。上手く進めるか、その道が誤ったものでないかも、進んでいる時には分からない。だからこそ、新女神の選手達には、それぞれがそれぞれの形で、進む為の道標になってくれる事を……いいや。私もまた、その道標の一つで在ろう」
I&F「えぇ、私達も新女神の一員として共に歩んでいきましょう!それでは、本日の放送も最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!新女神プロレスの戦いをお送りするディメンションプロレスリングともしまた巡り合う事がありましたら、その時は宜しくお願いしますっ!」
(エンディング曲)〜♪〜〜♪
この作品は、
『シモツキのやる気』
『シモツキの趣味』
『ネプテューヌシリーズと新日本プロレスへのエール』
『偉大な方々への敬意』
で、お送りしました。
今回の技解説
・手四つ
互いに両手で相手の両手を掴んだ状態、或いはその前後の攻防戦の事。試合の冒頭で行われる事が多く、これそのものは技ではないものの、ここから様々な駆け引きが生まれる。
・ロックアップ
選手同士が噛み合った状態の事。互いに肩から首に掛けての部分へ腕を回して力比べを行う…という場合が多いが、正確な形が決まっている訳ではない。手四つ同様、試合序盤の攻防戦でよく見られる。
・パイルドライバー
上下逆さの状態で相手を抱え、内股で相手の頭を挟みつつ落とす技。○○ドライバーと呼ばれる技の基本形。頭から落とす関係上、掛ける側と受ける側、双方しっかりとした技術がなければ非常に危険。
・卍固め
両脚を相手の片脚と首に掛け、相手の片腕を自身の背中側に引っ張った上で腋に抱えて相手を締め上げる関節技。形が複雑故に見栄えが良いが、その分難度は高く、半端な状態では相手に抜けられ易い。
・ドラゴン・スープレックス
相手をフルネルソンの形で捉えて投げる技。その為フルネルソン・スープレックスとも呼ばれる。他のスープレックス同様フォールせず投げる形もあり、そちらは投げっ放し式やホイップ式とも言う。
・マグナ・クローバー・ホールド
片脚を腋に抱え、逆脚を抱えた脚の膝裏に引っ掛け、脚で四の字を作った後に逆エビ固めを決め、更にそこから背中を逸らして締める関節技。とあるレスラーの技と似ているが、こちらは背を逸らしてよりダメージを与える事を目的としており、短時間で一気にダメージを与える事に向いている一方、長時間の拘束には自身の負荷の関係で向かない。
・サンセット・フリップ
前方宙返りを行い、背中から倒れた相手にプレスを掛ける技。その場跳びを基本形とし、コーナーポストやロープ上から跳ぶ事で、より高所から勢いを付けて攻撃を行う形もある。
・ダルマ式・ジャーマン・スープレックス・ホールド
相手の身体を腕ごと抱えて行うジャーマン・スープレックスの事。腕を拘束している為、通常の形よりも妨害を受け辛いが、その分腕ごと抱える形を作るのがまず大変となる。
・ダイビング・エルボー・ドロップ
コーナーポストやロープ上から跳んで行う技。単に横になっている相手に行う場合はエルボー・ドロップとなる。高所から跳ぶ分威力が上がる他、ある程度離れた相手を狙う事も出来る。
・フラップ・ジャック
走り込んでくる相手を片側の肩に担ぎ、後ろへ倒れ込む事で叩き付ける技。その性質上、自ら狙うのではなく、迫ってくる相手に対するカウンターとして使われるのが基本。
・スモール・パッケージ・ホールド
片腕を首に絡め、片脚で相手の脚を引っ掛かけ、その脚ともう一方の腕で両脚を捕らえると共に転がしフォールを狙う技。丸め込みやクラッチと呼ばれる、不意を突いてそのままカウントを狙う技の一つ。
・ツームストーン・パイルドライバー
相手が自分も同じ方向を向く形で上下逆さに抱え、内股で頭を捕らえて落とす技。その名の通りパイルドライバーの一種であり、相手の身体の向きが逆になっているのが特徴。
・Rトリガー
助走を付け、膝を突き刺すようにして打ち込む技。とあるレスラーの技と似ているが、こちらはより突き上げる、上向きの攻撃を意識した膝蹴りとなっている。攻撃自体はただの蹴りである為その場から放つ事も出来るが、助走を付ける事でその分の威力の増加や、防御困難なだけの衝撃を生み出す事も出来る。
・グリモア・ウィザード
片膝立ちとなった相手に走り、その脚を踏み台にして膝蹴りを打ち込む技。とあるレスラーの技と似ているが、こちらはアッパーの様に顎を突き上げる事に特化している。その為本来の顎狙いをしようとすると、自分より小柄な相手には当てる難易度が高くなり、逆に使用者が小柄であると相手を問わず狙い易いという性質を持つ。
・グラウンド・ドラゴン・スクリュー
横になった状態の相手の脚を捕らえて行うドラゴン・スクリュー。通常よりも相手は勢いを逃がし辛い為より大きなダメージを狙える他、倒れた相手への追撃にも使える。
・THE・ACE
ドラゴン式張り手、スリング・バスタード、グラウンド・ドラゴン・スクリューを経てハイフライオリジンを放つ技。形の決まった単一の技というより、一連の流れの名前であり、その時々で最後以外は内容や順番が変わり得る。そしてその中で選ばれる技を象徴するのが、このTHE・ACEという名前。
この他にも幾つか技がありますが、説明不要であるものや、これまでに説明した事のある技は省かせて頂きました。
そして、次話からは合同コラボに戻ります。コラボの方はまだまだ続きますので、お楽しみにっ!