美木杉先生に呼ばれ、向かった先は職員室。
何を言われるのかと思ったら案外普通なことで……
「新しい学校にはもう慣れたかな?」
「あ?んな事聞くために呼んだのかよ……まぁ、マコもいるし私は満足してるよ」
「そうかい。ならいいんだが……あと満艦飾君、君宛に手紙が来てるよ」
「わたし宛ですか?どれどれ……あ、蟇郡先輩だ!」
へー……蟇郡からかぁ………って…
「えっ!? 蟇郡から!?」
「えーっと、『満艦飾、今日は俺のほうの仕事が早く上がれるのでな、車で送ってやるから、隣に居るであろう纏と早足で帰るんじゃないぞ』だって」
「……アイツ……一緒に帰ろうとかふっつーに言えねぇのか…」
「やったぁー! また蟇郡先輩の車に乗れるー! 流子ちゃん!ドライブだよー♪」
「ハイハイ、分かったからそろそろ移動しようぜ……今五分前だ」
職員室を後にし、廊下をほんの少しだけ早足で歩いていく。
にしても、蟇郡とマコは本当に仲がいいなぁ……マコはいつも通りだけど、あっちは違うだろうな……今まで規律に厳しい真面目野郎が色恋なんて……。
しかも学校に車で来るっていうんだから、私は驚きだね。
「ねー流子ちゃん」
「ん?どーした?]
[最近ね、蟇郡先輩と闘う夢ばっかり見るんだ!わたしがあの極星服着て、先輩がちょーカッコいい変身した姿で、ドガーン!バキッ!って!」
「なんだそりゃ……でも、楽しいならそれでいいんじゃねぇか?私なんて夢見ても忘れちまうよ」
「夢は覚えれるようにならなきゃだめだよ流子ちゃん!もしかしたら鮮血ちゃんが出てくるかもしれないんだよ!」
あー…ありえそうだな……夢の中だけでももう一回話せるんなら出てきて欲しいな……。
ていうか、これってマコは無意識だけど、両思いになってるんじゃねぇか…?
「んー、まぁ覚えておけるように努力はするよ」
「うん!絶対そのほうがいい! って、流子ちゃん!遅れちゃうよ!」
「やべっ、急ぐぞ、マコ!」
こんな感じで最近はドタバタと過ごして行ってる。
ただ、この日から私の心には小さな不安が芽生えていたんだ……
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授業終了のチャイムが鳴り、午後3時半を告げた。
ここからは部活動に入っている人が活動する時間だ。
私?何にも入ってないよ。いろいろあって部活は勘弁だね……
「いやー、やっと終わったね!帰ろう、流子ちゃん!」
「おいおい、もう朝のこと忘れたのか?今日は蟇郡が迎えに来るんだろ?」
「あ!そうだったそうだった!よし、校門にレッツゴー!」
私の腕を引っ張るように走り出したマコは、楽しげに鼻歌を歌っていた。
そんなにドライブが楽しみなのか……それとも……
「あ、先輩ー!」
「お、おう……満艦飾と纏か。乗れ、家まで送り届ける」
「ありがとーございます! 助手席はもらったぁー!」
随分とまぁ大はしゃぎだな…蟇郡も蟇郡でなんか顔赤いし。
私は後ろしか乗る場所なんてないし……仕方ねぇか…。
なんだか、マコが遠くに行ってしまいそうな、そんな不安が芽生えた放課後だった。