翌日の放課後。学園の中庭は、いつになくざわついていた。
「マジかよ……あの桜井コウが、十傑に喧嘩売ったって?」
「しかも次の相手は獅堂さんだそ。モンスターの数で押し潰す、まさに“物量の鬼”だぞ?」
コウはそんな噂を背に、ひとりゆっくりと中庭に歩み出た。
そこにはすでに、制服の上に獣の牙を模したショールを羽織る男が立っていた。
――獅堂 蓮。学園十傑のひとりにして、圧倒的な展開速度と物量戦術を誇る猛者。
「桜井。俺ァ嫌いなんだよ、陰気でヘラヘラしてるやつが、のさばるのがよォ。だから……俺が直々に叩き潰してやる。みんなの前でな!」
「はいはい、どうでもいいからさっさとやろうぜ」
周囲を取り囲む生徒たちの視線。
その中心で、ふたりはカードを構えた。
「「デュエル開始!」」
ターン1
プレイヤー 獅堂
「俺のターン!『牙獣ケルベルラ』召喚!ケルベルラの効果により、さらに『獣兵隊ベアウォリアー』『武槍騎馬ケンタロッキー』――連続展開だ!」
牙獣ケルベルラ
攻撃力600/防御力100
■通常召喚成功時手札からレベル3以下のモンスターを2体まで特殊召喚しても良い。そうした場合このターン、自分はアタックステップをすることが出来ない。
獣兵隊 ベアウォリアー
攻撃力900/防御力1000
■速攻(このモンスターは登場したターンにアタックできる)
武槍騎馬 ケンタロッキー
攻撃力800/守備力0
■速攻
■このモンスターがアタックする時、自身の手札を捨てる。捨てなければそのアタックを中止し、このモンスターを破壊する。
怒涛の召喚。
獅堂のフィールドは、開始1ターン目にしてすでに3体も出てきた。
各モンスター達が咆哮を上げ、観客からも歓声が上がる。
「すげぇ……流石十傑」「やっぱりランサーの展開力はやべぇよ!」「流石に変な戦術をしてきた桜井もこの物量は無理だろ…」
「くっくっく……見ろよこの戦力差。お前みたいな底辺が、俺に勝てると思ってたのか?」
だが――
ターン2
プレイヤー コウ
「お前のそのデッキには“欠点”がある。俺のターン、ドロー」
静かにカードを手札から抜くコウの目は、鋭く光っていた。
「速攻デッキは昔からとある欠点を抱えてるんだよ。それは、その展開力」
「あ?展開力が欠点だぁ?」
イライラしたように言葉を発する獅堂
一気に大量展開をする物量で押し切るデッキの弱点…それ即ち
「リソースの枯渇。お前のデッキは素早い代わりにリソースがすぐ途切れる、そして守備力の高いモンスターには手も足も出ない。」
「俺は手札から魔法カード『ダストソウル』を発動。効果によりお前の手札を2枚捨てさせる。更に『漆黒の悪魔 セグメント』を召喚。効果で俺のデッキの上からカードを5枚墓地に落とす。」
ダストソウル
このカードは自分の手札が相手より少ない場合発動出来ない。
■相手の手札を2枚墓地に置く。
漆黒の悪魔 セグメント
攻撃力800/守備力1200
■このモンスターの召喚時自身のデッキの上からカードを5枚墓地に置く。置かれたカードに魔法カードが1枚以上無かった場合、自分の手札を1枚墓地に置く
「ターンエンドだ、さぁ、展開力とやらもっと見せてくれよ?」
「き……きさま……っ!」
悔しそうに額から汗を流しながら呟く獅堂
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ターン5
プレイヤー 獅堂
「こんな弱者に俺は負けてられねぇんだよ!ドロー!!……来た。貴様を押しつぶす切り札がなぁ!」
今までの苦しい表情がなくなりニヤリと笑う獅堂……
――To be continued.