コウひとっては手応えのないバトルばかりで
段々とトーナメント自体に興味をなくしていった
(こんなものか……こんな世界でもこの程度の戦いばかりなのか……?)
観客の歓声が会場を包み込む。
街を挙げてのトーナメン。ついにその決勝戦の幕が上がる。
「両者、フィールドへ!」
アナウンスが響く中、コウは静かに歩を進めた。
その視線の先、向かいのステージに立つのは、一際派手な和装の少女。九尾を思わせる大きな尻尾のアクセサリー、キツネ面を頭に乗せている。
「なんやあ、あんたがウワサの“異端者”っちゅうワケかいな」
軽快な関西弁。だが目は笑っていない。
「よくそのあだ名を知ってたな」
「有名やでぇ?底辺からの成り上がり、更には見たこともないクラスを扱う……うちも気になってるさかい。」
くすくすと笑う狐の少女
「うちの名前は庵野 玉藻(あんの たまも)。よろしゅうな?」
「せいぜい楽しませてくれ」
観客が息を呑む中、二人は同時にカードを構える。
「「デュエル」」
*
ターン5
プレイヤー 玉藻
「《千夜の幻術師 マーリン》召喚!そしてフィールド魔法《魔術の晩餐会》発動や!」
玉藻のフィールドに煌びやかな魔法陣が広がり、魔術師が現れる。
千夜の幻術師 マーリン
攻撃力500/守備力1800
■自分が魔法カードを使用する度にこのモンスターに「魔術カウンター」をひとつ乗せる
■このモンスターに乗っている「魔術カウンター」を5つ取り除くと発動できる。自分は山札の上から3枚カードを引く。その後、相手の手札を1枚捨てさせるか、相手のフィールドのモンスターを1体手札に戻す。
魔術の晩餐会
■自分の「魔術カウンター」を乗せる効果が発動する時、1つ追加で乗せることができる。
カウンターを増やし、一定値に達するたびに追加効果が発動するギミック……しかも妨害とリソース確保か…
「……これがキャスターデッキか。なかなかに厄介だな」
コウは冷静に、しかし目を細める。
一手先、いや三手先まで読んでくるような戦術。狡猾で華麗な狐のような戦いぶり。
「ウチの戦術、ナメたら火傷するでぇ?」
コウの召喚するモンスターは次々と魔術に阻まれ、攻撃が通らない。
(このままじゃジリ貧か……いいね)
だが、彼の瞳に宿るのは恐れではない――獣のような闘志。
「なら、こっちも動き出すしかない……」
ターン6
プレイヤー コウ
コウは1枚のカードを掲げた。
「ドロー!来た、キャスターに取っておきのメタカードが!俺はフィールド魔法カード《カースマインド》を発動!このフィールドが存在する間お前は魔法カードを発動できない!」
フィールドが一変し、魔力が封鎖される。
「なっ!?うちの魔法が!」
「これでお前の伏せカードは怖くなくなった!《試作品ケルベ》でプレイヤーを攻撃!」
試作品ケルベ
攻撃力1800/守備力0
■このモンスターが攻撃した後、自身の手札を墓地に置いても良い。置かなかった場合このモンスターの攻撃力を500下げる。
首だけの獣が玉藻へ襲いかかる
玉藻LP4600→2800
「くっ……やるやないの。でも、それだけで魔法を封じきったとは思わんことやで?」
玉藻の目がキラリと光る
ターン7
プレイヤー 玉藻
「うちのターンや!このピンチ、ひっくり返したる!ドローや!」
光り輝くカードをドローした玉藻
「来たで!この状況を打開するカードが!」
ニヤリと笑い宣言した