転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする 作:popoponpon
「……」
エンジニア部とゲーム開発部がじっと、見守っていた。そこにいたのは、コードで繋がれた二人のアリス。その片方にだけヘイローが浮かんでいたのだが、やがて、もう一人のアリスにもヘイローが浮かび上がる。
「「「!!」」」
直後、最初からヘイローが浮かんでいた方のアリスが青色の瞳を開いていく。それから数テンポ遅れて、後からヘイローが浮かび上がった方のアリスが赤い瞳をゆっくりと開いていく。
「目を覚ましました!」
「……どんな感じ?」
赤い瞳を浮かべたアリスが、ゆっくりと周囲を見渡すように首を回し、と目を動かし、顔を動かしていく。続けて腕を回したり、手を握ったり開いたりと、体が動くことを確かめていく。そして、
「あ……あー……あー……」
一通りの発声練習を行う。アリスの優しい声音とはまた違った、だがアリスと同じ声がその口から流れていく。それらが終わるとようやく、
「……今の所、動作に問題ありません」
「おお、そうか。それはよかった」
「やりました!これでケイをいつでも召喚できます!」
ウタハ達はほっと胸を撫で下ろす。前からアリス達から打診があって進められていた、ケイのボディを生み出す計画はやっと、一段落がついたといっていいだろう。以前にも言ったように食事を始めとして普段、アリス達がしているような日常生活を送ることはまだまだ困難であり、ゲームを一緒にするぐらいしかできないボディとなっている。しかし、それでも今は十分であった。
「なんか……こうしてみると不思議な感じしない?」
「確かに……アリスちゃんとケイちゃんが一緒に並んでいるのって不思議だね……こうしてみると双子みたい……」
「わかる……」
「とはいえ、さすがに今の状態だと後ろからじゃどちらがどちらかわからないだろうし……とりあえずこれを付けておいて」
「?」
ヒビキがケイの後ろに回り込み、ヘアゴムを付ける。後ろで一本で纏められ、ポニーテールになったことでロングヘアのアリスと区別がつくようになる。
「髪型が気になるなら後で自分でやってみて」
「わ、わかりました……」
「似合ってますよ、ケイ!」
「そ、そうですか……」
髪型が変えられたことに違和感を感じつつも、ヒビキのやってくれた行為に感謝する。そんな中、コトリが重そうなケースを運んでくる。
「普段、ケイがアリスの中に戻ってるときはこの中に戻ってくださいね。何も知らない人が見てアリスが倒れてる、なんて勘違いしたらまずいですから」
「何ならそのままにしていると知っている人すら驚くかもしれないからね」
しかも中に入れればそれだけで充電される便利仕様である。とりあえず置き場所はユズが利用しているロッカーの隣に置いておけばいいだろうとモルフォ達は考え始める。
「よし、それじゃあ早速これを部室に運んでいこう」
「データは定期的に回収させてもらうよ」
「では、早速部室に戻って皆でゲームです!」
「でも、六人でやれるゲームか……オンライン系でなんかやる?」
「あ!それならミネラルクラフトとかどう?」
「ああ、あれね……」
ミネラルクラフト。前世で言うMinecraftに似たサンドボックス型のゲームであり、プレイヤー達はブロックで作られた世界で様々なアイテムをクラフトしながら、建築、農業、畜産、村人との交流、戦闘など様々な行動を取ることになる。一応のエンディングやそれを見るために倒すラスボス的な存在もいるにはいるのだが、基本的にストーリーと呼べるものは存在しておらず、その点も含めてプレイヤーの自由に任されている。
「それなら、ヒビキとコトリも一緒にやってきたらどうだい?ケイの調子を確かめる良い機会になるだろうし」
「そうですね!……あれ、ウタハ先輩は参加しないんですか?確かソフト持ってましたよね?」
「MODぶち込みすぎてバグり散らかしてね……寝起きのテンションで変な所に入れたりしたせいで大変なことになってるんだ。どうせやるのはバニラだろう?なら今回は遠慮しておくよ……まあ、他にもやることはあるしね」
「じゃあしょうがない。他にも誘ってみる?」
遠い目をし始めるウタハはさておき、コトリとヒビキも一緒に参加するようだ。となれば、他に暇な人を誘ってみようとモモイが言ったことで、ゲーム開発部は頷き合うのだった。
★
「えーと、サーバー建ってる?」
『あ、大丈夫大丈夫~入っていいよ!』
「では突撃です!」
『お邪魔しますよ』
『にははー!マルチするのは初めてですねー!』
一時間ぐらいして。突然のゲーム開発部の招集に応えてくれたのは、マキ、トキ、コユキの三人であった。他の面々はそれぞれの用事などで忙しく、今回は残念ながらタイミングが合わなかった。
「11人でミネクラとか多くない?こんな大人数でやるなんてイベントとかそういう企画でもないとないよ!」
「随分と騒がしくなりそうです」
『にはは……いやぁなんか不思議ですねぇ。アリスとケイが一緒にいるって』
『同感です』
「アリスの妹です!双子です!……多分」
「あ、あの、アリス?」
「あ、そういう設定なんだ」
「ま、まぁ……ある意味自然ではある?のかな……?」
「モモイとミドリの影響かもね……」
『まあ、ここにいる人は全員事情は知っていますが……』
事前に事情を知っている面々にはケイの体の事は通達されているのだが、もし何も知らない人が見た時のための言い訳として、アリスはケイのことを双子の妹という扱いで通すようだ。パッと見では妹の方がしっかりしているようにも見えるが、モモイとミドリも一見するとそのような感じなので違和感はない。そんなこんなで、全員でマキが立ち上げたサーバーを使ってゲームにログインしていくことになる。
『おー、こんな感じですよこんな感じ!いやー久しぶりですねー』
早速ログインし、ブロックの大地に放り出されるモルフォ達。早速土を掘っては謎の塔を作り、その上から飛び降りて自傷ダメージを受けるコユキの奇行を目にしながら、これからどうするかと考え始める。
「どうしようかモルフォちゃん?」
「とりあえず、自由に動いちゃっていいんじゃない?とりあえずここを拠点にする感じで」
「あー、リスポーン地点をずらす寝袋作るの、手間だよねこの人数だと」
このゲームではベッドもとい寝袋でリスポーン地点を変更できるのだが、そのアイテムを作るために必要な材料を人数分集めるのは手間。であればとここを拠点とする。その方向性に異論を唱えるものは誰もおらず、十二人はそれぞれ行動を始めることになるのだった。
★
「うわーん!毒状態になってしまいましたー!」
「今行きます、アリス……この蜘蛛の巣が邪魔すぎますね……!って、矢!?ガイコツもいるんですか!?」
時間にして一時間後。偶然地下に見つけた坑道の中をアリスとケイは一緒に探索していたのだが。そこに存在する、洞窟グモならぬ毒蜘蛛と弓を持つ、スケルトンならぬガイコツのモンスターに襲われてしまっていた。蜘蛛の巣が張り巡らされて移動がしにくい環境で遠距離からガイコツの矢を射られるせいで体力がどんどん削られていってしまう。
「あんまりきついようだったら一旦撤退した方がいいかもね」
『そうですね……鉄作りは終わってますし、それで武器や防具を新調してもいいかもしれません』
『工房は完成した……後は皆が手に入れてきた鉱石を製錬するだけ。次は……半自動収穫装置でも作ろうか。畑どこだったけ』
『えーと、確か……』
ズタボロになりながら襲ってきた毒蜘蛛とガイコツを蹴散らした二人にコトリとヒビキから声がかかる。今、二人が使用している武器はまさかの一番弱い木から作られる剣。そして防具無しという有様だ。これでよく生き残ったなとモルフォとユズもチラ見しながら思わず感心するレベルである。が、
「!?」
「はい!?」
突如として、シュウウウ…という煙のようなSEがどこからともかく聞こえてきたかと思うと、謎の爆発によってアリスとケイが吹き飛び、一瞬でHPが消滅してしまう。他のプレイヤーのログには、アリスとケイが匠と呼ばれるモンスターの爆発によって吹き飛んだことが表示されている。
(クリーパー……匠の仕事を果たしおった)
「うわーん!アイテムが全部ロストされましたー!」
「何ですか今の敵は!?アイテムを回収しに行かなければ……」
『匠は自爆職人だから……おっ、子羊生まれた生まれた……』
死亡した二人はリスポーンし、拠点で復活する。すぐに戻ろうとするも、ヒビキ達が次のグレードに相当する鉄を用いた装備が作れるようになったと言っていたことを思い出し、装備を作りに行くことにする。地上部分はミドリが大きめの家を作ろうと奮闘しており、ヒビキとコトリが言っていた工房は地下に作られていた。そこには鉱石を製錬するための竃や、アイテムをしまうためのボックスなどが立ち並んでいた。と、そこにモルフォとユズが戻ってくる。
「ブランチマイニングしてきたよ」
「数スタックぐらいは鉄を拾ってきたからある程度は賄えると思うけど……」
『いやー、これで何とかなりそうですね。ちなみにダイヤはどうでした?』
「まだまだ自由に使える分はないかなぁ。交易さえできれば話は変わってくるんだけど」
「ごめーん、全然村見つかんないー」
『歩けど歩けど自然ばかりですね』
モモイとトキは周辺の地図を作りながら村を探して出歩いていた。村さえ見つかれば村人と交易することで、最高グレードの装備も手に入るようになるため、この大人数の装備を作るために一から材料を集めるよりも交易を利用することを目指したいのだが、中々うまくはいかないようだ。ちなみに、マキは染料と呼ばれる色付きのブロックを作ったりするために必要な素材と食べ物を確保するための牧場を作る傍らで農場や植林についても進めていた。モルフォとユズも地下を掘って鉱石を集めてくるなど、それぞれの形で生活を豊かにしようとしていたのだが。
「そういえばコユキは何してんの?」
『には……には……迷いました……』
「いや何してんの?」
『地下に潜ってぇ……道に迷ってぇ……掘って戻ろうとしたらツルハシ壊れちゃってぇ……』
未だに詳細の掴めないコユキに気付き、モルフォが質問すると、コユキが絶賛迷子になっていた。と、その言葉を聞いていたコトリがコユキに質問する。
『手持ち何があるんです?』
『えーと……木の剣と石のブロックとか岩のブロックとか……あ、ボックスとかもありますよ。後は蜘蛛の糸とか目とか……』
『……あんま価値のあるものじゃありませんね……』
「まあねぇ……後でいくらでも取り戻せるし」
「じゃあコユキ、一回リスポーンして戻ってきて」
『えっ』
『いやでも帰り道分からないなら探し道わかりませんし』
『うん、どうせ満腹度も減ってるだろうし乙った方が楽』
『なんで皆ロストしてこいって言うんですかー!?』
だって大したもの持ってないならわざわざ探すよりロストしてもらった方が楽だし……コユキ以外の全員の意見が一致する中、鉄の武器と防具に身を包んだアリスとケイが誕生する。
「これでアリスとケイは勇者としてレベルアップです!この鉄の剣で失ったものを取り戻しに行きます!」
「今度は不覚を取りません……!」
「ついてく?」
「いえ!お二人は採掘を進めてください!」
「不始末は私達でつけるので」
『あ、行くならバケツ作ってマグマ拾ってきてくださーい』
『黒石割るの面倒だし』
「うん、わかったよ。行こうっか、モルフォ」
「だね」
モルフォとユズが採掘場に作り直した鉄のつるはしと共に消えていく中、アリスとケイはまた坑道へと突入していく。どうにか生き残れないかと足掻いてはみたもののやっぱり帰れないと気付き、自殺したコユキがリスポーンして戻ってくる中、二人は自分たちが匠に吹き飛ばされた地点まで何とか戻ってくることには成功したのだが。
「……アイテムがないんですが」
「うわーん!マグマです!マグマでアイテムが燃やされています!」
「あー……匠の自爆で壁が崩れてマグマが流れてきちゃったんだね……」
『まあ……たまによくありますよ』
そこにはマグマが流れており、二人が頑張って集めていたアイテムは完全にロストしてしまっていた。よくあるある……と皆がうんうんと頷いている中、さすがにこのオチは二人とも嫌だったのだろう。
「このまま手ぶらでは帰れません!ケイ、一緒に坑道を制覇しましょう!」
「わかりました。今の装備なら負ける道理がないでしょう、このまま攻略を進めていきます」
何か成果を得なければ帰れない。そう決断し、二人はより坑道の奥へと進軍していくことになる。その後、モンスター達がスポーンする特殊なブロックから生まれた群れに襲われ、さらに背後から野良でスポーンしたモンスターに囲まれてボコボコになり、あえなく再びの死亡を遂げるのだが、その時はそこまで遠くはないのだった。
★
「あああああああ!?」
「ケイが寝袋と共に爆発しましたー!?」
『あの……異世界に寝袋置いたの誰なんですか?』
『……いや、景観になるかと……』
「マキ……なんでこっちに来てすぐに帰ったのかと思ったけどそのためにベッド置きに来たのか……」
ネザーならぬ、マグマが流れ満ちる異世界。マグマを水で固めたり、地下に存在するものを掘って手に入れる黒曜石と火を生み出すアイテムを使って生み出されたゲートを使って辿り着いた先の世界では、その特殊な仕様の洗礼を受けるかのようにケイが爆発していた。
『いや、ね?まさか異世界で寝袋使う人いないって思うじゃん……?ごめんケイちゃん初めてだったね……』
「ま、まあゲートの近くですから被害は軽微です……くっ、こんな罠があったなんて……」
異世界ではマイクラで言うベッドに相当するアイテムである寝袋を使うと爆発し、死んでしまうという仕様がある。元の世界ではリスポーン地点の調整のために設置し、睡眠を取ることで時間帯を夜から朝へとスキップするアイテムとしても使用できるアイテムなのだが、異世界では途端に即死トラップとなるのだ。
『うあぁああああ──!?』
『見てくださいモルフォ、コユキがマグマに沈んでいます』
「穴に引っかかってマグマダイブしちゃったんだね」
『助けてくださいよトキさん!』
『無理です、大人しく穴に沈んでください』
『コトリ、そっちは楽しそうだね』
『まあ盛り上がってますね!……とりあえず砦は、この人数でばらければどこかしらにあるでしょう!』
異世界に来たモルフォ達は二手に分かれていた。元の世界でやっていた作業が全員一段落し、無事、農場や牧場も完成し、村も無事に発見して交易路が開拓されたりしたことで、一行は二手に分かれてエンディングを見るために必要なアイテムを取りに行っていた。そのために必要なものは、元の世界に存在する、エンダーウーマンというモンスターを倒すことで得られる、マイクラで言うエンダーパールに相当するアイテムを集める組と、フレイムロッドと呼ばれるブレイズロッドに相当するアイテムを集める組、二手に分かれて行動を開始したのだが、異世界側の方は早速前途多難であった。
『砦を見つけましたよ』
「わかりました!すぐにそっちに向かいます!」
「もう油断はしません……!」
コトリが砦を発見し、そこにモルフォ、アリス、ケイ、トキ、コユキが移動していき、攻略を開始していく。フレイムロッドを持つ炎の敵やガイコツ、またマグマのスライムのようなモンスターなどが存在する砦の中を攻略していくが、六人で常に誰かが孤立しないように注意しながら動いていたことや、敵のスポーンも中々悪くなかったようでフレイムロッドも比較的良いペースで集まっていく。
「ユズーそっちはどうー?」
「散らばって色々集めてるんだけど……うーん、ポータル見つけるまでに何個か壊すことを考えると余裕が……」
『……そういえば、ちらっとそれっぽいの見つけたような』
『「「コユキ?」」』
『えっ、コユキがいた地下にあったんですか?』
『いやぁ、彷徨っていた時になーんかそれっぽいのがあったような気がしただけで正直……でも壁の中から出てくる魚にやられたんで多分そうなのかなって』
「「「それじゃん!!」」」
そしてここで、まさかの情報がコユキからもたらされる。コユキが死んだことは無駄ではなかったようだ。
『……今丁度拠点に戻っていますし、光源とか食料とか必要そうなもの作っておこう』
「ごめーんありがとう」
「……活躍するのか失態を晒すのかよくわからない人ですよね……」
『トリックスターみたいな……?』
『にはは……トリックスターコユキ!ってことですかー?今度からそう呼んでくれてもいいんです痛い!?なんで殴るんですか!?』
「イラっとしたので」
とはいえそれはそれでイラっとしたケイにコユキが殴られたりしながらも、全員でコユキが見たというポータルを探し始める。ポータルを探す理由は、その先にラスボスがいるからだ。そしてそのボスに続くポータルを起動させるために、彼女たちが集めたアイテムを組み合わせる必要があるのだ。元の世界に戻り、全員で地下に潜って探索を続けていくことになる。こうなればと人海戦術でどうにかポータルを見つけ出した十二人は、とりあえずエンディングを見るために準備をすることにする。
「剣は使えないんですか?」
「うーん、ラスボスのドラゴンは弓でクリスタルを破壊しないと体力を回復しちゃうんだよね。だから狙撃できる奴は弓で狙う必要があるんだけど……鉄格子とかで囲われてるクリスタルはブロックで登って剣で壊すことになるかな」
「わかりました!」
「ではどちらも必要ですね……」
モルフォの言葉を受け、アリスとケイも頷き、全員で準備する。とはいえ、ボスの事を知っている面々からすれば、これだけの人数がいるなら雑にやられても総合的には楽勝だろうと楽観視しており、
『あっタコ殴りにされて死んだっ』
『クリスタルは割ったけど吹き飛んで場外だー』
『命が軽いですね……マルチだとこうなるんですね……』
「ゾンビアタックできれば負けがないからねぇ……」
「いいんですかゲームとしてそれで」
「だってこれ別にそこまで戦闘重視するゲームじゃないし……マルチならこれも許容範囲だよ」
何人もの命を散らしながらクリスタルを破壊し、ドラゴンの守りをはぎ取りながら次第にボコボコにし始めていく。その様子を見ながら、思わずケイも呆れてしまうが、
『いやー!また落下したんですけどー!』
『防具って在庫ある?』
『もうありませんよ!?』
「じゃあ生身で突撃だよ!」
『こっからは余計命が軽くなりますねー』
『弓矢だけはロストしないように気を付けましょう』
「そうだね。持ち込んだ分で仕留めたいけど」
皆でわちゃわちゃしながらドラゴンを殴っていくその姿は一応のラスボス戦とは思えない程ほのぼのとした雰囲気で、だがとても楽しくて思わずにやけてしまう。その横顔を見ながら、アリスも嬉しそうに笑う。
「ケイ、凄く楽しそうでよかったです」
「!アリス……」
「この顔が見れてよかったです。ケイと一緒に皆とゲームができて、凄く楽しいです!」
「……ありがとうございます。私も……楽しいです。皆さんには……感謝しかありませんね」
アリスの言葉を聞いて、ケイも笑う。そうしている間にも、ドラゴンは倒されてしまい、飛び込むとエンディングを見ることができるゲートが出現する。
「よーし、後はこれに入ればエンディングだね!」
「まあ、とりあえずで倒しにきただけなんだけど」
「寄り道の一つだからねー」
『まま、とりあえず帰りましょう!』
『うーん、さすがに防具は補充し直さないと……』
そのまま、わいわい騒ぎながら、ケイたちは次々とエンディングを迎え、楽しそうにゲームを続けていく。そんな中、休憩がてらトイレに行こうと立ち上がったところで偶然、ポケットからスマホを落としてしまうモルフォ。慌ててヒビが入ってないか画面を点けてロックを解除し、無事を確認する。と、そこでカレンダーが目に入る。そこには、一週間後にエデン条約の調印式の日が記されていたのだった。