転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする   作:popoponpon

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先生とベアトリーチェ

 

「……やはり、私達も先生やミカ様と一緒に同行するべきでは……」

「落ち着け」

「……申し訳ありません。ですが、セイア様が眠ったままというのが本当だとわかってしまったせいでどうしても……」

「気持ちはわかる。だからこそだ」

 

カタコンベの入り口。そこには正義実現委員会のハスミとツルギの姿があった。それだけではなく、トキやモモイ、シロコにイオリといった面々もその場におり、落ち着かない様子を見せていた。シスターフッドや救護騎士団、ティーパーティーなどの姿がないが、ナギサらは後方に控えてやるべきことをやっており、救護騎士団はセイアの容態を確認し、今も付きっ切りになっている。

 

「静かに待っている事しか今はできないだろう。シスターフッド達が今、カタコンベの情報を調べ直しているんだろう?」

「ああ……古書館の魔術師の実力を借りさせてもらうと彼女は言っていたが……」

 

カリンの指摘にツルギも頷く。古書館の魔術師、そう呼ばれる存在がトリニティにはいるようだが、どうやらサクラコがハナコ、そしてアズサを伴って彼女に自ら交渉をしに、もとい、叩き起こしに向かったらしい。図書委員長も災難だと思いながらも、この調査でどうにかしてカタコンベの地図とその変化の法則性を割り出せればこちらから打って出ることも可能になる。どうにか成果を出してもらいたいものだと内心呟きながら、真っ暗なカタコンベの入口へと視線を戻す。

 

「……だがサクラコが、シスターフッドがやろうとしている方法ではどうしても今すぐに、というわけにはいかないな……」

「……決して疑うわけではないんですが、ミレニアムの方でカタコンベの通路を割り出す方法があるというんですか?そんな簡単にいくならこうももたもたはせずに済みそうな気がするんですけど……」

「実際に方法を教えてもらっているわけではないので回答は控えさせてもらいます。ですが……何かしら方法を見出していると考えられます。直にエンジニア部らが到着次第明らかになるかと」

(……どれくらい期待していいのやら……)

 

トキの言葉にチナツも複雑そうに顔を顰める。事の次第を聞いたリオがその話を他の面々と共有、ある方法を実施するためにヘリを使ってすぐにトリニティに急行することになったのだが、それだって今すぐ来れるというわけではない。ミレニアムの技術力を疑うわけではないが、果たしてそれがカタコンベにどれほど通用するかは正直疑問であった。

 

「……モルフォ……ネル先輩、大丈夫だよね?きっと……」

「大丈夫大丈夫!ネル先輩も先生もいるし、ホシノさんとかだっているんだから!」

「でも、お姉ちゃんも心配でしょ」

「それは、うん……心配だけど」

 

心配そうな表情のユズをモモイが励ますも、ミドリに指摘されてしまい、思わず頷いてしまう。しかし、その様子を見ていたアリスが口を開く。

 

「きっと大丈夫です。モルフォは死にませんし、皆で帰ってくるはずです。モルフォは危険な目に遭ってもきっと帰ってきます。アリスはそう信じています」

『……私も、そう信じようと思います。モルフォならきっと……』

 

アリスの中で、ケイもそう呟く。その言葉にアリスはしっかりと頷き、そして空の遠くに見えたヘリのものと思われる明かりを確認するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「く……被害が大きすぎる……皆さん、これ以上は自分の身の安全を最優先に!ユスティナ聖徒会が出てきた以上、私達がこれ以上怪我をし続けるよりもそちらに任せた方が手っ取り早い!ただしあいつらを建物の外には出さないように!」

 

先生達が入っていったバシリカへ繋がる建物。その前にスバル達が陣取っていたものの、閉められた扉の向こうには行けずにいた。既に向こうにはユスティナ聖徒会が控えており、彼女らと先生達が戦闘をしている音が聞こえてくる。ヒエロニムスを失ったものの、ユスティナ聖徒会の複製自体を可能としたことでベアトリーチェはそれを自由に生産できるようになっている。それ故に、既に多くの個体が生み出されているのだろう。とはいえ、その数には限りがある。そして、彼女達ならばそれを殲滅することがもしかしたら可能なのかもしれないとスバルは心のどこかで思うようになっていた。

 

「……やっぱり私達も行った方が」

「いえ、既に私達も疲弊しているでしょう。ただでさえ昨日から戦い続きでまともに休めていませんし、古聖堂での戦い、スクワッドの捜索にここでの戦いと、全員限界のはずです。先程の戦闘でも……正直、こちらが大きく消耗している所は否めませんでしたし」

 

一人がおずおずと言った様子でスバルに進言するも、その必要はないと言う。しかし、スバルも、他のアリウス生もまだ理解してない。

 

既に絶対の支配者、アリウス分校の生徒会長マダム、いやベアトリーチェの下からその心は離れ始めていることを。サオリ達がスバルらに植え付けた懸念、アリウスのそれとマダムの思惑は別であるという言葉は、古聖堂での絶対的な敗北という、彼女の絶対性を崩す出来事と共に植え付けられていたのだ。

 

だからこそ、ある程度の危険を冒してまでユスティナ聖徒会と共闘するという選択を取らず、消極的な選択を選んでしまった。

 

「……いつ奴らがユスティナ聖徒会から逃げて飛び出してくるかわかりません。その時は即座に弾丸を叩き込みますよ」

「はい!」

「了解です!」

 

そして順調に包囲網が完成しつつある中、建物の中では。

 

「ユスティナ聖徒会……薄々予想はしていたけれど、まだこんなに出てくるなんてね」

「ったく、芸のねえ奴だな!そのマダムとかいうイカレ野郎はよぉ!」

 

ユスティナ聖徒会との戦闘が繰り広げられていた。ユスティナ聖徒会の攻撃を避けながら弾丸を叩き込み、一人一人確実に潰していく。ネル達四人が縦横無尽に駆け回り、アリウススクワッドの三人が先生の指示を受けながら四人の補佐に回る。そしてユスティナ聖徒会から先生への攻撃はモルフォがガードしつつ、徐々に数を減らしていたのだが。

 

「……それにしてもまだまだ出てくるね。うーん、いずれは尽きるとは思うんだけど」

「……儀式までの時間が気になるところだね。もし儀式が行われたらそこにいるセイアちゃんも無事とは思えないし……」

 

倒した傍から補充されるユスティナ聖徒会。それ自体は問題ないし、前進もしているのだが、やはりそのスピードは遅い。最大の問題はやはり儀式が始まるまでの時間だ。儀式が行われればアツコは死ぬ。そうなれば儀式の影響で何が起こるかもわからないし、セイアがどうなるのかすら未知数だ。ミカやホシノが苦い顔をしている横ではネルもこの状況があまりよろしくないことを理解して舌打ちをしていた。

 

「……この場でユスティナ聖徒会の相手をする組とセイアとアツコ、二人を助けに行く組を分けよう」

 

その状況を見て、先生も苦渋の決断を下すことになる。先生の決断に八人は異議を唱えることはなく戦闘に集中する。そして先生が下した判断は、

 

「スクワッドとモルフォは一緒に来て!ミカ達はここでユスティナ聖徒会を食い止めて!」

「!わかった!」

「うん、なんとかしておくよ!」

 

ミカ達四人にユスティナ聖徒会を任せるということ。ユスティナ聖徒会は確かに強力な相手ではあるが、この四人ならば苦戦する要素もないだろう。アリウススクワッドが抜けたことで殲滅速度自体は下がるだろうが、

 

「よし、こじ開けんぞ!」

「ほらほら、どいたどいたー!」

「今だ!!」

 

それでも一点を食い破ること自体は朝飯前だ。ネルとホシノが同時に敵陣に突っ込み、一気になぎ倒すと、そこへサオリ達が走ってくる。ユスティナ聖徒会が先生達を狙おうとするもミカとヒナに邪魔されてしまい、遂に先生達を逃してしまう。それでもどうにかすり抜けてきた一体の放つガトリングをモルフォがライオットシールドで受け止めると、そのまま彼女も先生と共に奥の通路へと消える。

 

「よーし、これでとりあえずは大丈夫かな?」

「うん、先生が行ってくれたなら……それに、セイアちゃんをずっと助けてくれたあの子も一緒だもんね。きっと、セイアちゃんも、アツコちゃんも助けてきてくれるよ」

「ま、あっちはもう心配するだけ無駄だろ。やれるだけのことはこっちはやったんだからな……それよりもだ」

「ええ、ユスティナ聖徒会の対応が先ね……ここでできるだけ削っておかないと、後から来る皆の邪魔にもなるだろうし」

 

先生達を取り逃したユスティナ聖徒会が追いかけようとするも、先手を打つように天井を数人で攻撃して破壊し、通路を塞いでしまう。通路を塞がれたユスティナ聖徒会達は感情がないはずだがどこか恨めしそうに四人へと振り向くと、怒りを露わにするかのように銃を向ける。

 

「それじゃ……お?」

 

その時だった。別の通路から、別のユスティナ聖徒会が現れる。それは、頭部やガスマスクなどは通常のユスティナ聖徒会と共通しているものの全身をボンテージのようなラバースーツに包んだ、他のユスティナ信徒と比べても二回りほど大きな姿となっており、その左手には巨大なガトリング砲、右手には巨大な銃口のキャノン砲のようなものが握られているのがわかる。

 

「うわお、新型?」

「……へえ、でかい武器じゃねえか。こりゃ怪我人にはきつそうだ」

「先に行かせたのは正解だったねえ~、でもおばさん、この程度で私達を倒せるって思ってたら大間違いじゃないの?全然弱そうなんだけど」

「ばーか、こんなところで言ったってどうせ聞いてねえよ。こんなしょっぱい戦力でドヤってる引き籠りなんだから―――」

 

軽口を叩き合いながら、バルバラと呼ばれるその個体を観察していたその時だった。どこにいたのかと思う程のユスティナ聖徒会が次々と塞がれていない通路から現れてきたのは。

 

「……どうやら怒らせてしまったようだけれど」

「まあ、丁度いいだろ」

「それでもここまでやってくるとは思わなかったけどねぇ。よっぽどおじさん達……いや先生にイライラしてたんだねえ」

 

ベアトリーチェの精神を逆撫でできているおかげでこちらに戦力を集中してくれるなら囮役としては大成功だ。もしくは、サオリ達だけなら問題ないと判断しているかもだが、いずれにせよありがたい。

 

「集まってきてくれたところで悪いんだけどさ、セイアちゃん達の方も気になるからすぐに倒れてもらうね」

 

そう言い、ニッコリと笑いながらミカは目の前の敵に向けてサブマシンガンを連射し始める。それを合図として、ヒナ達も動き出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「この先だ……この先に姫が!!」

 

アリウススクワッドと先生、モルフォが祭壇のある場所へ向かって走っていた。

 

(朝になれば儀式が始まってしまう。もう夜明けまで時間も無い……)

 

ここで戦力を分断せざるを得なくなっていたのは時間による。サオリ達の聞いた限り、儀式が始まるタイムリミットは翌朝。そういう意味ではアリウスの生徒達、そしてユスティナ聖徒会による物量戦による時間稼ぎは確かに有効なのだろう。現にこちらはその時間稼ぎに対処するためにネル達と分かれてしまった。

 

「うう、でもこの四人で大丈夫なんでしょうか」

「……さあね。正直これでも分が悪い。あの四人がいるならまだしも……マダムが他に何か戦力を残している可能性だってあるんだから」

「……かもしれませんね。アツコとセイアさんを助けたら最悪離脱してネル先輩達と合流することを考えた方がいいかもしれません」

「……そのためにもどうにかする必要がある、か……姫」

「何とかするしかないでしょ。皆が先に行かせてくれたんだから、でしょ?サオリ」

「……ああ」

「大丈夫、きっと助けるよ。そのためにも信じて先に進もう。四人なら後から絶対に駆け付けてくるからね」

 

が、四人は全員万全とは言い難い。モルフォは盾が初めて扱うライオットシールドだし、アリウススクワッドは手当てを受け、多少休めたとはいえ未だ負傷している身だ。その状態で自分達はベアトリーチェとの決戦、そしてアツコとセイアの救出に臨まなければならない。それがどれだけ難しいことなのかは想像するに難くない。だが、

 

「だから、私達にできることをしよう」

「そうですね」

 

先生の声にそう返し、モルフォは懐に入れた錠剤の存在に意識を向ける。それは、万が一を考慮してミネから渡された即効性の睡眠剤だ。バシリカにいるセイアは意識だけの存在。あの時ホログラムでは確認できていたが、もしセイアが目で認識できない状態となった時、モルフォ自身が眠りについて夢の中からセイアを救い出すという選択肢が取れるようにするためのものだ。

 

「ここが至聖所……祭壇があるのはこの部屋だ!!」

 

遂に辿り着いた扉をこじ開け、中に入る。

 

「……遂にここまで来ましたか。お待ちしておりましたよ、先生。私の敵対者よ」

「ベアトリーチェ……!」

「マダム……姫は!?」

 

そこには、祭壇のある部屋が広がっていた。その中央には奇妙なオブジェがあり、そこに縛り付けられたアツコの姿がああった。ボロボロな様子でぐったりしている彼女の傍にはベアトリーチェの姿がある。そして、セイアを探そうとモルフォがあたりを見渡すが、どこにもセイアの姿は見えない。

 

「セイアさんは……見えない……まさか、意識だけだから……!?」

「いいえ、違いますよ。ふふふ……サオリ、愚かな抵抗もここまで。既にあなた達は遅かったのですよ」

「何……!?そんな馬鹿な、儀式は夜明けまで……」

 

ベアトリーチェの無慈悲な宣告に、サオリは動揺を見せる。しかし、彼女の言葉を聞いたベアトリーチェは愚かな存在を見下すかのように笑みを浮かべると、

 

「何故、その言葉通りにする必要があると?既に儀式は開始されたのですよ」

「そんな……!?」

 

既に儀式は始まっていると告げてしまう。縛り付けられたアツコは今はまだ気を失っているようだが、儀式は始まっているとベアトリーチェが明言してしまっている以上、彼女の命が失われるのも時間の問題であった。

 

「ロイヤルブラッドの神秘を搾取し、キヴォトスの外から到来する力を借りて……私は自分の存在をより高位のものへと昇華しています」

「……」

「……先生。不可解な大人、私の敵対者よ。あなたはもしかしたら、私を誤解しているのかもしれませんね」

 

先生が黙り込む。その姿をベアトリーチェはどう解釈したのかは不明だが、先生に突如として語り掛けてくる。先生に己の正統性を誇示するかのように。

 

「私達はこの世界を通じて、各自が望むことを追求しています。あなただって同じ。何に成ることもできるし、全てを織ることもできます。より高位の存在になること……それを通じて、全てを救うことが大人の義務なのです」

「……」

「ええ、この儀式はキヴォトス外の力を利用し、私がより高位の存在になるために用意されたのです。そうして高みに登り、この世界を救う―――それこそ大人が到達すべき境地!その過程での小さな犠牲は、仕方のないことです」

「……!」

 

これは必要なことだと。救いをもたらすために、自分が救世主足らんとするために行わなければならないことだと愉しそうに語るベアトリーチェ。そこに、犠牲は必要だと告げた瞬間、先生はベアトリーチェを睨みつける。しかしベアトリーチェは涼しい顔でそれを受け流していく。

 

「そう、この犠牲は必要な事。これこそが崇高へと至る道……あなたならこの価値を理解しているでしょう?全ての生徒を審判することも、救うこともできる絶対的な力を有すあなたなら……!!」

「一つ聞こうか。セイアはどこにいるの?」

「予言の大天使ならば既にこの世界にはいません。儀式を始め、キヴォトス外に通じた窓から彼女の意識を放り出しましたから。私の邪魔をしようとしていたのですから当然のことです」

「「!!」」

 

今度は先生だけでなくモルフォの目が細められ、ライオットシールドを握る左手に強い力がかかる。その様子を横目で静かに見ていた先生だったが、改めてベアトリーチェへ向き直ると、静かに口を開く。

 

「……さっきの問いかけの答えだけど。お前は私を誤解している」

「何……?」

「お前が私をどう解釈しているのかはともかく、私は審判者なんかじゃないし、救済者でもないんだ。誰かを審判する権利もなければ、この世界の苦痛を消し去ることだってできない。当然、絶対者なんて大それた存在でもない」

「では……あなたは一体なんだというんですか!」

 

静かな様子を見せる先生に、自分の言葉を、解釈を否定されたベアトリーチェが怒りを露わにするように声を荒げる。

 

「あなたのその能力は、存在価値は何だと言うんですか!」

「生徒達のための先生だよ。私はいつだって、苦しんだり、大変な目に遭ったり、助けを求める生徒達に寄り添って、一緒に頑張ってきた。これまでもそうだし、これからもね」

「……!!ならば、それを証明してみせなさい……!!」

 

先生の自分の在り方。そして、大人の在り方を言われたベアトリーチェは激昂する。自分と違う未知を行く先生、他のゲマトリアは理解者や同類等と好意的な解釈を見せていたが、やはりこの男は敵対者だと。それを確信したかのように、その姿が化け物の姿へと変態していく。

 

「……!!」

「な……」

「あ、あうう……」

「さあ、その目にしかと映しなさい!!これが私……高位の存在となった姿です!これこそが本来の姿―――偉大なる大人の姿なのです!!」

 

地面に根っこのように伸び、植え付けられた下半身。上半身からは細長く鋭い腕が伸び、樹木の枝のように二本の新たな腕が伸びる。その顔は無数の目が入った白い花びらが開かれており、木としても花としても、人としても歪なナニカへとなり果てる。その背中には巨大な赤いヘイローのような光輪が浮かび上がる。

 

「……それが正体なんだね、ベアトリーチェ」

「……とんでもない化け物じゃん。大人どころか人ですらないよ。いや、そもそも意識だけだった私とセイアさんに気付いてたんだから今更か」

「あれが……本物の、マダム……」

「ただの怪物ですね……」

「……私達はずっと、あんなものに……」

 

もはや、これは大人でも何でもない。ただの怪物となったベアトリーチェの姿に、恐怖感や嫌悪感を煽られてしまう。同時に、今まで抱いていたベアトリーチェというアリウスの支配者という姿もどんどん崩れていく音が三人の心の中で聞こえていた。

 

「サオリ、ミサキ、ヒヨリ、モルフォ。怖がらないで……私がついてるから。一緒に頑張ろう」

「ああ」

「うん、あの怪物を倒そう」

「はい!姫ちゃんを救うのです!」

「セイアさんを探しに行く方法は……あるかもしれない。先生、任せてもらっていいですか。その代わり、私は無防備になるし、危険かもしれないけれど……でも、皆で帰るためにやらせてください」

 

先生が四人を鼓舞し、四人は頷く。だが、その鼓舞を受けながらもモルフォは既にこの世界から追放されてしまった、セイアを探す方法に見当をつけていた。その最大の懸念点としてベアトリーチェの存在があったが、ベアトリーチェは真の姿を解放することでその場に根を張り動けなくなるという最大のデメリットを晒している。今なら安全そうな場所を見つければいけるはずだと。ベアトリーチェと戦う決意を固めるサオリ達と、セイアの下へ向かおうとするモルフォ。四人の意思を確認して先生は頷くと、

 

「わかった。皆……二人を助けるよ!」

 

そう声を上げる。それを聞いてモルフォは、事前に可能性の一つとしてミネから受け取っていた睡眠薬を呑み込む。すると、すぐに意識が遠のき始め、夢の中へと誘われていく。最後に、先生に寄りかかるように倒れた感触と共に、モルフォは再び夢の中へと旅立つのだった。

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