転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする   作:popoponpon

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RABBIT小隊達とキャット&チョコレート

 

「……こっちは、暖かいですね……」

「全くだね……ああ、D.U.地区も何か懐かしくなってきちゃったよ」

 

レッドウィンターで金稼ぎを始め、再スタートを切ったRABBIT小隊。この日、四人は新SRTのために必要なある用事のためにシャーレに訪れていた。

 

「おはよう皆、調子の方はどう?」

「おはようございます。そうですね、悪くはないと思います。それで先生、用事と言うのは……」

「うん、新しい自治区の話」

「自治区ですか……しかし、仮に土地があったところで、私達にそれを購入する資金はまだないんです。残念ながら……そういう意味では彼女達とは全然違うものですね……」

 

それは、学園の設立に向けて、必要なものについての話。SRT特殊学園はそのまま使えないため、適当な文字を当てはめて正式名称はそちらで登録、あくまで略称でSRTをそのまま運用するという方向性で名前は解決していたが、それ以外の、特に自治区の用意は急務であった。ある意味装備面以上にこちらが厄介であると言える。こうして学園自体を作らねばシャーレが橋渡しして他の学園とコネクションを作ることもままならない。

 

「それなんだけどさ。まず四人の学籍を用意した方がいいと思ってさ」

「それは……私達にひとまず他に転入しろってことか?」

「いやー、それはあんまり……ねえ?いや言いたいことはわかるよ?学籍があるかないかで思いっきり足元見られるし……」

「ミノリさんや工務部の人達……そこはしっかりしてるから不当な賃金なんて出そうものなら雇い主でも平気でしばいちゃうから……そういう意味でもレッドウィンターはありがたかったかも……でも、いつまでもいるわけにはいかない、よね……」

「それに、あくまで学籍と金を稼ぐ目的で転校し、資金が潤沢に揃ったから新しい学園を設立するために辞めます、はさすがにその……不義理が過ぎるというか」

 

だからこそ、学籍があった方がスムーズに進むのではないかという先生の話は一理あると言えばある。しかし、ミヤコの指摘通り、相手の学園からしたらたまったものではないだろう。

 

「うん、だから……当面はシャーレの居住区の一室を借りるのはどうかなって」

「「「「シャーレの部屋を?」」」」

「そう、土地っていうとちょっと微妙だけど、あくまで拠点として考えれば……どうかな?一応、防衛室とも話はついてるんだけど」

「よく頷いてくれたな……」

「カヤは今回の話に結構好意的になってくれてね。今は確かなことはいえないけど、もし軌道に乗ったら援助なども考えるって言ってくれてたんだ。まあ、今回の話については期限付きだけどね。ずっとシャーレの部屋を、ってのはさすがに認められないけど、SRTの背景は承知しているから猶予を、ってことだね」

「……借りると言っていましたがどれくらいなんですか?」

 

先生としてはただでもいいのだが、RABBIT小隊からすればそういった施しはあまり受けたくないというのも理解していた。先生個人に対しては釈放してくれた恩義などはあるものの、依然としてシャーレとはパイを食い合う関係なのは確かだ。それ故、何かしら等価交換の形を取る方が彼女達にとっては受け入れやすいのだろう。ただし今回の件でカヤには大分不都合をかけたという自覚はあるので、もし彼女から何かを頼まれたら借りを返したいところだ。

 

「えーと……こんな感じかな」

 

タブレットに今回の為に頑張って作成した書類を表示させて見せる。四人が画面を覗き込むと、

 

「……なんか、そこまで高くないですね」

「あくまで借りているだけだからね。実際に買うってなったらこんなものじゃすまないよ。それと……もしここに拠点を置いてくれるならこっちも見てほしいんだけど……」

「……ふむ、夜の警備ですか?まあ、どうせいますし別に……」

「……ん?」

「どうしました?モエ」

「あーいや、なんでもない。そういえばさ、ずっと考えてたんだけどミレニアムの最先端兵器とか借りれたりしないかな?まあ形になったらだけど」

「そこは……ミレニアムとの交渉次第かな……」

 

シャーレに常駐しているのだから警備を任せたい、というのは自然な話だ。電子的なセキュリティも当然あるが、SRTの四人が警備に当たってくれるならこれ程信頼できるものもないのだから。そして、それに対する報酬もある。が、その報酬は部屋を借りる金よりも明らかに高く、事実上のタダどころかお釣りまできているのだが、この場ではモエ以外はまだ気付けていないようだ。

 

「それじゃあ、先に部屋に案内した方がいいかな?」

「そうですね、先に場所を教えてくれればレッドウィンターの方から荷物を運び出せますし……」

「倉庫をわざわざ借りる必要がなくなるのも大きいな……」

 

そして先生に予想以上に大きな部屋に案内された四人。その部屋の広さなどに盛り上がる光景を見ながら、先生はこれで四人に関する問題はひとまず落ち着いたかと優しく笑みを浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーと、とりあえず回収は完了だね」

「このゲームも遂に世に送り出したからね……凄いね……ゲーム開発部が作ったゲームがこんなに……」

 

それから数時間後。シャーレの一室にモルフォとミドリの姿があった。モルフォがゲーム開発部の新作ゲームの体験版を回収している間、ミドリがふとスマホを覗き込むと、そこにはゲーム開発部が世に送り出したゲームの一覧が並んでいた。その光景を見たミドリの顔が思わずにやけてしまう。

 

「ふふ……こんな時が本当に来るなんて……」

「確かに凄いね……最初はTSCだけだったのに……」

「う……あれもその内リメイクとかした方がいいのかな……?」

「さあ……?まあ皆と話をしてからじゃないかな……暫くは新作のバグ、不具合報告に集中した方がいい気がするけど……こういうのって大体変なやり方してバグを見つけてくる人たちがいるし」

「前作だと無限稼ぎバグあったよね……あれ結局未修正だけどいいのかな……」

「プレイヤーに有利なバグは残しておいて、ゲームを破壊するような危険なバグなら修正して仕様として残しておけばいいんだよ」

 

一通り作業を終えたモルフォとミドリ。最後に先生に一声かけてからシャーレを出ようと部屋を出たその時。

 

「……あれ、あなたは」

「あなたは、この前シャーレの当番に来ていた……」

 

モルフォとミドリはミヤコと出会うことになる。それから、ある程度話をしてお互いにシャーレを訪れた目的を話し合っていたが、

 

「SRTって、やっぱり凄い人たちなんだよね?じゃあゲームとかやっぱりうまいの?」

「いえ……SRTに入ってからゲームはやりませんので…………モエはわかりませんが……」

「SRTの人ならやっぱりモーションキャプチャーとか映えそうじゃない?」

「あー、まあそうだけど……」

「モーションキャプチャー?」

 

モーションキャプチャーは人の関節にマーカーと呼ばれる印を付けた上で人の動きを三次元的に測定し、データ化して記録するという技術だ。マーカーを用いなくてもできるやり方もあるのだが、この技術を使うことで人が武器を扱うとどんな動きになるのか、道具を使うとどんな細かい動きを見せるのかなどを知ることができ、それをゲームに落とし込んだりできるという便利なものだ。

 

「ふーむ、そういう技術もあるんですね」

「まあ、そもそもモーションキャプチャーを使うゲームなんて全く考えてないんだけどね現状だと……まあ、もし何かあったら協力してもらえたら嬉しいかな?」

「そうですか……そうですね、もしその時が来たら検討させてもらいます。多少の見返りはいただくと思いますが……」

「もちろん、その時はちゃんと用意しておくよ」

 

とはいえ、そういう技術も使えたら面白いよねといった程度の話であり、まだ使うかどうかも決まったわけではない。しかし、もしそういう時が来ればRABBIT小隊にも協力を要請する時もあるかもしれない。そういうことを考えると、他のRABBIT小隊のメンバーにも会っておいてもいいかもしれない。そう考えたモルフォは、ミヤコにある要望を口にする。

 

「そうだ、ミヤコ。私達も他の皆と会っていいかな?」

「?まあ全然かまいませんよ。今日は皆さん暇していることになると思いますし」

 

ミヤコとしても、なんだかんだで状況が好転するきっかけをくれたモルフォや彼女の所属するゲーム開発部に対しては好意的な印象の方が強いのだろう。快くそれを受け入れて他の三人が待つ部屋に案内する。

 

「ん?戻ってきたかミヤコ……って、そっちの二人は」

「あれ?この前のミレニアムの子……」

「どうも、久しぶりだね」

「才羽ミドリだよ。私達、ゲーム開発部なんだ」

「あー、あの有名な武力組織の?」

「そ、それは誤解なんだけどね……」

 

そしてサキ達と再会したモルフォとサキ達と初めて会うことになるミドリ。二人がゲーム開発部の所属だということはモエ以外は初めて聞いたようだが、その発言もあってかその場にいた全員から注目が集まる。

 

「え?それって……どういうこと?モエちゃん……」

「ゲーム開発部って言えばミレニアムのC&Cに次ぐ武力組織だよ?普段はゲーム制作活動でカモフラージュしてるけど、有事にはビッグシスターの指示で現場に赴いて戦果を挙げてくるという一年生だけで構成された組織だってさ」

「それどこ情報!?」

「先月トドメ刺される直前まで使えていたSRTの情報網からかなぁ……」

「ま、まだ生きていたのかあれ……」

「まー、まだ残ってた人達も復活に繋がる情報をきっかけでもいいから掴もうとしてる人はいたからね」

「……しかし、ゲーム開発を行いながら、ですか……」

 

モエの説明に興味ありげな視線をミヤコとサキが向けてくる。なんか凄い目で見られてるぞと思うが、エリドゥでの一件は外部的には明らかにならないように関係者にも周知しているので当事者以外で知っている人はあまりいないだろうが、アビドスやトリニティ、アリウスでの活躍に関しては知ろうと思えば知れる周知の事実になっている。だからこそ、純粋に気になるのだろう。何故ゲーム開発を続けながらそのような高い実力を発揮できるのかと。

 

「あ、ゲームに興味ある?」

「え?いやゲームに興味があるわけでは……いや、この場合はあることになるのか?」

「体験版はもう回収しちゃったから……そうだねー、じゃあこれとかどう?キャット&チョコレート」

「「「「キャット&チョコレート?」」」」

 

そんな様子を見て、やっぱりSRTと言えど高校生、当然ゲームに興味があるのだろうと考えたのかモルフォはアナログゲームを取り出す。その名はキャット&チョコレート。チームで分かれてちょっとしたピンチが起こった時、手持ちの道具を使ってどう切り抜けるかを導き出すゲームである。

 

「いや、待ってくれ。私達は……」

「まあまあサキ」

「……モエ?」

 

ケースを取り出すモルフォの姿を見ながらサキが止めようとする。しかし、そのサキにモエが待ったをかけると小声で話しかける。

 

「ここはチャンスだよ」

「チャンス?」

「言ったでしょ?私達は連邦生徒会長と連邦生徒会抜きでSRTを作り直す必要があるって。そのためにコネを作る必要がある……それで一番必要なコネはどこだと思う?」

「……それが、ミレニアムだと?」

「そう。ミレニアムと言えば科学力に優れた学園……つまり、そこのご機嫌を取っておけば、私達が新しく使う装備も融通してくれるかもしれないってこと……!それに、ミレニアムの技術力の高さを考えれば、RABBIT小隊の実力を売り込んで武器のテスターになれば……!」

「……装備面にかける資金繰りは楽になる……?」

「そういうこと……」

「……お前がただ使いたいだけじゃないよな?」

「……まあ否定はしないけどさ、でもそれだけじゃないよ」

「……」

 

モエの囁きに、サキも黙ってしまう。興味ありげにキャット&チョコレートのケースから取り出されるカード達を見るミユや、サキの動向を見守るミヤコを見て、はぁと溜息を吐くと、ゲームをやることを承諾する。

 

「まあ、いいんじゃないか?モエの言うことにも一理はあるし……それに、ゲーム開発部が普段何をやってるかは気になるし」

「いやこれは私達が作ったゲームじゃないからね?」

 

キャット&チョコレートはキャットとチョコレートと呼ばれるチームカードを分配し、チームを作る。そのチームカードは内容を確認せずに裏で置いておき、ゲームが終わった時に公開することになる。そこで初めて、プレイヤーは自分の所属するチームや仲間を把握することになるのだ。その後、各々のプレイヤーはアイテムカードを三枚ずつ配られていき、イベントカードと呼ばれる山札を用意する。この中にはENDカードと呼ばれるカードがあり、それを引いたタイミングでゲームが終了するのだ。

 

ゲームの内容は、まず手番のプレイヤーがイベントカードを引く。そこにはちょっとしたイベントとなるピンチが表記されているのだが、そこに描かれているピンチの状況を、手持ちのアイテムで乗り切ることになるのだ。

 

「……では、やってみましょうか」

 

サキもやると言ったこと、そしてちらっと聞こえたモエの発言も一理あると感じてミヤコも参加することを告げ、モルフォとミドリが観戦と審判をする形でゲームが始まる。

 

「あれ、二人はやらないの?」

「これ、自分でやるのも楽しいけど、こうして完全に審判に回るのも楽しいからね」

「そうそう。人が違うと全く方向性が違うのも面白いよね」

「……ふむ?」

 

二人の言葉に首を傾げながらミヤコがイベントカードを引く。そこに書かれていたイベントは、

 

「……バスが乗っ取られた?」

「そんなの制圧すればいいだろ」

「あー、ただそれだけじゃないんだよね。ほら見て」

 

バスが乗っ取られた!と記されたカード。続いてモルフォが指差したイベントカードの山札をミヤコ達が見ると、そこには2と書かれていた。イベントカードには裏に1から3までの数字が書かれており、引いたイベントを、次のイベントカードの裏面に書かれた数字の数だけ手持ちのアイテムカードを使い、面白おかしく解決していく。その面白さを他の参加者が判断し、過半数以上が面白いと判別したらそのイベントカードが手持ちに入る、というのを繰り返しながらENDカードを引くまで続けていくのがこのゲームなのだ。

 

「えっと、アイテムを二枚使って解決するということですか?しかし、これは……」

 

物理的に押さえつければ簡単なんですが……呟きながら手持ちのアイテムカードを見る。そこにあったのは、カツラ、石鹸、消火器。

 

「……これでどうしろと!?」

「この中から二枚を必ず使ってどうすればいいかを考えてね。その判断は今回は私とミドリが公平にやるから」

「審判役だと完全に中立で判断できるからフラットに判断できて楽しいよね」

「う、く……」

 

必死に考える。考える中で、ミヤコは消火器のカードだけは使うことは決めていた。しかし、もう一枚をどうすればいいか全くわからない。だが、ここである妙案が思いついたのか、カツラを取り出す。

 

「このバスジャックを相手にどうするか……それはこの消火器です!この消火器でバスジャックを制圧します!」

「いいんじゃないか?」

「でもまだ一つだけじゃん」

「ですが、事件後にバスジャック相手からの報復も考えられるでしょう。そこで役に立つのがこのカツラ。これを被り変装することでバスジャックからの報復も防ぐことができるわけです」

「す、凄い……!」

 

ミヤコの完璧な説明に感心する三人。ここまでしっかりした答えを出すかとモルフォとミドリも感心しており、当然のように二人の判定も成功となる。ちなみに今回は二人が審判なので二人が賛成にならなければ成功扱いにならない、というルールでやっている。成程こういうことかと頷きながら、ミヤコが消費した二枚のアイテムカードを補充して次はサキがイベントカードを引いていく。

 

「……家の鍵がない?これを、この手持ちでどうにかしろ……と……?」

 

それは、家の鍵がない!というカード。それに対し、サキの手持ちのアイテムカードは着ぐるみ、メジャーリーガー、ヴァイオリン。そして使えるカードはたった一枚。

 

「……こ、これでどうしろって言うんだ!」

「お、ギブアップしちゃう?」

「するなんて言ってないだろ!えっとえっとえっと……」

 

着ぐるみは論外、ヴァイオリンも戦力外。となると、唯一使えるのはメジャーリーガーぐらいだが、これでどうやって鍵を手に入れるというのか。そこまで考えて、ある策を閃く。

 

「……いや、このメジャーリーガーというカードはこう使えばいいんだ」

「ん?」

「メジャーリーガーのパワーで扉を破壊する!これで鍵がなくても家の中に入れる!」

「お、おお……?」

「……いや、それはちょっと……」

「扉壊したらもう使えなくなって別のピンチが生まれてるから……」

「う、うぐぐ……」

 

が、二人の判断は失敗。そのせいでサキはイベントカードを手に入れることはできず、順番は次のモエに渡っていく。

 

「……薄着で外に出てしまった?で、このカードで使えるのは三枚……マッチとワインと仏像かぁ……ひひ」

「も、モエ?」

「つまりさぁ……仏像にワインをぶっかけてマッチで火を点けちゃえば、仏像が燃えるわけでしょ?そうなれば仏像のある建物も燃えるから一気に暖まるってわけ!」

「いや駄目だろ!?」

「モエ……そんなことしたら駄目ですよ」

「モエちゃん、それは……ちょっと」

「はいアウト」

「これは認められないよね……」

 

モエの過激な返答はさすがにちょっと……となる一行。えー、とつまらなさそうにカードを捨て札に移しながら手札を補充していくモエ。そして一周目最後の手番はミユへと変わっていく。

 

「は……ハチに襲われそう……!?」

 

ミユが引いたのはハチに襲われそうというカード。使えるカードは二枚、そして手持ちは一億円、映画チケット、スマホの三つ。それらを見て、数分間考え、プルプルと体を震わせていたが、

 

「……無理……」

「……む、無理でもまぁ……無理なら手札の交換だけはやろうか……一応ルール的には失敗扱いってことで」

「……うん、ごめんね……」

「気にしないでミユちゃん。正直手札とイベント次第ではどうしようもないことも多いから……」

「ミドリさん……うう……」

 

一億円と映画チケットが捨てられ、それを見て三人もこれは無理だと悟ってしまう。そして順番が一周し、ミヤコが次のカードを引くのだが、そこにはENDと書かれており、ゲームが終了してしまう。

 

「あれ、もう終わり?」

「凄い上の方にあったね……まあたまにはこういうこともあるか」

「……この後チームを明らかにするんだろうけど……いやこれ、ミヤコがいるチームが勝つって事じゃないか」

「確かにイベントカードを手に入れたのはミヤコだけだもんね……」

「とりあえずチームを明らかにしてみよう」

 

モルフォの言葉を受け、四人がチームカードを表にする。ミヤコのチームはチョコレート。そして、彼女と同じチョコレートチームのカードを持っていたのは、ミユであった。

 

「わ、私……?」

「そうだね。ミユとミヤコの勝ちだね」

「おめでとう、ミユちゃん」

「ふふ、頑張りましたね、ミユ」

「あ、ありがとう……えへへ」

 

棚ぼたみたいな部分はあるが勝利したことに嬉しそうに笑うミユ。しかしモエは少し不満そうに再戦を要求する。

 

「いやぁこれはちょっと。さすがに一周で終わるのは不満足だよ」

「ああ、次はこのカード、わざと下の方に埋めないか?一緒にシャッフルしてるからこうなったわけだし」

「……そうですね。次はそうしましょうか」

 

モエ、サキと続けて再戦を要求してきたことを受け、ミヤコも楽しそうに頷く。そしてRABBIT小隊が二回目を始める様子を見ながら、モルフォとミドリも次はどんなとんでも回答が飛んでくるのか楽しみそうに見つめるのだった。

 

なおその後、RABBIT小隊は手続きやら夜の警備の仕事やらの都合でシャーレの方に一時的に拠点を移すことになり、D.U.地区に滞在する時間が増えたことがきっかけとなったか、ふとした出来事から先生と共にカイザーとヴァルキューレとの癒着問題の証拠を突き止めるために奮闘することになるのだが、それはまた別の話。

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