転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする   作:popoponpon

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ゲーム開発部とガンダムビルドダイバーズ

「……ん」

 

モルフォは目を覚ました。自室の机の上に突っ伏したまま寝落ちしていたようで、顔を起こすと頬にニッパーの柄が食い込んだ痕がついている。机の上を見ると、そこにはコアガンダムⅡと呼ばれる機体のガンプラが立っていた。その隣にはウラヌスアーマーと呼ばれる、コアガンダムに合体させるプラネッツシステムの一つがあった。太陽系の惑星の名をイメージしたアーマーだが、これを作り上げた直後にやる気が尽きて眠ったのだろう。

 

「うーん……寝落ちしてた……あれ?」

 

まあいいや、この後はサターンアーマーも作りたいよねと考えながらスマホを手に取ると、ゲーム開発部のグループチャットにアリスのメッセージが投稿されていた。それを見て、

 

「……折角だし皆で……ビルドダイバーズから見ようか。リライズはまぁ……今はいいか……VRAINSで大変な事になっちゃったし、ケイに見せない方がまだいいよねぇ……」

 

話は滅茶苦茶好きなんだけどなぁ、と思いながら体を伸ばすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガンダムビルドダイバーズ。それはガンダムビルドファイターズシリーズの続編にあたるビルドダイバーズシリーズの最初の作品である。電脳仮想空間内でガンプラを使用した様々なミッションを楽しめるネットワークゲーム、ガンプラバトルネクサスオンラインことGBNの世界に飛び込んだ主人公、ミカモ・リクとその親友のユッキーことヒダカ・ユキオは不思議な少女、サラとの出会いをきっかけに様々な戦いや冒険を経験していくことになる、という話だ。

 

「こういうゲームあったら楽しそうだよね」

 

まだ序盤も序盤だが、ダイバーとして楽しんでいくリク達の姿を見ながら、モモイが呟く。モルフォも作ったガンプラが動いたらいいなぁと思いながらアニメを見ていたものだ。このビルドダイバーズをゲーム開発部全員で見ていたが、皆の掴みはバッチリのようだ。

 

「ダイブ装置はあるし、あれを使ったらいい感じのできたりしないの?」

「色々難しいみたいだね……そもそもまともに使うと色々まずいからリオ会長も埃被らせていたのをヒマリ先輩が引っ張り出してきたみたいだし」

 

ゲームのプレイヤーのことをダイバーと呼び、そのダイバーが集団を組んで設立するフォースというものがある。このフォースは他のゲームでは言わばクランに相当する。百鬼と呼ばれるフォースに所属するオーガとの戦いを経て、リクとユッキーはキョウヤというプレイヤーと共に連戦ミッションと呼ばれるミッションに挑戦することになるのだが。その終盤で、マスダイバーと呼ばれる、ブレイクデカールと呼ばれるチートツールで機体を強化したプレイヤーとの戦闘に突入。それを退けると共に、デビルガンダムと呼ばれる、巨大なガンダムヘッドにヘビのような身体が生えたようなボスとの戦闘に突入する。

 

「こ、これもボスなの?」

「そうなんだろうね。でもこいつは……」

 

その戦闘の最中、ダークハウンドと呼ばれるキョウヤの駆る機体がデビルガンダムの攻撃により大破。したかと思いきや、その下からガンダムAGEⅡマグナムと呼ばれるガンダムAGEⅡのカスタム機が出現。なんと、このゲームのチャンピオンであるクジョウ・キョウヤであると明らかになり、その圧倒的な戦闘力でデビルガンダムを撃破し、チャンピオンとしての実力を遺憾なく見せつけていったのだ。

 

「つ、強い……」

「この機体、なんて言うんですか?」

「ガンダムAGEⅡマグナムっていう機体だね。チャンピオンとその機体はとにかく強いからなぁ……」

「これ、リクがトランザム使っても勝てないんじゃ……」

「それにしてもモモ、ねえ……」

 

トランザム。それはリクが乗るガンダムダブルオーダイバーと呼ばれる、太陽炉を装備した機体が使用できる特殊システムで使用すると機体が赤くなり、性能がアップするものだ。しかし、機体となるガンプラの出来が悪いせいか、ダブルオーダイバーは長時間それを使用できず、限界を越えると両肩に装着された太陽炉が爆発してしまうというデメリットが存在していた。

 

「まあ、この時はそもそもトランザム禁じてるしね……」

 

他にも、ユッキーはジムⅢビームマスターと呼ばれる射撃や後方支援が得意な機体を使用しており、二人はマギーと呼ばれる、初心者のリク達に色々教えてくれた頼れるオネエ。虎武龍のリーダーであり、ガンダムジーアルトロンを駆る狼の獣人で、GBNについて教えてくれたタイガーウルフ。SIMURGHのリーダーを務める有名なビルダーである狐の耳や尻尾を持つ青年、シャフリヤール。そして謎の忍者アヤメらとの出会いを経て、遂にリク達はフォース、ビルドダイバーズを設立することになり、そのためにコーイチという凄腕のビルダーを誘うことになるのだが。

 

「……」

 

コーイチはかつて、ガンプラバトルと呼ばれる、リアルでガンプラを動かして戦うバトルをしており、その集団組織にも属していたのだ。しかし、GBNの台頭によって徐々にそちらに人が流れていき、遂にはコーイチ最後の一人になってしまう。それによって、心が折れたコーイチは妹が店員を務めており、リク達もお世話になっている店で貸し出されるレンタル用のガンプラを作る毎日を送っていたのだが、リク達が押しかけ、その熱意をぶつけることで徐々にコーイチも情熱を思い出し、遂に復帰を果たす。そして五人は、遂にフォース、ビルドダイバーズを結成する。

 

「……思い出すね」

「ユズちゃんの場合は最初から一人だったけど……こうしてみると私達と似てるのかな?順番は色々違うけど」

「そういえば、そうなるんだね……」

 

その成り立ちは、多少の前後はあるが、確かにゲーム開発部の面々に通じる部分はあるのだろう。ユズの下に押しかけていった才羽姉妹、最初に才羽姉妹が動いてそこにモルフォがやってきたことといい。となると、

 

「……アリス?」

「いや、さすがにサラとアリスはちょっと違くない?」

「こうなるとアヤメがケイってことに……」

「……まあ、クール系は一致しますか」

「えっ?」

「……モモイはどうやら一回シメられたいようですね……」

「こらこら。アニメ見ようよ」

 

サラがアリスなら、サラがガンプラを持っていないために第六のメンバーとなったアヤメがケイと言うことになる。とはいえアヤメは明らかに敵と内通しているような描写もあるが……不穏な描写も見え隠れする中、初となるフォース戦が開幕する。五対五の戦いでリクは新たな機体、ガンダムダブルオーダイバーエースを投入、モモも球体形から四肢が生えているようなモビルスーツ、カプルをベースとしたモモカプルを、コーイチはガルバルディリベイクと呼ばれるシールドやハンマープライヤーを使用した、対ビームに優れた防御装甲を持つ機体を、アヤメはRX-零丸と呼ばれるSDガンダムを使用し、相手も新人部隊を出してきたとはいえ名の売れたフォース、第七機甲師団のメンバーにも勝利し、GBN中から注目を集めるという凄まじい戦果を打ち立ててみせる。そして、次なるフォース戦の相手は、リクと因縁のあるオーガが所属するフォース、百鬼。

 

「こ、このフォースは……!」

 

オーガ刃-Xと呼ばれる強力な機体を操るオーガを始めとした実力派揃いのダイバーが集うフォースを相手に、ビルドダイバーズはシャトルを巡る攻防戦を繰り広げることになる。シャトルを防衛する側がビルドダイバーズ、対して攻撃側に百鬼が入ることになる。シャトルが発射されるまでに防衛できれば防衛側が勝利という状況の中、ビルドダイバーズは百鬼を相手に一進一退の攻防を繰り広げる。

 

そんな中、リクとオーガの戦いも激しくなっていく中、オーガの弟であるドージは、自分の実力不足に対する焦りから手に入れてしまったブレイクデカールを使用し、煌・ギラーガを暴走させてしまう。奇しくもオーガとリクは共同戦線を張ることとなり、煌・ギラーガを撃墜することでフィールド全体に竜巻といった天変地異を引き起こすほどの被害を出したブレイクデカールの異変を終わらせるのだが、ブレイクデカールの影は徐々にGBN中に広がりつつあった。

 

「……なんかすっきりしないね」

「最後には共闘になったけど、決着はついてないもんね……」

「アリス知ってます!こういう時はまた後でそういう機会があるって!」

 

百鬼との戦いの後、ビルドダイバーズはキョウヤが率いるAVALONのフォースに呼ばれる。そこにはロンメルを始め、GBN中の名だたるダイバー達が集まっており、ブレイクデカールの氾濫を防ぐための有志連合を結成するために集められたのだ。しかし、本来ビルドダイバーズは呼ばれていない。が、百鬼がブレイクデカールを使用した身内を出したことを受けて活動自粛、それを受け代わりにビルドダイバーズを推薦したのだ。そして有志連合は、運営の協力も受け、ブレイクデカールを使用するマスダイバー達をあるサーバーに閉じ込めることに成功する。

 

「だ、大規模……」

「こういう、世界中のゲームプレイヤーの力でチートをぶっ飛ばす!っていうのは熱いね!」

「でも、ブレイクデカールの効果って確か……」

 

進化したブレイクデカールの再生能力に苦戦しつつも、隔離されたことで機体撃墜によるログアウトの許されない戦いを繰り広げていく有志連合。マギーやロンメル、シャフリヤールやタイガーウルフといった面々のサポートも受けつつ、無限に再生する敵を相手に苦しい戦闘を進める中、敵の中枢へと駒を進めるキョウヤやリク達。が、ここでサラの導きを受けて別行動を取ったリクたちの前でアヤメが裏切りを宣言し、立ちはだかる。

 

「うわ……ここで来るか……」

「いやまぁ来ない理由の方がないんだけど……だってマスダイバーたちの本拠地を襲ってるわけだし……」

 

サポートメカである武装装甲八鳥と合体し、リアル頭身へと変化を遂げたRX-零丸と共に襲い掛かるアヤメ。何故仲間同士で戦うのかと問いかけるリクに、アヤメは自身の過去を話し始める。かつて彼女はSD使いで構成されたフォースにきっかけと共に入り、楽しい日々を送っていた。そんな中、彼女達はフォースリーダーのコージーは皆のパーツを貰い、絆ガンダムと呼ばれる大型SDガンダムを作り、フォースは連戦連勝を重ねていき、メンバーも増えていった。だが、順調なのはそこまで。SDガンダムの長所、短所を熟知している強敵たちに負け続けたことで、次第にフォースの仲は荒れ始めてしまう。

 

そして遂に、リーダーは皆の友情の証であった絆ガンダムを売ってしまい、リアルタイプのガンプラ、V2アサルトバスターガンダムと呼ばれる機体を購入してしまう。だが、まともに扱ったことのないリアルタイプを戦術に組み込んでしまったところで勝つことはできず、連敗は止まらない。そして遂に、フォース内の人間関係は悪化を極め自壊、遂に初期メンバーたちも全員いなくなってしまったのだ。そしてアヤメは、絆ガンダムを取り戻すためにツカサに交渉し、その交換条件として彼の部下になったのだ。

 

「……酷い……こんな事……」

「でも……本末転倒だよね……」

 

悪いことだとわかっていても、もう止まれないアヤメに、リク達は声をかけ続ける。もうやめようと。今更、裏切り者の自分に戻る場所はないと語るアヤメに、リク達は居場所はここにある、仲間を助けるのに理由はいらないと語り続ける。アヤメが一人で背負いきれない罪も皆で一緒なら。その言葉に最初にいたフォースの事を思い出したアヤメだったが、そこで他のマスダイバーが乱入。ブレイクデカールの効果で攻撃に対する反射属性を会得したマスダイバーを、遂にマスダイバー側と決別したアヤメが止め、その間にリクは中枢へ向かう。そして、遂に彼は黒幕と対峙することになる。キョウヤらも駆けつけ、遂にブレイクデカールを売りさばく犯人、ツカサの正体を暴くも、その正体はなんと黒いハロのアバター。そして外では超巨大MAであるビグザムが出現、有志連合が次々と撃墜されていく中、ブレイクデカールで強化されたビグザムは、圧倒的な巨悪として立ちはだかる。

 

「うわ、でっか……」

「しかもこれも……やっぱり強化されてるんだよね」

 

ブレイクデカールを使用した機体を媒体としたかのようにビグザムはバグを拡散させていき、その被害はGBN全体に広がっていく。GBN存続の危機に瀕した中、残り少ない戦力を集中させ、キョウヤ達は最後の攻勢に打って出る。ビグザムが持つIフィールドを突破し、至近距離で総攻撃を仕掛ける。遂に、ダブルオーダイバーのトランザムを発動させ、残る全機体のエネルギーを収束して放ち、ビグザムを追い詰める中、サラの願いに応じるかのように、ダブルオーダイバーエースは光の翼を作り出す。その翼は、ブレイクデカールの効果を打ち消していき、GBNのバグを直していく。そして、元に戻ったビグザムに、次々と叩き込まれる必殺技の数々。遂にビグザムは撃破され、戦いが終焉したと同時に、人々は歓声に沸き上がる。

 

「……いい終わり方だったね」

「はい!皆で勝利を掴んで平和を取り戻す……凄く面白かったです!」

「これで、ブレイクデカール騒動も決着ですか……こうしてみるとあっという間でしたね」

「まあ、まだ続くんだけどね」

「え、そうなの?」

「へー、でももう問題は終わってる気がするけど……ん?」

 

だが、まだ問題は終わっていない。何故なら、ブレイクデカールをばら撒いた張本人であるツカサはメッセンジャーを寄越し、アヤメのガンプラを返す条件としてリクをある場所に呼び出す。ダブルオーダイバーのガンプラと共に赴いたリクは、GPD、実際にガンプラを操作して現実空間で戦うバトル。それは、機体が破壊されれば本当にガンプラが破損するという本物の決闘。そう語る、姿を現した今回の主犯であるシバ・ツカサ。彼は破壊される度に修理、改造し続けて生まれた強力なガンプラ、ガンダムアストレイノーネイムを手に、リクへと襲い掛かる。

 

「……機体が破壊されたら、本当に壊れるって……」

「……だから、GBNができたのかもしれないね。だって、折角作った機体が破壊されたら……嫌な人は嫌だろうし」

「でも、こういうのが好きな人もいるんだよね……きっと」

「昔はこれが主流だったからね。だから思い入れが強い人もいるんだろうね。実際、直しながら改造して自分だけのガンプラをってなるとさらに」

 

GBNを否定し、GBNを破壊しようとするツカサと、自分達の好きを否定させないために戦うリク。激闘の末、アストレイノーネイムとダブルオーダイバーは相討ちに近い形で破壊され、勝敗はリクに軍配が上がり、遂に絆ガンダムはアヤメたちの下へと戻ってくる。そして破壊されたダブルオーダイバーは、今までの旅路をもう一度巡り直したリクと、ビルドダイバーズの皆の手によって新たな姿へと生まれ変わる。その名は、ガンダムダブルオースカイ。その機体は、ロータス・チャレンジと呼ばれる難攻不落の要塞攻略を行うミッションで遺憾なくその性能を発揮されることになる。そして大量の賞金を手に入れたビルドダイバーズは、サラのペットとしてカーバンクルのモルを購入する。

 

「「「「「……モル?」」」」」

(そういやこのペットそんな名前だっけ……完全に忘れてた……)

 

サラを見つめる謎の鳥のようなダイバーや、新たな異変という不穏な気配を感じさせつつ、ロータス・チャレンジからアヤメは機体を改修しており、ユッキーも新たな機体であるジェガンブラストマスターの開発に着手。そんな中、新たなビルドダイバーズのメンバー、ナミも加えて順風満帆といった中、遂に異変が起こる。運営が用意したガードロボが、最近発生するバグの原因としてガード機を出動させ、サラを確保しようとしたのだ。しかし、その危機を謎の鳥が救う。GBNのメインシステムを作ったという彼女に連れられたリク達は、そこでサラの真実を知らされることになる。

 

「……サラちゃんがバグの原因……しかも、電子生命体って」

 

なんとサラは、リアルに肉体を持つ人間ではない、GBN内に生まれた電子生命体だったのだ。ガンプラをデータとして読み込む際に発生するほんのわずかな過剰データ、その集合体として生み出されたのがサラだという。GBNの中で生まれた彼女を見守ろうとしていたが、ビルドダイバーズと交流によってその成長は著しいものとなっていた。しかし、そのせいでシステムの圧迫が始まってしまったのだ。無論、それだけなら何とかなるものであった。しかし、サラの力によってブレイクデカールの影響を打ち消した光の翼は、彼女の因子をGBN全体に広げてしまい、それはいずれ大きなバグとなり、GBNを滅ぼしてしまう。運営も先程の一件でそれを把握したことで、時期に修正パッチを作り、GBNを守るために、サラを殺すことを決断するだろうと。ELダイバーと呼称されたサラは、自分のことを知り、なんとビルドダイバーズから姿を消してしまう。入れ違いになる形で運営がビルドダイバーズを訪れ、サラの逃走を知ったことでGBN全体に彼女を指名手配してしまう。

 

「……いやいやいやいや!?なんでこうなるの!?」

「こ、このままサラは抹消されてしまうんでしょうか……!?」

「そんな、まさか……」

「いや、リク達にとって大切な仲間なのに……きっと助けてくれるよね……?」

 

そして、遂にサラが発見される。だがサラは、キョウヤやロンメルら有志連合の下に拘束されていた。キョウヤと共に話をするためにアヴァロンに連れていかれたサラ、彼女を消すことに葛藤するキョウヤに対し、ロンメルが示したのは、運営が修正パッチを作り上げるまでをタイムリミットとすること。それまでに別の方法が発見されれば検討する。その間、有志連合は全力でサラを奪い返しに来る者達から守り抜くと。その目的を達するため、GBNを守るために自ら敵となって、最強のチャンピオンとGBNを統べる運営はビルドダイバーズに立ちはだかる。

 

そんな中、コーイチはリアルでツカサと再会。かつて共にリアルでガンプラバトルをしていた彼らは、サラを救うため、かつてGBNを破壊したブレイクデカールにその可能性を見出していた。なんと、GPD用の機体にサラの人格データを入れ、電脳空間から現実世界へと移動させるのだ。しかし、成功する可能性はたったの5%、さらに実行途中に失敗すればGBNが崩壊してしまう。そのリスクを背負いつつも、リクは、そしてビルドダイバーズはその策に賭けることを誓う。

 

「……うぅ、ままならないなあ……」

 

その情報は、当然キョウヤや、運営、ロンメルの下にも届いていた。しかし、僅か5%という小さな可能性では検討に値しない。その95%のリスクを運営は、そしてロンメルは他のプレイヤーに許容できない、何せこれは通常のミッションとは異なりやり直しが利かないのだからと言われ、そしてサラ本人にも、皆を守るために自分を消してほしいと告げられ、彼女を消すことにキョウヤは苦悩する。その末に、キョウヤに直談判しに来たリクに彼は告げる。遠回しに、サラを救いたければ自らの手で救いに、奪いに来いと。

 

そして、マギーやタイガーウルフ、かつてアヤメが所属していたフォースのメンバーたちが立ち上げた新たなフォースなどが、サラを助けるため、協力者たちが次々とビルドダイバーズに集まる。修正パッチが施行される、一番サーバーパワーが高まる三日後のレイドイベント。その時に修正パッチを適用されるであろうことがほぼ確定となり、限界まで時間をかけ、準備を整えたビルドダイバーズ。

 

だがパッチを適用する当日、アヴァロンに連絡を入れたリクは、サラをもう一度助ける方法を検討してほしいと告げる。有志連合の規模は圧倒的、それを僅か数機のビルドダイバーズが食い破れば、不可能を可能とすればリクの提案を呑む。売り文句に近い運営の言葉、だがそれを聞いたリクは有志連合にフォースバトルを申し込む。GBNの出来事はガンプラバトルで決める、ビルドダイバーズが勝利すれば彼らの案を、負ければ修正パッチを適用する。その条件を待っていたと言わんばかりに呑み込んだキョウヤは、彼の意を組んだロンメルと共に、立ちはだかる頂点となってビルドダイバーズ達を迎え撃つ。

 

「宇宙から……!」

「凄い……」

 

宇宙からシャトルを用いた強襲。それによって敵の守備隊を飛び越え、数的不利を少しでも抑えつつ、新たな機体、ジェガンブラストマスターを完成させたユッキーも奮闘する中、リクとモモは協力者達を囮に、撃墜されたシャトルを用いたダブルオースカイの破壊偽装も行い、本陣へと切り込んでいく。そして、遂にキョウヤも出撃。さらに、リクとダブルオースカイが健在であることも明らかとなってしまい、戦闘が各地で過激化していく。そんな中、タイガーウルフと相対したシャフリヤール、マギーとロンメルの一騎打ちが始まってしまう。

 

「ブレイクデカールの時は全員味方だったのに……」

「でも、シャフリヤールが有志連合を裏切ってくれた!」

「いやでもチャンピオンが!」

 

だが、シャフリヤールが有志連合についたのは、タイガーウルフと本気で戦うため。タイガーウルフとの一騎打ちで敗れたシャフリヤールはその場で離反を宣言、しかしそこにキョウヤが現れ、二人はチャンピオンとの戦闘に突入、二人がかりで放つ必殺技は、キョウヤの必殺技と相殺し合うものの、依然としてキョウヤは健在。他の戦線も徐々にビルドダイバーズの不利になっていく中、それでもサラを助けたいという思いで必死に戦い抜く。その裏で着実にツカサらによるリアル側で行われるサラの救出作戦が進められる中、リクの前に、シャフリヤールとタイガーウルフを撃破したキョウヤが現れてしまう。未だ撃墜こそ免れてはいるものの、ほぼ大破していた。ロンメルを撒いたマギーが合流するも、ロンメルを始めとする集団が包囲してしまう。

 

「じ、じわじわと味方が倒れていく……!」

「ていうか戦闘後とはいえあの二人が組んでも勝てないチャンピオン強い……強くない?」

「チャンピオンだからね……」

「だからってそれが敵として出てくるのは色々反則でしょう……!」

 

ダイバー達の世界か、一人の命か。ロンメルの声に、三人はどちらも掴み取ると啖呵を切り、己の意志を貫き通すために激しく戦う。トランザム∞を使い戦うリクをFXプロージョンを解放して追い詰めるキョウヤ。他のメンバーたちも絶体絶命のピンチに陥る中、運営のカツラギの手によって各地の戦闘の様子を見せられていたサラが傷つく仲間達を見て涙を流しながら声を張り上げると共に、救援に現れたのは、なんとオーガ達百鬼のフォースであった。

 

「おお!?」

「やっぱり来るって信じてたよオーガ!」

「これで形勢逆転です!」

 

ダブルオースカイとガンダムGP-羅刹に乗り換えたオーガはキョウヤへと挑んでいく。しかし、互いに機体を大きく損傷させながらも、AGEⅡマグナムには届かない。そこでキョウヤはオープンチャンネルで問いかける。何故諦めないのかと。リクは語る。チャンピオンに憧れて始めたことを。

 

『俺、あなたに憧れてガンプラバトルを始めました。その強さに、決して諦めない心に憧れて、俺……ガンプラが、ガンプラバトルが大好きです。あなたに憧れて始めたGBNが大好きです。ガンプラが、ガンプラバトルが大好きだという気持で、たくさんの人と繋がり合える……いろんな人たちが、いろんな目標をもって、自分の歩幅で前に進んでいける。そんなGBNが大好きで……そこで出会ったのがサラなんです。サラに、いっぱい教えてもらった。一緒に経験した……皆との絆、ガンプラとの繋がり、楽しむ気持ち、諦めないこと、前を向いて進むこと、ガンプラを大好きだってことを!いっぱい、感謝している!』

 

その言葉は、全てのプレイヤーへと、GBN中へと響いていた。その言葉に奮起されるように、ユッキーが、モモが、コーイチが、アヤメが最後の力を振り絞って立ち上がる。

 

『だから諦めたくない!サラに、いっぱい笑顔にしてもらった!大好きって気持ちを教えてもらった!俺達の好きが生んだ命がサラなら……俺達の手でサラを消したりしちゃいけない!自分達の好きを、自分達で否定したくないから!だから!俺達は、俺達の好きを諦めない!』

 

そしてダブルオースカイも再び動き出す。ダブルオースカイとGP-羅刹、そしてGBNを守ると咆哮を上げ、キョウヤの駆るAGEⅡマグナムが必殺技を放つ。その威力は、まるでサラが出した結論、皆と共にいたいという言葉を体現するかのように、遂にAGEⅡマグナムを打ち倒す。

 

『リク!』

『サラ!』

 

限界を越え、飛翔するダブルオースカイ。その機体が限界を迎え消滅するも、リクの下へと送り届けたダブルオースカイ。リクの下に向かおうと、城を飛び出したサラと遂に対面を果たしたその姿を見て、カツラギも根負けしたように彼らの勝利を受け入れるのだった。

 

「か、勝ちました!ビルドダイバーズの勝利です!」

「ええ……でも、これからですね」

「後は、サラを現実に戻すだけだね……って、え!?」

「何あれ!?」

「オーラがブレイクデカールやバグみたいだけど……!?」

 

喜びにモモイ達が沸き上がったのも束の間、機体をアヴァロンで修復し、ロビーへと戻ってきたビルドダイバーズ達の前に現れたのは、バグの温床によって出現した巨大なレイドボス。各地に存在するレイドボスの変異体を倒さなければ、GBNは崩壊してしまう。プレイヤー達はバグの影響でプラグアウトもできなくなっている中、先の戦いでは敵味方で分かれていたダイバーたちは今一度団結し、戦いを始めていく。そこには、先程の戦いには参加していなかった、実力が劣っていたり等の事情で参加できなかったフォースやダイバーもおり、なんとツカサをも援軍に駆け付ける。まさに総力戦、その様子を見て、リクはサラに笑いかける。やっぱりGBNが大好きだと。

 

さらにそこにカツラギは修正パッチを応用して作ったバグ修正プログラムを搭載したミサイルをガード機に搭載して各地のレイドボスへと仕掛けていく。ダイバーだけではなく運営のサポートも受け、リクはキョウヤの機体を黄金の剣にして必殺技を放ち、遂にレイドボスを撃破。本当の意味で戦いは終わり、遂にサラは現実世界へと向かうことになる。そして、遂にサラは目を覚ます。ガンプラサイズの、小さなモビルドール。その中に入り、小人となって現実に現れる。

 

「よかった、サラが現実に……」

「これで、本当に終わったんだね……」

 

やっと戦いが終わり、平和が戻ってきたGBN。ビルドダイバーズとマギー、シャフリヤール、タイガーウルフ、キョウヤとのオフ会も行い、最後のシメとして彼らは、GBNへと向かう。彼らがそれぞれの機体へ乗り込んでいく中、サラもまた、機体に乗っていた。緑色の光の翼を持つ、モビルドールサラに。そして彼らが、新たな世界へと飛び立っていくところでガンダムビルドダイバーズの話は終わりを告げることになる。

 

「……凄く面白いアニメだったね……」

「はい!アリスも凄く感動しました!」

「ええ、とても……それに、最後に出たあの機体……ああいうのも、悪くありませんね」

「モビルドールか……あれも良い機体だよね……モビルドールサラもモビルドールメイも……」

「途中ひやひやしっぱなしだったけどね……ちょっとチャンピオンが強すぎる……ネル先輩ぐらい強い気がする」

「ダブルオーは主人公だけどねお姉ちゃん」

 

興奮冷めやらぬ様子でワイワイ騒ぐゲーム開発部。この後、皆でガンプラを作り始めることになるのだが、その場の思い付きでミキシングしたダブルオースカイを後日遊びに来たネルが見つけることになるのは別の話。




今年最後の投稿となりますがいつも読んでくださりありがとうございます。
年明けも普段通りの更新頻度で1月2日の正午に投稿されますので、来年もこの小説を読んでくだされば幸いです。
それでは皆さん、良いお年を
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