転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする   作:popoponpon

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シロコ*テラーと蒼き雷霆(アームドブルー)ガンヴォルト

 

雪が積もり始めたミレニアム。学生寮へ続く道の脇に建てられた建物の壁に寄りかかるようにしゃがみ込むシロコ*テラーが悲しそうにモルフォを見上げる。過去を思い出しているのだろうか。悲しそうな表情でモルフォを見上げるシロコ*テラーを見ながら、気まずそうにモルフォは口を開く。

 

「モルフォ……?」

「もう一人のシロコ……さん。なんでミレニアムに……」

「……たまたま……」

 

降り積もる雪を見て、白くなった吐息を漏らしながら、呟くシロコ*テラー。そんな彼女の服装はやはり黒いドレスであるせいで軽装なのか、寒さにぶるっ、と体を震わせる。

 

「……」

 

その様子を見たモルフォは、どうしたものかと考えながら首元を見る。そして、

 

「そんな恰好じゃ寒いでしょ」

「……え……?」

 

巻いていた青いマフラーを外し、シロコ*テラーに差し出す。それを見たシロコ*テラーが驚いたように目を見開き、モルフォとマフラーを交互に見返す。

 

「この近くに私の部屋があるから、とりあえずそこまでいこう。それまでは……ないよりはマシだろうし、これでも巻いておきなよ」

「……」

 

驚いたまま表情が固まっているシロコ*テラーの手にマフラーを置く。掌の上に置かれたマフラーを見て、それを握りしめたシロコ*テラーは、

 

「……う、ぅぅう……ぅあああ……」

「えっ」

 

突然泣き出してしまう。それを見たモルフォも、何かやってしまったのかと焦り始め、とにかくこのままにしてはおけないとシロコ*テラーの持つマフラーを彼女に巻いてあげ、泣き止まない彼女を連れて寮の部屋へと向かうことにするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はい、はい……じゃあそうしますね。えっと、ホシノさんと先生は……あっ、はいわかりました、いつもありがとうございます、リオ会長」

 

その後、泣き続けるシロコ*テラーを寮の部屋に上げたモルフォ。すぐに風呂を沸かせてそこにシロコ*テラーを入らせ、着ていた衣服を洗濯機に放り込むと、すぐにリオにこの事を連絡。ひとまずは敵意などもないことなどを踏まえ、一旦モルフォの部屋で預かることとなる。そして、ひとまずはシロコ*テラーの事に集中してほしい、というリオの意向もあり、ホシノや先生への連絡はリオに任される事となる。

 

「……あ、そうだ。私の服、サイズ合わないじゃん」

 

ゲーム開発部にはシロコ*テラーの事を伝え、今日は部室に戻れないことを伝え、了承してもらった後にそういえば服の事を思い出す。とりあえず暖房を入れているため、裸でも凍えることはないと思うが、着る服がないのは問題だ。

 

「……とりあえず、窮屈になるだろうけど洗濯が終わるまではYシャツ……いや、それよりは大きいだろうし予備のジャケットを用意するとして……後は、できるだけ時間稼ぐためにできるだけお風呂ゆっくりしてもらおうか……?後は晩ご飯も……えーと、出前は死んでるだろうし、今あるのだと……あー、これがあったか。まあたまには……」

 

以前、話題になってたから試しに買ったのはいいものの結局モルフォ自身はあっさり系の方が好きだな……となって手をつけずにいたインスタントラーメンを取り出す。俗にいう二郎系ラーメンであり、このキヴォトスではこういった二郎系ラーメンの需要も結構高い。無論、それに比例するようにあっさり系ラーメンの開拓も進んでいるため、モルフォとしては満足なのだが。

 

(確か柴関ラーメンは二郎系だったし、アビドス出身のシロコさんなら……まあ、これはインスタントだしそこまでましましにできるわけじゃないから物足りないだろうけど、口に合うんじゃないかな……)

 

そんなことを考えながらシロコ*テラーに着替えの事を伝えた後にお湯を沸かしていると、相当にゆっくりしたのだろう。とはいえ、これ以上は限界と感じたのかシロコ*テラーが風呂から上がり、洗面所に出てくる音が聞こえてくる。

 

「モルフォ……えっと、これ……」

「ああ、とりあえず洗濯が終わるまでそれ使ってもらっていいよ。他に使えそうな服がなくてね……といっても、多分もうすぐだと思うんだけど」

「……モルフォの服……うん……ありがとう……あっ」

 

申し訳なさそうに顔だけを洗面所から出して、彼女から見ればサイズがちょっと小さいミレニアムのジャケットを見せるシロコ*テラー。どこか満更でもなさそうな様子だったが、ここでピー、ピーと洗濯機が乾燥まで終わらせたことを音で知らせたため、無事彼女はサイズの小さい服を着ずに済むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……やっぱり疲れていたのかなぁ。ほとんど話とかできず仕舞いだったんだけど」

 

翌朝。寮の部屋から出て、雪も融け始め、すっかり元の気候に戻りつつあるミレニアムの自治区を歩くモルフォ。昨日、ラーメンをシロコ*テラーに食べさせたところ、食べたのはかなり久しぶりらしい話をぽつりと聞いたきり黙り込んでしまったようで、会話らしい会話もできず、そのまま彼女にベッドを使わせると、申し訳なさそうにベッドに潜り込んですぐに深い眠りに入ってしまっていた。今日の朝になっても今だに目覚めないため、書置きと軽い朝食だけ作り置きしてこうして出てきたのだ。

 

「……とりあえず、リオ会長の所に行かなきゃ」

 

今日はシロコ*テラーの今後について、リオやユウカ、ヒマリを交えて話をすることとなっている。ホシノや先生もリモートではあるが参加するとのことなので、遅れるわけにはいかない。滑らないように注意するように少し小走りになりながら、モルフォが学園に向かっている中。シロコ*テラーは室内でゆっくりと目を開いていた。

 

「……モルフォ……?」

 

無人の部屋を見て、悲しそうな表情を浮かべるも、すぐにモルフォの書置きを見つけて慌ててそれを手に取る。そこには、シロコ*テラーを起こそうとしたけど全く起きなかったこと、自分は学園の方に向かうが、朝食は作ってあるから食べていいこと、お昼も適当なインスタントやレトルト食品を食べていいこと、部屋にあるゲームは既にあるデータさえ弄らなければ別にやってもいいことなどが書いてあった。

 

「……よかった……いなくなったわけじゃ、ないんだね……」

 

ほっと胸を撫で下ろす。それと同時に腹の虫が鳴り、空腹感が襲い掛かってくる。その欲求に耐えきれず、モルフォが用意してくれた朝食を食べ終えると、ごろんと床に寝転がり、ぼーっとした様子で窓の外を見る。

 

「……どうしよう……」

 

ここから出ていくべきなのだろうか。しかし、書置きにはシロコ*テラーのことについてリオらと話し合うことが書いてあり、夜にまた戻って話をしようという風にも書いてあった。この世界のモルフォにここまで世話になっているのに、さようならと勝手にいなくなっていいものなのかとつい考えてしまう。

 

「……ゲーム、か」

 

そういえば、と思い出す。この世界のモルフォは、アビドス廃校対策委員会ではなくゲーム開発部という部活動に所属していることを。そう考えると、この世界のモルフォが何をやっているのかに少しだけ興味が湧いてきた。

 

「……?」

 

何かやってみようと、寝返りを打ちながら決める。すると、たまたまその視線がベッドの下に向かい、様々なホビーグッズなどがしまわれたケースの中に、一つだけ目に見えて鍵がかかっている金属製の箱があるのを見つける。それを見たシロコ*テラーは本能を突き動かされたように、ピンポイントで隠されているかのような箱を取り出して、鍵を探す。鍵は壁に取り付けられたコルクボードにかけてあったため、中を開けると。

 

「……蒼き雷霆(アームドブルー)ガンヴォルト……トライアングルエディション……?」

 

そこに入っていたのは、鉄血二期やリライズ等々が書かれたBDがいくつか。そして、一つのゲームソフト、その名は蒼き雷霆(アームドブルー)ガンヴォルト。この中に入れていたのは、さすがにシロコ*テラーの境遇や発言等を考えると見せない方がいいのでは?と考えて封印していた数々なのだが、そんな事情を当然シロコ*テラーが知るはずもなく。

 

「えっと、switchっていうマークは一緒だから……これをこうして……」

 

switchにソフトを入れて起動させていく。このゲームには蒼き雷霆(アームドブルー)ガンヴォルト及び爪、鎖還(ギブス)の三作が収録されているのだが、その中でもサブタイトルがついていないところからこれが一番最初の作品だろうと無印を選択してプレイを開始する。

 

「……これって、拷問……う」

 

今作のストーリーは、主人公であるGVことガンヴォルトが敵に捕らわれ、拷問を受けているところから始まる。彼はテロリスト集団、フェザーに所属する人物であり、皇神(スメラギ)グループという今作の敵対組織に所属している変態のオジサン、ロメオから電磁ムチで拷問されていた。

 

『目的は皇神(ウチ)の電脳アイドル、モルフォちゃんの消去(デリート)…いえ、抹殺ってトコロかしら?』

「!?」

 

さらに会話の中出てきたのは、モルフォという人物を消去するというあまりにも物騒すぎる発言。シロコ*テラーの目が見開かれ、手が震える中、モルフォについてロメオは説明を始めていく。モルフォとは大勢の人達から愛される国民的バーチャルアイドル、電子の謡精(サイバーディーヴァ)だと。そして、捕らえたGVに、既に彼女は輸送列車の中にいると告げる。この変態のオジサンはどうやら、そのモルフォを守る側らしい。現にテロリストを捉えているのだから、きっとそうなのだろう。少年をいたぶることに楽しみを見出しているロメオの精神性はおいといて、ちょっとだけシロコ*テラーが安心していると、GVはもう用はないとばかりに拘束を破壊し立ち上がる。彼は全身に蒼い電光を纏っており、ロメオの奮う電磁ムチも全く通用していなかった。

 

「……えっ……電脳アイドルって……しかも、モルフォを消去って」

『この電光はッ…まさか…第七波動(セブンス)!?』

 

第七波動。GVのような、能力者達が使う能力を、このシリーズでは総称して第七波動と呼んでいる。GVであれば電撃を操る第七波動、他の能力者でいえば亞空孔(ワームホール)爆炎(エクスプロージョン)念動波(サイコキネシス)といった風に種類は多種多様である。

 

『…まさか…あなた…ガンヴォルトッ!?』

『さようなら、変態のオジサン。情報提供感謝するよ』

 

そして、遂に操作パートが始まる。恐怖に震えるロメオを放置し、施設から脱出するGV。彼はチーム・シープスの一員でもあり、高い実力を発揮するメンバーだ。シープスには、シープスリーダーであり、フェザーの創始者でもある、GVを拾い、面倒を見てくれた親と師匠代わりでもあるアシモフ。シープス2であり、実働部隊として活動することも多いジーノ、後方からオペレーターとしてサポートしてくれるシープス3、モニカらが所属している。

 

「……これ、動かすの?」

 

別人だとわかっているがモルフォを抹殺しにいく、なんて言われても当然気が進まない。とはいえ、見つけたゲームをやらないのは……というもったいない精神が発動したせいでGVを動かしていく。もし致命的な場面に遭遇したら速攻で電源を落とそう。そう決めてチュートリアルも兼ねた戦闘を行っていく。

 

今作では、GVが持つ銃からはダートが発射される。このダートは敵に命中するとロックオンが入り、このロックオンは最大三つまで重ねることができる。そして、ロックオンすることで、雷撃鱗と呼ばれるアクションがその真価を発揮する。雷撃鱗は、普通に発動しただけではGVを中心とした円形の電撃が流れるだけなのだが、ロックオンした敵や物体があると、そちらに向かって電撃が流れていく。このダメージ効率がかなりよく、ロックオン数を増やせば増やすほどその威力も増す。なので、基本的にロックオンし、雷撃鱗を流して撃破する、というのがこのゲームの基本的な戦闘方法となる。

 

「……スコアもこうやって稼ぐわけか」

 

ロックオンが三個以上ついている相手を倒したり、同時に二体以上倒すことで手に入れるスコア、クードスにボーナスが入る。ただし、このクードスはGVが被弾すると0になってしまう(難易度によっては三回まで被弾が許されたり、クードスが減少しないものもある)。ただし、GVは雷撃鱗を使用していない時であれば被弾しても電磁結界(カゲロウ)と呼ばれる技が発動し、相手の攻撃がすり抜けるかのように無力化できるという能力の応用も見せる。そのため、クードスさえ気にしなければ初心者でもクリアは簡単にできる、という利点もある。

 

「……ここからは輸送列車」

 

チュートリアルをこなしながら次のエリアへと向かう。オープニングステージは、後半である輸送列車での戦いに代わり、途中でマンティスと呼ばれる戦車を蹴散らしながら進んでいく。その道中で、彼女の歌が能力者をあぶり出すのに使われていたという衝撃の事実をジーノ達が明かす。モルフォの歌によって多くの能力者達が捕まり、皇神によって苦しめられていると。フェザーにもフェザーなりの事情があって彼女を殺そうとしているという事実にシロコ*テラーも複雑な心境になりながら、皇神グループがGVを打倒するべく最後のマンティスを投入する。しかし、既に一機蹴散らしている身としては、地形の問題で多少やりにくい程度でこの程度、まるで問題はないと言わんばかりに簡単に撃破する。そして、遂にGVはモルフォと対面することになる。

 

『これが…モルフォ…?そんな…これは…!』

 

だが、そこでGVは驚きの声を上げる。というのも、彼やフェザーはずっと、モルフォはただのプログラムであり、そのプログラムコアを破壊すれば終わりだと思っていたのだ。だが、モルフォの正体は機械に繋がれた一人の少女、シアン。モルフォとは、シアンの想いが具現化した第七波動だったのだ。それを知ったGVは、彼女を連れだすことを進言する。しかし、アシモフは彼女を連れていくのはあまりにリスクが高すぎると伝え、抹殺指示を続行。そして、それを聞いたシアンは自分を殺してほしいと言う。その様子に過去の自分を重ねたGVは、声を張り上げる。

 

『簡単に命を投げ出すな!キミが自由を望むのなら、僕が(チカラ)を貸す。ボクはキミを助けたい…キミの本当の願いは何?』

『わたしは…わたしは外の世界で、わたしの歌を唄いたい…!』

 

そしてGVの言葉を聞いたシアンも自分の答えを告げる。それを聞いたGVは、フェザーから抜けることを宣言。フェザーとして彼女を保護できないのなら自分の手で保護すると。それを聞いたアシモフはGVを除名することを決定、GVとシアン、モルフォは一般市民だから戦いに巻き込むわけにはいかないといい、彼らを逃がすと、増援に駆け付ける皇神グループを食い止めることとなる。アシモフの配慮に感謝しながらも、GVはシアンと共に輸送列車から脱出するのだった。

 

「……ん……よかった……このアシモフって人も結構良い大人っぽくてよかった……」

 

モルフォ、そしてシアンが殺されずに済んで、安心するシロコ*テラー。それから半年後。GVは無所属の傭兵としてフェザーから依頼を受け持ち、ゲリラ活動を続けて日々の生活に必要な資金を稼いでいた。しかし、その甲斐もあってシアンは学校に通うことができるようになり、一応は安定した生活が送れるようになっていた。

 

「……でも、能力者、か」

 

第七波動能力者。それは数十年前から現れ始めた、生まれながらに超常的な能力を備えた新人類である。それにいち早く目をつけたのが電力会社を中心とした巨大複合企業体である皇神グループであった。彼らの統制によって、能力者達による混乱もそこまで大きくなくなり、他国とは比べ物にならない治安レベルを維持するという成果を挙げている。ただしそれは、能力者の犠牲によって成り立つもの。能力者の保護という名目による強制収監、エネルギー研究の過程で行われる人体実験、巧妙に隠蔽されてきた非人道的な行いの数々に気付き、抵抗を始めたのが私設武装組織フェザーである。

 

「……なんか、似てるのかも」

 

なんと言ったらいいのだろうか。拠点で半年の新生活に慣れてきた頃合い。シアン、時折モルフォと話をしていると、その二人の性格的な違いがまんま、二つの世界のモルフォに当てはまっている気がしてくる。明るく、自由奔放なモルフォと、大人しく、しっかりしているシアン。絡んでいる時間はほんのわずかではあったし、立ち位置としては逆のようにも思えるが、なんとも不思議なものだ。

 

「……そういえばこの羽と衣装、偶然なのかな」

 

そういえば、モルフォの衣装は彼女の知るモルフォと似ている部分がある。アビドスの制服を基調としているため、異なる部分は多いものの、腕などはそっくりな気がする。そんなことを考えながら、本作の肝であるミッションを攻略し、ボスを倒していくいつもの流れに入っていく。まず選択したのは深淵、海底基地でのミッション。そこでは亞空孔(ワームホール)の能力者、メラクの妨害を受けながら進んでいくことになる。

 

「あっ、水が……!」

 

能力者にちょっとした親近感を抱きつつも、ミッション中にGVの致命的な弱点を知ることになる。彼の第七波動は、なんと海水に弱く、その中で電撃を使用しようとすると拡散、オーバーヒートを起こしてしまうのだ。さらにこのステージでは、GVを水没させて溺死させようとする半強制スクロールステージもあり、初見でそれを突破できなかったシロコ*テラーはGVが溺死する様を見せつけられてしまう。

 

「あ、やだ、死―――」

『あなたは死なせない…立ち上がって…GV!』

 

その時だった。モルフォのカットインと共にSONG OF DIVAが発動。輪廻(リインカーネーション)をバックに、GVは復活。HPが全快し、水中でも呼吸が可能になっているのか減少すらしなくなる。見ればGVの全身にオーラのようなものが纏われているのがわかる。これが、今作における救済措置の一つ、電磁結界、そしてモルフォの持つSONG OF DIVAの存在があるため、クードスさえ気にしなければクリアはかなり簡単なゲームとなるのだ。

 

「……これ、って……」

 

ここまでやられればさすがにシロコ*テラーも気付く。自分の世界のモルフォが使用していた能力がこれなのだということを。

 

「そういえば、ユメ先輩もホシノ先輩も歌を聞いたことがあるって……ホシノ先輩も戦ってるときに調子が乗ってくると自然とモルフォの歌が聞こえてくるって……それに、箱舟での戦いでも歌ってくれて……やっぱり、そういうことなのかな……でも、なんで……」

 

その衝撃が強く、このステージのボスであり、自分と似たようなことができるはずのメラクに全く関心が向かないまま撃破してしまうシロコ*テラー。SONG OF DIVAが発動したGVはかなりのチートスペックとなっているため、よっぽど変な事をしない限りは死ぬことの方が難しいレベルなのだ。

 

電磁(リニア)ね…ってぇコトは雷撃鱗で引き寄せられるってコトだな。ビリビリ中学生の本領発揮だな!』

『ビリビリ?』

 

その後も、SONG OF DIVAの発動確率を上げるためと単純に話したりしながらステージを進めていく。データバンク施設を攻略するミッション、磁界。

 

『電子の謡精の歌は、かつてこのタワーによって配信・拡散されていた。電子の謡精…彼女の力は、本来、それほど広範囲に作用するものではない。にもかかわらず、能力者の所在が高い精度で探知されていたのはこのタワー自体が、電子の謡精の増幅装置(ブースター)の役割を果たしていたからだ』

 

かつて、シアン、モルフォの能力を悪用していた大電波塔アマテラス攻略ミッション、光塔。

 

『では始めようか…愛の逃避行を!こころゆくまで愛し合おうじゃないか!少年も我が愛に惑うがいい!』

 

台詞を聞いているだけでなんかぞわぞわしてくる能力者、パンテーラ……ではなくそのパンテーラを討伐した謎の少年、アキュラと戦うミッション、幻夜。

 

『あ…う…う……頭…頭がいたい……!』

『大丈夫ですか?』

『そ…そうよ…この先の部屋…は…あ…ああああ…!』

『待って!』

 

地下収容施設(カタコンベ)の奥で出会った謎の記憶喪失の少女、エリーゼ。魂さえ操り、無限の生命を操る究極の能力生命輪廻(アンリミテッドアニムス)の持ち主である彼女には好戦的な別人格が植え付けられており、その別人格と記憶を取り戻した本来のエリーゼと戦うことになるミッション、葬魂。その強力な石化攻撃に死にかける等の一幕もあったがどうにか攻略していく。

 

『機械に繋がれたシアンちゃんはなッサイコーに胸キュンなんだよッ!テメェはその楽しみを…オレの目の保養を奪いやがった!!ゆるさねェ、ゆるさねェ…ゼッテー蹴り殺すッ!!』

『…倒錯しているのか!危険な男だ…生かしておくわけにはいかない…!お前の私欲の炎、ボクの蒼き雷霆がかき散らす!!』

 

倒錯している危ない男、デイトナとの死闘を演じることとなるミッション、爆炎。

 

『触手…ジーノが喜びそうなトラップだわ…』

『モニカさん…ちょっと、そういうのは…』

『…え?あ、ち、ちがうのよ…?ジーノがいつも、変なことばっかり言ってるから…』

 

実験の影響で暴走しかかっており、空腹と飢餓状態に支配されてしまった哀れな第七波動能力者の末路、ストラトスと戦う彩花。これらの選択式の合計七ミッションを終えたことで、遂にストーリーが本格的に動き出す。なんとシアンが、蘇ったメラクによって攫われてしまうのだ。

 

「そ、そんな……でも、アシモフもチームシープスも一緒に来てくれるみたいだし、きっと助けに……!」

 

シアンとモルフォを救うため、GV達は皇神への攻撃を仕掛ける。正面突破で、二人の待つ軌道エレベーターの最上部、アメノウキハシへと向かうため、GVは激しい戦闘を行っていく。道中、エリーゼの手によって復活させられた能力者達、そして皇神グループに父を殺され、能力者にも恨みを持つアキュラとの再戦を経て、遂に今作の黒幕であり、シアンを攫う指示を出した張本人、紫電の下へと辿り着く。そこで、モルフォの力を制御し、力を得た紫電と戦うことになる。

 

「……よし、負けない……」

 

シアンの能力、電子の謡精とはモルフォの歌を介して他の能力者の精神に干渉する精神感応能力だ。第七波動は能力者の精神状態と密接な関係があると言われており、シアン、モルフォと波長があった者であれば、その精神に働きかけることで第七波動の力を高めることができるのだ。それだけでなく、身体能力の上昇なども見込めており、この波長が合う者、という点においては続編で本来無能力者であるアキュラもある特殊な方法を用いてはいるもののその恩恵を受けることが可能であるため、おそらくは能力者の方が恩恵を受けやすい能力、といえるのかもしれない。

 

「―――これで!」

 

モルフォによって強化されてしまった紫電の念動波に苦しめられるも、電磁結界や回復スキルを利用して着実にダメージを入れていく。ここまできたらクードスを気にする余裕などない。どんな手を使ってでも紫電を倒すと、紫電は本気を出し、シアンを取り込んで巨大な異形の姿となる。六本の腕、黒い右半身と白い左半身を持つ、陰陽を司る巨人。民と国土を守るためと正義のお題目を掲げ、GVを叩き潰そうとする紫電。黒豹と八咫烏という武器を呼び出して激しく攻め立てるこの紫電の弱点である勾玉はバリアで守られており、二つの武器に電撃を流すことでそのバリアを引き剥がせるというものになっている。最初こそダメージの与え方が分からなかったものの、攻略法を見つけたシロコ*テラーは風圧によってステージから叩き落とされる落下死以外は体力管理を気を付けることでどうにか撃破することに成功する。

 

『秩序を失った能力者は…叛乱を起こすぞ…!』

 

遂に撃破された紫電。皇神グループに属するものとして、その後の未来に警鐘を鳴らし死亡するが、それよりもGVはシアンとモルフォの事を気にかけていた。シアンはモルフォの力でバリアを作られており、そのおかげで生存。しかし、力を使いすぎたことでモルフォは限界を迎えており、眠りについてしまう。モルフォからシアンを託されたGVは、やっと戦いを終えて帰還することになる。

 

「……ふぅ、これで……終わったんだね……ん?」

 

そんな二人の前に現れたのは、なんとアシモフだった。そしてアシモフは驚くべき言葉を二人に告げる。

 

『お前たちこそ、新たなる時代のキングとクイーンに相応しい』

「……?」

 

いきなり何を言い出したのかとGV、シアンは勿論シロコ*テラーも困惑している中、アシモフは驚くべき野望を口にする。皇神グループが混乱しているこの隙を突き、シアンの歌と、衛星拠点、そしてGVの力を以て、皇神や無能力者を一掃すると言い出したのだ。

 

「え?え……?」

 

自由のある世界を共に手に入れようと、GV達を誘うアシモフ。だが、不安そうなシアンの表情を受け、GVはその野望に協力することはできない、シアンを利用するつもりなら止めると断固とした意志を示す。それを聞いたアシモフは、一丁のリボルバーを取り出す。それは、アキュラが使用していた銃で、その効果は第七波動を封じるという驚異的なものである。

 

アスタラビスタ(サヨナラだ)…GV』

「!?」

 

そして、アシモフの放った凶弾が、電磁結界を無力化してGVに命中し、GVは倒れてしまう。それだけではない、

 

『君もだ、シアン』

 

アシモフは、シアンすらも撃ち殺してしまう。GVの薄れゆく視界に倒れ込む彼女が映りこむ。一方のアシモフは、二人を殺したことについて、プランの修正(リビルド)が必要と告げるだけ。もう全て終わったことだと言わんばかりに彼は淡々と呟くのだった。

 

「あ、あ、ああ……」

「ただいまー……シロコさん、元気にして―――ん?」

 

そして流れるエンディング。最悪のバッドエンドを前にして、シロコの手が震える。そんな時だった。部屋の扉が開き、服などを入れた紙袋を持つモルフォが帰宅してきたのは。

 

「も、もる……ふぉ……」

「えっ、一体どうし……あっ!?」

 

帰宅したモルフォは泣きじゃくってるシロコ*テラーの姿を見つける。彼女がどうして泣いているのかとswitchを見て、何故か彼女がガンヴォルトをプレイしている所を見て全てを察した直後、シロコ*テラーはモルフォに飛びついて抱きしめてくる。その衝撃でモルフォは尻もちをついてしまい、アスナから譲り受けた彼女の私服のいくつかが紙袋から散乱してしまう。

 

「う、う、うぅううううう……!!」

「……あ、はは……お、落ち着いて……ね?シロコさ……シロコ先輩」

「!!うあああああ……!!」

 

おそらくシロコが見ているのは、エンディングに歌が入っていないのを見るにBADENDなのだろう。それならまぁこうなるわなという気持ちと、こうなるから誰にもプレイさせなかったんだよなという気持ちを同時に感じながら、彼女を宥めるようにもう一人の自分が呼んでいるようにシロコ*テラーを呼び、彼女が泣き止むまでその頭を撫でるのだった。

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