転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする   作:popoponpon

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シロコ*テラーと七稜アヤメ

 

(……アヤメ)

 

ナグサに名を呼ばれた少女、アヤメは一瞬面倒くさそうな表情を浮かべる。しかしすぐにシロコ*テラーの警戒した目を見る。

 

「あなたは何者?この感じ……まるで、怪異」

「何を言ってるの!?アヤメのことを怪物みたいだなんて……」

「只者ではないとは思ってたけど……そこまでわかるんだ」

「見たことあるからね」

「……へえ?」

 

怪異を見たことがあるクロコに先程よりも興味を抱くアヤメ。そこで漸く、ナグサは彼女が自分に全く関心を持っていないことに気付く。

 

「……アヤメ……?」

「それで、あなたは何者?」

「何者、ね。七稜アヤメ。それだけの存在……とでも言っておけばいい?」

「ん、私は砂狼シロコ」

「そう、シロコね」

 

淡白なように見えて、腹を探り合う。知れたのはお互いの名前だけ、普段通りの表情を見せるシロコ*テラーとすまし顔のアヤメだが、その間にはバチバチと火花が鳴っているようにすら見える。

 

「ここに何をしに来たの?」

「んー、まあ、折角来たんだしどんな面下げてるのか見に来ただけであんたには用がない……って言いたかったんだけどね」

 

そう言いながら、アヤメはライフルを取り出す。それを見てシロコ*テラーも無言でアサルトライフルを握る。直後、アヤメの体が黒いモヤに包まれたと同時に彼女の服が黒いものへと変わっていく。

 

「アヤメ……その、姿は……?」

「……あんたはここで仕留めた方がよさそうだね。別に私はどうでもいいんだけど……あいつらの邪魔になるだろうし」

「仲間がいるの?」

「仲間?んー、まあ、今はそういうことになるのかな?さ、無駄話は終わりにしようか」

「やめて!アヤメ!!」

 

まさに一種即発。いつお互いに引き金を引いてもおかしくないその瞬間、シロコ*テラーとアヤメの前に割り込んできたのは今にも泣きそうな表情のナグサだった。

 

「もうやめて……帰ってきてよ!百花繚乱に!!」

「……ふぅ」

(……帰ってきてよ、か)

 

今まで、視界に入れないようにしていたのに。そう言わんばかりに溜息を吐いてしまうアヤメ。だが、視界に入れないようにしていたのは、ナグサに対して負い目があったから、なんて生易しい理由ではないこともまた一目瞭然であった。

 

「邪魔」

「……え?」

「あんたさ、私の何なの?」

「何って……友達でしょ……!?いつも一緒だった……ねえ、今のアヤメ、おかしいよ……」

「……」

「アヤメはいつも明るくて、皆が頼りにして、強くて、何でもやってくれて……皆が憧れる百花繚乱の委員長だったのに……」

 

ぎゅっと、羽織を握りしめ、アヤメに語り掛けるナグサ。だが、それを聞いたアヤメは感情の籠ってない冷たい目をナグサに向けると、

 

「……だから嫌いなんだけど」

「……え……?がっ!?」

 

ぽつりと呟いた言葉にナグサが固まった次の瞬間、ナグサの脇腹に叩きこまれた回し蹴りが、彼女を勢いよく吹き飛ばす。それとほぼ同時にシロコ*テラーが放っていた弾丸を左腕でガードしながら回し蹴りを放ったままの足をそのまま下ろし、仕切り直すかのように距離を取る。

 

「……当たったはずなんだけどね」

「私、頑丈だから」

「それはあなたが?」

「どうだと思う?」

 

だが、アヤメは左腕を何事もなかったかのように動かして銃を構える。その様子を見て、シロコ*テラーは目を細めながら絡繰りを考えていた。無論、単純に堅いだけの可能性はある。しかし、あの当たり方はそうではない、そんな気がした。

 

(……参ったな。やろうと思えばやれるんだけど……下手すると諸共だから、殺さないようにだと硬くて苦労しそう)

「……」

 

一方アヤメも、無傷の左腕に意識を割いているように見える。今の攻撃でシロコ*テラーの持つ力量、そして彼女が抱えている力にもある程度勘づいたのだろう。

 

「……強いね」

「ん、強いよ、私は」

「……じゃあ、胸を借りるつもりでいこうかな。百鬼夜行の外から来た、私の知らない、私を知らない女の子」

「あなたのことなんて知る気はないよ。知ってほしくないならそっちの方が楽だからそうしてあげる」

「ふふ」

 

シロコ*テラーの言葉に対し、アヤメはどこか楽しそうに口元を緩ませる。そして彼女が左腕を奮うと、左腕を黒い何かが覆い、そこから黒い触手のようなものが伸びてシロコ*テラーを襲う。

 

「!」

 

予想外の攻撃だったのか、シロコ*テラーも一瞬虚を突かれるものの、即座に反応してその場から跳躍。空中に逃れるも、アヤメはチャンスとばかりに発砲する。しかし、空中に跳んだシロコ*テラーの頭上にワームホールが出現し、その中に吸い込まれて彼女の体が消えてしまう。

 

「!?―――そこか!?」

 

直感か。それとも百花繚乱の委員長としてこれまで培ってきた実力か。それともその身に宿した怪異の力か。シロコ*テラーが次にワームホールを開き、そこから落下しながらアサルトライフルを連射してくる攻撃に対応してみせる。瞬時に横に跳び、避け切れない分は左腕を盾にして止める。

 

「それ、瞬間移動ってやつ?いや、ちょっと違うかな?凄いね。私達以外にもこういう不思議な事できる人がいたんだ」

「やっぱり強いね。ほとんどの奴はこれでもう終わるんだけど」

「まあ、これぐらいは対応しないと。花鳥風月部まで行った意味がないよ」

「……え……?」

 

花鳥風月部。その名を聞いたナグサの表情が唖然となる。元々、目の前の現実離れした能力者バトルめいた戦いを見せられている時点で既にパンクしかかっていた頭はさらにパンクしていたというのに。

 

「花鳥……風月……?じゃあ、あの、怪異の力は、本当に……?なんで、なんでアヤメが……そんなものに……」

 

ナグサが呆然と呟く中、二人の戦いはさらに激しさを増す。アヤメの纏っていた黒い物体は、左腕だけだったのが左肩、羽織にまで侵食するように広がっていき、触手はさらにその数も速度も増していく。対してシロコ*テラーは着実に攻撃を回避したり撃ったりして捌きながら、どうしても避けきれないものや、不意を突く攻撃の時にだけワームホールを開いて対応していく。だが、

 

「―――なんか不自由そうだね」

「っ!」

 

アヤメの触手がシロコ*テラーの足首を捉える。足首を掴まれたシロコ*テラーが勢いよく振り上げられると、そのまま地面へと叩きつけられてしまう。

 

「王手だよ」

 

そこへ触手を何度も叩きつけようとする。しかし、そも触手は全て弾き飛ばされてしまう。

 

「っ!?ミニガン!?」

 

シロコ*テラーの手にはいつの間にかミニガンが握られており、そこから放たれた弾幕がアヤメへと襲い掛かる。シロコ*テラーの武器がアサルトライフルだけだと思い込んでいたアヤメは反応が遅れ、数発体に喰らうも、すぐに触手を全て手元に戻して盾にする。

 

「……はぁ、あの時のようにはいかないね」

「なんだ、まだピンピンしてるんだ」

 

弾を撃ち終えてゆっくりと立ち上がり、ドレスについた砂を左手で払いながらシロコ*テラーは手元に取り出したミニガンを見る。ワームホールの使用頻度、精度などはアトラ・ハシースの箱舟という膨大な演算装置の補助を得ていたあの時よりも圧倒的に劣っている。が、人間とは楽な方に流れる生き物らしく、シロコ*テラーは自由にワームホールが使えていたあの状況にすっかり慣れてしまっていたようだ。

 

「これじゃあ駄目だね。あの子を守るためにもっと精進しないと」

「へえ、結構頼られてるんだね」

 

ミニガンをワームホールの中に戻し、アサルトライフルをリロードして構え直す。そして、アヤメの言葉にシロコ*テラーは首を横に振る。

 

「……そんなんじゃない。むしろ私は頼ってばっかりだった。頼って、でも我儘で……癇癪だけは一人前。そんな、子供だった」

 

そう呟くと、一瞬目を閉じる。それだけで過去の様々な出来事が思い出される。この世界では起こらなかった、中にはまだ起こってないだけかもしれない悲劇の数々が。

 

「……私が、誰かに頼りにされる資格なんて、多分ないんだと思う。だけど……約束はしたから」

 

アヤネのハンドガンを左手に持つ。シロコ*テラーが持っている銃は皆の遺物だ。その内、ホシノのショットガンはシャーレに、もう一人のモルフォのレールガンライフルはナラム・シンの玉座で本人に渡したまま。ユメの遺品はそもそも紛失している。シロコ*テラーの力としては能力は勿論だが、火力を担保していた武器が揃って失われてしまっている。テラーとしての力を完全に開放すればその限りではないのかもしれないが、それは生徒の範疇を超えた生死を賭けた戦いになってしまう。

 

(……私、随分できないこと、やっちゃいけないことが多くなっちゃったな)

 

シロコ*テラーは負けたくなかった。今の自分は、世界を滅ぼすシロコ*テラーではない。別の世界から現れたもう一人の砂狼シロコ。もう一人のモルフォから託された願いを守るため。

 

「……ああ、そうか」

「?」

 

アヤメ。状況も、経緯も、何もかもが違うだろう。だが、怪異という特異な力を身に着けた彼女の存在に、いつの間にかシロコ*テラーは自分を重ねていたのかもしれない。だからこそ、負けられない。そう思ったからこそ、シロコ*テラーは再び闘志を漲らせる。

 

「……私は勝つよ。あなたが人を殺そうとしないなら、私もそこまではやらない。でもあなたが怪異で一線を越えるというのなら、私もこの能力を使う、それで対等。そして私は負けない」

「さっきいいようにやられてたくせに……そういう言葉は、私を追い詰めてから言ってみるもんだよ!」

 

アヤメが触手を振るう。先ほどのように徐々に追い詰めていけばシロコ*テラーにダメージを与えられる。それが成果としてあるからの余裕なのだろう。だが、

 

「……!?」

 

当たらない。先程よりも素早く動いたシロコ*テラー、その速さにアヤメは完全に翻弄されていた。そればかりか、自身に向かう触手を蹴りつけ、他の触手にぶつけてその動きを妨害したりしてアヤメを翻弄していく。

 

「く……足癖が悪い……!」

「ん、手も足も出るよ」

 

さらに、合間を縫うように弾丸が叩き込まれていく。触手をうまく使えず、ガードを崩されたところをすり抜けて飛んできたことでアヤメは舌打ちをしながら回避する。その様子を見て、シロコ*テラーは目を細め、ある事実を確認する。そして、その回避がきっかけとなったようにアヤメは触手を消して左肩から先を怪異が覆ってるだけの装甲のような状態に戻してしまう。

 

(やっぱりね、怪異の部分は無理でも、身体に対しては弾丸は通る。まあそれも、全身を怪異で覆われたらまた話は変わってくるけど……)

「……確実に勝つには、もっと私の全身を怪異に……!」

「……ちっ……!」

「アヤメ……!?駄目、そんなことをしたら、もう戻れなく―――」

 

アヤメから嫌いと言われ、呆然となり、二人の戦いを見ていることしかできないナグサだったが、そこでアヤメが口にした言葉にやっと我に返る。だが、アヤメがそれで止まりはしない。

 

「怪異を―――?」

「そこまでにしとき」

 

だが、動きが止まる。突然聞こえてきた声。シロコ*テラーがアヤメから意識を逸らさないようにしつつ、視線だけをアヤメの後ろへ向ける。そこから声は聞こえてきたようだが、そこに声の主はいない。だが、アヤメは興が削がれたのか左腕の怪異を解くと、頭を掻きながらぼやく。

 

「やれやれ、やりすぎちゃったかな」

「あ、アヤメ……今の、声……」

「本番は今日じゃないからね。シロコだったよね?もし決着を付けたいなら、次の機会に持ち越しにしようか」

「……逃がさない、って言ったらどうする?」

「うーん……なりふり構わずやるしかないかなぁ?」

 

ぼやき、どこかユルそうな感じでのほほんと語るアヤメ。しかし、その言葉が決して嘘ではないことはシロコ*テラーは勿論、ナグサでも理解できた。そして、アヤメがあそこからさらに怪異の力を本当に引き出してしまったら。

 

「じゃあもう終わりにするしかないね。それをやられると……あなたを殺すしかなくなっちゃう」

 

その時は、もうアヤメを。シロコ*テラーもその判断を下すしかない。が、その判断をナグサの前で下す必要はないし、アヤメもこの場は退くというのだ。ならば大人しくその通りにさせてやればいい。シロコ*テラーの発言に満足そうに頷いたアヤメは右手を振りながら去る。

 

「待って、アヤメ!!お願いだから……待って……!」

 

その背中にナグサが左手を伸ばす。しかし、既にアヤメは黒い影のようなものの中へと消えてしまい、完全に姿を消してしまう。

 

「……私は戻るよ」

「……戻るって、どこに」

「あの子達の所。さすがにこうなったら、ナグサの右腕どころじゃないからね。あなたは……どうするの?」

「……」

 

ナグサにそう伝え、歩き始めるシロコ*テラー。しかし、ナグサは全く微動だにしない。そのまま、呆然としていたものの、やがて彼女はふらふらと、シロコ*テラーが歩いた先とは別の所へ向かって歩き始める。その様子を黙って見つめていたシロコ*テラーもやがて溜息を吐くと、モルフォ達がいるであろう宿へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

暗い和室。ナグサは、気付けば百花繚乱の詰所に戻っていた。彼女の目の前には、一丁の銃が、丁寧に袋に仕舞われた状態で飾られている。おそらく、キキョウがやってくれたのだろう。

 

「……なんで戻ってきちゃったんだろう。もう、戻る資格も、これを握る資格もないのに……私は、百花繚乱の委員長じゃないのに……」

 

もう、よくわからない。その場に座り込むと、途端に眠気が襲ってくる。思えば、昨日の夜からずっとシロコ*テラーに付き纏われていたのだ。家の中に入ってる時はさすがに彼女も家の中に上がり込むような無礼はしなかったが、外にいるんだろうな……という感覚が常にあったせいで全く休めなかったのだ。そして、アヤメとの出会い。心を限界まですり減らし、砕かれたナグサは、そのまま床に背中を投げ出すとその意識を深く沈めていく。どこまでも深く、暗い水の底に堕ちるかのように目を閉じ、意識を手放す。

 

「―――輩!ナグサ先輩!!」

「……?」

 

が、その意識が浮上してくる。全身をグラグラと必死に揺らされ、大声が耳元で響く。どこか聞き覚えのある声だ。だが、一体誰の―――

 

「ナグサ先輩!!!!!あがぁ!?」

「きゃっ!?っ痛!?」

 

直後、耳元でさらに何段階も上げられたボリュームの自分を呼ぶ少女の声に、ナグサの鼓膜が吹き飛んだかのような衝撃が襲い掛かる。たまらず飛び上がるようにナグサが起き上がった直後。何か棒のようなものに勢いよく頭をぶつけ、ナグサと声の主の悲鳴が上がり、二人は床に転がってしまう。ナグサが痛む頭部を抑えながら体を起こしてもう一人を見る。そこにいたのは、

 

「れ、レンゲ……?」

 

なんとレンゲだった。だが、レンゲは角の根元を抑えながら体をゴロゴロと転がしながら尻尾でバシンバシンと畳を叩いて痛みをアピールしていた。まさかの人物だったことに驚くも、どれくらいかわからないか寝ていたことで少しだけ気分も回復したのだろう、角と尻尾のせいで転がりにくそうだな……とか、角ってやっぱり骨とくっついてるからそこ叩かれると死ぬほど痛いんだろうか……なんて考えつつも、心配になりながらレンゲに近づいていく。

 

「レンゲ、大丈ぶっ!?」

 

しかしレンゲは、そのあまりに強烈な痛みに完全に錯乱してしまっており、滅茶苦茶に振り回した尻尾が全く警戒も何もしていなかったせいで反応できずにいたナグサの顔にクリーンヒットしてしまう。そこで、なんか畳以外のものに尻尾をぶつけた感触で漸く我に返ったレンゲは涙目になり、痛みに堪えながら顔を上げると、尻尾が叩きつけられた部分を真っ赤に染めながらナグサが顔を両手で押さえて涙目になっていた。

 

「あ……ご、ごめん!だ、大丈夫……?」

「大丈夫……うう」

 

そして、お互いに痛みが引いてきて、やっと話ができるようになった所で、部屋の電気を点けて二人は向かい合う形で座っていた。

 

「……それで、レンゲはなんでここに戻ってきたの?」

「……ちょっと、色々あって……それで、キキョウに会いに。でも、ナグサ先輩がいるとは思わなくて……しかも、床に倒れて動いてなかったから……」

「そ、そうだったんだ……」

 

それだけ疲れていたのかと驚く。おそらくレンゲには、暗い部屋で明かりもつかず、床に無造作に倒れているように見えていたのだろう。それでいて全く動きも見せなければ死んでしまったと誤解されるのも無理もない。

 

「でも、ナグサ先輩……もう、百花繚乱はいいんじゃ……」

「それ、は……えっと……その……」

 

どうしてここにいるのか。その理由を話し合う。だが、ナグサは躊躇ってしまう。あのアヤメの事を言っていいのかと。少しだけ悩んで、ナグサは言葉を濁すように口を開く。

 

「……その、戻ってきた、ってわけじゃなくて。ただ、忘れ物というか、必要になるかもしれないものを取りに来ただけというか」

「……そっか。なら、一緒に探すよ」

「!?い、いいって―――「……ナグサ先輩」っ!?キキョウ……?」

 

一先ず会話を切り上げようとするナグサ。しかし、そこにさらにキキョウまで現れてしまう。室内の奥の方にナグサがおり、レンゲとキキョウがナグサの行き先と出入り口を塞ぐような形になってしまっているため、ナグサは逃げる事もできない。

 

「……アタシが呼んだんだ。ナグサ先輩に何かあったらどうしようって思って」

「……そっか」

「ナグサ先輩……ずっと、探してた。私だけじゃない、レンゲも、ユカリも。だけど……何があったの?どうして、倒れて……」

「……」

 

ナグサの脳裏に先程のアヤメの姿が蘇る。もし、あのアヤメを元に戻そうとするために必要なものがここにはあった。だが、それは。いや、それよりもアヤメを助けるには。

 

「……アヤメと会った」

「「え!?」」

「……アヤメを取り戻すには、助けるには……百蓮が必要だから……だから……戻ってきた」

「……どういうこと……?」

 

しかし、キキョウとレンゲは困惑してしまう。ナグサは実際にアヤメと会ったことで辿り着いた結論をいたって真面目に言っているのだが、あまりに繋がりが無さすぎて、二人は顔を見合わせるのだった。

 

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