転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする   作:popoponpon

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ここまでは一部を除いて一話で収められるものや途中までで切れるものを選んできましたがそのせいで中々触れずにいた作品などもまだまだあるのでここからはそういうものも以前より頻度を多くして前後編構成(中には三話構成になる場合もあるかも)でやっていこうと思います。また、それに伴い過去にやって途中で終わらせたままの話も途中から再開する形でやることもあるので(その場合は過去の話のようにそれ以前の話へのURLも載せます)ご理解のほどをお願いします。


幕間7
エンジニア部とGet Ride!アムドライバー(前編)


 

「……」

 

モルフォ達ゲーム開発部はエンジニア部に連れられて、ミレニアムの自治区内に建てられた建物の中にやってきていた。だが、アリスとケイを除く四人は唖然となって目の前の広い空間を見ていた。寮でモルフォが使用していた部屋の数倍は広いその部屋は、学生寮の入れても少人数で過ごすことを目的とした部屋とは異なり、ある程度の人数が入ってものんびりできる程のリビングになっていた。家具も一通り揃っていたが、やはりモルフォが目を引いたのは、部屋の中に置かれた複数のダンボール箱だろう。その中身を取り出すと、そこには完全に修復されていたゲーム機などが置いてあった。

 

「これは……」

「ああ、修復させてもらったよ」

「え!?できるの!?」

「もちろん……まあ、完全にとはいかなかったからアリスとケイの力もちょっと借りたけど」

「はい!頑張りました!」

「セーブデータなど細かいところまでは修復しきれなかった部分もありますが……ガワに関しては間違いなく戻っているはずです」

 

それは、吹き飛ばされたモルフォの部屋にあった私物であった。それをエンジニア部とアリスとケイが修復したのだ。よく修復できるだけのものが残っていたというべきか、それとも思ったよりアリスの力というのは幅が広いのか。そんなことを考えているとケイが苦笑しながら説明する。

 

「幸い、爆発に耐えたゲーム機のメモリなどは発見されたためそのまま修復することができました。とはいえこれはデータが欠片でも残っていたから修復できたものです。完全にデータが消えていたら修復はできません」

「……完全にデータが消えていたら、か」

 

ヘッドフォンを外し、じっと見るモルフォ。その中に眠るもう一人の自分。今の彼女の人格というデータがあるが、これは修復ではない。彼女はデータでありながら人であり、深い眠りについているような状態だ。それ故、アリスとケイの力でも起こすことはできないようだ。

 

「でも、この家どうするの?」

「モルフォは部屋を吹き飛ばされただろう?この機会に、ゲーム開発部でセーフハウスを用意してはどうかという話になったんだよ」

「私達の!?」

「セーフハウス!?」

「せ、セーフハウスって……金持ちとか立場の凄い人が持ってる……」

「説明しましょう!セーフハウスとは警察、情報機関、犯罪組織などが身を隠す人物を一時的に保護、匿うために用意した安全な隠れ家や拠点を指す言葉です!とはいえ現代では追われる人物が逃げ込む秘密のアジトだったり、危険から人を守るための避難場所だったり位置や出入りが外部からわかりにくい施設や部屋、追跡から逃れる中継地点だったり作戦会議の拠点などなど、様々な意味を持っています!この場合、目立たない一軒家として建てられていますが防犯設備、特に防爆性や耐火性、耐久力は指折りとなっています!いい所に注文を頼んだ甲斐があったというものです!」

 

リオや、他の学園だとナギサなどが保有しているというあのセーフハウス。まさかそれをゲーム開発部が所有する時が来るとは。基本的にモルフォが失った部屋の代わりとして用意されたものだが、近いうちに他の部員も寮の部屋から出ることになりそうだ。ユズなどは寮の部屋こそあれどまともに使用していないのだから。

 

「他にも色々用意していますよ!まずはケイの充電設備に他にも色々……」

「まあまあ、それはおいといてだ……ゆっくりしてみてもいいんじゃないかい?」

 

コトリの説明もそこそこにし、ウタハがゲーム開発部に寛ぐことを進める。それを聞き、ゲーム開発部がふかふかのソファの使い心地などを確かめていき、エンジニア部と共に買ってきたピザなどを食べながら過ごし始める。そんな中、モルフォが思い出したように手を叩くと鞄の中からBDを取り出す。

 

「あ、そういえば……」

「何か作ったんですか?」

「うん。こいつを使っていけばもしかしたらもう一人の私もいつか起きるかなって思って出してみたんだ。ただアニメの方は凄く面白いよ」

 

それを読み込ませると、大型テレビの画面にアニメが流れていく。

 

「Get Ride!アムドライバー?」

「ふむ……パワードスーツ物かな?」

 

Get Ride!アムドライバー。数年前に地球に出現した謎の侵略兵器バグシーンの脅威に脅かされる人類は最新工学アムテクノロジーを用いてアムジャケットというパワードスーツを開発、それを着用するアムドライバーと呼ばれる戦士たちが誕生する。圧倒的な強さを誇るアムドライバーはバグシーンを撃破していき、瞬く間に世界のヒーローとなる。

 

そして主人公である14歳の少年、ジェナス・ディラはお調子者の少年、ラグナ・ラウレリアと共にアムドライバー養成所を卒業し同期となる少女アムドライバー、セラ・メイと一緒にバグシーンとの戦いの最前線、キャンプリトルウイングに配属されることになる。そこでジェナスとラグナは後に二人のサポーターとなる少年、ジョイと出会う。だがそこで待っていたのは、バグシーンを倒し、人々に希望を届け、世界を救うはずのアムドライバーはまるでアイドルのような見世物であるという現実であった。

 

「な、なんかズレてない?」

「いかにも恰好良いヒーローみたいな入りからしてやってることアイドルかぁ……」

「戦闘はそれなりに気合入ってるけども……なんかこう、変な感じですね」

 

先輩アムドライバーのシーン・ピアース、ロシェット・キッス、KKからなるシーンユニットは高い実力を持ちながらも新人のジェナスに嫌がらせをするなどの洗礼を浴びせたり、フリーのジャーナリストであり、アムドライバーのインタビューを行っていた女性、マリーにその相棒のカメラマン、ニックらから時に厳しい言葉を、時に助言をもらう中。ピープル(一般市民)の人気を得るためのパフォーマンスに振り切り、自分達に人気が集中するような戦い方をするなど、最初の侵略者と戦うヒーローという方向性はどこへ行ってしまったのか視聴者目線だとわからなくなってくる。

 

今の人々の人気を得ようとする見世物のような戦い方に苦悩するジェナスや今を好ましく思わないセラなどはいるが、他の先輩ユニット、ダークとタフト(ダークユニット)パフ、ジュリとジュネの双子(パフユニット)らもシーンたちの戦いに異議を唱えることはない。戦闘シーンそのものは泥臭い部分もあって面白いのだが、なんか見たかったものとちょっと違ってきたな……とモルフォ以外が思い始めたその時だった。

 

謎の少女、シャシャの出現やら強力になっていくバグシーンたちを前に、アムドライバー達は既存の武装では中々太刀打ちできないという事態に陥る。それを前に新たな武装、バイザー(Binary Silhouette Armor)が開発される。これはアムドライバーを乗せた高速移動が可能なビークル・モードとアムドライバーのパワードスーツとなるブリガンディ・モードを使い分けて戦う強力なサポートメカとなっている。

 

「これは……」

「マシンが分離して合体……!!これこれ、こういうのでいいんですよ!」

「やっとオープニング回収してきたね……」

 

装甲などを青く縁取ったオレンジ色のカラーリングのバイク型バイザー、モトバイザーグリフォン。一見バイクだがブリガンディ・モードとなることでアムドライバーと合体し、全身を装甲で多い、両腕にガトリングを装着した形態となる。

 

「少しはエンジンがかかってきたかな……?」

「……モルフォ、確かにこういうアニメと考えると悪くはないんですし、実際戦闘シーンそのものは面白いんですが、やっぱりこうなんかこう……」

「すっごい逆張りしてる感ある!」

「まあ問題はもうちょっと先だからね」

 

グリフォンの登場を皮切りにどんどん新バイザーが出現してくる。アムドライバーが使用する地上を浮遊するボードを巨大化させたようなボードバイザーワイバーン、ステルス戦闘機のような形状をし、体重の軽い女性アムドライバーが使用することで空を飛べるエアバイザーバンシーなど新たなバイザーが次々と登場しながらもバグシーンとの戦いを潜り抜けていくジェナス達。だが段々バグシーンはこれまで無機質に建物などを狙っていたところから何かに統率されたかのような動きも見せ始める。

 

そんな中、シーンにエアロバイク型のエッジバイザーデュラハンが与えられる。デュラハンと合体することで全身に装甲を纏い、二振りの大型の双剣を操るシーンの実力はまさに一騎当千……になるはずであった。だが上下逆さまになったようなイカのような姿の新型バグシーン、トパスを引き連れたディグラーズにシーンは敗北、撤退を余儀なくされるもキャンプまでも破壊されてしまい、アムドライバーは散り散りとなってしまう。死人も出てしまい、ダークとタフトという犠牲を払い、遂にジェナス達は脱出することに成功する。だが脱出できたのはジェナス、ラグナ、セラ、ジョイ、マリー、ニックのたった六人だった。

 

「……これ、何が起こり始めているの?」

「このバグシーンの裏にいる人たちのいう告発やゲームって……」

「なんか、なんか嫌な予感がする……」

 

仲間と合流しようにも合流先は既に制圧されており、ジェナス達は残り少ないアムエネルギーを補給することもできず、行き先も見えずに放浪することになる。何が真実かもわからない、そんな中、シャシャと共に現れたイヴァンという男は恐るべき真実を明らかにする。

 

『ジノベゼはウィルコットの策謀を告発したのさ。ウィルコットがバグシーンを操っていたという策謀をね』

「「「えっ」」」

『バグシーンによって人類を恐怖に陥れ、そしてアムドライバーを組織し退治させる』

「……いや、待ってくれ」

「ええっ、あれって」

 

ジノベゼとウィルコット。アムドライバー達を纏めていた連邦政府の議員である二人だったが、ジノベゼはウィルコットがバグシーンとアムドライバーを用いたピープル達の人気を得るためのマッチポンプをしていたことを明かす。その告発と共にジノベゼ派の私設軍隊であるアムドライバーとトパスで構成されたJA(ジャスティスアーミー)を設立。そしてウィルコット派のアムドライバー達の戦争が始まってしまうのだ。

 

「……」

 

ヒーロー系に対するアンチテーゼと思いきやいきなりアムドライバー同士の戦争に。いきなり様変わりした様相に比例するように話の面白さも戦闘の派手さもどんどん右肩上がりになっていく。

 

シーン達と合流したジェナス達だったが、彼らを使い再起を図ろうとするシーンに入れ込む、シーンユニットのサポーターをしていた女性、キャシーのこんな時までも利益とかつての栄光を求めようとする姿を見て袂を分かつ。それによりロシェットとKKはキャシーの下に残り、シーンはジェナス達と共に同行、そして生きておりウィルコット派に助けられていたものの彼等から離反しジェナス達と行動を共にすることを選んだタフトとダークも合流し、この戦いを終わらせる鍵を持つ人物。初代アムドライバー、ガン・ザルディと会うことになる。

 

「一番最初のアムドライバー……つまり初代勇者ですね!」

「でもそもそもアムドライバー自体がマッチポンプですよ。ガン・ザルディだって……」

「まあマッチポンプのヒーロー同士で戦争なんてそりゃ重くなる要素しかないし……途中から凄く面白くなるじゃんモルフォちゃん」

「私は最初から好きだっただけど、やっぱり斜に構えている感じは人によってはしちゃうかぁ」

「まあそこは一旦置いといて、バイザーだよバイザー」

 

そしてバイザーも色んな種類が出てきていた。戦車のような形をしており、ブリガンディ・モードでは八基のレゾネートミサイルを装備するバーストバイザーサラマンダー、ヘリをモチーフとした飛行可能なバイザー、ジャイロバイザーフューリー。大型ランスと大型ロケットブースターを装備した強襲用ランスバイザーユニコーン。そして、ジェナスが使用するボード型のライドバイザーテュポーンとラグナが使用するキャタピラ付きの小型戦車のような形状のライトバイザーエキドナが合体し、ジェナスが装備するクロスバイザーオルトロスが登場する。全身をアーマーで武装し、両肩に大型ビーム砲、両腕のキャタピラで攻撃するパワフルなバイザーなどなど、多くの特性や形状、変形シーケンスを持つバイザーはエンジニア部の皆の心を掴んでいた。

 

「あの変形機構……再現したいですね」

「どういうのがいいかな……自爆装置とBluetoothは必要だし、後はパワードスーツ側も用意しないと合体がスムーズにいけないか」

「……デュランダルを参考にして修理中のアビ・エシュフを」

「なんてことするんですかやめてくれません?」

「そうです!やるならライオン型に……」

「そういう問題じゃありませんが!?」

 

ザルディに会いに行ったジェナスとメイ。アムドライバーの在り方に疑問を持っていた二人だからこそザルディに会いにいく権利があるのだとシーンが語る中、遂にジェナス達は岬に隠れ住むザルディと対面する。アムドライバーとは何か、これからどうすればいいのかと質問するジェナス。彼らにザルディはウィルコットの件は事実だといい、十数年前に紛争と戦争で荒れていたことを話す。そこでピープル達の共通の敵、バグシーンを出したのだ。バグシーンには通常兵器が通用せず、人類では歯が立たなかった。そこにバグシーンを倒す戦士、アムドライバーが出現したことで、人類はバグシーンを倒すためという目的で争いを止めたのだ。

 

「……マ、マッチポンプの理由は世界平和のため……?」

「仕組まれたエンターテイナーショー……だがその実態は流れる血を失くすためのもの……」

「もう序盤の何も知らないで戦う皆のシーンもまともに見れなくなってきた」

 

だが権力を奪い合うウィルコット派とジノベゼ率いるJAの戦いにより再び世は荒れ始める。ピープルを守り、争いを止めたいというジェナスの意思を見てザルディはZEAMという究極に発展したアムテクノロジーの存在を知らしめる。それは人類にとって毒にも薬にもなってしまう。権力者が間違いなく奪い合う危険な力を見せることで争いを止めるしかないと。

 

「……究極の力、か」

「ってあの二人は……」

 

だがザルディが持つZEAMは半分のデータしかない。残るデータを入手する必要がでてきたジェナス達は、ザルディとは旧知の関係であるニルギースとシャシャと再会。その後、JAに襲われニルギースがJAを殺害するというショッキングな一幕こそあれど、どうにか危機を脱する。ザルディは身を隠し、ジェナス達はシャシャ達と行動を共にすることになる。そしてジェナス達はZEAMのデータを手に入れるため、三人の工作員に会いに行くことになり、新たな第三勢力、PA(ピュアアムドライバー)を結成し、ピープル達のため、世界の平和のために戦うことになる。

 

「PA……なんかこういう少数精鋭部隊って感じいいよね!」

「まあ他二つが汚すぎるだけだと思うけどねお姉ちゃん……」

「だけど積極的に戦うのはJAぐらいで連邦とは同調はしない、程度のスタンスなんだね」

「一応連邦そのものはピープルに被害与えてるわけじゃないからね……こんなことになったらバグシーンで自作自演することもないから逆にウィルコット派そのものは進んでピープルを迫害したりみたいなことはする暇なくなったんだよね……」

「まあほっといても人類関係なくアムドライバーそのものを嫌う人増えそうだけど」

「こんなにジャケットもバイザーも恰好いいのにもったいない……」

 

最後のヒビキとコトリの言葉にうんうんと複雑そうに頷く面々。ザルディから託された彼の強力なアムジャケットを元に新たな高性能ジャケット、ネオジャケットをジョイは開発する。最初はジェナスだけだったが、徐々に新しいジャケットに換装していくPA。ZEAMのピースを入手しようとする彼らの前にJAの軍門に下ったキャシー。彼女についていったロシェットとKK、そしてニルギースが殺した人物の弟、エーリックのチームが立ちはだかる。

 

『撃!!』

「!剣が合体して必殺技を……あれがネオアムジャケットの力……」

「必殺の一撃はやっぱり最高ですね!」

「って、あれパフたちじゃないの!?最初の方で味方だった……」

 

だが、ネオジャケットの力で三人を蹴散らしたジェナスだったが、そこにJAに寝返ったかつての仲間、パフユニットが現れ、ロシェット達を取り逃がしてしまう。JAが作り出したと思われる前進翼の戦闘機型バイザーであるストームバイザーシームルグに乗り込んだパフと彼女と同じユニットのジュリとジュネに翻弄され、彼女達を取り逃してしまう。キャンプにいた時は全員仲間だったはずなのに、今ではJAにかつての仲間達がいる。誰が敵で味方なのかわからないと叫ぶラグナに、ここにいる奴は仲間だろと諭すジェナス。父と思われる人物が写る写真を見つめるセラは、一人パフに会いに行くと言い、仲間達から離れることになる。パフの気持ちを確かめたいと語るセラに、ジェナスは気を付けて行けよと言い、彼女を見送るのだった。

 

「あれ?なんか凄い歓迎ムード……?」

 

セラが辿り着いたのはミュネーゼ・タウンというJAの支配下にある町。そこにはシシー・クロフトという人気のアムドラサポーターがJAの批判をしていたために捕まえられているのだという。さらにそこにはZEAMのピースを持つ工作員がいるということでニルギースが潜入を行っていた。偶然にもその町に辿り着いたセラはジャックというキャンプ時代からパフたちのサポートをしていた男と再会する。彼はパフがセラが来ることをわかっており、この町の防衛設備がセラに反応しないようにしていたのだと告げる。そしてパフと再会したセラは、そこである真実を知ることになる。セラがアムドライバーになった理由は、兄でありアムドライバーであったジョナサンが不審な死を遂げたためにその真相を知るためであった。だが、そのジョナサンがタッグを組んでいたのがパフであり、彼の妹であるパフが来たことに運命を感じていたのだという。

 

そして、パフたちはキャンプから脱出した後のことを語る。重傷を負ったジュリを抱えて逃げた自分達はこれまでだと思っていたが、そこでジノベゼに助けられ、治療を受けてもらったのだという。ウィルコットでもPAでもない、ジノベゼであり、彼が正しいと信じるようになったのだと。

 

「お、おお……」

「助けられた恩義か……これは中々厳しいね」

「……でもロシェットとかは正直うん……キャシーはもう黒いところ隠さなくなってきてるけど」

 

パフユニットはまだ理解できる。しかしキャシーらは明らかに不穏な様子を見せているので全く安心できない。そんな中、PAはトラック型のランドバイザーベヒモスを入手する。これはバイザーを着こむのではなく車両に乗り込んだまま変形する、荷台部分が変形した四つのキャノン砲と両腕のラピッドガンという重装備であり、さらに後部の車体が脚部となり、人型へ変形する。これまでのパワードスーツ型とは異なり変形ロボットのようなバイザーであった。

 

「……成程、性能がどんどん上がれば上がるほど、バイザーも巨大化、自然と装甲も大きくなり、着こむのではなくどちらかというと乗り込む形になるのか……」

「一応従来の小型のバイザーもまだあるんですが、この時期になってくると一部の例外以外はかなり大きくなりますね……」

「これはこれでロボット感あっていい……」

 

その後、セラがパフ達の下に行ったまま戻らないことを心配し、ジェナス達はミュネーゼタウンへ潜入することにする。そのためにネットから入手したミュネーゼタウンへ向かうための地下水路の地図はあからさまな罠としか思えないものの、罠を承知でジュナスとラグナは突入することになる。

 

『混ぜてくれないか』

『俺もおバカさんの仲間入りってわけだ』

『イヤッハハハ!!』

 

当初こそ仲間たちは警戒し、ジェナスとラグナだけの突入だけになるかと思われたが、シーン、タフト、ダークらもそれに便乗しPAは罠を食い破る勢いで突入していく。それを迎え撃つロシェット達とパフユニット。そして、今回の作戦を聞きジュナス達を相手することを察知したセラ。セラはJAによって作り出されたネオアムジャケットを纏い、戦線に向かうことになる、

 

「……ここまでくるとクロスバイザーも決していい性能と言えなくなってきましたね……」

「で、でもジェナス達がロシェット達に負けるはずがありません!それに、この先にはパフたちもいますし……」

「バイザーは型落ちになりかけてもラグナのネオジャケットが……」

 

大混戦となる地下水路の戦いが続く一方、地下水路の出口に陣取っていたパフユニットたち。ストームバイザーを纏って立つパフは呟き始める。

 

『眩しかった』

『え?』

『でも、子供だった私はそんな気持ちを素直に言えなかった。今だったら言えるかもしれないね……好きだよ、ジョナサンって』

『……お兄ちゃん』

 

ネオジャケットの力を発揮し、今回の戦いに投入された新型バグシーンを撃ち抜いていくラグナ。しかしロシェット達の方もただではやられない。ジェナス達も罠を打ち破ろうと必死に戦う。

 

『兄が生きていたら、今の私達をどう思うだろう?』

『どう?』

『バグシーンの真実は何かを知りたがってた兄は』

『バグシーンはウィルコットが操っていたものよ』

『そう、それはそうかもしれない。でも』

『でも?何?』

『私は真実が知りたい』

『……真実?セラ、何か知っているの?』

『それは言えない。でも……』

『何?』

『パフは何かを信じてる?誰かを信じてる?』

『なんですって?』

『少なくとも私は……いえ、私達は誰の命令も聞かず、自分達で考え、自分達で判断して行動している』

『何を言いだすの……?なら何故ここに来たの?』

 

今も必死に戦っているジェナス達。その裏で、セラとパフの問答は続いていく。

 

『それは……』

『私を信じてくれたからじゃないの?』

『パフ……パフみたいな人がどうして』

『あなたは私の……大切なジョナサンの妹。だから私にとっても妹と同じ』

『わかっているよ。パフの気持ち……でも』

 

だが、そこで会話が止まる。今回の迎撃作戦の発案者であるキャシーからジェナス達がロシェット達を突破したことを告げられる。そして、地下水路から脱出したジェナス達は、前にパフとセラ、後ろにロシェット達と挟み撃ちになってしまう。ジェナス達の姿を見て撃たずにいたパフだったがロシェットの言葉に銃口を向ける。しかし、その前にセラが立ちはだかると、セラはジェナス達の方へと飛んでいく。

 

『……セラ!!』

 

パフの脳裏にこれまでセラと過ごした日々や記憶が思い出される。そして、パフは攻撃する。だがその相手はロシェット。それは、パフユニットの裏切りを告げる合図であった。

 

「!パフユニットが!」

「やっぱりパフも味方になりました!」

「裏切りからの裏切り……?」

「ヒビキちゃん、今はそれはやめておこうか」

「……パフが裏切ったのはやっぱり、セラの意思とジョナサンへの負い目からなんでしょうか」

「かもしれないね。だけど、それより肝心なのは……」

 

ロシェット達が撤退する中、パフユニットはもう戻れない道に進んでしまう。だが、これによりPAは彼女達の手引きを受け、シシーの救出作戦を決行することになる。

 

潜入したジェナス、ラグナ、シャシャの三人。何故二度も裏切った奴を信じるのかと問いかけるパフだったが、仲間だろと答えるジェナスにパフも瞳を潤ませる。町の中はJAに支配こそされているもののピープルが生活を送っており、警戒が少し強い程度ではあった。当初、ホテルから出るシシーを奪取する予定だったが、なんとシシーは自らJAの隙を突いて逃げ出してしまう。そしてシシーが逃げ込んだ先はあるバー。そこにはニルギースとセラが別ルートで潜入しており、そこで二人はシシーと出会う。実はシシーこそが彼らの探していた工作員でもあったのだ。だが、そこで偶然街中でシシーを発見して追いかけたラグナと合流、そこをキャシーに目撃されてしまったことでジェナス達はJAから追いかけられることになる。最終的にパフたちの援護もあって無事に町から脱出したジェナス達。シシーを同行して先を急ぐことになるが、パフたちはセラのためにストームバイザーを置いてPAと分かれることになる。

 

『いつか、またね』

 

ストームバイザーを見て通信を入れたセラに眩しかったと言い、パフはそう告げると通信を切る。その様子を見て、シーンは彼女なりのプライドがあるのだと話を締め括るのだった。

 

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