転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする 作:popoponpon
「……ミカさん。セイアさん。私は現状についてまるで理解できていないので一つお聞きしてもよろしいでしょうか」
「どうかしたのかな?ナギちゃん?」
「ふむ……ナギサ、君がそのように疑問を抱くとはね。いいだろう、言ってみたまえ」
ナギサ、セイア、ミカ。三人は学園にあるテラスではなくセーフハウスにいた。気品が感じられる室内でBDプレイヤーを操作していたセイアに対し、ソファに座り紅茶を嗜んでいたミカを見上げながら、ナギサは体を震わせながら声を張り上げる。
「なんで私が縛られているんですか!!」
ナギサは簀巻きにされてソファの上に転がっていた。まるで連行されたかのような姿だが、ミカもセイアも特に気にする様子はない。
「テスト終わってすぐなのにいきなりお仕事しようとするからじゃんね。学生なんだから一日二日休んだって誰も文句言わないんだよ」
「私は!ティーパーティーのホストです!!テストは学生の本分ですが!大体わかっているのですか!定期テストの……あの、なんていうんです?アリウスでテストをサボろうとする生徒達があれこれ言ってたらなんか変な天使が出たとかで……」
「ナギサ、君は疲れてるんだよ」
「ちなみにあれ、美味しいもの食べたいとかお金稼ぎたいとか外で見たあれこれやってみたいとか狩りしたい釣りしたい山菜取りしたいとかで……まあ要するにテストなんて大っ嫌い!テストやるくらいならこんな世界滅んでしまえー!とか言ってたらなんか天使が出てきててんてこまいになった感じじゃんね。先生も苦労してたよ」
「?」
「というかテストやらせるの早すぎじゃない?段階すっ飛ばしすぎだと思うけど」
思わず首を傾げるナギサだったが、ミカはこれ以上説明する気はないのかセイアの準備を黙って見ている。今、トリニティでは定期テストが終わったあたりであった。なお、テストについてはナギサの判断で先生を経由してアリウスにも渡されたのだが、それでひと悶着あったらしい。とはいえ無事にテストが終わった後、ミカ達の手でナギサは確保され、二日分の休日を確保。その分をミカとセイアはそれぞれの派閥のナンバー2に押し付けていた。
「……はあ……まあ、もう抜け出せないのはわかりました……わかりましたからいい加減解いてください……で?セイアさんは何をしているんです?」
「ああ……そろそろ時効だと思ってね。是非君達に見てもらいたいアニメさ。ふふ……最初にこれを見せられた時の衝撃は凄かったとも。いやぁあの時はこれをそういう目的で見せるのはやめろとそこそこ本気で怒られたものだ」
だからこれは純粋に面白いアニメとして見るのだよと言いながら、過去に夢で見せてもらったアニメのBDを入れていく。これはテスト期間中にこっそり抜けてモルフォから受け取ってきたものだ。当時は色々あって叶わなかったが、セイアもかなり衝撃を受けた作品だったので、シンプルに布教したい気持ちもあったのだ。
「よし、準備ができたぞ」
「これは?」
「確か……機動戦士ガンダムSEEDだったかな?」
機動戦士ガンダムSEED。プラントと地球連合の戦争が起こる
『C.E.70年。血のバレンタインの悲劇によって地球・プラント間の緊張は一気に、本格的な武力衝突へと発展した。誰もが疑わなかった数で勝る連合の勝利。が、当初の予測は大きく裏切られ、戦局は疲弊したまま既に11ヶ月が過ぎようとしていた』
背景で連合のものと思われる戦闘機にも似た兵器の数々。プラントのザフトが使う人型兵器、
「……彼が主人公ですか?」
「ん?ああ」
OPが終わり、主人公の少年、キラ・ヤマトが友人のトールやミリアリアと話している様子が映し出される。そこでトールが自分達のいるコロニーは中立だという発言をしたことでナギサは首を傾げる。
「中立……勢力状況とかどうなってるんですか?さっきのシーンだと勢力はプラントって言ってましたが実際に攻撃してたのはザフトでしたし」
「まあオーブについては後程わかるが……そうだな、プラントというのは宇宙に浮かぶスペースコロニー群によって成り立つ国さ。ザフトは一言で言えばその軍隊……コーディネイターという人種……?人達のいる国と組織だ」
「トリニティと正義実現委員会みたいなもの?」
「ああ……その認識で間違ってはいない」
フレイと名乗る少女やカズイやサイといった少年らとも出会う中、外では異変が起こっていた。仮面をつけた男、クルーゼが指揮するザフトがコロニー、ヘリオポリスに侵入する。その後、ジンと呼ばれるMSを出撃させ、ヘリオポリスの中にある戦艦アークエンジェルのある区画を爆破する。連合のムウが
一方コロニー内部ではアスラン、イザーク、ディアッカ、ニコルらがある兵器の下へと向かっていた。
「うわぁ……」
「……キヴォトスの外の話だからね。当然人間達の体の強度は……先生並だ」
銃撃戦が起こり兵士たちが死亡していく。一方何も知らない人々が避難する中、キラは別のところに行こうとしていた金髪の少女を追いかけて彼女を避難用のシェルターに押し込む。が、そうしている間にザフトは目的であった開発されている五機のMSの内三機を強奪してしまう。その後、キラは避難シェルターに入ることができなくなり、マリューと行動を共にするのだが、そこで幼少期に友人であったアスランと再会する。マリューはアスランに肩を撃たれ負傷していたが、アスランがキラを見て動揺している隙を突いて彼を退けると、緊急的にキラと共にモノクロカラーのMSに乗り込む。
「……セイアちゃん」
「盛り上がりどころはここからさ」
「……ミカさん。今はやめておきましょう……しかし、随分容赦ないというか……」
「戦争なんて本当に起こればこんなものさ。最初はただのアニメと思っていたが……いやはや、案外現実も創作を笑えないものだよ」
アスランも最後の機体を奪取すると、キラはここにはいないと言い聞かせながら離脱する。そんな中、ジンがキラ達が乗るMSに攻撃を仕掛けてくる。マリューはフェイズシフト装甲と呼ばれる衝撃に強くなる装甲を展開する。機体が赤、青、白のトリコロールカラーの機体に変色し本来の姿を得る。
「色が……」
「へー?恰好良いじゃん」
そんな中、MSのOSが未完成であることにキラは気付く。さらに自分達の後ろのサイ達の姿に気付き、無理やり操縦権を奪うと、戦闘中に高速でOSを完成させる。それによってストライク……後にストライクガンダムと呼称される機体が覚醒する。
「動い……た……?」
(改めて見ると……最初からいっぱいいっぱいだな……そりゃあ、ああもなろう)
二振りのナイフ、アーマーシュナイダーを引き抜いてジンを撃退、なんとか危機を脱する。ザフトも撤退しマリューはトール達から怪我の手当てを受ける。マリューは助けてもらったことには礼を言いつつ、あれは軍の機密でありストライクを見てしまった以上は処置が決まるまで行動を共にすることになり、トール達は不満を露わとする。
場所は変わり、戦艦アークエンジェルの格納庫。中は爆破されていたものの戦艦は無事であったため、ナタルやノイマンらが起動させる。外で続いていたムウとクルーゼの戦闘はコロニーの中にもつれ込む。クルーゼはメビウスゼロよりもストライクの破壊を優先しようと襲い掛かるが、キラはバックパックをストライクへ装着。様々な戦局に対応するために必要な武装であるストライカーパック。大型ビーム砲、アグニを持つランチャーストライカーを装着してバッテリーを回復させた直後、アークエンジェルが地上を吹き飛ばしながら浮上するのだった。
「ま、まだ二話なのに怒涛の展開すぎない?」
「なんかもういっぱいいっぱいなんですが……」
「何を言っているんだ二人とも、少なくとも今日で半分は見ないと休みの間に見終わらないというのに……まあ私は一度見ているから大分気楽だが」
クルーゼは被弾し離脱。その後アークエンジェルはマリューやキラ達、シェルターに入れなかった民間人を乗せてムウも合流する。機体の修理が進む中、キラは疲労から眠ってしまう。そんな彼のやったことを確認し、コーディネイターと口にするカズイ達。
「コーディネイターとナチュラルの戦争。本当に大まかに言ってしまえばこういう話さ」
そして再びザフトが襲撃。マリューたちは止む無くキラにもう一度ストライクに乗ってほしいと告げる。キラは戦闘が嫌でここに来たんだと言うも、彼がストライクに乗らなければ危機を脱することができない状況に追い込まれてしまう。
『卑怯だあなた達は……そしてこの艦にはMSはあれしかなくて、今扱えるのは僕だけだって言うんでしょ!!』
ストライクに乗ることになってしまったキラは近接戦型のソードストライカーを装備する。だが、ここでキラは初めてとなる人殺しをすることになる。
『うわああああ!?』
『ミゲルゥウウ!!』
友が死に、奪取したイージスで出撃していたアスランが悲鳴をあげる。戦闘は続き、ザフトのMSによってコロニーが破壊される中、二機はお互いに中に誰が乗っているのかを知る。何故、戦場で再会することになったか。だが、それ以上の会話はできず、ストライクは崩壊するコロニーから宇宙に放り出されてしまう。その後、キラはフレイら民間人が入った救命ポッドを偶然にも回収する。
アスラン達も一度戦艦に戻る中、キラは半ば強制的にストライクの管理をムウに言いつけられる。反感を抱きながらも整備を進める中、サイ、トール、カズイ、ミリアリアの四人は艦の仕事を手伝うため、軍服に袖を通す。キラは皆も一緒に戦ってくれることに嬉しそうな笑みを零す。
『大尉が言ったんでしょ。今この船を守れるのは僕だけだって。戦いたいわけじゃないけど、僕はこの船は守りたい。皆乗っていますから』
『俺たちだってそうさ。意味もなく戦いたがる奴なんざそうはいない……戦わなきゃ守れないから戦うんだ』
「意味もなく戦う……か」
キラがパイロットスーツを着用したところに現れたムウの言葉を聞き頷くキラ。高機動型のエールストライカーを装備し、ストライクと同時に開発されザフトに奪取イージス、ブリッツ、デュエル、バスターが襲い掛かる。その戦闘を皮切りとし、その後も何度かアスランたちとは戦闘をすることになる。
そんな中、クルーゼ隊は上層部からの指示でプラントへ帰還。軍の本部がある月を目指すことにしたアークエンジェルは途中、デブリ帯に存在する破壊されたユニウスセブンの残骸から水を補給することになる。しかし、
「うわ……」
「……惨いですね。ここまで描くなんて」
「二回目だがこれには慣れないものだね」
ユニウスセブンとは血のバレンタインの舞台となった場所。さらに水を探す中でキラ達は人々の死体を目撃してしまう。そんなところから水を手に入れるのかとキラ達は抵抗感を覚えるもマリュー達の説得に折れることになり、代わりにとユニウスセブンの住人達に黙祷を捧げる。が、さらにキラは偶然救命ポッドを発見する。が、救命ポッドの中から現れたのはラクスと呼ばれた桃髪の少女であった。
「おっとぉ?」
ラクス・クライン。プラントの歌姫であり、プラント最高評議会と呼ばれる最高意思決定機関の議長であるシーゲルの娘である。ユニウスセブンの追悼慰霊のために訪れたものの連合との揉め事に巻き込まれ、救命ポッドで脱出してきたのだ。
艦内ではコーディネーターに対する様々なわだかまりが生まれつつあり、特にラクスをザフトのコーディネーターだと敵意を向けるフレイが顕著であった。
『フレイってブルーコスモス?』
『違うわよ。でも……あの人たちの言ってることって間違ってはいないじゃない。病気でもないのに遺伝子を操作した人間なんて、やっぱり自然の摂理に逆らった間違った存在よ。本当は皆だってそう思ってるんでしょ』
三人だけの食堂でフレイの言葉に俯くトールとミリアリア。図星なのか、それとも。キラとラクスが交流を深める中、吉報が届く。アークエンジェルを探す連合の第八艦隊からの通信を聞き皆は喜ぶ。さらにアークエンジェルとの接触を目指す先遣隊にはフレイの父もいたのだ。が、再会を目前として先遣隊はザフトに攻撃されてしまう。キラとムウが船の援護に向かうも中々うまくいかない。その様子を見たフレイはラクスを人質に取り、戦闘を中止しようとブリッジに乗り込む。が、フレイの行動も虚しく、彼女の目の前で父の乗った船は撃墜され、爆発に呑まれてしまう。
『あ、ああ……ああああ……!』
さらにジン達がアークエンジェルに迫る。それを見たナタルはラクスを人質にし、戦闘を中止しようとする。これにはクルーゼ隊は勿論、キラを含めた味方からも反感を買うことになる。
『救助した民間人を人質に取る!そんな卑怯者と共に戦うのがお前の正義か!!』
『そういう情けねぇ事しかできねぇのは俺達が弱いからだろ』
『あんた、自分もコーディネーターだからって本気で戦ってないんでしょ!?』
アスラン、ムウ、フレイ。三人の言葉を思い出し悔し涙を流すキラ。父を失ったフレイの狂気から繋がっていくシーンの数々を見てミカとナギサも言葉を失ってしまう中、キラはラクスからアスランは自分の婚約者であると聞かされる。そしてサイとミリアリアの協力を経てラクスをザフトに送り返す。だが、アスランにラクスを引き渡すとアスランはキラに一緒に来いと言う。しかし、キラは守りたい人達、友達がいるからと目元を潤ませながらその誘いを拒否。アスランも次は討つと言い、ラクスの引き渡しは終わるのだった。
「……ほっ」
「……でも、これで完全に敵同士になってしまいましたね……しかし、ナチュラルとコーディネーターの対立は思った以上に根深いですね……」
だが、父を殺されたフレイに邪悪な感情が芽生え始める。戦争なんて早く終わればいいのに。邪悪な声音で呟かれたその言葉は、キラに全ての敵を殺してもらう。そうすることで戦争を終わりにしてやろうというあまりにも凄惨な目論見であった。
「……うわーお」
「嫌いだから全部潰してやろう……どこかで聞いたような理念だね」
「喧嘩売ってるなら買うじゃんね?」
「今ここで戦争するの止めてくれません?」
そんな中、遂に第八艦隊に合流したアークエンジェル。キラ達は除隊許可証を受け取るも、父の死を理由にフレイは軍に。トール達も軍に残ることを決め、キラも民間人たちを地球に送り届けるシャトルに乗る直前で軍に残ることを決断する。そんなキラの姿を見たフレイはなんと彼に口づけをする。
「「!?」」
二人が固まる中、クルーゼ隊は多くの戦力を伴い第八艦隊へと迫る。アークエンジェルは地球のアラスカ基地へ向けて降下することになるが、クルーゼ隊はそれを猛追。第八艦隊がどんどん壊滅していく中、キラとムウもアークエンジェルを援護するために出陣し、キラはデュエルを駆るイザークとの戦闘に入る。
そんな中、アークエンジェルの避難民を乗せたシャトルが降下されるのだが、イザークは戦場から逃げ出した兵士たちの乗ったシャトルだと勘違いして照準を向ける。キラがイザークの凶行を止めようとしたものの時すでに遅し。デュエルの放ったビーム砲がシャトルを貫き、乗員は全員爆破に巻き込まれ死んでしまう。
「こ、腰抜け兵って」
「……そう見えたんだろうね。実際はただの罪も何もない人達だったわけだがね」
「……」
その後、キラはアークエンジェルに回収されたものの戦艦は砂漠に着陸。キラは皆を守れなかった悔しさの嗚咽を漏らしていたが、彼を争いに駆り立てるようにフレイは妖しく微笑みかける。自分に依存させるかのように振る舞うフレイの邪悪な笑みに、キラはどこか安心した様子を見せる。
だが砂漠はザフトの勢力圏内であり、バルトフェルド率いる陸戦型MSバクゥで襲い掛かる。フレイとの交流の甲斐もあってか闘争心全開で強い言葉を放ちながらキラはストライクで出撃、OSを砂上戦仕様に書き換えながら戦う。ムウも新たなMA、スカイグラスパーで出撃する中、キラはSEEDと呼ばれる能力を発現。バルトフェルドからバーサーカーと称される程の圧倒的な戦い方を見せる……のだが。
「……あの、あのシーンそういうことですよね?」
「そこは濁したままにしておくものだよ」
そのシーンの間に挟まれるキラとフレイが関係を持っているかのような描写。そのせいでどうしてもミカとナギサの注目はそっちに行ってしまう。戦闘の方はストライクがバッテリー切れになりかけるもレジスタンスの援護のおかげで窮地を脱する。そして、レジスタンスにいたヘリオポリスで会った少女、カガリと再会する。
だが、フレイと関係を持ったことや自分が唯一のMS乗りであるといった自負からかキラは徐々に増長し始め、婚約者を奪われたサイとの関係が悪化してしまう。どれだけ辛い思いをしていたか。そんな中フレイだけが自分に優しくしてくれたと語るキラ達を絶句した様子で見ることしかできないサイは見事なまでの脳破壊を喰らってしまう。
「これはひどいですね……」
「なんかだんだんフレイって子の事嫌いになってきたんだけど」
「それは同ぞ……いやまぁ味わい深いキャラではあるがね?」
その後、物資の補給などを兼ねて外出することになるキラ。フレイとの関係から、マリュー達はキラのメンタルが限界を迎えつつあることに気付いたのだ。町に繰り出したキラとカガリはそこでバルトフェルドに会う。彼からキラ達はある問いを投げかけられる。
『この戦争はどうやったら終わると思う?』
(戦争の終わり方……)
『戦争には制限時間も得点もない、スポーツのようなね……ならどうやって勝ち負けを決める?どこで終わりにすればいい?』
『どこ、で』
『敵であるもの全てを滅ぼして……かね?』
キラをコーディネーターと見抜いたうえで、キラでも脱出はできないと不敵な笑みを浮かべる。バルトフェルドは、やっぱりどちらかが滅びなければいけないのかね?と疑問そうに言うと何もせずに二人を帰す。そしてキラはカガリと共に複雑そうな顔を浮かべながらその場を去る。
場面が変わりアスランはラクスとキラの関係について話すと、ラクスからもキラの事を聞かされる。さらに場面が変わり、ブリッツのパイロットであるニコルが好きなピアノを弾くシーンが挟まる。
そして、アークエンジェルの場面に戻る。マリュー達はアラスカ基地へ向かうため砂漠を脱するためバルトフェルドに戦いを仕掛ける。
バルトフェルドもラゴゥに乗り込みストライクに戦いを挑む。最終的にストライクがバッテリー切れを起こしながらもアーマーシュナイダーをラゴゥに突き刺して撃破する。だが、爆発の中に消えたバルトフェルドの姿を見たキラは殺したくないのに、そう声を上げて慟哭するのだった。
「バルトフェルド……惜しい人を亡くしましたね……」
(おっそうだな)
レジスタンスと別れ、カガリと彼女のお付きの男性、キサカを乗せてアークエンジェルはアラスカ基地へ向かうために海に出る。そんな中、ニコルとアスランも地球に降下しようとしていた。
「またアスランが……」
アスラン、ニコル、ディアッカ、イザークで構成されたアークエンジェル追撃部隊、ザラ隊。が、アスランは移動中に輸送船が攻撃を受け、イージスと脱出し無人島に不時着。直前の戦闘でスカイグラスパーが不時着してしまったカガリと一夜を過ごすことになる。戦争に対し、お互いにそれぞれの言い分をぶつけ合う二人。やったらやり返される、片方が相手が人を殺したと言えばもう片方も同じように言い出す。その言い合いの果てにアスランもやり切れなくなったのか、それとも不毛だと思ったのか会話を打ち切ってしまう。
その後、アスランは疲れから眠ってしまう。そんな彼から銃を奪うカガリ。アスランは慌てて跳び起きてナイフを構えるも、カガリはアスランは撃たない、だがイージスを破壊するという。イージスは地球を攻撃する、地球の人々を殺すと。だがアスランはならば撃てという。引き金を引いているのは自分だと。だがカガリはバルトフェルドの言葉を思い出して銃を投げ捨てる。直後、弾丸が発射される。
「いやオープンボルトの銃投げちゃ駄目では?」
「どうしようシリアスなシーンだしすっごい真面目な所なのに……案の定怒られてるし……」
(ここの部分だけ私とモルフォで温度差があったなそういえば……)
アスランの脇腹を弾丸が掠り、怪我をしてしまう。借りの作りっぱなしは嫌だと言い、カガリがアスランの手当てを行い、そして朝を迎える。アスランは最後にカガリが連合じゃないことを確かめ、お互いに名前を教え合ってそれぞれの場所に戻るのだった。
「ふぅ、墜落した時は驚いたけど何とかなってよかったね」
「本当にここからどう着地する気なんでしょうねこの物語……」
アークエンジェルにザラ隊が襲いかかる。アークエンジェルはエンジンへの被弾を許し、操舵不能で中立国オーブの領海に入り込んでしまうも、それもよってザフトの追撃を避けることに成功し、オーブの秘密ドックで修理を受けることになる。そしてカガリはなんとオーブの主、ウズミの娘でありキサカはそのお目付けだと判明する。
「へえ?オーブって随分穏やかなんだね?なんか問答無用かと思ったけど」
戦艦の修理だけでなく、サイ達も両親と再会する。キラは両親に会うと何故自分をコーディネーターにしたのか聞いてしまうから会いたくないといい、他の作業などを行っていた。だが、その様子を見たフレイは家族を失った自分に対する同情かとキラに怒りを向けてしまう。
『何よ……同情してんの!?あんたが!私に!?』
『フレイ……?』
『私には誰も会いに来ないからって……だから可哀そうって、そういうこと!?』
『フレイ、そんな』
『冗談じゃない……やめてよね!なんで私が……あんたなんかに同情されなきゃならないのよ!』
『フレイ……あ』
『辛いのはあんたの方でしょ!?可哀そうなのはあんたの方でしょ!?可哀そうなキラ……独りぼっちのキラ……戦って辛くて、守れなくて辛くて、すぐ泣いて……だから……!』
感情を爆発させるフレイ。が、徐々に悲しそうな表情へと変わっていき、涙を浮かべる。キラの胸に頭を当て、叩きながらフレイはさらに言葉を続けていく。
『なのになんで!私が!あんたに同情されなきゃならないのよ!!』
『……フレイ。もう、やめて……もう、やめようよ……僕達、間違ったんだ……』
『なによ、そんなの!!』
キラは優しく語り掛ける。それはフレイへの拒絶ではなく、歪な関係をやり直したいという言葉。しかしフレイはそれを認められず部屋を出て行く。一人部屋に残ったキラはやりきれないといった表情を浮かべるのだった。
「「「……」」」
『どんな事態になろうと私達があの子に真実を話すことはありません』
『……
「……兄弟?キラに弟とかいるのかな?」
「兄かもしれませんよ」
(……ああ、まだ知らないんだったな……)
二人の居た堪れないシーンのせいで生まれた気まずい雰囲気を払拭しようとその後のヤマト夫妻とウズミの話について話し合うナギサとミカ。ネタバレしたくないから黙っておくのって結構辛いな……とセイアはぼんやり考えながら話は次のエピソードへと進んでいく。
オーブを発ったアークエンジェルを襲うザラ隊。キラとムウだけでなく、二機目のスカイグラスパーにトールが搭乗。戦艦との連携もあり、バスター、デュエルを海面に落としていく。さらにスカイグラスパーと連携を取ってランチャーストライクからエールストライカーに換装。トールの援護も合わせ、ブリッツの右腕を切り落とし落水。キラはアスランとの一騎打ちを開始する。ここでトールから受け取ったソードストライカーに換装し、アスランを追い詰める。イージスのエネルギーも切れ、フェイズシフト装甲が機能を停止したその時。
『アスラン、下がって!はあああああ!!』
『はっ!?』
そこに乱入してきたのはブリッツだった。ブリッツの刺突を回避したストライク、だが、それによって対艦刀シュベルトゲベールのレーザー部分にブリッツが自分から突っ込む構図になってしまい、レーザーがブリッツの装甲を切り裂いてコクピットにまで到達、ニコルの腹部をレーザーが消し飛ばしていく。
『『!?』』
『アスラン……逃げ』
ニコルのヘルメットがひび割れ、その内側が真っ赤に染まる。直後、ブリッツが大爆発を起こす。そして、
『ニコルゥウウウウウウ!!』
無言になってしまい、項垂れるキラに対しアスランの絶叫が戦場に響き渡るのだった。
「えっ、ちょっ」
「わァ……あ……」
「……ふぅ」
ニコルの死は、キラは勿論、アスラン達にも大きなショックを与えていた。ムウに自分達は軍人だと、討たなければ討たれるだけだと諭されるキラ。ストライクを絶対に討つと決意を固める三人。そして再びアスランたちとキラの戦いの時がやってくる。
『キラ……キラ……私』
『ごめん、後で。帰ってから』
出撃するため艦内を走るキラを引き留めるフレイ。しかし今は時間がないと言い、キラはムウと出撃。三機との激戦でアークエンジェルも損害を受ける。だがデュエルを落水させるとさらにバスターを撃墜。殺される直前にディアッカはMSを降りて降伏することになる。
『お前がニコルを!ニコルを殺したあああああ!!』
そして始まるストライクとイージスの死闘の中でニコルを殺したことを叫ぶアスラン。そこにキラの援護をするためトールも出撃して向かうのだが、殺意と共にアスランはシールドを投擲。それはスカイグラスパーのコクピットに突き刺さり、
『あっ……』
トールの体に突き刺さり頭部が吹き飛ぶ。スカイグラスパーが大爆発を引き起こし、トールの死が引き金となったかのようにSEEDが発動され、一気にイージスを追い詰める。
『アァァァスラァァァン!!』
『俺が……お前を討つ!!』
さらにアスランもSEEDを覚醒。斬っては斬られての殺し合いは、遂に終わりを迎える。
『アァスラァァァン!!!』
『キラァァァ!!!』
ストライクに組み付くイージス。しかしバッテリー切れを起こして攻撃できなくなったアスランはイージスを自爆させる。アスランは脱出したものの、爆破までの時間を短くする必要があった弊害か逃げ切れずに巻き込まれてしまう。そんな話を見て、ミカとナギサは完全に言葉を失ってしまうのだった。
「「……」」
「……何度見ても慣れるものじゃないね。さて、丁度いいところだ。続きは次回に」
「こんなとんでもない状況を見せられて眠れるわけないでしょう」
「いや……うわ……アニメなのわかってるけど、めっちゃ死んで殺し合って……いややばいって……」