転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする 作:popoponpon
モルフォの部屋に置かれた、二機のガンプラ。片方はマゼンタ色を基調とした機体で、背中には巨大なバックパックを背負っている。対してもう一機は白と黒、青のトリコロールを基本として赤をワンポイントとしていて入れているガンダムであり、背中には青い翼の形をしたバックパックが装着されている。
「……」
アリスの視線が白いガンダムへと向けられる。
「アリス、それ気に入ったの?」
「はい!なんかこう……ビビッときます!アニメも見て凄く恰好よかったです!」
「あはは、確かに格好いいよねこれ」
それは、機動戦士ガンダムSEEDに登場する機体であり、その登場シーンはアリスも強く印象に残っていたようだ。
「以前見たアムドライバーもそうでしたが、こういうバックパックを背中に背負えばアリスも空を飛べるようになるんでしょうか?」
「まあ……できなくはない?」
『今のキヴォトスの技術力だと色々課題はありそうですが……まあ、不可能ではないと思いますよ。多分』
その機体を見ながら、楽しそうに色々なことを口にしていくアリス。その様子を見ながら、また皆でロボットアニメを見るのも悪くないなとモルフォは考えるのだった。
★
ミカとナギサが眠れない夜を過ごした翌日。ここまで来たら最後まで行くしかないという謎の覚悟を決めてキラとトールが死亡し、アスランも自爆に巻き込まれ重傷を負うことになった次の回を見る。キラとトールの死はあまりにも大きな絶望をアークエンジェルのクルーに与えていた。しかし落ち着く間もなく敵の追撃が行われてしまう。ナタルは二人をMIAと認定、割り切れなければ次に死ぬのは自分だとミリアリア達を諭し、マリューはキラとトールが脱出している可能性に賭けてオーブに救難信号を送り離脱する。
だが、ナタルに諭されても二人の死を割り切れない子供達。一方、ザラ隊の方も唯一の生存者になってしまったイザークはクルーゼの帰投命令を受けて帰還することになっていた。二人を捜索しろと声を荒げるイザークだが、捜索は別部隊がやっているしオーブも動いていると諭されてしまい、黙り込むしかなかった。
そしてオーブはストライクとイージスの戦った場所にカガリらを派遣する。そこにはキラの姿はなく、ボロボロのコクピットがあるだけ。キラの遺体がないことから脱出したのかと考えるカガリ。だが、浜辺に倒れていたのはアスランであった。
「見つかったのはアスランだけ……?キラは?」
飛行艇で手当てを受け目覚めたアスランにキラのことを尋ねるカガリ。アスランは自嘲するように涙を流しながら、キラを殺したという。そんなアスランの首を掴み、銃を突きつけるカガリ。しかしアスランを手放して壁を叩きやりきれない叫びを吐露する。
『キラは!危なっかしくて!ワケわかんなくて!すぐ泣いて!でも優しい……いい奴だったんだぞ!!』
『……知ってる……やっぱり、変わってないんだな……昔からそうだ、あいつは……』
ここでカガリもアスランがキラを知っている事に気付く。小さい頃からの友人であったキラを何故殺したのかと詰め寄るカガリ。だがアスランもわからないと叫ぶ。
『別れて、次に会った時には敵だったんだ!一緒に来いと何度も言った!!あいつはコーディネーターだ!俺たちの仲間なんだ!!連合にいることの方がおかしい!!』
『お前……』
『なのにあいつは聞かなくて……俺達と戦って仲間を傷つけて、ニコルを殺した!』
『だからキラを殺したのか……?お前が』
『敵なんだ!今のあいつはもう!!なら倒すしかないじゃないか!!』
『馬鹿野郎!なんでそんなことになる!!なんでそんなことしなきゃならないんだよ!!』
『あいつはニコルを殺した!ピアノが好きで、まだ15で、それでもプラントを守るために戦ってたあいつを!』
『キラだって守りたいもののために戦っただけだ!なのになんで殺されなきゃならない!それも友達のお前に!!』
『……!!』
『殺されたから殺して……殺したから殺されて……それで本当に最後は平和になるのかよ、えぇ!?』
押しとどめていたものを吐き出していったアスランだったが、カガリの言葉にハッとさせられてしまう。終わりのない連鎖に気付くアスランはザフトに引き渡され、イザークも漸く安心したように笑みを浮かべる。
その頃、アラスカの守備隊が救援に来たことで難を逃れたアークエンジェルの中には重々しい雰囲気が漂っていた。戦闘に関わっていなかったフレイも、ここで漸くキラとトールがMIAになったことを聞かされる。が、死んだと思われていたキラは何故かプラントにあるラクスの豪邸に運ばれていたのだった。
「……え?何故キラがプラントに?」
「あの後重傷を負ったキラをプラントに運んだ人たちがいたのさ……作中では出ないがね」
「そこ大事な所じゃないの?」
「大事だがキラに関してはここでしか出ないわけだからな……」
療養を行っていたアスランの下にクルーゼが現れる。クルーゼはアスランを気遣うと、ストライクを討った功績からアスランには本国に戻り、最新機を授与されることになったという。アスランの父が最高議長になったことも踏まえ、早く戦争が終わると良いなと言うクルーゼ。一方、目覚めたキラはアスランと殺し合ったことなどをラクスに話していた。
アークエンジェルはアラスカ基地に到着するも事実上の軟禁状態に。捕虜として捕まえたディアッカもそのままという状態だったのが、間が悪くミリアリアとディアッカが出会ってしまう。それと同じくしてサイはフレイと話をしていた。キラとトールが死に、自分もいっぱいいっぱいだと語りやんわりをフレイから遠ざかろうとするサイ。フレイはサイを引き留めようとするが、
『あなた……わかってたじゃない!私、本当はキラのことなんか』
『いい加減にしろよ!?君はキラのことが好きだったろ!!』
『違うわ!!』
『違わないさ!!……最初はどうだったか知らないけど、あいつ……優しくて、だから……そういう奴だから……』
『違う!違う違う!!』
怒りのサイの言葉に震えながら首を横に振る。一方、両腕を縛られた状態で医務室のベッドで寝転がっていたディアッカを見たミリアリアの表情もまた歪んでいた。恋人のトールを殺したかもしれない相手。ディアッカはそんなことなど露知らず、悪態をつくかのようにミリアリアを煽っていく。そして遂に、致命的な一言を口にしてしまう。
『あぁ、それともバカで役立たずなナチュラルの彼氏でも死んだか―――!?何するんだよこいつ!?』
直後。殺意と共にミリアリアがナイフでディアッカを刺し殺そうとする。そこにミリアリアを追いかけて医務室に駆け付けサイが慌ててミリアリアを取り押さえ落ち着かせようとする。トールがいないのに何故ディアッカがここにいるのか。その様子を見ていたフレイは父の事を思い出したかと思うと銃を手に取りディアッカに照準を向ける。
『フレイ!?』
『コーディネーターなんて……皆死んじゃえばいいのよ!!』
ディアッカが死を覚悟し、引き金が引かれようとした直前。そのディアッカを助け、フレイの腕を上へと逸らしたのはミリアリアであった。
『なんで邪魔するの!?自分だって殺そうとしてたじゃない!あんただって憎いんでしょ!?こいつが!!トールを殺した、コーディネーターが!!何よ……あんただって同じじゃない!私と同じじゃない!!』
『フレイ!!』
『……違う……違う……私……違う!!』
ディアッカを殺そうとするフレイとミリアリア。この二人に違いがあるとするなら、ミリアリアはディアッカの事をトールを殺した相手の軍人と見ており、フレイは悪のコーディネーターと見ている、ということだろう。医務室に来たクルーによって二人は取り押さえられ、ディアッカも再びこんな事にならないように牢屋へと移送される。ミリアリアに付けられた頭部の傷に呻きながら、ディアッカは悲しそうに俯く。
「……口は災いの元」
「……ええ……」
「いくら不満だからってあの言い方はないじゃんね……」
アラスカ基地ではフレイやナタル、ムウに転属命令が下され船を去る。一方ザフトはオペレーション・スピットブレイクを発動。総攻撃をかける。だが、ここでザフトの間にも動揺が走る。連合はパナマという基地に主力隊を展開しており、その不意をつく形でいきなりアラスカ基地を攻撃し、連合本部であるアラスカ基地を壊滅させて戦争を終わらせようとしていたのだ。
アラスカ基地からナタルが発つ中、遂にザフトが到来。圧倒的な戦力差による防衛戦が始まってしまう。フレイはアークエンジェルを探しに基地の中を走り回る中、連合への被害は次々と出始める。そんな中、基地に潜入してきたクルーゼとフレイは出会う。フレイはクルーゼの喋り方、そのトーンから父と見間違えた直後、彼に気絶させられ攫われてしまう。
そんな中、キラは守りたい人達を守るために戦場に戻ることを決意する。それを聞いたラクスはキラにザフトの軍服を着せるとある場所へ連れていく。そこにあったのは、フリーダムと呼ばれる、ガンダムに似た機体。その後、フリーダムガンダムと呼ばれる機体であった。キラはフリーダムに搭乗すると、プラントを飛び出し、立ちはだかるザフトのMSの腕や頭部だけを破壊して無力化し、ザフトの防衛網を突破、そのまま地球へ向かう。
「フリーダム……自由」
「想いだけでも力だけでも駄目、か……こっから反撃開始って感じ?」
「しかし、どうやって戦いを終わらせるつもりなんでしょうか」
キラが地球に向かう中もザフトとアラスカ基地の激しい攻防戦は続いていた。敵味方関係なく被害が出ていく中、あるとんでもない事実を知ってしまったムウは基地から離れろ、基地は放棄すると途中で出会った軍人たちに伝え、アークエンジェルに戻ると、本部の地下にサイクロプスが仕掛けられている事、起動すれば基地の半径10kmは溶鉱炉になるという事実をマリュー達に共有する。それはこの戦いに負けることを前提とし、アラスカ基地を放棄することを兼ねてザフトの大半を葬り去るという非情な捨て駒作戦だったのだ。
それを聞いたマリュー達も当然この作戦に大人しく乗って死にたいなんて思うわけがない。マリュー達は作戦区域から離脱することを目論むも、あまりに激しい攻撃に遂にアークエンジェルも落ちかける。だが、そこに現れたのは、フリーダムを駆るキラ。
「間に合った……!」
キラはアークエンジェルにトドメを刺そうとしたMSのライフルと頭部を破壊して落水させると、自身の生存を皆に告げると共に一斉砲撃によって次々とMSを無力化して落としていく。挿入歌であるMeteor-ミーティア-をバックに窮地を救い、圧倒的な力を振るうキラの姿は、まるでこれまでの視聴者の鬱憤を晴らすかのような無双っぷりであった。
「おお……」
「あはは、凄いじゃん……良かったぁ」
キラが生きていたという事実に喜ぶサイ達。だが状況は予断を許さない。サイクロプスの事をマリューから聞いたキラはそのことをオープンチャンネルで連合だけでなくザフトにも伝える。だが、それを本気と信じていないイザークがフリーダムに迫る。キラの脳裏にデュエルが過去に民間人のシャトルを撃墜したあの出来事が過るも、キラが振るった刃はデュエルの両脚を切り捨て、イザークを殺すことなく蹴り飛ばす。味方機に回収されたイザークは、キラが自分を殺さなかったことに疑問を抱き始める。そして、遂にサイクロプスが発動され―――
「「「!?」」」
あらゆる兵器が爆発していく。その中にいた人も次々とはじけ飛んでいくそのあまりにもグロすぎる死に方に一度見ているはずのセイアも含めて絶句してしまう。そして、このサイクロプスの一件はあまりにも大きな影響を招く。
ザフトは攻撃軍の八割を失う。さらにラクスはフリーダム奪取に関与していたことで指名手配に。アスランにはフリーダムの奪還とその奪取に関わった人間達の粛清を命じられる。その理由はフリーダムとジャスティスにはNジャマーキャンセラーと呼ばれる、ユニウスセブンへの核攻撃の報復でプラントが地球に打ち込んだ核の使用を封じる兵器を無力化する装置が備わっていたのだ。その後、ラクスと再会したアスランは信じるもののために戦うため、キラに会いに行くことを決意する。ジャスティスと共にプラントを発つ。
アークエンジェルに戻ったキラはクルーたちと喜びの再会を果たし、サイとも和解した後、一行はオーブに向かうことになる。このまま軍に戻ったところで敵前逃亡とみなされ、碌なことにはならないだろうから。カガリもキラも再会し喜び合う中、このアラスカ基地へのプラントの攻撃をきっかけとなりナチュラルとコーディネーターの対立はさらに深まっていくことを知る。連合はアラスカ基地の崩壊をなんと自分達ではなくプラントの兵器によるものだと報じたのだ。
そんな中、ザフトはアラスカ基地での報復をするかのようにパナマ基地を攻撃。新開発された連合のMSであるストライクダガー軍団を蹂躙し、投降した捕虜すらも殺していく。
『ナチュラルの捕虜なんか要るかよ! 』
やったからやり返される。最悪の連鎖に苦虫を噛み潰したような表情をナギサ達が見せる中、この戦いで宇宙に上がるためのマスドライバーを破壊された連合はオーブの持つマスドライバーを狙うことになる。
「中立なんだから放っておけばいいのに」
「何もしていなくとも関係ないのさ。ブルーコスモスからすればね」
「……ブルーコスモス?そういえば最初の方にちらっと」
「あっと……まあ、いいか。まあそういう派閥みたいなものだと思ってくれればいい。それ以上の説明らしい説明はなかったはずだからね」
その作戦を主導するのはアズラエル。反コーディネーター団体、ブルーコスモスの盟主である。アズラエルの主導によりオーブの意見は聞き届けられず、マスドライバーを奪うために侵攻を開始する。市民達の避難を急ぐ中、カズイ等一部の面々が降りたもののアラスカ基地の出来事が堪えた人も多かったのだろう、ほとんどが残り、アークエンジェルはオーブと共に共闘することになる。
フリーダム、そしてオーブに回収された後に修復されたストライクにはムウが乗り込み、三つのストライカーパック全てを積み込んで出撃、ディアッカも牢から出され避難することになるものの、これまでの出来事による心情の変化もあってかバスターに乗ってオーブの側で戦うことになる。だが、アズラエルも強化人間のオルガ、クロト、シャニを投入。それぞれカラミティ、レイダー、フォビドゥンに乗ってオーブとフリーダムに襲い掛かる。が、キラの前に現れ彼の窮地を救ったのは、ジャスティスとアスランだった。
「……ふと思ったのですがガンダムって呼ばれてるのストライクとフリーダムだけですよね?」
「あー、そういえば似ている顔の奴はいっぱいあるのにガンダムなのこの二機だけだよね」
「この作品内だとプログラムの頭文字をくっつけてガンダムってストライクとフリーダムを呼称しているだけで他はこの時点ではそういうのはないのさ」
アスランはザフトではなく自分の意思で戦闘に介入してきたと言い、フリーダムと共にオルガ達と戦う。そんな中、三人は禁断症状のようなものに陥り、無念の撤退。それに伴い連合も一時撤退する。釈然としないものの戦いが終わったキラはアスランにどういう意図があってここに来たのかと問いかける。それにアスランも応え、遂に二人は和解。アスランはザフトからの離反を決め、二人は共に戦うことになる。
だが、いかにフリーダムとジャスティスがおり、バスターとストライクがあれど連合の物量に押されていってしまう。オルガ達も補給のために他の戦力と共に一旦戻り、戦場に少しの小休憩の時間が訪れる。ウズミはアークエンジェルらをマスドライバーを使い宇宙へ飛ばし逃がすことを決断。そのための準備が進む中、キラとアスランが外に出て援護を行う。ウズミは頑なに一緒に逃げようと持ち掛けるカガリをキサカに託して無理矢理連れ出すとお前は血縁でないと言い、一枚の写真を手渡す。そこには、一人の女性と、金髪と茶髪の赤ん坊が映っており、カガリが写真を裏返すとなんと、そこにはキラとカガリ、二人の名が書かれていた。
「えっ、姉弟って」
「キラとカガリが姉弟……?いや、だとしたら何故この二人は別々に……?」
フリーダムとジャスティスもマスドライバーで打ち上がる戦艦にしがみつき、オルガ達を振り切って共に宇宙に上がる。ウズミ達首脳陣はマスドライバーを連合に使われないように自爆させ、オーブ諸共散っていく。連合の好きにさせまいという決死の覚悟で行われた自爆を前に、アズラエル達は唖然となるのだった。
「……なんで誰も彼も追い込まれたら自爆させるんでしょうか……」
「……全部吹っ飛ばすのが一番効率的だから、かな」
「まあ、一理あるだろうね……残念ながらこの野蛮な世界だと」
宇宙へと上がったオーブはその機材や資材を使い、戦艦クサナギを組み立てる。そこにカガリやキサカ達が登場することとなり、物資の補給のために放棄されたコロニーへと向かう。
そんな中、身を隠しながらもパトリックに真正面から言論をぶつけ、人々に語り掛けるラクス。パトリックは躍起になってラクスを殺そうとしていたが、プラントに一時帰還したアスランと話をする。だが、アスランは既にナチュラルを滅ぼすという狂気に呑まれたパトリックはどうすることもできず、話し合いは決裂、挙句の果てに銃まで向けられてしまう。だがアスランはラクス一派でバルトフェルドの部下であったダコスタらの援護もあり窮地を脱するとラクス、バルトフェルドと共に戦艦エターナルに搭乗しザフトから脱出するのだった。
「……でもあれでよく生きてたねこの人」
「そこは突っ込むだけ無駄だろう……それを言い出したらキラもなんで生きているとかそういう話になってくるからね……」
アークエンジェル達は廃棄されたコロニーに身を潜めていたが、そこにナタルを従えたアズラエルはアークエンジェルに酷似した戦艦、ドミニオンと共に乗り込む。一方ザフトもまたクルーゼとイザークらが乗り込み、三つ巴の戦いが起こってしまう。だがアークエンジェルを知っているナタルはアークエンジェルを確実に追い詰めていく。そしてアズラエルの指示でフリーダムを鹵獲するため、フォビドゥンとレイダーを差し向ける。それをSEEDでフリーダムが切り抜け、アスランの援護でどうにか切り抜けたことでドミニオン達を撤退へ追い込む。
一方。ムウとディアッカはそれぞれクルーゼとイザークと再会する。ムウとクルーゼはMS戦では決着がつかず、MSから降りてコロニーの中へ入り銃撃戦を行う。それを追いかけるキラだったが、ここで衝撃の事実が明らかとなる。三人が入ったコロニーではある実験が行われており、そこにはキラとカガリを抱く女性の写真や、ムウの父の写真が何故かあったのだ。
「え?あれがムウのお父さん?」
クルーゼは語る。ここでは一番最初のコーディネーター、ジョージ・グレンが人々にもたらした遺伝子操作という希望を手にしようとした人たちの夢を叶えるためにあらゆる実験を行われていた。
『目はブルーがいいな。髪はブロンドで……』
『子供には才能を受け継がせたいんだ』
『優れた能力は子供への未来の贈り物ですよ』
『流産しただと!?何をやってたんだ!せっかく高い金をかけて遺伝子操作したものを!』
『妊娠中の栄養摂取は特に気を付けて下さい。日々の過ごし方もこの指示通りに……』
『完全な保証など出来ませんよ。母胎は生身なんですし、それは当然胎児の生育状況にも影響しますよ』
『目の色が違うわ!』
『高い金を出して買った夢だ!誰だって叶えたい。誰だって壊したくはなかろう!だから挑むのだ!それが夢と望まれて叶えるために!人は何を手に入れたのだ!その手に、その夢の果てに!知りたがり!欲しがり!やがてそれが何の為だったかも忘れ、命を大事と言いながら弄び殺し合う!何を知ったとて!何を手にしたとて変わらない!最高だな、人は……そして妬み!憎み!殺し合うのさ!ならば存分に殺し合うがいい!それが望みなら!』
「「「っ……」」」
コーディネーターという幻想に取り付かれた、生命倫理を逸脱した人々。コーディネーターがそうやって台頭してくる中、ブルーコスモスはコーディネイターやそれに連なる人々を殺し始めていた。そんな中、コーディネーターの研究を続けていたキラの本当の父は研究費用を捻出するため、ムウの父のクローンを作るという計画を受け入れることになる。が、出来上がったクルーゼは出来損ないのクローンの烙印を押されてしまったが故に屋敷を燃やし、ムウの両親を殺害してしまったのだ。
同時にキラもまた、人工子宮を使って生まれたコーディネイター、謂わばスーパーコーディネイターと言われる存在であることを知ってしまい大きく動揺する。
「……胸糞悪いんだけど」
「最初から最後まで容赦ない展開ばかりというか……箸休めになる話が何もないじゃないですか。砂漠がまだ一番マシになるなんて誰が予想できるんです?」
「まあ安心したまえ、もう終盤だからね」
そしてコロニーから逃げ出したクルーゼは艦に戻り、ムウもまたストライクの損傷と自身の怪我に伴い帰投。クルーゼはフレイに最後の扉の鍵を渡すと、捕虜を返還すると言ってフレイを収納したポッドを射出する。フレイのポッドを何とか手に入れようとするキラ。しかし、メンタルが限界に達していたキラの健闘も虚しく、ポッドは連合に確保されてしまう。そしてフレイから鍵を受け取ったアズラエルは、そこにNジャマーキャンセラーのデータが入っていることを知り、狂気の笑みを浮かべると、核ミサイルによる総攻撃が行われザフトの防衛線が一瞬で壊滅してしまう。
「核ミサイル……これがトリニティに打ち込まれていたらと思うと」
(まあそんなことしようものならベアトリーチェも危ないだろうがね……)
核ミサイルがもたらした被害を見て、涼しい顔をするアズラエル。これで戦争は終わると言い、プラントを核ミサイルで攻撃することを視野に入れてしまう。だが、それを見たパトリックも激怒、ジェネシスというプラントの最終兵器を持ち出し、要塞ヤキン・ドゥーエへ。連合とザフトの種の殲滅を掲げた最終決戦が始まってしまう。それを止めるため、この争いの連鎖を断ち切るため、キラ達は第三勢力として介入する。が、ジェネシスは発射されてしまい、キラ達は直前にイザークに言われて回避したものの、それに巻き込まれた連合は大打撃を受けてしまう。
「「……」」
あまりの破壊力に絶句するミカとナギサ。パトリックの全てのナチュラルを滅ぼすという殲滅思考に対し、アズラエルは自分達が核を持ち出したことも棚に上げてコーディネイターを野蛮と言い、何としてもジェネシスを今破壊しなきゃいけない、総攻撃に出ろと叫ぶ。無茶でも何でも地球が破壊される前にジェネシスとプラントを破壊しなければならないと声を荒げるアズラエル。キラ達は核とジェネシス、両方を止めるために行動を開始。カガリも組み立てが終わったストライクルージュでキラ達と共に出撃し、戦いを終えるために動き始める。そんな中、再びジェネシスが発射されてしまい、それは月の基地を吹き飛ばしてしまう。
「……いやこんなポンポン超兵器が撃てるのは」
「もう連合がボロボロだし人がいっぱい死んじゃうし……人が弾けて……ぅぁ」
「大分きついのはわかるが後二話だ、踏ん張りたまえ」
ジェネシスの二射が月の連合軍月基地を壊滅させてしまう。マリュー達は半壊した連合ではもう戦えない、地球に照準が向けられてからでは遅い、退くべきだと声を上げるが地球軍は止まる様子を見せない。アズラエルはプラントを核で攻撃しろといい、先にプラントを落とせば終わると叫ぶ。そしてプラントへと核が再度放たれてしまうも、それをキラ達はイザークと共に落としていく。なんとかプラントへの着弾を阻止していくも、連合の攻め手は緩まない。そんな中、オルガ達も一機、また一機と倒れていく中、遂に核を全て破壊しキラ達はジェネシスへ向かう。
『これが望みか!貴様の!』
『私のではない!これが人の夢、人の望み、人の業!他者より強く!他者より先へ!他者より上へ!』
『競い!妬み!憎んで!その身を喰いあう!!』
『貴様の理屈だ!思い通りになど!』
『既に遅いさ、ムウ。私は結果だよ!だから知る!自ら育てた闇に食われて、人は滅ぶとな!!』
ボロボロになるアークエンジェルとドミニオンの戦いも遂に決着がつこうとする。なんとドミニオンの中で暴走するアズラエルをナタルが抑え、その間に先日保護された後に復帰してクルーになったフレイ達を脱出艇に乗せて外へと逃がす。アズラエルはナタルに怒りの発砲を行うと、自らドミニオンを操縦、砲撃をアークエンジェルへ放つ。が、それをクルーゼとの戦いで被弾し、ボロボロのストライクという有様で帰投したムウは盾を構えて受け止めるも、威力に耐えきれず、相打ちになる形で爆散してしまう。
「そんな……」
マリューはムウの死の悲しみを堪えながらもドミニオンを討つ。それによってアズラエルはナタルと共に死亡することになる。
「ムウが……あはは……なんかもう笑うしかないんだけど……」
「ふぅぅぅぅ……」
「次で最終話だぞ?」
「セイアさん……あなたは悪魔ですか……?っていうかこういうの普通にあの子は見ているんですか?」
「天使さ。トリニティ的な意味でね……まあ大分重いが、彼女達は、というか普通はそういう創作だと割り切ってるからそうでもないのだよ。単に君達が慣れてなさすぎるんだ」
ジェネシスを止めるため急ぐキラ達。そこに新型、プロヴィデンスに乗りドラグーンというオールレンジ攻撃を行う武装を持つクルーゼが現れる。
『また君か。厄介な奴だよ、君は!在ってはならない存在だというのに……』
『何を!』
『知れば誰もが望むだろう!君の様になりたいと!』
『ぐ……!』
『君の様でありたいと!』
『そんな事!』
『故に許されない!君という存在も!』
『僕は……それでも僕は!力だけが、僕の全てじゃない!』
『それが誰に分かる!何が分かる!分からぬさ!誰にも!』
クルーゼとキラの激しい戦いが行われる中、その戦いに巻き込まれてフレイも死亡してしまう。だが、ここでキラはフレイの幻覚を見る。
『ありがとう、ごめんね……』
『どうして……』
『ずっと……謝りたかった』
『どうして……君が……フレイ……!』
『苦しかった……怖くて、ずっと……知らなかったから。私、何もわかってなかったから……』
『フレイ!』
『でも今、やっと自由だわ……とても素直に、あなたが見える……』
『僕は……』
『だから、泣かないで……』
『畜生……僕は……』
『あなたはもう泣かないで……』
『君に何も……』
『守るから……本当の私の想いがあなたを守るから……』
その言葉は、今一度キラを最終決戦に駆り立てる。そしてアスランはカガリと共にジェネシスのコントロールを奪うことを目論みパトリックの下へ急ぐ。
『これが定めさ!知りながらも突き進んだ道だろう!』
『何を!?』
『正義と信じ、分からぬと逃げ、知らず!聞かず!その果ての終局だ!もはや止める術など無い!そして滅ぶ!人は!滅ぶべくしてな!!』
『そんな、あなたの理屈!』
『それが人だよ、キラ君!』
『違う!人は、人はそんなものじゃない!』
『はっ!何が違う!何故違う!この憎しみの目と心と!引き金を引く指しか持たぬ者たちの世界で!何を信じる!何故信じる!』
『それしか知らないあなたが!』
『知らぬさ!所詮人は己の知る事しか知らぬ!!まだ苦しみたいか!いつかは、やがていつかはと!そんな甘い毒に踊らされ、一体どれほどの時を戦い続けて来た!』
だがそこで見たのは、パトリックの凶行を止めようと立ち上がったザフトの軍人の手によって殺された彼の姿。パトリックはアスランにジェネシスを撃てと言い死んでしまう。既にジェネシスはヤキンの自爆と共に発射されることになってしまっていた。
『フ……フフフフ、ハーハッハッハ!どの道、私の勝ちだ!ヤキンが自爆すれば、ジェネシスは発射される!最早止める術はない!地は焼かれ、涙と悲鳴は新たなる争いの狼煙となる!人が数多持つ予言の日だ!それだけの業、重ねてきたのは誰だ!? 君とてその一つだろうが!!』
パトリック達がアスランはジェネシスを破壊するために内部に潜入、ジャスティスを自爆させて吹き飛ばそうと目論む。そして、クルーゼから狂言じみた、執念の言葉の数々を前にキラも言葉を叫ぶ。
『それでも!守りたい世界があるんだ!!』
キラは守りたい世界のために、エゴをぶつける形でクルーゼを一刀両断し、遂にクルーゼはその命を散らすことになる。
そしてアスランの手によって爆発するジェネシス。お互いに大量破壊兵器と過激派だった両代表が消えたこともあり、停戦が行われたことで漸く戦いが終わる。そしてアスランはカガリの逃げるな、生きることが戦いだと言う台詞を聞き、彼女と共にジェネシスから脱出し、生き残ったことを喜ぶように抱き合って泣き合う。そして二人は発見する。ボロボロのフリーダムから投げ出され宇宙に漂うキラを。それを見たキラもまた、涙を流し喜びを露わとするのだった。
『僕たちは……どうして……こんなところへ来てしまったんだろう……僕達の……世界は……』
戦いが終わり、新たな未来の訪れを予感させたところで機動戦士ガンダムSEEDの物語が終わる。だが、それを見終えたナギサは安堵しつつも疲労を隠せない様子でぐったりしており、ミカも同様だが若干血の気が引いていた。
「……どうすればいいんですかこれ。休みのはずなのに凄く疲れたんですが……」
「もう頭の中からクルーゼが離れないんだけど?もうなんかこう……色々やばいよ……これ……」
「改めて見てわかるものも沢山あっていい作品じゃないか……まあ、どうしてこうなった?な部分も正直あるが、そこをアニメに突っ込むのも野暮というものか」
一方セイアは二周目というのもあってか前回気付かなかった色々なことに気付いて楽しそうな表情を浮かべるのだった。