転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする 作:popoponpon
「……」
ミレニアムの自治区に差し掛かったところで、一人の少女が列車から降りる。少し小柄なその少女が着ているのは少しくたびれており、年季が入ったかのようにも見える百鬼夜行の制服であった。その少女はおどおどとした様子で辺りをきょろきょろとを見渡していきながら人混みに紛れて街中に出て行く。
「うわ、あ……」
多くの人々が歩く街並み。それ自体は彼女とて見慣れてはいる。だが彼女が思わずくらくらしてしまったのは、ビルなどが立ち並ぶその科学的な街並みであった。和の雰囲気とはかけ離れた技術の最先端、みたいな雰囲気にギラギラしたものを感じてしまう。
「……いやいや、今はこんなことやってる暇はありませんって……えっと、えっと……」
「君……どうかしたのかな?」
そんな少女の挙動不審な様子が気になったのだろう、一人の獣人の男が近づき声をかけてくる。少女はビクッと体を震わせて顔を見ると、彼は少女を怖がらせないように優しく笑いながら対応する。
「百鬼夜行の子っぽいけど、どうしてミレニアムに?」
「えっと、えっと……その……友達、に、会いに……」
「ミレニアムの?なら……寮の方に行ってみたらどうかな?他校の生徒だと学園に入って警備に引っかかったりするのも問題だろうし……」
「あ、は、はい……」
少女に寮の場所を伝えると、獣人は去っていく。残された少女は、よしと頷くとミレニアムの学生寮の方へと向かうのだった。
★
「……ん?モルフォちゃん?もういないよ?」
「……え?」
途中何人かに場所を聞きながらミレニアムの学生寮に辿り着いた少女は、そこにいた寮の住人であるミレニアムの生徒にここまで来た目的、モルフォのことを聞く。しかし、それを聞いた少女は首を傾げてしまう。
「で、ではどこに……」
「さあ?まあ部屋吹き飛ばされて大事なものとかなくなっちゃったわけだし……そりゃ出て行きたくはなるよね。外に部屋か何か借りたんじゃない?」
「吹き飛んだ!?」
「あーでも、ヴェリタスが頑張って復活させたんだっけ?どうだっけ?」
少女は思わず困惑してしまう。彼女の身に何かしらがあったのだろうが、自分のいない間に起こってしまった出来事にさらに唖然となってしまう。
「ど、どうしてそんなことに……」
「うーん、まあ部屋が吹き飛ぶことなんて稀によくあるし?」
「いやまぁそれはそうですけども!?はぁ……手がかりがなくなってしまいました」
がっくりと項垂れる少女。その様子を見ていたミレニアムの生徒はうーんと悩んでいたが、
「じゃあモルフォちゃんに連絡しようか?えっと、百鬼夜行から来たんだよね?あの子……というかゲーム開発部って結構知り合い多いし」
「え、あ、はい……」
「……うん、えっと灰色の髪で目が赤くて……あ、うん?わかったわかった」
なんと彼女の方からモルフォに連絡してくれることになる。そして話を聞いたモルフォは目の前の少女の特徴を聞いて心当たりのある人物を導き出したのだろう、すぐに迎えに来てくれることになったのだった。
★
「で、どうしたのシュロ。今日はモモイとミドリはどっちも用事があるから会えないよ?」
「あ、そ、そうですか……」
そして寮まで迎えに来たモルフォはそこにいた少女、箭吹シュロと再会する。暗めの和服を着ていた彼女とは違い、年季の入った百鬼夜行の制服を着た彼女の姿を新鮮そうに見ながら、シュロを連れてネットカフェに向かっていた。
「ま、色々あるからのんびりしなよ。一応お金あるよね?」
「と、当然です!少なくともそれなりには……」
わざわざここに一人で来たのはどういうことかと思ったモルフォだったが、シュロのそわそわした様子からただ会って面白おかしく遊びたいだけなんだろうなと気付き、彼女を個室へと連れ込んだのだ。
(さすがにもう家には上げられなくなっちゃったしなぁ)
一応セーフハウスとしての側面を持たせている以上、あの部屋に人を上げることは容易なことではなくなってしまった。無論、知っている人自体は多いものの、それはゲーム開発部の他だとエンジニア部や ヴェリタスといったほぼ身内に限られる。また爆破なんてされたらたまったものではないのもあり、こういう時は別で個室などを借りてそちらで相手するようにしていた。
「……それで、遊びに来たの?」
「それは……まぁ、その……ただ、その……」
気恥ずかしそうに視線を逸らしながらドリンクバーから持ってきたオレンジジュースを飲む。モルフォもココアを飲みながらシュロを見ていたが、
「ま、折角来たんだしこれとかやってみる?」
「?これは……?」
少し操作してからシュロにswitchを渡す。そこには、夜廻という名前のゲームが表示されていた。
「夜廻……?なんです?これ」
「ホラーゲームだよ」
「……ふーん?」
ホラーゲーム。そう聞いてシュロは少し興味深そうに画面を見る。そこには二頭身に可愛らしくデフォルメされた女の子のシルエットが夜廻のタイトルの下を歩いている光景があった。背景の暗さから確かにホラーっぽい雰囲気は感じさせるものの、キャラを見るにそこまでホラー感は感じられない。
「まあ、いいでしょう。手前に何かしらの刺激を与えてくれるかもしれませんし、そこまでいうならやらせてもらおうじゃありませんか」
(別にそこまで言ってないけどね)
夜廻を始めると、主人公の女の子が愛犬のポロとどこかを歩いている光景から始まる。そこからチュートリアルを兼ねて移動したりダッシュしたりしていると、突然後ろを何かが横切っていく。
「?」
一瞬反応したものの特に気にせず、平行移動やアクションなどのチュートリアルも進めていき、小石を拾う。そしてチュートリアルに従い小石を放り投げると、それを追いかけたポロが―――
「ファッ!?」
突然そこに走ってきたトラックにポロが轢かれ死亡してしまう。ただのチュートリアルと高を括っていたらいきなり死亡した愛犬の姿にシュロが驚いていると、場面は家に帰った少女とその姉が話すところに変わってくる。
少女はポロが死んだことを伝えられず、逃げてしまったと言うと、姉は少女に家で待っていてと言い、ポロを探しに行ってしまう。そして夜が更けるも姉は戻らず、少女も姉を探しに夜の町に繰り出すことになる。
(雰囲気はありますね……)
無音の中、少女の足音や自販機の動く音などが響く。そんな中、町の中をうろうろしていると、街灯の下に佇む謎の黒い人影を発見してしまう。これはいかにも接触してはいけない敵だろうなと思いながら避けながら進んでいくのだが、
「あれ?なんか勝手に―――ぬわぁ!?」
突然イベントが挟まり勝手に黒い影に近づいたかと思うといきなりその何かが画面いっぱいにドアップになってしまう。慌てて少女を走らせて逃がすのだが、その黒い影はゆっくりと追いかけてくる。心臓音が鳴り響く怪奇的な演出の中、少女はなんとか空き地までたどり着く。そこで姉の姿を見つけるのだが、姉は少女に草むらの中に隠れさせると、姉が襲われているかのような不穏な音と共に空き地から姿を消してしまう。
「……おっとぉ?なんか不穏な感じになってきましたねぇ」
(さすが怪談家だ……これぐらいじゃ物怖じしない)
「しかも懐中電灯まで落としてしまって……ま、これはありがたく使……うわぁ!?」
一先ず家に帰ることになり、姉の落とした懐中電灯を回収。それを付けると道塞ぎと呼ばれる巨大な顔と無数の足が見える謎のお化けに追いかけられてしまう。さらにそれから逃げると黒い影と挟み撃ちになってしまい、少女は慌てて茂みに隠れやり過ごすことになる。その後、簡易セーブができるお地蔵さんの使い方も知りながら、なんとかシュロは少女を家に帰すことに成功し、一章が終わることになる。
「ここからは自由に動けると……」
「まあ行きたいところを行ってみてもいいかもね」
「ではそうさせてもら……ヒュッ!?」
第二章からは行動に制限がなくなり、少女は自由に移動することが可能となる。早速、お化けに捕まらないように街の散策を進めるシュロ。と、家から左の方に進んでいくとポロと思われる幽霊を見つけてそれを追いかけていく。謎の目玉の群れが駆け巡る広場や赤い斑点に覆われた黒い影などを見ながら道路を歩いていたシュロ。と、いきなりその背後を追いかけてきた謎のお化けに追突され殺されてしまう。
「……が、学校には入れないようなので別ルートを探さなければなりませんね」
簡易セーブしていた地蔵から復帰し、今度は歩道を通ってお化けを回避しながら学校に向かう、そこでもポロの幽霊のようなものを見つけるのだが、正門が閉まっているため回り道して入ることになる。
「……なんですかあの頭グルグル回転してる奴」
「あれもお化けだね」
「……まあ関係してこないなら構いません」
その後、学校に入るためのヒントを近くの空き地などを探して獲得し、学校へ続く道を見つけるためにお化けを誘導したりしながら進んでいき、遂に学校の中に入ることに成功する。そこから謎の動くランドセルやら動く二宮金次郎像などを見ながら捜索しているとなんと姉の靴を発見する。が、そこに人面犬が現れ、少女を追いかけ始める。それを茂みに隠れ逃れるとまた姉の靴を拾おうとすると、今度は人面犬が再び現れてそれを回収していってしまう。そのため、どうにか姉の靴を取り戻すために探索を進めていくことになるのだが、
「……これ、わざとやられた方が早いですね……」
「デスルーラに気付いちゃったかぁ……」
夜廻は死んだときにそのままの状況で最後に中間セーブしたお地蔵様の下に戻されるというシステムになっている。そのため、進行に必要な鍵などを入手してからお化けに殺されて中間セーブ戻ることで帰り道を短縮する、例え強引にでもアイテムを入手して死んでも問題ない、みたいな攻略法もやろうと思えばできるのだ。無論、お化けの気を引くために投げる石なども減ってしまえばそのまま戻されてしまうため、一長一短ではあるもののそれに気付き使おうと思えば難易度はある程度低くなってくるだろう。
突然飛び出してきた人面犬に何回か仕留められるアクシデントこそあったものの、幾つかの鍵や学校内の鶏小屋やプールなどを巡り、遂に姉の靴を発見する。しかし姉の姿は見つけられなかったところで第二章は終わり、少女は次は田んぼの方を探してみようと考えるのだった。
「いやもう碌でもない町では?これで田んぼって怪異わらわらいるじゃないですか」
「やっぱり嫌?」
「別に怪異は嫌じゃありませんよ、手前だって普通に使いますし。ただ普通にその怪異が手前に牙を剥くのは話が変わってきます」
田んぼに続く踏切の向こうに謎の女性が現れるも襲うこともなく姿を消してしまう。そして遂に田んぼへと足を踏み入れることになる。壊れている橋のせいで進めないのでそれを修復すると、無数のタスケテの文字が画面いっぱいに現れたかと思うと謎の女性のお化けに襲われるのだが、このお化けがまた厄介だった。
「こ、こいつ……強すぎますが!?」
「ワープがね……」
そのお化けが距離を開けすぎると目の前にワープして進路を塞いで周囲に向かって髪をトゲのように伸ばして刺殺してきたり、あるいは少女にゲロを吐いて殺してきたりする。これがまた厄介で、すでにここだけでシュロは八回は殺されていた。
「うわわ、いい加減しつこいですねこいつ……殺された恨みだかなんだか知りませんがさっさといなくな……ほああーっ!!」
(あ、そこ崖の上行くと特殊死亡演出あったのか……)
田んぼから崖の方に向かってもなお女性のお化けとの追いかけっこは続く。だが、このお化けとの追いかけっこでは途中で道を間違えると崖に追い込まれてしまい、女性に突き落とされてそのまま殺されてしまうのである。そこから追加で三回ぐらい殺されながらも崖下で死んだ女性の遺体を発見し、彼女に道中で拾ったペンダントを渡してお化けを成仏させる。その後、彼女を弔って少女は家へと帰るところで第三章は終わるのだった、
「……次の目的地がわかりませんね」
「まあまだ行ってない所を行けばいいんじゃない?」
「ふむ……」
とりあえず行ったことがない場所を探してマップを埋めていく。そんな中、商店街方面に行くとポロの幽霊を目撃し、その後を追って林の方へと向かっていく。道中、上半身だけで全力疾走する謎の幽霊に轢かれるアクシデントこそあったが無事に林に辿り着く。しかし林も林で問題であり、光に反応する人面岩に殺される、明かりを切って進むと照らさないと視認できないお化けに殺されるという厄介な状況に苦戦してしまう。
「ど、どうにか辿り着けましたね……いやぁここまで長かったですよ」
林を越え、お寺を越え、懐中電灯の点ける点けないで見える敵と襲ってくる敵の対処に苦戦しながらもどうにかお寺を越えた先。そこで遂に少女はポロの死体を見つけることになる。少女はポロの死に悲しみながら墓を作り、ポロを埋葬し第四章が終了する。
「な、なんですかこの薄気味悪い奴ら!」
第五章、商店街のアーケードに入った少女は、そこで盛り塩を潰す謎の手と。それに伴い発生する白い謎のお化けたちから逃げることになる。鳴り響く公衆電話の音に縋るように電話に出ると、突然画面が変わり、赤紫色のフィルターがかかったような謎の空間で巨大なムカデに襲われることになる。
「ぬわーっ!!」
「スタミナを残さないと逃げられないんだよねあのムカデ……悪い奴ではないんだけども」
「こちらを殴ってくる時点で悪い奴ですが!?」
ムカデを避けながら神社に行くと、塩を渡される。その塩をもう一度さらに盛り直してほしいということになり、ムカデの協力者となったことでムカデのいる空間では襲われなくなるものの、現実に戻るとまた謎のお化けたちに襲われることになる。そんなこんなでボコボコにされながらなんとか盛り塩を元に戻して謎の白いお化け達を消していき、そのことをムカデに報告して第五章は終わることになる。
「あう……いきなりですかぁ!?」
そして第六章。少女が家を出た瞬間に何かに拉致されてしまい、工場跡地の中のコンテナに閉じ込められてしまう。しかし鍵はかかってなかったようで少女はコンテナから出ると正門から出ようとする。しかし、そこに巨大な肉に巨大な口がついたような化け物が出現し少女を追いかけ回してくる。
「気色悪いですねぇ!ちょっと方向性が急に変わってきましたね……」
コンテナに隠れたりしてそれを避け、工場に入るも化け物との追いかけっこは終わらない。時々現れる化け物を振り切れずに何回も殺され、「スタミナが足りません!」とシュロの不満がぶちまけられながらも少しずつ攻略していく。そして遂に、正門の鍵を入手して工場から脱出……しようとしたところで再び化け物に襲われてしまう。が、そこからギリギリで逃げのびると化け物は勢い余って工場から落下。柱に突き刺さり絶命するのだった。
「ふぅ、散々追いかけきた報いですよこれは」
「いやぁ何回もやられてたね」
「ふん、これは敵が嫌らしすぎるだけです!」
「それはそう」
その後、姉のお守りを拾い第六章が終わる。続く第七章。最終章となるこの話の最初、自宅に袋を持った、白い仮面をつけた謎の黒いお化けが入ってくる。
「ちょぉ!?安全地帯に現れるのは無しでは!?」
「あ、でも逃げ切れたね。なんか落ちてる」
「……そういえばそうですね。ってこれは」
お化けから逃げるとお化けは部屋の中から消えていく。だが、お化けが消えたところには一枚の紙が落ちており、それを少女が拾って読んでみると、トンネルの向こうに攫われた人が連れていかれるという文章が書いてあり、次の目的地が決まることになる。
「……トンネル……山……」
と、トンネルがある山の中に入っていくにつれ、何かが気になるのかぶつぶつと呟きながらシュロは少女を動かしていく。だが、その中でシュロは何かを感づき始める。
「……これ―――仮にこの先にこの子の姉がいたとして手を出さない方がいいような……いや、本当にただの怪異な可能性もありますし」
(まじかそこ気付くのか……本編中に触れられる機会ないのに)
トンネルの中にある祠は姉のお守りで力を発揮し、お化け達に強い効力を発揮する。それが嫌なのか、トンネルまで追ってきた工場で襲ってきた化け物は祠を攻撃しようとすると、そこ目のついた巨大な手の怪物が現れ少女を巡って戦い始める。どちらかに捕まっても死は免れない以上、少女がここにいる理由もなく、どんどん山を登っていく。その後も山を登りながら手の怪物たちを祠を起動して消していく。道中お地蔵さんが配置され、中断セーブを挟めることにありがたみを感じつつ何回か殺されながら、ついに少女は山頂へと辿り着く。
「いやー、鳥居ありすぎでは?これもう何となく察する奴ですが?」
「ま、まだワンチャン……」
山頂には姉が神社に横たわっており、駆け寄ろうとすると巨大な左右の手と、無数の人間が組み合ってできたような巨大な顔が現れる。直後、空間が変化し、六つの祠が存在する領域で少女は全ての祠を起動し化け物を退けることになる。
「事実上のラスボス戦だね」
「でもこんな広い空間なら手は素直なのでそこまで苦戦はしませんよ。やることも祠点けるだけですし」
シュロの言う通り、ラスボス戦ではあるもののボスそのものはかなり弱い。よっぽど変なことをしない限り死ぬことはないだろう。そして無事に祠を全て起動して化け物を消滅させると、生きていた姉と共に家へと帰れる……はずであった。が、
「ひえっ」
完全に終わったと油断したところで少女の左目が弾け飛んでしまう。姉がギョッとした様子で少女を見る中、少女はある幻覚を見る。トンネルの前で少女はポロと会っていた。だが、少女はポロと別れるかのようにトンネルの外へ歩いていくと、ポロはトンネルの中へと入っていく。生きている者と死んだ者。それぞれの行き先を暗示して、エンディングに入るのだった。
「……これは……やっぱり罰では……」
「え、気付くんだ」
「いやまぁ山ですし鳥居沢山ありますし……最初はどうか知りませんが悪神だかに変貌を遂げた感じですかね?それで姉の方は供物……でもそれを奪い取ってしまったから代償に妹の目を持っていった……こんな感じですかね?」
「大体正解……」
そう、最後に対峙したのは山の神なのだ。そのため、プレイヤー目線ではとんでもない呪いか何かのようにも見えるのだが、山の神視点で言えばむしろ左目だけで済ませたことが温情なレベルなのだ。
「……どう?参考になった?」
「あんまり神様とかそういうものについては触れたくないんですよ。下手に神の怒りを買ったらこの少女のようになるかもしれませんからねぇ……ま、怖がらせる手法やらはまぁ色々参考になりましたしこれ自体面白いゲームだとは思いましたが……まあゲームだからできることでしょうね」
「そっかそっか。楽しんでくれて嬉しいよ。ちなみに収集物のコンプ要素も残ってるんだけど……」
「そこまではいいです……」
「そっかー、まあまだ利用時間あるし、適当に漫画とか読んでく?ネットカフェなんだから何でもあるよ」
最後の少女の身に起こった不幸もあってかシュロはやる気が起きなくなってしまったようだ。まあ、あの衝撃的な終わり方をしたら二周目はちょっと、となるのも無理もないと考えながら、シュロの少し暗い気分を晴らす漫画は何がいいかなと考えながら、軽食を注文し始めるのだった。