転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする   作:popoponpon

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激突(バトル)

 

先生達が入ってきた扉から侵入してきた大量のロボット達。再び扉が閉まり、毒ガスが中身を満たし始める中、アリスとアビ・エシュフに乗り込み、ルミナスノヴァを肩部に接続させたケイが攻撃を開始する。スーパーノヴァを構えるアリスと両腕のガトリングを敵に向けるケイ。だが、二人の顔には冷や汗が流れている。

 

「先生、毒ガスを止めてください!!」

「まずは皆を起こさないと……この数、私とアリスだけでは!」

 

切羽詰まった二人の声に頷くと、先生はシッテムの箱に目を向ける。

 

「アロナ、プラナ、毒ガスを止めることはできない?」

『なんとかやってみますが……おそらくその権限はティファレトにあると思います』

『ここから止める、ということはおそらく……』

「だとすると……」

 

そしてアロナとプラナに毒ガスを止められないかと聞くのだが、二人は首を横に振り、それを見て先生は悔しそうに表情を歪ませる。そうしている間にも次々とロボット達がなだれ込んでくる。

 

「これも、ティファレトっていうここの預言者の仕業なんですか!?」

「もしくは、ケイがレスバで叩きのめしちゃったからかもしれません!」

「仮にも意識体とか言って超越者みたいな風格だしてるならこの程度で興奮しないでくれます!?」

 

悪態を吐きながら弾を連射し続けるが、シンプルに質量が足りない。不幸中の幸いとしては毒ガスの影響下のためか眠り、無力化されている生徒達は完全に無視してアリスとケイと先生だけを狙ってくれていることだろうが、それだけである。

 

「こうなったら、勝手が違いますがトキのアビ・エシュフをアリスに……ずれとかは酷いですが理論上使えるはず……」

『うう、私も戦えたら……この戦場で……スナイパーライフルと体さえあれば……』

 

自分もあの時のように戦えたら。そう思いながら戦うアリス達を見るもう一人のモルフォ。何か、できることがないかと辺りを見渡していると、

 

『……あ』

 

眠ってる本人の近くに転がっているミドリの銃が目に入る。この中で唯一のスナイパーライフル。あれさえ使えれば。でも、どうやってこの身体で使えば、そこまで考えて、

 

(……そういえば私の身体)

 

先程、眠っていたこの世界の自分の口から喋らせていたことを思い出す。そしてもう一人のモルフォの中で何かが繋がり始める。そして、もう一人のモルフォがこの世界の自分の体に近づく。自分の手を彼女の手に重ねると、ホログラムが体を透過していく。徐々にもう一人のモルフォの意識が薄れ始め、視界が切り替わり始める。そして、

 

「……痛っ」

 

顔に電源が切れたカバー付きの千年の守護者が落下、激突する。その衝撃で完全に意識を目覚めさせたモルフォは体を起こす。

 

「重い……体は完全に眠ってるままなのを無理矢理動かしてる感じなのかな……意識だけが動いてる、感じ?……確かにこれじゃ、狙撃しかできそうにないね……」

 

重い体をふらふらと動かしながらすぐ近くで倒れていたミドリの銃とマガジンを拝借する。

 

「!?モルフォ!?」

「まさか起きて……まずいです!敵が―――」

「!!」

 

だが、モルフォが起きたことでロボット達の標的にモルフォも含まれる。モルフォは銃をロボット達へ向けると、

 

「ふっ!」

「「……え?」」

 

直後、弾丸が次々と放たれ、ロボット達のカメラをピンポイントで次々と撃ち抜いていく。強度の低いカメラのレンズを撃ち抜かれ、内部の機械を直接攻撃され爆散していくロボット達。マガジンを交換しながら、モルフォは静かに頷く。

 

「うん……学校の倉庫にあったポンコツライフルなんかよりずっと素直……それに弾だって安心して撃ち放題……安定の大爆発。先生、後はお願いします」

「……うん、わかった!アリスとケイはモルフォの援護を!今のモルフォは不調だから!」

「「は、はい!」」

 

アリスとケイがロボット達の足止めに注力し、その間にモルフォがカメラレンズを次々と撃ち抜いて破壊していく。そうしている間に襲撃によってロボットへの対処にリソースを割いていた思考を毒ガスへの対処へと戻していく。そして、あることに気付く。

 

「!そうだ……あの扉だ!」

「扉?何を言って……」

「そうです、まさか禁止区域に行こうと……!?そういうことですか……!?」

 

先程、タッチパネルに映し出された少女は侵入を禁止されている第二貯蔵庫へ侵入しようとすれば防衛機構によって攻撃されるという旨の発言をしていた。これで相手しているのが他の預言者のような存在であればわざわざ第二貯蔵庫を攻撃する理由などない。だが、種の保管という役割を放棄しない道を選んだティファレトであれば話は別だ。

 

「アリス!スーパーノヴァを!ダブルノヴァを最大までチャージします!」

「わ、わかりました!」

 

先生の意図を理解し、スーパーノヴァをケイのアビ・エシュフに接続させるアリス。そしてモモイのアサルトライフルを代わりに手に取ると不慣れながらも弾をばら撒き始める。そして最大チャージが終わると共にケイは部屋にある、第二貯蔵庫へと続く扉にダブルノヴァを向けると、

 

「先生、準備ができました!!第二貯蔵庫へ続く扉を破壊し―――」

 

そして一旦そこで言葉を切り、深呼吸する。そして、これを見ているであろうティファレトに聞こえるように、大きな声を上げる。

 

「今からあなたの種を全て奪い取りにいきます!!―――光になりなさい!!」

 

直後、放たれた巨大なレーザーが第二貯蔵庫へ続く扉を粉砕しようと―――したその瞬間。ロボット達がいきなり第二貯蔵庫の扉の前に立ちはだかり、肉壁となってバラバラになってしまう。直後、施設内にけたたましいアラートが鳴り響くのだった。

 

 

 

★

 

 

 

 

「だ、第二貯蔵庫への危険行動を検知、リソースの再配分を実行!?え、こ、これって」

「施設の全動力を第二貯蔵庫の防衛に割り当てる!?ティファレトはどうしちゃったの!?」

「待機タスクは!?」

「隔壁の設置、第二貯蔵庫の温度と湿度の再調整……そして、第三区画へのガス排出停止!?何を考えているんですか!?」

 

鋼鉄大陸。そこではアイン達が困惑と驚愕の表情を浮かべながら、ティファレトからのメッセージを読み上げていた。ティファレトが使役する眷属達を前にアリスとケイが追い詰められ、身体を得たもう一人のモルフォの別時空のアビドスで一線級の戦力足りうるために磨き上げた狙撃技術で一時は巻き返すも膠着状態になる様子を眺めていると、突然アリスとケイが見当違いの方角を攻撃しようとしたのだ。

 

それを見て三人は何をしているんだと困惑したり呆れたり、嘲笑したりしていたのだが、それを見たティファレトが突然反応してのこれだ。自分達の理解を越える現象に三人はただ、ティファレトが何をしようとしているのかを見ることしかできなくなってしまっていた。

 

 

 

 

★

 

 

 

 

「うっ……うわっ!?」

 

スナイパーライフルを構えていたモルフォから糸が切れたかのようにだらんと腕が下に降ろされ、顔が俯く。直後、地面に落ちていた千年の守護者が稼働して浮かび上がり、ホログラムのモルフォが出現。そして元の身体にはモルフォの意識が目覚めたかと思うと、まだ生き残っていた、カメラレンズを壊されながらも致命傷を偶然回避したロボットが突進してくる光景が目の前にあったので即座に回し蹴りで壁に叩きつけ機能を停止させる。

 

「……これ、どういう状況?」

 

蹴り飛ばしたロボットは今のがトドメになったのか完全に動かなくなる。そして何故ミドリの銃を持っているのかと困惑していると、

 

「皆が目を覚ましました!!」

「……ちゃんと反応してくれて助かりました」

 

他の皆も意識を取り戻し始める。何があったのかと周囲を見てみると、そこにはカメラレンズを破壊され機能を停止した無数のロボットが転がっており、即座に全員が敵の襲撃下で眠っていたという洒落にならない状況にいたことを理解して冷や汗を流したり顔を青ざめたりする。

 

「さて、状況が状況なのはわかっていますが……それとして、やらなければならないことが一つできました」

「ええ。これは今後を見据えてやらなければならないこと……」

 

そして先生から細かく状況の補足説明をされたところで、ヒマリとリオがそう告げ、二人は頷くのだった。

 

 

 

 

★

 

 

 

 

「……ごめん、皆……私のせいだ……ティファレトの言う通りにしたから……」

「まだです……まだ終わったわけではありませんよ。みんな、あなたのことを信じているんです。アインも、お姉様も、ティファレトも……他の預言者の意見まではわかりませんが、まあ彼らも一応信じているはずです」

「い、一応……」

 

膝をつき、悔しそうな声を漏らすソフ。その様子を見てオウルがソフを奮い立たせるようにその両肩を掴む。

 

「なにより、ソフがそんなこと言ったら、ティファレトの意志はどうなるんです?」

「い、今はできることを、やれば良いと……思います。み、皆で協力して、姉妹は助け合うものですから……!」

「ええ、その通りですアイン。よくできましたね」

「お姉様……」

 

三人の会話を聞いていたマルクトが、ここで口を開く。

 

「調和とは、全員が同じ形になることではありません。それでは最早、強要や暴力に近しい概念になってしまいますから。各々の得手不得手を補い合う……それが真の調和なのです。互いを尊重できないのであれば、前へ進むことはできません。だからこそ、一人の責任は皆の責任であり、皆の幸せは一人の幸せでもあるのです」

「お姉様……ううっ……」

 

マルクトからかけられた言葉にソフが顔を上げる。そんなソフの頭を撫でながら、マルクトは優しく語り掛ける。

 

「独りで強くなれる者などいません。生命体であれ、意識体であれ。誰かが苦難に見舞われたのであれば、我々は手を差し伸べるのです。罪を憎んで、人を憎まず。過失を咎めるのではなく、過失が起こらない仕組みを一緒に考えましょう……ですからアイン。まずはティファレトと話をしてくれませんか?」

「は、はい!お姉様!」

 

マルクトから頼まれたアインが目を閉じ、ティファレトへと話しかける。

 

「ティファちゃん……聞いてもらえますか……?あの人たちは、ティファちゃんの種を奪うフリをしているだけで……ティファちゃんを騙そうとする、意地悪な人達なんです……なので、過剰なリソースを防衛に回す必要はありま……え?」

「……?どうしました?」

 

だが、ここでアインの顔が驚きと共に見開かれる。何事かとマルクトが首を傾げると、アインが困惑しながらティファレトから告げられた内容を伝える。

 

「てぃ、ティファちゃんが……ティファちゃんが過剰なリソースの割り振りを止めません……あの人たちは略奪者だって……」

「っ、あ、あいつら!!」

 

オウルがその意図に気付き、種子貯蔵庫の映像を確認する。そこには、もう一人のモルフォによって原型をほとんど残したまま機能を停止させられた眷属達の写真を撮ったり、運びやすいように幾つかに分割する形で解体したりしてヒマリの車椅子にいつの間にか取り付けられた籠の中に放り込んでいくリオらの姿があった。

 

「ち、違う!あの人間達は機械はともかく種には興味がないのに……」

「え?実際に第二貯蔵庫の扉を破壊しようとしてた?だから大切な種を守るためにリソースを割くことは絶対にできないって……そ、そんな……!!」

「あ、ああ……」

 

先生達が種子に興味などないことは当然ソフ達にもわかっている。しかし、彼らのやっている行動がティファレトからすればあらゆる点で警戒を上げる行動になっている。このままではティファレトの防衛行動は止まらないだろう。と、そんな中、ティファレトから更なる連絡が届く。

 

「……え?鋼鉄大陸への移動について……?」

「!!それだ!ティファレトを鋼鉄大陸へ後退させる手筈を整えよう!そうすれば、戦力も温存できるし建て直せる!でしょ、アイン!」

「!そ、そうでした!これ私の担当です!ティファちゃん!それも視野に入れて動いてください!……よかった、ちゃんと後退のことをも考えていたんですね。本当に賢いですね……」

 

その連絡の内容、ティファレトが最悪の場合撤退するという発言を聞き、三人はやっと安堵したような表情を浮かべるのだった。

 

 

 

 

★

 

 

 

 

「な、何の音!?」

「施設が……振動している!?」

「見て、部屋の中央から何かが―――!?」

 

ロボットを回収し終えて行動を起こそうとしたその時。部屋の中央の台座が突然動き出し、そこから繭のような形をした巨大な機械が下から現れる。

 

「まさか、これが!?」

「ティファレトの本体……!!」

「皆、気を付けて!!」

 

それがティファレトだと気付くな否や、先生の指示と共にリオとヒマリが後方に下がり、一年生達がその前に立ちはだかる。トキもアビ・エシュフを稼働させてティファレトを睨みつける中、ティファレトから三機の花の蕾のような頭部をした機械が現れ、その周囲にあのロボット達が転送される。ティファレト自身からも無数のエネルギー弾が上へ向かって放たれる。

 

「攻撃が……落ちてくる!?」

「散開!!」

 

モルフォの声と共にモモイ達もティファレトの攻撃から逃れるように隙間を空け始める。それと両立するように機械たちを倒していくのだが、

 

「うう……回避しながらではうまく対処が……」

「トキとケイはロボットの対処の方を優先して!他の皆はティファレトを!」

 

位置が固定されているティファレトと異なりロボット達は自由に動く。ならばと両腕のガトリングでまとめて狙えるトキとケイに任せるように先生は指示を出すと、それを反映した形でミドリ達は動き始める、と。

 

「!ユズ、ミサイルが!」

「まず……」

「こっち!」

 

ロボットを転送していた一体が小型ミサイルを次々と射出してくる。その行き先にいたユズは回避しようとするも、近くにいたエイミがユズを引き寄せると骸となったロボットのボディを放り投げてミサイルを受け止める。直後、お返しとばかりにユズがその横から体を出してロボット達の隙間を縫って榴弾を撃ち込んで頭部へ命中、それによって転送を行っていた面倒な個体が爆発と共に一体消えることになる。

 

「よし―――」

「モモイ!ミドリ!気を付けて!!」

「え!?」

「うわ、なんかきた!!」

 

直後、攻撃を避けながらティファレトを狙っていたモモイに先生から指示が飛ぶ。二人に向かって、転送を行っていた一体が青い光弾のようなものを放ってきたのだ。それは追尾するように曲がり、たまらず二人はティファレトへの攻撃を止めて光弾を打ち落とそうとするのだが、

 

「っ、すり抜けて―――!?」

「こなくそ!」

 

なんと通常弾がすり抜けてしまう。そこにモルフォがカバーに入ってシールドで受け止めると、シールドが突然発光。

 

「シールドが光って!?」

「モルフォ、それは時限式のエネルギー爆弾よ!どんどん熱量が上がってるわ!!」

「モルフォ、盾を手放して!」

 

突然の変化に警戒していると、タブレットを見てティファレトの攻撃を分析していたリオがその脅威を説明、さらに先生の声と同時にモルフォはシールドをブーメランのように投擲し、それが光弾を撃っていた個体の頭部に命中、

 

「イグニッションッ!!」

 

モルフォがBluetoothを用いた音声認識でシールドを爆破させてロボットの頭部を吹き飛ばす。それによって転送されるロボットの量も三分の一まで減少、それによってトキとケイも余裕が出始め、最後の個体に弾を撃ちこみ破壊する。

 

「よし、後は本体を!!」

「ケイ!ダブルノヴァです!!」

 

アリスがケイに近づき、スーパーノヴァをアビ・エシュフに装着。トキも両肩のレーザー砲の照準をティファレトへと向ける。ティファレトは攻撃を続けるがそれだけだ。防衛設備のリソースとしてはあのロボット達が主だったらしい。

 

「今だ、二人とも!!」

 

ティファレトの攻撃を避けつつ、両肩から放たれたレーザー砲を同時に喰らわせる。

 

「これで……!」

 

既に他の面々から弾をありったけ喰らっていたのもあるのだろう、ティファレトの装甲が吹き飛び、その下にあるコアが落下し沈黙する。

 

「やった!」

「でも、これが預言者って奴なんだ……なんていうか」

「中ボスみたいな敵でした!」

「あと、火力が凄い……種を燃やしかねない程だったけど」

「それだけ私達の排除を優先したのでしょうね」

 

ティファレトを倒し、その感想を言い合う。余程先生達が腹に据えかねていたのか、過剰な火力で襲い掛かってきたその様子に、初めて預言者と戦ったケイ以外のゲーム開発部は、こんな相手の数々とこれまで戦ってきたのかと冷や汗を流していた。

 

「……もう一人のモルフォちゃんは平気そうだね……」

『えっと、ビナーとは戦ったことがあって、預言者自体は見たことがあるの』

「皆、怪我は?」

 

ミドリがもう一人のモルフォに聞くと、ビナーとの戦闘経験があると言われる。先生やヒマリはアビドスの生徒だったのならおかしい話ではないかと内心納得しながら、皆の状態を確認していく。

 

「それじゃあティファレトは倒せたし、改めて調べ直そうか」

「ええ、ティファレトが管理AIということはそれが沈黙した今なら防衛設備も気にせずに探索できるはずよ。鋼鉄大陸への手がかりが……?」

 

先生とリオが今後の行動をどうするか話していると、突然施設が揺れる。

 

「え、今度は何?」

「巨大な何かが動いているみたいだけど……」

『―――現時刻を以て、当施設は閉鎖されます。繰り返します、現時刻を以て、当施設は閉鎖されます。速やかに退去してください』

 

さらに機械音声が流れる。施設の閉鎖、そして揺れ。そこからこの種子貯蔵庫を生き埋めにする気かと考えた一行が急いで部屋を飛び出した直後、ティファレトと戦った部屋の中央が突然大爆発してしまう。煙が通路にまで出てきてしまい、先生は口をハンカチで抑えながら何が起こったのか部屋の中を見てみると、そこには巨大な穴が開いており、輸送用の設備と思われるコンテナのようなものが確認できた。

 

「っ、熱源反応!」

「先生!」

 

直後、トキの言葉と共にモルフォが二重の爆発で焦げ付いたままのシールドを構え、爆風から先生を庇う。爆風が収まると、もう一人のモルフォが熱も煙の息苦しさも一切気にならないからかすっと室内に入っていく。

 

「大丈夫ですか?先生」

「うん、大丈夫だよ……だけど、今の爆発は?」

『……こ、コンテナがなくなってる!これって……』

「まさか、爆発でコンテナを吹き飛ばして輸送を……?なんて荒業を」

「何か確認できないかしら?」

『えっと、これは……レール?のようなものがありますね』

「カメラの映像をこちらにもリンクしましょう」

 

もう一人のモルフォに何かあった時に備えて皆も部屋の中に戻り始める。中はまだ熱気が残っているのでエイミは念のためにと部屋の入口に待機することになり、モルフォもエイミと共に残って襲撃などに備えることにする。

 

「……」

「大丈夫?」

「あの二重爆破が思ったより響いてるっぽい。応急処置でどうにかなるかな……一応。元に戻さないようにしておこう……」

 

シールドの様子をモルフォとエイミが確かめている中、もう一人のモルフォが見ている景色を見ながら、リオとヒマリはここが資源の集積地であることを確信する。

 

「成程。ここは謂わば駅のようなもの……資源を積んだコンテナを爆発と共に打ち出し、鋼鉄大陸へ打ち出す……コンテナ・ランチャーとでも呼称しておきましょうか」

「なんだかマスドライバーみたいですね……」

「ええ、各地から鉄道で運び込まれた資源はこのコンテナ・ランチャーで鋼鉄大陸へ空中輸送されていたのです」

「で、あればコンテナの軌道を分析すれば鋼鉄大陸の座標が割り出せそうね……後はここの調査もした方がいいわね」

「であれば、千年の守護者達を使って一気に探索を進めましょう。AMASでも良いのですが……万が一乗っ取られたり、何らかの干渉を受けたりするとまずいので」

「わかった。モルフォ、もう戻ってきていいよ」

『はーい』

 

もう一人のモルフォが穴から戻ってくる。その様子を見届けつつ、先生達は輸送船が到着するのを待つのだった。

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