転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする 作:popoponpon
ゲーム開発部と新・世界樹の迷宮ミレニアムの少女(前編)
世界樹の迷宮が発見されたことでエトリアは世界樹の迷宮を探索せんとする冒険者たちにより賑わっていた。だがエトリアでは度重なる地震や謎の怪音に悩まされており、エトリアの執政院はハイランド地方に住む部族、ハイランダーに調査を依頼される。「全ての正義を成せ」という長老の言葉を受け、槍を担いだ主人公の少年がエトリアの街に入り、執政院ラーダを訪れていた。そこで主人公はその力を見極めるため、迷宮に入ろうとする冒険者たちが必ず受けるというチュートリアルミッションをこなすことになる。それにあたって執政院から一時的な同行者としてブシドーのレンとカースメーカーのツスクルが宛がわれることになる。
そしてエトリアにあるシリカ商店や、セーブや体力の回復を行える長鳴鶏の宿屋の使い方を教えてもらい、迷宮が存在する樹海の第1階層、翠緑ノ樹海へ入ることになる。
「ここから……アリスの冒険者としての旅立ちが始まるのですね!!」
「……それにしても限定同行者というだけあって普通にレベル高いですね……こっちは1なのにこの二人は31って」
ゲーム開発部の部室。そこではモルフォが持ち込んだ3DSを手にアリスとケイが目を輝かせながら画面を覗き込み、迷宮が広がる樹海の中へと入っていた。
新・世界樹の迷宮ミレニアムの少女。それは、世界樹の迷宮と呼ばれる作品の一作目のリメイクである。従来の世界樹の迷宮は、キャラクターを自分でメイクすることで自分で作ったキャラで冒険者ギルドを組んで迷宮を踏破していくという話になっているのだが、新・世界樹の迷宮シリーズではストーリーモードが搭載されている。こちらでは予め用意されたキャラを操作することになり、従来のキャラクターをメイクして遊ぶ方式はクラシックモードとして分けられて搭載されている。
「それにしてもミレニアムねぇ……」
「といっても別にうちらとは関係ないけどねこれ。単純に千年って意味だし」
地図はある程度描かれており、それを追加で書き足して完成させることが最初の目的となる。地図はタッチペンを使って描くという方式となっており、壁や床だけでなくアイコンやメモも置いて細かく作ることが可能となる。さらにスキルポイントの説明なども受け、アリスはキャラクター画面を開く。
「ハイランダーなのに槍なんですか?」
(そういえば何が由来なんだろうハイランダー……確かそういう部族がいたようないなかったような)
主人公はハイランダーと呼ばれる今作初登場の職業となっている。ハイランダーは槍を使う職業なのだが、スキルにはHPを消費したり、HPが消費されることで他のスキルを誘発するなど、中々癖が強いものとなっている。その分、使いこなせばかなり強力なものも多い。
「いいなぁ、こういう地図を書いていくの」
タッチペンを手に取り、地図を書き込んでいくアリス。その様子を見て、ミドリもわくわくした様子だ。そんな中、初エンカウントしたことで戦闘が始まる。レン達の職業についても軽く説明を受けながらレベルの暴力で突破したり、迂闊に好奇心を出すと痛い目を見ることもあるという迷宮内のイベントによるチュートリアルの洗礼を浴びたりしながら地図を作り上げていく。
「細かいところは書いていく必要があるけど……歩いたところは勝手に記録されるのは楽そうだね」
「そこも含めて書くのも醍醐味のように思えるけど……」
「まあその場合は設定を弄ればできるから平気平気」
ミドリのニーズにもきちんと対応している。そんな中、伐採、採掘、採取と呼ばれる、ダンジョン内に存在する素材の習得スポットで素材を入手することと、素材を集めている時に後ろから魔物に襲われる可能性もあるという警告を受けたり、ある一方から通路を開通させることで以後は自由に行き来が可能となるショートカットを開通させたりする。
(ベテランがいるから毒吹きアゲハで阿鼻叫喚になったりしないんだよなぁ……初心者とかにはいいことなんだけど……というかやっぱりリメイク前よりショートカットの位置が分かりやすいな……目印がついているし)
そして無事に地図を完成させ、樹海を出ようとすると地震に襲われるアクシデントを経験する。そんな出来事もありつつ執政院の職員、オレルスへと報告し、レン達と別れた主人公はミッションのクリア報酬を受け取ることになる。
「レベルが上がりました!」
(この作品とかはミッションやクエストクリアで経験値が入るのも便利なんだよね)
その後、シリカ商店で敵を倒したり採取したりして得た素材を売り、解禁された道具やらを補充する。その後、頻発する地震と関連がある怪音をハイランダーに調べてもらいたいと新たなミッションを受け、遺跡へ向かうことになる。グラズヘイムと呼ばれるそのダンジョンは、
「なんか急に近代的に……」
「まるで廃墟のようですね」
「確かに……何年も放置されて朽ち果てた研究所か施設みたいな感じはする。扉とか自動で開閉するし絶対そうだよ」
例えるならミレニアムの廃墟をもっと自然に満ち溢れさせたかのような打ち捨てられた様相だろうか。そんな、エトリアの町と比較して明らかにオーバーテクノロジーによって生み出されたとしか思えない遺跡を探索していた主人公は謎のタッチパネルを使って扉のロックを解除する。だが、主人公にとってはこれはタッチパネルやそれを表示させる端末ではなくただの箱、という認識なのが今と昔の技術の差を感じさせる。
「……え、これって」
「人が眠ってる……!?もしかしてこれって」
そして移動した先でムービーに入る。そこでは、主人公があるカプセルを見つけるのだが、そこで眠っていたのは一回り程大きな、宇宙服にも似たスーツのようなのようなものを着た金髪の少女。彼女が目覚め、主人公に寄りかかると同時に天井が割れ、魔物に追われた金髪の少年、アーサーと盾を持った赤髪の女性、ラクーナ、白衣の青年、サイモンが入ってくる。そこにラクダのようにも見える魔物が乱入し、それを前にした金髪の少女はスーツを脱ぎ捨てると、ハンドガンを構える。
「わわ、一気に味方が増えました!」
「この四人がメインキャラですかね?」
アーサーはアルケミストと呼ばれる火、氷、雷の三属性による攻撃を得意とした後衛職である。他にも毒技などの小技も揃えている。
ラクーナはパラディンであり、相手の攻撃から仲間達を守り、ダメージを抑えたり自分にヘイトを集めたりするなど様々な防御系の技を扱える前衛職だ。
サイモンはメディック。回復を主とした所謂ヒーラーである。
そして金髪の少女ことフレドリカはガンナー。これは世界樹の迷宮Ⅱで登場した職業であり、相手の頭、腕、脚を縛ってスキルを防ぐスナイプ系スキルや属性攻撃を可能とするショット系、他にも攻撃系のスキルを取り揃えていると、一通りのものが揃っている後衛職である。
初めて触る職業の数々を駆使してボスと戦うアリス。その様子を見ながら、ユズ達四人はアリスと初めて出会った時の事を思い出して既視感を感じていた。
「なんか、これ……」
「でもゼロもそうだったしやっぱり封印されてたとか眠りについてたとかは定番ではある……」
「まあそれもそっか……」
戦闘後、四人と自己紹介をする主人公。サイモン達はミズガルズ図書館と呼ばれるところから調査に来たようだ。そしてフレドリカの方は名前以外を思い出せなくなっており、それを聞いたサイモンは一時的な記憶の混乱なら縁のある場所を巡るなどすれば思い出せるかもしれないと助け舟を出すと、フレドリカは一緒に遺跡を探索してほしいと言う。それにサイモン達も一緒に調査をしないかと提案し、主人公も了承、それにより五人のパーティが結成されることになる。
「……しかしこの主人公、片方はともかく、どうしてもう片方が冷たい選択肢なんですかね……」
「そりゃあ……クール的なロールプレイがしたい人向けとか……?あ、一応会話は変わるけど最終的な流れ自体は変わらないからそこは大丈夫」
その後、フレドリカが眠っていた装置を調べると冬眠装置だということが判明する。遺跡の文字は古代文字と呼ばれる程に古い時代のものとなっており、フレドリカは過去からコールドスリープでこの時代に訪れたことがプレイヤー目線で判明する。
「あれ、じゃあフレドリカは人間なの?」
「冬眠ってことは……?」
「それにしてもコンピュータも存在しない時代って恐ろしくない?」
「わかるわかる、デジタルゲームもないよねきっと……」
遺跡の中を進んでいく五人。だが途中で通路が塞がってしまい、奥に行くには転移装置を見つける必要がある。そのために世界樹の迷宮の方を探索する必要があり、エトリアに戻った主人公達は執政院に向かう。そこで迷宮に入るため冒険者ギルドを作ることになる。
「冒険者ギルドです!」
「名前は……どうしますか?」
「ゲーム開発部でいいんじゃない?」
「でも私達じゃないじゃん……」
「それはクラシックモードにお預けかな……」
「タイトルがミレニアムの少女だからミレニアムでいいんじゃない……?サイエンススクールまで入らないけど」
「!それにしましょう!」
ギルドの名前で少し悩むも、ユズの一声でストーリーモードの冒険者ギルド名がミレニアムに決定される。そして酒場に向かい、そこでクエストについての説明も受けつつ、親睦を深めた五人は本格的な探索に出るのだが。
「……グリモア石?」
「グリモア石を使ってメディックなのにソードマンの力を……職業に捉われずにスキルを使えるのは便利そうですが……」
「クラシックだと色々用途に合わせてキャラを育てられるけど、ストーリーモードだとそういうのできないからね……」
本作にはグリモアと呼ばれるシステムがある。それは、グリモアと呼ばれる宝石を装備することでそのスキルを使用できるというものだ。これにより、プレイヤーキャラのスキルだけでなく、敵のスキルも味方が使用することができるようになるのだ。グリモアは戦闘中に生成されることがあり、それを集めて冒険者を強化することも大事になる。
「えっと、これで地図は大体書き終えましたね!」
「!フロアジャンプですか……確かにファストトラベルできるのはありがたいですね」
グリモアについてのチュートリアルもそこそこに、地図をあらかた書き終えて次のフロアに向かおうとする。そこで、階層を移動する階段部分のアイコンが黄色く染まり、そこをタッチするだけでワープすることが可能となる。このファストトラベル機能は樹海探索に大いに役に立つものとなる。そして次の階層へ降りると、そこでFOEと相対することになる。
「これは……鹿?」
樹海の中を徘徊するシンボル、狂える角鹿。他の敵がランダムエンカウントで戦う中現れたシンボルエンカウントする強敵であり、この時点のステータスではまず勝てない強敵となっている。サイモンらも戦闘を回避した方がいいと推奨するこのFOEはマップにもアイコンが出ており、プレイヤーは倒せる算段がなければ基本的に避けることになる。
「絶対遭遇しちゃいけないやつじゃん」
「とりあえず戦うなら準備ができてないと厳しいかなぁ」
とはいえ、フロアジャンプがあるならば無理をする必要もないかと一旦撤退する。だがエトリアに戻った五人を出迎えてくれたのは一人のメイド、ローザが現れる。彼女はラクーナの実家である名門シェルドン家から来たと言い、五人をサポートすることになる。五人はローザに連れられ、シェルドン家が用意したギルドハウスに移動する。
ギルドハウスでは倉庫が使えるだけでなく、グリモアの装備や合成、そしてギルドキーパーという項目から冒険で役立つ恩恵を得ることができる。ローザの場合は紅茶を出しており、それによって様々な恩恵を得ることができるようになる。
そしてフロアジャンプを利用してB2Fに辿り着いた五人はFOEを避けながら探索を進めていく。出現する魔物も突、打、斬という物理の三属性のどれかに耐性を持っているような存在も増えており、それぞれに効果的な攻撃を模索しながら進んでいくことになる。FOEには様々な種類がおり、大岩に扮している岩イノシシのような個体までいる。それらを避けながら地図を作り、B3Fに降りると今度は巨大なカマキリのような、明らかにこれまでとレベルが違うとしか思えないFOE、全てを刈る影がフィールドに現れる。
「皆逃げろと言ってますね……これは絶対に相手しない方がよさそうです」
メッセージからすら逃げることは恥ではないと言われる始末だ。一旦戻りセーブを入れてからB3Fを攻略していく。そして、B4Fへ向かおうとすると途中でレンとツスクルに再会すると、執政院から話を聞くまでは先へ通せないと言われてしまう。大人しく執政院に戻って話を聞いてみると、危険な魔物が出現したことで、それを排除するためのミッションを受けることになる。それはスノードリフトと呼ばれる狼型の強力な魔物であり、フォレストウルフと呼ばれる狼の魔物達を従えているのだ。
「下の階層から強力な魔物が出てくる……このスノードリフトが第一階層のボスなのかな?」
「そんな感じはするよねー」
「ここからは戦いも激しくなりそうですし、一旦クエストや装備の方をやっていきましょう!」
そして少し本筋から離れてクエストなどをやり、再び樹海に戻る。そしてレン達も五人を先へ通すと、B4Fに。そこを進んでいくと、白い毛並みが特徴的な狂暴そうなオオカミ、フォレストウルフを発見し戦闘になる。
「うわっ、フォレストウルフが仲間を呼びました!」
「こいつもそこそこ強いのにFOEに囲まれるのは洒落になりませんよ……!」
フォレストウルフは遠吠えを使うことでFOEを呼ぶことができる。そのため、五人は急いでフォレストウルフを撃破し何とか増援を待たずに勝つ。その後、遠吠えをかき消して相手の1ターンを消す轟音弾を受け取り、いよいよ第1階層の最終フロアであるB5Fへと入ることになる。
そこで周囲のFOEを怯ませる明滅弾も受け取り、遂にスノードリフトの住処へと足を踏み入れる。一際巨大なオオカミの出現と同時に、水色の体毛のオオカミたち、スノーウルフも現れ、五人はスノーウルフを明滅弾で食い止めながらスノードリフトと戦うことになる。
「さすがに手強いですね……」
「でも、そこまで苦戦するといったことはないですね。難易度も一番高いものを選んでるわけではないというのも大きいですが……」
「フロア毎に戻ってるから、結構アイテムとかも潤沢なんだよね」
「ギルドハウスのバフ効果も結構……」
(フロアジャンプがないと荷物とか全部持って最初のフロアから最下層まで行くいくことになるんだよな……そう考えるとフロアジャンプは偉大だ……)
そして第2階層、原始ノ大密林へと下っていく。そこには天に上る赤紫色の光の柱が存在しており、これが五人が当初グラズヘイムの奥に向かうために探し求めていた樹海磁軸だったのだ。
「これが……」
「これを使えばワープできるんですね」
スノードリフトの一件を執政院に報告したり、酒場で祝杯を挙げたりした後、五人は今度こそグラズヘイムを攻略するために樹海磁軸で転移する。今回探索する部分は暗闇のマップを、明るくしたりまた暗くしたりしながら進んでいくものとなっており、明かりによって行動が変わる魔物の習性を利用することになる。そしてグラズヘイムの奥で、クァールと呼ばれる存在と戦闘を行うことになる。だが戦いの舞台となる暗闇の中では攻撃を当てられない。そこで部屋の明かりを点けることでクァールの姿を捉え、戦闘を開始することになる。クァールは睡眠の状態異常を仕掛けてくるなど厄介な攻撃を用いてくるが、ハイランダーが持つスキルを組み合わせることで生まれる大火力などを駆使してクァールを撃破し、部屋の探索を開始する。
「……最初はごちゃごちゃしていると思いましたが、結構火力が出ますね……」
「そうなんだよね……ハイランダーは十分強いというか」
そしてクァールと戦った部屋の奥に巨大な端末を発見する。それにフレドリカが触れると端末が起動し、エリアⅡでマイクに接触すればいいことが明らかになる。そのために新たな樹海磁軸を探すことになり、五人は樹海の第二階層の探索を開始するのだった。
「こうやって二つのダンジョンを交互にクリアしていくことになるんですね」
「そうなるね。次は第2階層……第1階層よりずっとジャングルになってるね……」
密林の探索は、これまでよりも強力なFOEが徘徊し、耐性やスキルも嫌らしい敵が増えてくる。第1階層なんてチュートリアルだと言わんばかりの難所の数々。だがここで事件が起こる。
「うわーん!全員眠ってしまいました!!」
「罠すぎる……」
甘い匂いのする花に触れるかどうかというイベントに遭遇する。そこでアリスは何のことなしに好奇心から触れることを選択すると、危険な花びらという敵に襲われ、最初の一撃で全員眠らされてしまう。その間、タコ殴りにされ続けてしまう。幸い敵は一体だけだったので全滅するといったことは避けられたが、注意しなきゃいけない敵をさらに認知することになる。
そしてB8Fまで順調に潜ってきたところで飛竜の巣を通らなければいけないという事態になる。
「うわ、なんかでっかいの出てきた……」
「ドラゴンです!……勝てますか?」
「無理」
モルフォにきっぱりと断言される。とはいえアリスもある程度予想していたのか、雷を放ちプレイヤーを蹴散らそうとする飛竜を避けて進んでいく。そんな中、アーサーとサイモンは昔、災害に巻き込まれて住んでいる町が一夜にして吹き飛んだという話を聞く。
「ここでそんな話が出ると言うことは事件となにか関係が?」
「どうでしょう……」
そして、遂に五人は第2階層のボスである密林の魔物ケルヌンノスと相対することになる。巨大な角を生やした二足歩行をする大型の魔物と対峙した五人は、ケルヌンノスの持つ圧倒的な火力に目を見開くことになる。
「うわーん、火力が高いです!」
「パラディンで守り、メディックで回復してハイランダーとアルケミストで火力を叩き込んで……でもジリ貧ですね……」
「グリモアでステータスを下げる呪言スキルを持ってるからそれを使ってもいいし、後はスナイプ系で単純に行動を縛るかだね」
「となると、フレドリカが大事ですね
本来はカースメーカーという職業のスキルである呪言スキル。それをグリモアにしていることで職業が違っても扱えるのだ。それでケルヌンノスを弱体化、さらにフレドリカのスナイプ系でケルヌンノスのスキルを封じ込めようとする。が、HPが減ってきたケルヌンノスがここで仲間の魔物達を呼んでしまう。しかも厄介なことにここで呼ばれたヒーラーボールというアルマジロのような魔物はケルヌンノスを回復させてしまうため、こちらの対処も余計に強いられることになってしまう。
「TPが……もうTPが尽きかけです!」
「いや、だけどもうちょっとじゃない!?」
「いけるいける、アリスちゃんもうちょっとで……」
そして数分に及ぶ激闘の末、、遂にケルヌンノスは倒れる。死闘を制したことをアリス達も主人公達も喜び、それもそこそこにそのまま第3階層、千年ノ青樹海に向かうことにする。まるで海の中を思わせる青を基調とした景色の中、樹海磁軸を見つけた一行は一旦町に戻る。ケルヌンノスを倒したことで既にこのエトリアの町ではミレニアムは有数のギルドとして称えられる程になっており、様々な反応を町の人達から聞きながら準備を終え、新たな樹海磁軸を用いてグラズヘイムエリア2へ転移する。
過去の超技術に舌を巻きながら探索を進めた一行は、巨大な蜂のような敵、クイーンビーと遭遇することになる。先へ進むためにクイーンビーと戦うことになるのだが、クイーンビーはその名の通り、毒を操ってくる。世界樹の迷宮シリーズでは毒はかなり強力な状態異常であり、敵味方問わずに大きなダメージを受ける代物になっているのだ。
とはいえ特筆すべきは毒ぐらいで回復を怠らずに戦えばクイーンビーはケルヌンノスよりは戦いやすい。そしてクイーンビーを倒し、先へ進むとある巨大な端末を見つける。そこに宿るAI、それがマイクの正体であった。
「マイクの正体がAI……」
「一緒にコールドスリープしてきた人じゃなかったんだ」
マイクは千年前からここにおり、フレドリカの事を愛称であるリッキィと呼ぶ。そしてフレドリカは長い冷凍睡眠で記憶障害が起こっていることを明らかとし、その記憶を蘇らせるための処理を施す。その間にサイモン達の疑問にマイクは答えていく。その中で、グラズヘイムの中には厄災を滅ぼすために作り上げられた千年前の兵器、グングニルがあることを告げる。そしてエトリアで起こっている異変についても情報を述べる。
エトリアが揺れた時にグラズヘイムの観測機が反応。それにより、復旧を試みようとしていたのを総称して一つの異変とエトリア側が認識していたのが原因であると。そしてエトリアが揺れるのは災厄が目覚めたからだと。そして、その災厄について説明する前に千年前について話し始める。
『あの頃、世界の環境は今よりも遥かに酷く、つらいものでした。空は常に薄暗いスモッグの雲に覆われ、大地に酸性雨が降り注ぎ、人類の食糧である農産物の生産ができなくなります。結果、国力の劣る地域から人類は倒れ、食料を求める争いが始まりました。人類の数は劇的に減少したのです…』
マイクが語ったのは、千年前の文明がどのような状況にあったのかの内容。反映しすぎた科学技術が環境を汚染し、その果てに世界は終わりへ向かおうとしていたのだ。だが、そこに一つの希望が現れたのだという。
『汚染された大地を、汚れた空気を、世界を浄化する存在が用意されたのです。それが、世界樹計画。世界の7地域に用意された巨木と植物群。これら植物が大気を正常化し始めます…世界は、少しずつ、少しずつ、この特殊な植物によって浄化されました。そして今…、あれから千年の後、世界の汚染は消え、世界は救われました』
世界樹の迷宮。そこにある植物こそがこの世界の環境を修復した救世主であった。とはいえその千年の間、文明は持たなかったようだが。しかし、千年後の今を見るに、世界は間違いなく救われているはず……であった。だが、災厄はまだ終わってはいなかったのだ。
『しかし、皮肉にも、世界を救った世界樹が人類の敵となるのです。世界の汚染を吸収し続けた世界樹は、その奥に分解しきれていない汚染物質を千年分、宿しています。その汚染を宿す世界樹の核。それがフォレストセル。災厄の名です』
大量の汚染を抱えた核は今度は生態系を狂わす魔物へと成長、変異する。汚染を餌として成長したセルは、その汚染を求めてこの浄化の進んだ世界で動き出すとマイクは予測していた。しかも、セルは千年間生きていたことで脅威の戦闘能力と再生能力を兼ね備えている。それが暴れてしまえば誰も止めることはできず、仮に倒せたとしてもその再生能力ですぐに復活してしまうだろうと。その話を聞いたマイクとサイモンが過去を思い出す。彼らの故郷にも世界樹があったということを。そして彼らの町に起こった悲劇もフォレストセルの影響なのかと聞くが、マイクは他の世界樹についてはどう対応されたかはわからないと言われてしまう。だが、こういった危機に対処するために自分とリッキィがいるのだと告げ、記憶を取り戻したフレドリカが現れる。
フレドリカはこの時代の人間を巻き込まないようにするため、自分とマイクで解決すると言うが、ここまで言われて主人公達も引き下がるわけにはいかない。この時代の危機と言うなら、セルを倒すためにも自分達も手を貸さない理由がないとし、主人公達もフレドリカに協力し、グングニルを起動するため、残るグラズヘイムの三つのエリアを探索することになる。そのために、迷宮で三つの樹海磁軸を見つけることになるのだった。
「滅んだ過去の文明、環境汚染の果てに生まれた怪物……そして、千年後に目覚めた少女をサポートする、AI……」
ぽつりと呟き、黙り込んでしまうケイ。その様子を見ながら、やっと目的が見え始めたことでアリス達は盛り上がりながら第3階層以降の迷宮探索に乗り出すのだった。