転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする 作:popoponpon
第3階層に到着した一行だが、やること自体は変わらない。FOEを避けながら蟻や蛙のような敵を始めとするランダムエンカウントの魔物達を倒しつつ、ミッションで作成する必要のある地図を作りながらもアイテムの為に探索し、クエストをこなしていく。
「このアリの卵……凄く気持ち悪いですね。ぶよぶよしてます」
「これを壊せばFOEを一斉に駆逐できるから、チャンスがあるなら破壊を狙っていきたいね」
この階層の前半ではマップ上に卵のオブジェクトがある。その周囲を蟻のような姿のFOEがうろついており、卵を破壊しない限りFOEは無限湧きするという中々に強烈なギミックが存在している。そのため、FOEを避けつつ巣を処理したりしながら、次のフロアへ急ごうとするのだが、
「あ、あれは……」
「うわ、でっか……」
巨大な女王蟻、クイーンアントを地図を完成させるために倒すことになる。この強敵は土けむりと呼ばれる命中率のダウン効果と状態異常の盲目を同時に与える厄介なスキルだけでなく、火力のある嚙み砕きも使用してくる。さらにフロア中に卵を産んでおり、戦闘中に卵から孵った蟻達が乱入してプレイヤーを窮地に陥れてくるという恐ろしい戦略すら取ってくる。
「うわーん!全然攻撃が当たりません!!」
「これ命中率ダウンとかどうにかならないの?」
「ストーリーモードだとスキルでは無理だね……時間経過で解除されるからそれでどうにか」
「あっ混乱しちゃったけど!?」
とはいえ、火力自体は確かに驚異的ではあるもののラクーナとサイモンさえいれば何とか持ち直すことは可能だ。それよりも命中率が下がるのが一番きつい。とにかく速攻で決められるように祈りつつ、必死に攻撃を仕掛けていく。そして死闘を続けること実に十分近く。ようやくクイーンアントが沈む。
「勝ったー!」
「いや、強かった……」
「厄介だったけど、クラシックだと違うの?」
「クラシックは職業が自由だからね……そこはやっぱりでかいかも……」
「「ああ……」」
クイーンアントを倒して地図を完成させ、ミッション報告と補給のために一旦街へ戻ってくる。そしてミッションを報告すると、オレルスは、長が遺跡で見聞きしたことはにわかに信じがたいというスタンスを取っており、遺跡の調査についても一度改めるべきではないかという意見を口にしていることを伝える。とはいえ厄災に関する話を放置するにはあまりに危険すぎるということで、迷宮探索の方を進めている間に説得をしてみせると言われ、迷宮に現れたという謎の知的生命体についての調査ミッションを受けることになる。
「ここで新しい重要人物ですか……それにしてもこのフロアは?」
「水の中に……蟹?」
「これFOEじゃん!?」
B13F。そこは水路が広がっており、その水路の中には蟹のようなFOEが存在する。戦闘に時間をかければこのFOEが水路を通じてこちらに近づき乱入してくるという厄介なエリアになっているのだ。
「属性の方もフロアに合わせてグリモアで切り替えたりしていく方がいいですね……」
「ここまで来たらちょっと持ってくるアイテムも少し豪華にして、準備のための資金稼ぎで第2階層に行く、とかもしてもいいのかな?」
「うん、ユズの言う通りだと思う」
中盤戦の第3階層ともくれば難易度は良い感じにきつくなってくる。アリアドネの糸だけ突っ込んで突撃して、なんてやっていたら探索時間は短くなってしまうため、長期的な探索を考えるとある程度アイテムを持ち込む必要もそろそろ出てくる。尤も、このゲームでここまで無理ができたのはやはりフロアジャンプの恩恵も大きいのだろうが。
「花に乗って移動……これ面白いかも」
「確かに花に皆で乗ってってのも楽しそうだよねお姉ちゃん」
水場の移動に一列にしか動かない桃色の花の形をした浮島を使うようになり、ちょっとしたパズル要素も出てくる中、地図を描きながらあーでもない、こーでもないと言い合ったり時々戻ったりしながら進めていくと。遂にミッションであった謎の存在と対面する。それは、先端がほんのり赤く染まった黄緑色の髪に赤い目の少女だった。だが、その肌は完全な色白であり、普通の人とはちょっと違うように見える。
「これが……」
「迷宮の原住民?なんか凄い伝統ありそうな服装って感じするけど……」
「……文章だと異形って書いてますけど、全然普通の人っぽく見えますよね?」
「ま、まあ肌とかそういうの見て言ってるかもしれないから……」
少女は森から立ち去れと主人公達に警告すると姿を消してしまう。次に会ったら容赦はしないということなのだろう。とはいえ、ここで退くわけにもいかないため、主人公達はそのまま攻略を進めていく。そして第3階層の最終フロアであるB15Fに入り、この階層のボスのいる扉の前まで辿り着く。そのボスのいる部屋にはいると、そこには一人の少女がおり、聖地に入ってきた主人公達に敵意を向けてくる。自らを樹海の民と名乗り、神の言葉に従うといい、巨大なエイのようにも見える魔物、樹海の守護者コロトラングルを差し向けてくる。
「でかいね」
「ですが、アリス達ならばきっと勝てます!」
そう意気込んだのはいいものの、初戦では散々な結果となってしまい、一旦対策を取ることになる。
「しょ、初見殺しが強すぎます!」
「まあこれが世界樹の迷宮みたいなところあるし……むしろここまではよく尖らせなくてもなんとかなってたなぁ」
「え、元々こういうゲームだったの!?」
というのも、このコロトラングルの最も厄介なスキルとしてHPが半分以下になると使用する大海原の侵食というスキルがあるのだが、これが複数回の氷属性の攻撃に加え、睡眠まで付与するというあまりにも厄介すぎる性能を持っているのだ。このスキルを前に全滅したことで、パラディンのラクーナが持つ、氷属性の攻撃を一度だけ防御するスキル、フリーズガードのレベルをさらに上げ、追加効果を防げるようにして再挑戦することになる。
「!かなり楽になりました!」
「ただこれはこれでラクーナのTP消費が重そうですね。アムリタは一応複数個持ってきていますが、最後まで持つといいんですが」
「まあその前に力押しでどうにか……やった!」
ちゃんと対策したおかげもあってか、前回よりも格段に楽にコロトラングルを撃破することに成功する。コロトラングルを破った主人公達を見て、少女は不自然なほどに息を切らせながらも睨みつけると、森だけでなく我らも汚す者と吐き捨てて逃げてしまう。その言葉の意味はわからないが、その場に少女が逃げる際に落としてしまったであろう謎の石板を回収し、執政院へと戻る。そこで、報告に際し、エトリアの長であるヴィズルと出会い、彼に石板を渡すことにする。そして、彼から改めて遺跡調査を中止にしてもらいたいと告げられてしまう。
「え!?なんで!?」
「……なんか胡散臭いですね。隠し事をしているように見えます」
しかし、主人公達は何とか探索の許可をもぎ取るも今回の件について口止めされてしまう。それは、オレルスにすら伝えられないほどであったが、主人公達は長から禁じられていたその情報を彼に伝えると、オレルスは礼を言い、自分の方でも調べてみると言ってくれる。
(……しかし、リッキィが知っているヴィズルの名……世界樹計画に名を連ねていた人物の名が今の時代に……これは、偶然なのか同一人物なのか……)
「ケイが難しい顔をしています」
「予想考察は楽しいからね」
迷宮探索が一区切りついたことで、第4階層である枯レ森へと入る。そこは文字通り、地面は砂だらけになっており、木々も枯れかけていたり生命力が消えかかってる中でも逞しく生きている様子が見える。そこで樹海地軸を発見し、新たなエリアであるグラズヘイムAREAⅢへ向かう。
「えーと、グングニルのロックを外すために端末見つけるんだっけ?」
「間に迷宮攻略を一階層分挟むしそちらでは当然ですが兵器の事とかはあまり関係ないのでちょっと忘れかけますよね」
(まあリメイクでグラズヘイムとストーリーを追加している形になるからそこは……)
グラズヘイムに到着した主人公達へマイクが音声を飛ばす。幸い電気系統は無事だったということでこのフロア特有の仕掛けなどを気にせずに探索を進めることができるようになり、主人公達は魔物だけに集中して進めていくことになる。途中、FOEをスタミナ切れで疲弊させることで先へ奥へ進むという追いかけっこもしつつ、ボスのいる部屋の前に辿り着く。そこでマイクから雷を使う牛のような姿をしたボス、グアンナが部屋の中にいると警告してくる。
「雷……どうしよう、スキル変えた方がいい?今のラクーナのスキル……」
「ショートカットは開通できるから、一回セーブしてから挑むのは?ついでに解析グラスで弱点を見つけてそれに合わせてアーサーとリッキィを振り直すのもいいかも」
「なるほど、そういう形もありですね!」
「……こうなると五人でやりくり、というのもどうしても痒い所に手が届きにくい感じになってしまいますね」
「まあ元々クラシックだと30人登録できるから採集系担当のパーティとか○○用のメンバーとかそんな感じで振り分けるのも想定してるからねぇ」
一旦セーブのために戻ってからグアンナとの戦闘を開始すると、稲妻の突撃と呼ばれる全体雷攻撃を喰らって一気にパーティが半壊しかける、他にも即死攻撃やら呪いの状態異常やらで大変なことになってしまう。だが解析グラスを使うことで弱点が氷属性であることもわかったため、パーティのスキルもそれに合わせて振り直し、再戦闘。グアンナの火力も大したものではあるものの、スキルをグアンナ用に尖らせていたこともあり何とか撃破。これによって端末を操作し、ロックを解除することになる。
「対策しないととんでもないことになるボス……いいよね」
「こういう難易度は確かにユズちゃん好きそうだよね……」
「でも難易度次第なんですよね?」
「うん、一番低い難易度だと普通にごり押しできちゃうからよくできてるよ」
その後、マイクに主人公達は迷宮の中で出会った謎の少女のことをマイクに聞く。マイク曰く、あれはフォレストセルや樹海が生みだした免疫のようなものだと言う。グングニル発動の障害になる彼女達を排除すべきというマイクに、戦わずに済む道を探したいと考えているラクーナはあまり良くない表情を浮かべる。しかし、マイクはセルが地表に出た際の被害を踏まえ、絶対にフォレストセルを根絶しなければならない、そのために自分やリッキィはこの時代にいると主張する。どちらにも理がある発言を前に、まずは少女のことを知ってから答えを出すという方針で話は固まり、主人公達は再び迷宮探索に戻ることになる。
「ロックは後二つ……とすると第6階層まであるってこと?」
(ああ、第6階層まではあるんだけど……)
枯レ森に戻った主人公達は流砂によって自動的に流されてしまう床や、木に擬態するFOEの脅威に晒されながらも先へと進んでいく。そしてB17F、再び主人公達は例の少女と再会し、話をすることになる。モリビトと称される彼女らは語る。古き時代にモリビトは聖地を守るため、樹海に侵入した人と戦った歴史が存在し、それぞれ樹海の内外で住まい、干渉しないようにする協約が結ばれたこと。しかし現在、人間達は長い歴史の中でその協定を忘れ、こうして迷宮の中に足を踏み入れている。それ故にモリビトは人間を敵視する。それが、彼女達の背景だった。
「昔に結んだ協約を破ったから、か……」
「まあ、向こうの言い分としては真っ当ではないでしょうか?とはいえ……」
「フォレストセルのこととかある以上、モリビトも無関係じゃないもんね……」
加えて少女は、モリビトの間に謎の熱病が流行していることを告げる。熱病にかかった者は血を求めて暴れるようになり、異常な力を発揮して他者をも襲い始めるのだと。それは同族にすら向けられており、治療する術もない。当然患者は増え続け、今やモリビトは存亡の危機に陥っていた。そんな状態で協定を破って人が入り込んできた。となれば第3階層の時のようにピリピリとするのもある意味当然のことだろう。最後に少女に主人公達はフォレストセルという脅威が聖地に眠っていることを告げ、樹海も街も全て滅びると言う。
少女はその言葉に考える素振りを見せるものの、この先には暴走したモリビトが徘徊しており、少女すらも彼らを避けて移動している有様だと告げる。もし先へ進むのならば、人とモリビトの争いは避けられないものとなる警告して去ってしまう。主人公達は一旦エトリアに戻ることにし、執政院にこのことを報告する。それを受けたヴィズルは、その協約はデタラメだと一蹴し、モリビトを殲滅するというミッションを発令してしまう。
「やっぱり戦うしかなさそうですね……」
ヴィズルのモリビトに対する不穏な様子。モリビトに関する情報は執政院にも残っておらず、加えて歴史が一部改竄されているという事実が明らかになる。そして、ヴィズル自身にも、彼本人とは違う不穏な気配が見れるなど、物語も大きく動き始めていく中、モリビトの熱病の治療方法を探すため一度マイクの下を訪れることになる。そんな主人公達にオレルスは、ミッションに無理に従う必要はなく、あくまでセルの対処だけを考えてほしいと告げ、グラズヘイムへ向かう主人公達を応援する。
「やっぱり良い人だね……」
「結構好き勝手やってるけどヴィズルの方は大丈夫なのかな……」
グラズヘイムに到着した主人公達はマイクにモリビトの治療方法を聞く。マイクは回答することに難色を示すも、サイモンはモリビトが狂暴化し戦闘能力が上がっていることに触れ、治療方法を提示する形で戦闘を避けて先へ進む方が効率的だと説き伏せる。しかし、セルの瘴気の影響で起こっているため治療は不可能だという無慈悲な回答が突きつけられてしまう。そればかりか、瘴気に侵され暴走した個体を通じて更に瘴気が広がり二次被害が起こるという悪循環が起こると告げ、被害を止めるためにはむしろ積極的に葬らねばならないと告げられてしまう。暗い顔をするラクーナ達だったが、主人公達はまだ感染していない、生き残っているモリビトを守るために暴走した個体を倒すことに決め迷宮に戻る。
「……そういえば言うタイミングがなかったのですが、第4階層から戦闘BGMが変わってますよね」
「あ、わかる。後半戦開始、って感じがしていいよね」
B18F。ここからは暴走したモリビトもランダムエンカウントで登場し始め、遂に戦いの火蓋が切って落とされてしまう。それを潜り抜け、B19Fではワープポイントを利用して探索を進めていく。敵もどんどん強くなっていき、定期的に補給の為に戻ることも増えてくるが、それもフロアジャンプによって探索を途中で切り上げやすくなり、復帰しやすくなるという利点もあってそのハードルも低い。
「……うわ、めっちゃ怒ってる」
「まあ、しょうがないよね……」
そして第4階層最終フロアであるB20F。そこでモリビトの少女と相対する。彼女は仲間達を倒してきた主人公達のことを当然よくは思ってないのだが、ここであの熱病は治療方法が存在せず、殺さねば周囲にさらに感染することを告げられると、心当たりがあるのか戸惑った様子を見せる。しかし、仲間達を殺したことと聖地へ侵入したことは事実とし、主人公達を倒すために少女は表情を歪ませながら魔物を呼び出す。
『モリビトの長の一族に伝わる秘儀、シララが見せる最後の力だ!いでよ、聖鳥イワオロペネレプ!』
自らの名、シララを告げると共に最後の力で巨大な黄色い翼をもつ鳥を呼び出す。イワオロペネレプの周囲にはFOEとなったモリビトも徘徊しており、モリビトの乱入も考慮しながら戦うことになる。
「モリビトとの決戦ですね……」
「いいのかな本当に倒しちゃって?」
「でも、そうしないと話進まなさそうだし……そういえばスキル、対雷属性のままだけどいいの?」
「いや……多分これは」
イワオロペネレプと戦いが始まると共に周辺のFOEも戦闘の場に向かって移動を開始する。それまでの間に可能な限りダメージを与えたいところだが、ここで偶然の噛み合いかグアンナ戦のために調整していた雷属性攻撃を対処するためのスキル構築が刺さる。加えて部位を縛ることでスキルの使用を防いだりといったことを重点的に行った結果、危ういところは確かにないわけではなかったが思ったよりは苦戦せずに倒すことに成功してしまう。
「……か、噛み合っちゃった」
「初見ボスなのに普通に倒せちゃったね……まあ、運よく一手で縛りが入ったりしてくれたことも大きいけど」
イワオロペネレプが倒され、シララが再び姿を現す。シララはもう主人公達を止める術はないと悟ったのか、主人公達に先に行くことを促すと倒れてしまう。シララはイワオロペネレプのためにかなりの無理をした結果、一気に衰弱している様子であった。そのまま気絶した彼女を助け、話をするために主人公達はシララを連れて街へ戻ることにする。
「えっと、シララは街に連れ帰って大丈夫なの?これ?」
「ま、まあなるようになるから……」
オレルスにシララの事を伝えると、オレルスはシララが目を覚ますまで執政院で看ようという。しかし、ヴィズルのことを気にするサイモン達だったが、ここでオレルスはヴィズルは姿を眩ませてしまったと伝える。樹海の最深部に向かうとだけ言い、消えてしまったヴィズルを迷宮探索の際は探してほしいと主人公達に頼む。そして執政院を出た主人公達は、ここでヴィズルが戻ってきてしまえばミッションに違反した罰として探索を禁止されてしまう可能性を考慮し、その前にグラズヘイムに向かうことにするのだった。そして足を踏み入れた第5階層。そこは、
「……遺都シンジュク?」
(また東京が滅んでる……)
「もしかしてこれ、千年前の……」
降りた先にあったのは、まるで現代的なビルが立ち並ぶ街であった。ただ、地上には木々が生えて自然に侵食されており、ビルの壁や中にも侵食していく。どこかグラズヘイムに似ているフロアだと感じながらサイモン達は慎重に歩みを進めていく。そんな中、リッキィはこのシンジュクが、東京の新宿であることに当然気付き、悲しそうな表情を浮かべる。そんなリッキィの手を主人公は握り、彼女を安心させると樹海地軸を探してシンジュクを探索していく。
「ここが……」
無事に樹海地軸を発見し、グラズヘイムAREAⅣに入る。マイクのサポートや防衛機構の存在もあり、FOEがいないフロア。しかし、そこにはギブレーと呼ばれる巨大な戦車が存在している。リッキィは戦車と正直に説明しても通じないと思ってか、皆に分かりやすくマイクの武器と説明するのだが、
「……わざわざ触れたってことは……」
「敵対するよねこれ……」
「敵対しますね……」
「実際お互いすれ違い始めてるもんね……」
そのせいでこの後の展開を少し察してしまう。その後、端末を操作し、グングニルのコードを解除するところまでは順調に進んでいたが、ここでリッキィはグングニルを使用した際の被害状況をマイクに報告させる。マイクはその要請を受け、正直にその被害についての情報を報告するのだが、そこにあったのは、
『街が、消えた……!?』
セルだけの根絶は不可能であり、エトリア諸共消滅するという非情な現実であった。そしてそれは、セルだけの根絶は不可能という、千年前の解答を裏付けるものであった。無論、セルが暴走した場合の被害を考えれば街一つで済んでいるのは寧ろ被害は遥かに小さくなっているといってもいいレベルではある。が、それを人が簡単に呑み込めるかというとそんなわけがない。
「ええ……これじゃサイモン達の町と何も変わってなくない?」
「むしろエトリアを滅ぼすために加担してるようなものだよね……いくら世界のためとはいえ……」
そんな中、サイモンが自分達の住んでいた街、発掘都市ゴダムの名を挙げ、街が滅んだのも千年前の人達の仕業なのかと問いかけると、マイクはそれを肯定する。用意された世界樹は七つあり、それに対して用意できたグングニルは僅か二基。そのため、セルの被害を完全に食い止められるかどうかを立案者は不安に思っていたものの、無事もう一基のグングニルはその本懐を成したことをマイクは幸運なことだったという。それを聞いたサイモンは笑ってしまう。まさか自分達が知らない間に彼らに加担していたとは。アーサーも、当時の事を思い出したのか悲しそうな顔を浮かべるばかり。そんな二人の感情の変化が理解できないのか、マイクは必要な犠牲だったのだと諭そうとするも、それは火に油を注ぐ行為に他ならず、ラクーナが怒りの声を上げる中、マイクは主人公にこれがセルを倒す唯一方法であると告げる。だが―――主人公は選択する。セルを自分達で倒すと。
『それは、つまり…。グングニルを使わず僕らでフォレストセルを倒すという事か?』
グングニル作戦は、ハイランダーの教え、総ての正義であれ!という言葉に反している。多数を救うのは当然として、少数を犠牲にするのも認めるわけにはいかない。試す価値はあると前向きなラクーナ達に、それは愚かだと言うマイクはリッキィも同意見だろうと声をかける。しかし、リッキィが主人公の意見に従った様子を見ると、冷凍睡眠による弊害が出てしまったのだと断定。リッキィの頭脳を再修復すると言い、それを庇う四人を葬るため、ギムレーを起動してしまう。
「うわ……」
「しかも街にも帰れないって……あれこれ、大丈夫?」
街に逃げてしまえばギムレーはグラズヘイムを飛び出してエトリアの街に向かうだろう。ここで破壊しなければならず、ギムレーの放つ砲撃を掻い潜りながらギムレーとの戦闘を行う。が、
「よしやり直そう」
「これは……きついなぁ」
ギムレーは攻撃に対する耐性を多く持っており、唯一の弱点である雷属性の攻撃を厚くする形で再挑戦する。とはいえ、攻撃面さえ何とかしてしまえば、元々ハイランダーである主人公自身も耐性の上からそこそこ大きな火力を叩きこめるのもあり、割とどうにかなっていた。そして、ギムレーの破壊と共にリッキィ達とマイクは道を違えることになる。グングニル作戦、リッキィの父が提案したその作戦を、父は実行することをずっと悔やんでいた。だが、リッキィはこの時代で多くの人と出会ったことでそれ以外にも道を探すべきだということを導き出し、グングニルを使わない道を使うことを選ぶ。しかし、それを聞いたマイクはエラーを吐き出し、
『他に、選択肢はありません。グングニルの発動が、私の存在理由』
「……」
同じ言葉ばかり呟くようになってしまう。マイクの根源を否定してしまったが故に生じたエラー。その様子を目の当たりにしてケイが少し複雑な表情を浮かべる中、マイクには時間が必要なのだというリッキィの言葉に従い、五人はグラズヘイムから出るとセルの存在する迷宮の最奥を目指すことになる。それにあたって、オレルスから世界樹計画についての資料を見せてもらい、世界樹を枯らす特効薬のことを知る。だが、特効薬を持っているのはヴィズルであったため、彼を追いかけることになる。それと、保護したシララが目を覚ましたということで主人公達のギルドハウスに移動しており、彼女と和解することになる。
「マイクはこれからが大変ですが……シララとは和解できてよかったですね」
「これで後はヴィズルを追いかけるだけだね!」
シンジュクの探索を進めていく一行。しかし、その先で対峙したのは、
「あれって……レンとツスクル?」
「この二人と戦うの?」
なんとレンとツスクルの二人であった。執政院お抱えの二人だったが、彼女達はヴィズルの手の者として現われたのだ。理由を説明しても尚、戦う意思を崩さない二人を前に死闘が始まったのだが、
「……あっ頭縛り入った」
「耐性高いはずなんだけどなぁ!?」
攻撃を担当するレンと補助をするツスクルというお手本のような二人パーティ。が、そのツスクルの頭を縛ってカースメーカーのスキルを全て封じてしまったことで、一気に戦闘が楽になる。その間にツスクルを集中砲火して追い詰め、ツスクルが目立った行動を取る前に葬ってしまったことで一気に勝負が楽になってしまい、レンも健闘するもののあえなく撃沈してしまう。
そして勝負に負けた二人は膝をつく。そして、ヴィズルが本当に望み、自分達が成し得なかった正義を主人公達ならばできると言い、ヴィズルの下へ向かうために必要なカードキーを渡して去ってしまう。彼女達の複雑な事情を知りつつもさらに奥へと進む主人公達。そしてシンジュクの最下層、B25Fで遂にヴィズルを発見する。
「「……」」
ヴィズルは千年前から生き続けている人間であることが判明し、世界樹と共にあったのだという。主人公達がここに来た目的を伝えると、ヴィズルは主人公達のような若者が現れるのを待っていたという。が、その目は虚ろであり、様子もおかしい。そして、次第に何かに乗っ取られたかのように豹変し、邪悪な狂気を浮かべ、主人公達と相対する。扉の向こうに消えたヴィズルは巨大な樹のような身体を持つ化け物となって襲い掛かる。
ヴィズルは世界樹を生み、その力を己に組み込み、人を捨てて千年生き永らえた。計画通り世界が救われるか見届けるために。しかし、男は長い年月の中でその意識を世界樹そのものの意志に乗っ取られてしまい、役目が終わることを、生き続けることを望むようになってしまったのだ。それにより、対峙するようになってしまったヴィズルに終わりを叩きつけるため、戦いを挑む。
「うわつっよ」
「脚を縛ると防げるから頑張ってサイクロンルーツを撃たせないようにしようか」
「脚ってどこにあるのこのボス……?」
その尋常ではない破壊力を誇る全体攻撃スキル、サイクロンルーツにランダムに複数回攻撃を与えるテンペスト。他にも強力なスキルの数々を使用してくる強敵を前に、持ち込んだアイテムの数々を使用して抗っていく。そして遂に勝負を制したことでヴィズルは正気を取り戻し、世界樹を枯らし、セルを葬る特効薬、ユグドラウィルスを最後の希望として託すと、息を引き取ってしまう。
その後、一度エトリアに戻ろうとしたその時、地震と共にグラズヘイムから光が放たれる。それが、マイクがグングニルを強制起動しようとしていた可能性があることを受け、執政院に報告すると、第5階層にあったもう一つの樹海地軸を利用してグラズヘイム最後のエリア、AREAⅤへと入る。
「静かなのが不穏ですね……」
そして先へ進み始めると、謎の稼働音が聞こえてくる。それと共にフロア中に警報が鳴り響き、赤い光で満たされる。そして、マイクの手によってグングニルが発動されてしまい、そのカウントダウンが迫る。だが、全ロックが解除されていない今、セルを倒すには威力が足りず、ただエトリアだけを破壊するだけの兵器になってしまっていた。そのため、マイクを何としても止めるべく、残り50ターンという短いターン数の中でマイクを倒しに行くことになる。
「こ、ここで時間制限!?」
「でも、やらないと……」
どうにか、グングニルの発射を止められる端末まで辿り着き、マイクにヴィズルの件を伝える。しかし、マイクはグングニルの発動こそが自分の任務だと頑なにそれを放棄せず、主人公達はエトリアを守るためにマイクとの戦闘を開始。マイクは最終防衛機構である巨大ロボットを差し向け、M.I.K.E.として襲い掛かってくる。
「マイク……どうして」
「……千年という時間ですからね……」
「倒すしか……ないんだよね。このゲームだと」
「そうですね……マイクを、止めてあげましょう」
M.I.K.Eは確かに強敵だ。しかし、元よりターン制限があるためか、耐性が低下するオーバーフローというスキルも存在している等、ダメージを入れやすいようになっている。そういったこともあり、対策をしっかりとればヴィズルよりも倒しやすいボスといえ、なんとかM.I.K.Eを撃破すると、リッキィはグングニルの発射を停止させる。それだけでなく、マイクがこれ以上何かをできなくするため、その機能のほぼ全てが強制停止させられてしまう。マイクはほぼ死んだようなものであり、彼の死を悼む五人。
「……こうなってしまいましたか。ある意味、使命に殉じた結果ともいえるのかもしれませんね。ですが……」
特にリッキィは一人グラズヘイムに赴き、己の気持ちに区切りをつける時間を要していたが、彼のためにセルを倒すため、遂に五人は最終決戦の場所に辿り着く。
敗北後、マイクが転移座標を書き換えてくれた樹海地軸の力を使い、フォレストセルの下へ向かう。そこは第6階層真朱ノ窟、B30Fという迷宮の最下層であり、そこは生物的な血管のようなものが蠢く禍々しい内装となっていた。ムービーを挟み、遂にフォレストセルとの決戦に臨む。
「遂に、最終決戦ですね……!」
そこにいたのは、圧倒的な禍々しさを見せる怪物。五人は覚悟と共に武器を抜く。フォレストセルは、本来このゲームにおける裏ボスだ。しかしストーリーで戦うこのフォレストセル戦は、本来のフォレストセルとは異なり、まずユグドラウィルスを撃ち込むことでそのHPは本来の数値から大幅に減少した状態でスタートすることになる。そのため短期決戦で一戦を制したものの、なんとフォレストセルは復活してしまう。
「第二形態!?」
「いやまぁ第二形態はよくあることだけど……」
復活したフォレストセルと戦わんとする主人公達の下に現れたのは、なんとシララだった。神送りの儀と呼ばれる、一族の最期の使命を果たすため、主人公の槍に力を込めると、フォレストセルの、神の魂を冥界へ導くために戦いを開始する。
「……HP元に戻ってない!?」
「満タンだけど……」
「いや、この戦闘だと……」
「……あれ?なんか凄いダメージ出てない?」
二戦目のフォレストセルは、HPこそ本来の数値に戻っているが、全属性が弱点となっているために実質的に耐久力はあまり変わらないようになっている。他にも火力面においても弱体化しているなど、ストーリー用に調整されたステータスとなっている。そのため、ちゃんとバフやデバフに注意すれば十分に対応できるようになっている。が、それでも油断できない相手であり、気を抜けば即座に全滅しかねない、どうみても勝ち確イベントっぽく見えるが普通に負ける戦闘となっている。
「だけど負けませんよ!」
「ここまで来て負けるわけにはいかないもんね」
それでもここまできた以上油断はせず、着実に速攻を決めて遂にフォレストセルを撃破。倒されたフォレストセルは白くなり、身体が崩れていく。それだけでない、第6階層自体が崩れていき、主人公達はそこから脱出する。そして、やることを終えた主人公達はエトリアを出て行く。サイモン達はミズガルズに戻り、主人公はリッキィと共に旅立つ映像と共に、スタッフロールが流れ、新・世界樹の迷宮ミレニアムの少女のストーリーモードは終わるのだった。
「終わった……」
「これから、リッキィ達はどうなるんでしょうね」
「うーん、どうなるのかな……まあ、楽しく過ごしているのかもね」
「はい。新しい時代、新しい世界……きっとリッキィは強く生きていけると思います。仲間もいますし!」
「……そうですね。マイクの分まで」
ストーリーの話を考えながら、旅立つ皆の事を思い浮かべる。そして、今度はクラシックモードをするために二周目を始めるのだった。