転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする 作:popoponpon
セントラルへ戻るために機械鎧を修復するため、再びラッシュバレーに赴くエド達は、そこで東の大国シンから不老不死の法を求めてやってきたリン達と出会う。シン国第十二皇子である彼は50万人からなるヤオ族の地位向上も目指して後継者争いに勝つために来国したのだという。シンには錬丹術と呼ばれる、錬金術に似た技術があり、それもあって賢者の石を求めていたのだ。その後、リン達とひと悶着あった後にヒューズに会いたいウィンリィと共にセントラルに戻るのだが、そこでヒューズの死を三人は知ってしまう。
同じ頃、セントラルに異動となり、部下を引き連れてきたマスタングもバリーと偶然出会う等、ヒューズ殺害の真相に近づきつつあったが、それを知ったエンヴィーたちの差し金により、ロスがその容疑者として拘束されてしまう。だがその冤罪を知ったバリーがロスのいる拘留所を襲撃し、彼女と不法入国の罪で捕まっていたリンを連れて逃亡。途中で囮となってバリーが時間を稼ぐ中、一人で逃げるロスの前に現れたのは、なんとマスタング。そしてマスタングは、ロスをマスタングの知人であるノックスが検死しても殆ど誰かわからなくなる程に焼き尽くしてしまう。
「え、これって……」
「……本当に、マスタング大佐はロス少尉が殺したと思っているんでしょうか」
ロスが犯人であるという根拠として挙がっていた弾丸の補充申請。だがそれは、バリーに撃たれた分であり無実であると、バリーと通じているマスタングならば知っているはずだが。だがマスタングは他の軍人相手に断固とした態度を取り、その態度にはエド達は勿論、部下を無実の罪で殺されたアレックスも怒りを抱いている様子であった。だが、そんなアレックスに休暇を取って東に行けとマスタングは告げる。その後、アレックスはエドの下に現れると適当な理由をつけると、アルとウィンリィをセントラルに残してエドを連れ、リゼンブールに向かう。その報告を聞いたマスタングは、これで邪魔者はいなくなったと不敵な笑みを浮かべる。
「!」
「まさか、ロス少尉を殺したのは……」
だが、エド達はリゼンブールに到着して早々、マスタングの部下であるブレダ少尉と合流し、砂漠の中にある、一夜にして滅んだという伝説のあるクセルクセス遺跡へと旅立つ。そこにはリンの護衛だったフーも何故かいたが、その理由は死体を偽装し、検死を行ったノックスを抱き込んでロスの死を隠した後に彼女を一時的にシンに逃がすためであった。そのロスの生存をエドとアレックスは遂に知ることになる。全ては大佐が仕組んだ、軍の中にいる黒幕を炙り出すための計画であったのだ。アル達もリンからそのことを聞いていたが、リンはこの事に協力する条件としてバリーから血印のことを知るつもりであった。しかし肝心のバリーがそのことを知らず、アルにそのままたらい回しにされてしまっていた。
「よかったぁ……」
「ホムンクルスたちの事も……」
そして、バリーの事を知ったラスト達も次の一手を打つ。バリーの下に、バリーの本当の身体に実験動物か何かの魂を定着させた存在を差し向けると、それは本来の魂を求めて襲い掛かる。それを、マスタングの部下であるファルマン准尉、ハボック少尉、リザが追い詰めていく。さらに場面が変わり、エドはイシュヴァール人に取り囲まれていた。だが、そこで、知ってしまう。ウィンリィの両親がイシュヴァールの人達を治して回っていたことを。だが、彼女達が治療したスカーに襲われ、殺されてしまったという衝撃の事実を知ってしまう。
「うわぁ……」
「最悪の繋がり方してるよ……」
(でも……まだマシって思えるあたり、確かに明るくはなってるね……)
また場面はセントラルに戻り、狙撃のために潜伏していたリザの下にもグラトニーが現れる。グラトニーの再生能力を前にリザは成すすべもなく追い詰められるも、そこに犬のブラックハヤテ号とフュリー曹長、そしてマスタングの救援でどうにか難を逃れる。そのまま車でマスタングはハボック、リザ、話を聞いて合流したアルと共に、バリーは逃走を開始した自分の体を追う。そして辿り着いた先は夜第三研究所。そこにバリーが突撃したのをいいことに、マスタング達もバリーを追って入ったという名目で中に入り、マスタングとハボック、アルとリザに分かれて調査を開始する。しかし、ここでマスタング達はラストと対峙することになる。
「あ……!」
「ハボックが!」
爆発に呑み込んでラストを撃破したと思われるも再生され、ハボックは腰を貫かれてしまう。そしてマスタングにも致命傷を与え、マスタングの使う練成陣が描かれた手袋を破いて錬金術が使えないようにしてしまうと、ラストはアル達の下に向かってしまう。アル達はそこで、腐臭が漂い、腐り始めて動かなくなってしまった自分の体を見下ろすバリーを見つける。
『そもそも別の魂と肉体を一緒にしようってのが無理なんだよ』
『……他人の肉体と魂が相容れないなら、鉄の身体に人の魂の僕は……そうだ。僕達の目的を果たす時まで、この身体が持つ保証はないんだ……』
バリーの本来の肉体に起こった異変を見て、アルも自分の身体が本当は時限爆弾のようなものであり、決して不老不死などではないことを嫌でも悟ることになる。そこに現れたラストは人柱候補を二人も殺さないといけないことに怒ると、襲い掛かってきたバリーを粉々に切り刻む。直後、マスタングが殺されたことを聞かされ、錯乱したリザの弾丸を受けるも、ラストには当然通用しない。と、今度はアルが槍を練成してラストに相対する。
『残念だわ、人柱確定なのに』
その様子を見て、心底残念そうなラストに鎧を貫かれ、動きを封じられてしまう。
『アルフォンス君、私を置いて逃げなさい』
『嫌だ』
『逃げなさい!』
『嫌だ!』
『あなただけでも!』
『嫌なんだよ!目の前で人が死んでいく、嫌なんだ!たくさんだ!もう誰も殺させない、守ってみせる!』
『―――よく言った!アルフォンス・エルリック!』
ラストを前に、アルが声を上げたその時、マスタングの声が耳に届く。咄嗟にアルは自分達を守る壁を練成すると、ラストを巨大な炎が襲い掛かる。
「あれは……!」
マスタングの手には血で刻まれた練成陣が描かれており、火種の代わりにライターを用いていた。その怪我や焼いて無理矢理塞いだらしく、マスタングはラストが死ぬまで、何度も何度も燃やし続ける。そして、ラストの決死の反撃が当たる直前、遂にマスタングはラストの最後の命を焼き尽くす。
『負けたわ……悔しいけど、あなたみたいな男にやられるのも悪くない……迷いのないまっすぐな目……楽しみね、その目が苦悩に歪む日はすぐ、そこ……』
ラストの死を確認し、その場に倒れ込むマスタング。その様子を隠れて見ていたブラッドレイは剣を収めてその場を去り、アルもウィンリィが待つホテルへと戻る。そして、血印が残った一部のパーツだけとなっていたバリーの下にまだ生きていた本物の自分が近づくと、涙を流しながら血印を破壊する。それと共に、魂と肉体はどちらもこと切れる。
そして場面は、リゼンブールに再び戻ったエドに。エドは墓参りに向かうと、そこには父、ホーエンハイムの姿があった。ホーエンハイムは、家を焼き払ったことについて自分達やしでかしたことから逃げたなとエドに告げる。その日の夜、ホーエンハイムはピナコに聞く。エド達が練成したのは本当にトリシャだったのかと。瞳の色や髪の色などはどうだったのか。翌日、ホーエンハイムが村を去った後にエドはピナコと共に自宅跡に向かい、母の遺体を掘り起こす。だが、そこでわかったのは、
『ばっちゃん……母さんの髪は、栗色だった……黒だ……!』
自分達が練成したのは、トリシャなどではない。それを知ったエドは、死んだ人間を蘇らせることなど最初から無理だったことをようやく悟り、笑い始める。そして、アルは絶対に元に戻ると、これまで絶望の象徴であったその遺体に希望を見出していた。それだけではない、この事を知ったイズミもまた、エドの報せで自分が練成した物は、子供でも何でもなかったと知る。兄弟とイズミは、自分達は二度も大切なものを殺さずに済んだことに安心する。そのことをアルに報告したエドは、アルの魂は生きている状態だからこそ定着させることができたと言い、身体を引っ張り出すこともできると断言、二人は絶対にアルの身体を取り戻すことを改めて決意するのだった。
「「「……はぁあぁ……」」」
これまで、絶望そのものであり、重い展開の象徴ともいえた人体練成の罪。しかし、その前提が覆ったことで一転して希望となる。ここまで視聴していた皆の中に嫌でも刻まれていた重苦しさがやっと晴れた気がして、アイン達が体の力を抜く。モモイ達も、モルフォの言っていた明るくなるというのが前半と比較して、という意味ではなく本当に話として明るくなっていくという希望を持ち始める。
「……死んだ人間は蘇らない。これは、現実では当たり前のことですが、創作次第では変わったりするのですか?」
「まあ、作品によっては?結構気軽に生き返るものもあるし……」
ラストを殺すことこそできたものの、マスタング達の受けた損害も大きい。ハボックは下半身不随になり退役、実家の雑貨屋を継ぐことになる。エドからマルコーを紹介されるも、マルコーは何者かに連れ去らわれてしまっていた。そんな中、スカーがセントラルに現れたのを知ったエド達は、ホムンクルスを誘き寄せるために死なれては困る人柱の自分達をスカーの前に曝すことを思い付く。退院したマスタングの協力で軍を掻きまわし、リン達の協力を得てホムンクルスの捕獲作戦を行うことになる。
そしてスカーを誘き寄せるまでは成功するも、ホムンクルスはまだ現れない。だが、スカーを殺すためにグラトニーが近づいてきており、リン達はグラトニーを補足、したところまではよかったのだがなんとグラトニーの傍にはブラッドレイもおり、ブラッドレイは剣を引き抜くと、一瞬でランファンに近づき、深手を負わせてしまう。
「……やっぱり一人だけ飛びぬけてない?これ最終的に敵になるんだよね?」
「全盛期じゃないから……」
「全盛期だったら?」
「多分きっと主人公陣営最終的に敗北してる……」
「えぇ……」
深手を負わされたランファンを庇いながらブラッドレイとグラトニーと戦うリン。圧倒的に不利な戦いに強いられる中、彼らはブラッドレイがホムンクルスであることを知ってしまう。一方。スカーとの戦いでもエド達はドンドン追い詰められてしまう。あくまでホムンクルスを誘い出すのが目的のため、完全に逃げるわけにはいかない。そのせいでどうしても苦しい戦いになってしまう。エドも疲労が溜まり始め、時間稼ぎを兼ねてスカーに質問を重ねていく。その中で、話題はイシュヴァール人を治療してくれていたロックベル医師の話に。
だが、その危険な場所に、こんなことになってるとは知らないウィンリィがエド達を心配して現れてしまう。だがエドはそのことに気付いておらず、スカーがロックベル夫妻を殺したことについて言及してしまう。そのせいでその場に崩れ落ちたウィンリィは近くにおちていた、スカーらの戦闘に巻き込まれて憲兵が手放した銃を拾ってしまう。だが、エドとアルの必死の制止によって何とかそれは阻止され、スカーはその場から逃走、アルがその後を追いかける。
『撃てなかった……』
『撃たないでくれ……頼むから』
『だって……父さんと母さんを殺したんだよ……エドとアルも殺そうとして……なのに、どうして……』
『お前は、ラッシュバレーで赤ん坊を取り上げて、親子を救った。俺に、立ち上がるための手と足をくれた』
残されたエドは、ウィンリィの手から一本、一本と指を銃から離させる。そして銃が下に落ちる。
『お前の手は、人を殺す手じゃない。人を生かす手だ……だから』
『うあああああ!!』
その言葉に、耐えきれずウィンリィは泣き出し、エドに抱き着く。親の仇を前に彼女が踏みとどまり、スカーと同じ道を辿らずに済んだことに安堵しながらも、エドは彼女を軍に託し、再びスカーとの戦いに赴く。
リン達は大総統の追跡から逃れるため、ランファンが既に使い物にならなくなっていた自らの左腕を切り落とすとそれを犬に括り付ける。そして大総統から逃げ延びるために下水道をランファンが一人で移動する中、リンはとうとうグラトニーが現れたエド達の下へ馳せ参じると、エドにワイヤーを練成してもらい、ついに捕まえることに成功する。そのまま車で迎えに来てくれたリザにリンとグラトニーを回収してもらい、さらにその途中で重傷のランファンを拾い、郊外の空き家へと向かうことになる。だがスカーの方はメイの乱入によって取り逃してしまう。
やっと落ち着いたところで、保護されたウィンリィは大総統が面倒を見てくれていたらしく、すっかり回復した彼女はラッシュバレーに戻ることに。その際、ウィンリィはエドへの恋心を自覚するようになる。
「あ……」
「ちょっと安心したよね、ミドリ」
「うん、そうだね……」
その後、マスタングはランファンの治療の為にノックスを連れてリン達が潜伏している空き家へ。さらにマスタングやエド達も大総統がホムンクルスである可能性を遂に教えられることになる。だがホムンクルスには生殖能力がないのにブラッドレイは息子がいるとアルが反論するも、息子のセリムは養子であり、ブラッドレイがホムンクルスであるという証拠を余計に強めるだけであった。そして、グラトニーがマスタングの存在を知った直後、ラストを殺された怒りで拘束しているワイヤーを引き千切り、そのお腹から巨大な目が見える扉を開き、無差別に全てを吸い込み始める。
「やっとブラッドレイの事を知れたけど……」
「だ、だとしても現状勝てる未来が全くみ、見えないんですよね……」
「しかもグラトニーもやっと能力が見えた有様ですし。これで後はスロウスもいるんですからね……」
(そういやまだ長男は存在自体出てないな……)
暴走し、腹に開いた口で全てを吸い込むグラトニー。怪我人のランファンとマスタング、ノックスとリザは一足先にセントラルの方に戻り、エド、アル、リンの三人はグラトニーを止めようとするが成す術がない。が、そこにエンヴィーが現れ、グラトニーを正気に戻すも戦闘の中、不運な事故も重なった結果、リンだけでなくリンを庇ったエド、それを呑ませまいと手を伸ばしたエンヴィーの三人がグラトニーの腹に呑まれてしまう。アルがグラトニーに吐き出せと掴みかかるも、グラトニーは無理だと無常に告げるのだった。
そして場所は変わり、マスタングは上層部にどれだけの敵がいるのか知るため探りをかけていた。そこで、マスタングは軍の会議の場に放り込まれるのだが、そこに現れた大総統と、軍上層部の反応を見て、マスタングは最悪の可能性を悟ってしまう。全員、大総統がホムンクルスだと知っていることを。軍がやばい、というヒューズの言葉。それは軍に危機が迫っているのではなく―――軍そのものがやばいということだったのだと。
「腹の中……腹?」
誰かが呟いたその言葉通り、グラトニーの腹の中はどこまでも広がる暗闇であった。吞み込まれたエドとリンは合流するも、脱出することができずにいた。さらにそこにエンヴィーが現れ、ここはお父様が作り出した真理の扉の失敗作だと明かす。そして、ブラッドレイがホムンクルスであるという答え合わせをすると、イシュヴァール内乱が起こったきっかけは変身したエンヴィーがやったと明かす。スカーの復讐の連鎖は、エンヴィーが始めたことであったと。そしてエンヴィーは本来の姿である巨大な化け物となり、もう脱出できないこの空間でエドとリンを殺すために襲いかかる。
「うわ、気色悪い……」
「顔がいっぱいある……」
場所は変わり、ブラッドレイはマスタングの爪と牙を抜くため、セントラルに一緒に来た彼の部下を西南北へと散らし、さらにリザまでも大総統の秘書に任命してしまう。
陽が昇り、アルはエド達を救うためにグラトニーと共にお父様の下へ向かっていた。そしてそのグラトニーの腹の中ではエドは自分自身を再練成する人体練成によって脱出する方法を思い付き、エンヴィーの賢者の石を通行料として練成。その結果、本物の真理の扉へと無事に辿り着いたエドは、そこでアルの身体を見つける。だが、アルに近づこうとしたエドは自分の真理の扉に引きずり込まれてしまい、お父様の下に戻ったグラトニーからリン、エンヴィーと共に放り出される。そこにはアルの姿もおり、お父様はエドとアルがホーエンハイムの息子であることを知って嬉しそうに驚きながらも、二人の治療を行う。
「お父様って一番やばい存在のはずだけど、なんかフランクじゃない?」
「ホムンクルスを作ってあれこれやばいことやってるんだけどね……」
「「「……」」」
「アイン?ソフ?オウル?」
「いえ……ちっ、だからやめようとか言ってたんですか。今更理解しましたよ……」
治療こそしてもらったものの、ホムンクルスの親玉が相手だ。戦闘を開始するエド達だが、お父様はなんとエド達が錬金術が使えないようにしてしまい、二人はエンヴィーに取り押さえられてしまう。そしてリンをホムンクルス、グリードに変えてしまう。新たに生まれたグリードは前のグリードの記憶を引き継いでいないようであり、エド達の事も知らない。と、そこにアルが地下通路に入っていく様子を目撃して追ってきたメイとスカーがお父様の下に現れる。道中にはキメラが大量に蔓延っていたがそれを倒しながらやってきたようだ。
「……あれ!?」
「錬金術が使える?」
「メイの方は錬丹術だからわかるけど、スカーは……」
二人にはどうやらお父様のやっていた錬金術封じが通用しないようでこの状況でも戦うことができていた。さらに、エドがイシュヴァール内乱発端の真実をスカーに告げたことでスカーは激昂して大暴れする。だが、お父様達が相手では分が悪く、スカーは逃走する。そしてエドとアルはエンヴィーに連れられ、お父様のいる地下から軍中央司令部へとエレベーターで向かい、マスタングと合流する。そこで軍の上層部は既にお父様の支配下も同然であることが明らかとなり、加えてマスタングも部下を人質にされていることが明らかとなる。そして、エド達もウィンリィを人質にされてしまう。
「手痛い結果ですね……」
「アルの本当の身体って意味では確かに前進はしているけど、これは……」
地下を歩き回っていたスカーはホムンクルスに捕らえられていたマルコーと出会うと、彼からイシュヴァールの事を聞くためにその場所から連れ出す。
エドとアルは錬丹術に自分達の身体を取り戻すための手がかりや、ホムンクルスに対抗する術があると睨み、メイを探すも、治療の為にノックスの下に預けられていた彼女は既にどこかへ消えていた。そして、ランファンもフーと共にエド達に迷惑をかけないようにするために失ったランファンの左腕の機械鎧技師を自分達で探すことに。そして、ホムンクルス達はスカーを追うため、刑務所から爆破の錬金術師キンブリーを釈放する。元々賢者の石を一つ隠し持っていたキンブリーだったが、エンヴィーからもう一個の賢者の石を受け取るのだった。
マルコーと出会ったスカーは、スカーの兄の研究書を解読してもらうことにしていた。兄は、この国の錬金術のおかしさについて気付いていたといい、それを解読することがホムンクルスに対抗するために必要になることだと言う。そこにメイも合流し、彼らは北へと向かう。
マスタングはセントラルであったことを東部にいるグラマン中将に報告し、彼を焚き付けて味方にする。そしてエド達もメイが北へ向かったことを知り、アレックスから紹介状を受け取って北へ向かうことに。同じ頃、スカーが北へ行ったのではないかと予想したキンブリー達も北へ向かっており、次の戦いの地が北であることを嫌でも予感させていた。
「次は北、氷の地、か……」
「「……」」
「ただの雪国だけど……」
「わ、わかってますよそんなことぐらい!」
「……そういえば私達が戦ったのも氷海だったっけ……」
氷の大地が戦いの舞台になるというのは思うところもあるのだろう。とはいえ、その舞台自体は割とありふれたものではあるが。スカーとキンブリーの交戦の様子や、別行動を取っていたマルコーとメイがスカーの兄の研究書が隠された小屋を目前としている様子と様々な場所での行動が描写されていく中、エド達は戦闘用機械鎧を装備した大男バッカニア大尉に敵国の密偵と勘違いされる一幕こそあれど、なんとか北のブリッグズ要塞に到着する。そこには指揮官であり、アレックスの姉であるオリヴィエ少将と出会う。彼女のきつい雰囲気に圧倒されつつも、ホムンクルスなどについては触れずに自分達の目的などを探してメイを探す協力を願う。彼女が見つかるまでの間、オリヴィエの補佐官であり、イシュヴァール人の血を引くマイルズ少佐に要塞の中で案内されたり、左遷させられたファルマンと再会したりする中、地下から何かを掘ってるような不穏な音が聞こえてくる。そして、地下から現れたのは、まだ見たことのない大男のホムンクルス。
「これって……」
「シルエットであった、スロウスってやつ……?」
北へ向かった目的を悟られてしまったかとエド達が危惧するも、そもそもスロウスはエド達の事を知らない様子であった。何でもかんでも面倒くさいと言いながら暴れるスロウスだったが、オリヴィエ達はスロウスの再生能力を前にしてもエド達から情報を受け取ったことで反撃に打って出る。最終的にスロウスを要塞の外、極寒の吹雪の中へと放り出し、全身を凍り付かせることで撃退するのだった。
「……いやホムンクルス倒しちゃったよ」
「ブリッグズって怖い所なんだね……」
「ていうか錬金術師じゃなくても戦えるんだ……」
その後、エド達は一時は拘束されるも、スロウスが掘っていたという地下トンネルの中にエド達を連れていく。そして、人目を気にする必要がなくなったところで、オリヴィエ達ブリッグズはエド達が隠している事情を全て聞き出す。人質の存在や賢者の石、ホムンクルス、お父様、軍の上層部など、軍が隠している全てを聞かされたオリヴィエは、スロウスが掘っていた地下通路をどう見るかエドに問いかける。
エドはこの通路は円を描いていることに気付き、ファルマンに大きな流血を伴う事件の場所を言ってもらう。それを書き込んでいったエド達は、それがアメストリス全体を対象とした、賢者の石の練成陣になっているという事実を明らかにする。
「国一つを使って賢者の石を……!?」
「うわ……やばくない!?」
「とんでもないことになってきましたよ……」
「……人の命を糧に、お父様は何をしようとしているのか」
この国で何かをするためではない。何かをするためにこの国を作ったという事実が明らかになる。その後、中央からの指示でスロウスを地下へ戻し、穴も塞ぐことになる。さらにラッシュバレーから人質のウィンリィを連れてきてエドの機械鎧を換装させると、キンブリーはエドにスカー探索の協力を持ちかける。そこでエドの殺さない覚悟を聞いてキンブリーはどこか納得したように頷くと、賢者の石を渡すことを条件に協力を持ちかける。それを受け、エドはウィンリィに、人質であることを含め程度の真実を話すことにする。だが、アルはエドの真意を理解しており、そのことをアルから聞いたウィンリィも抗う覚悟を決めることになり、理由を付けてスカーの捜索に向かうエドについていく。
「お……人質が動けるようになりましたよ」
「セントラルの方はセントラルでブラッドレイの息子のセリムもホムンクルスだってことがわかったりで大変だけどね……」
スカーと会う途中でエド達はマルコーとメイの二人とついでにヨキと再会する。そしてお互いに情報交換をしていく中、マルコーはスカーの兄が遺した研究書を解読できればその道筋も見えてくるのではないかと告げる。そんな中、スカーが戦闘を開始したような音が聞こえてきたため、エドとアルが様子を見に行く。そこでは二体のキメラと戦うスカーの姿があった。ガマガエル型のキメラ、ジェルソとイノシシとヤマアラシと合体したキメラのザンパノの二体はキンブリーが連れてきた軍人であり、スカーを拘束して追い詰めたところでエルリック兄弟が駆けつけ、スカーを捕まえられては困るため、キメラたちを倒す。そして拘束を脱したスカーと再度の戦闘を開始。だがそこにウィンリィが現れ、スカーが動揺した隙を突き、急いで彼を拘束する。そんな彼に、ウィンリィは仇を討つのではなく、傷の手当てを行う。
俺を許すのかと問いかけるスカーに、理不尽を許してはいないと返すウィンリィ。そこに、イシュヴァールの血を持ちつつも国を変えるために軍にいるマイルズの存在もあり、心境の変化を起こしたスカーはマルコー達の懇願もあり釈放される。そして、ブリッグズ要塞にスカーらを囲って研究書の解読を行うために、キンブリーの目を欺くためにスカーにウィンリィを攫われてしまった演技を行う。スカーはウィンリィ、そしてキンブリーと軍から離反し、元の身体に戻りたいとジェルノとザンパノを連れて逃走を開始する。だが、ブリッグズ要塞の方はオリヴィエが中央に異動になり、入れ替わりに中央の手がかかった者が指揮官として着任することになり安全ではなくなってしまう。そのことを吹雪の中でも自由に動けるアルが伝えに行くのだが、その途中で遂に魂と鎧の拒絶反応が起こってしまう。
そして軍でも様々な動きを見せ始める中、場面は過去のクセルクセスに移動する。そこでは、23号という奴隷に、フラスコの中の小人ホムンクルスはヴァン・ホーエンハイムの名を与えていた。
「これは……過去でしょうか?」
「でも、ホーエンハイムって……」
「そういえば、グリードは200年生きてる、みたいな話が。ではホーエンハイムは……」
ホーエンハイムの名を得た奴隷は、躍進を遂げる。立派な錬金術師となったホーエンハイムはホムンクルスから教えてもらった知識のおかげでここまで来たことに感謝する。
『いずれ誰かと結婚し、家庭を持つことだって夢じゃない』
『家庭ねぇ……人間は不便だな。そうやってコミュニティを持って繁殖せねば種を存続できない』
『繁殖とか言うな。お前からしたら馬鹿馬鹿しいかもしれないけど、家庭とか仲間とか、そういうのに幸せってのはあったりするんだよ、俺達人間は』
『そんなものかねぇ』
『じゃあ、お前の幸せってなんだ?』
『そうだな?贅沢は言わないが、このフラスコから出られる身になれば、幸せかな?』
幸せについて、そう語るホムンクルス。その後、クセルクセスの王が不老不死になるため、クセルクセスに巨大な練成陣が刻まれる。各地で虐殺が起こり、描かれたそれは、まさしく現代におけるアメストリス国民全員を賢者の石へと変える国土練成陣。結果、クセルクセス国民全てを賢者の石へと練成したホムンクルスは、その中心にいる、自分とホムンクルスに半分ずつ分け与える。それによってホムンクルスは今のお父様の姿を手に入れ、ホーエンハイムもまた事実上の不老不死を手に入れることになってしまい、悲鳴を上げてその場に崩れ落ちてしまう。
「ま、巻き込まれただけじゃないですかホーエンハイムは……」
「こんなのって……」
「しかも国の半分の人間が賢者の石……って」
そこで現代のホーエンハイムは目を覚ます。どうやら夢を見ていたようだ。と、ここで偶然イズミと出会うと、理由を付けてシグを離れさせ、イズミが真理を見たことを看破する。イズミが内臓を持っていかれたことを告げると、ホーエンハイムは彼女の腹に手を突っ込むと失った臓器は罪の証だから戻さなかったが、腹の中を整理して血の流れを良くする。それによってイズミは格段に調子がよくなり、何者なのかと言うと、ホーエンハイムは告げる。人間の形をした賢者の石だと。
場面は北に戻る。アルは無事にウィンリィ達と合流する中、エドはキンブリー及びその部下のゴリラとのキメラ、ダリウスとライオンとのキメラ、ハインケルと対峙する。部下の方は錬金術で鼻を潰して気絶させるも、キンブリーとの戦いでは彼の練成陣を破壊し、キンブリーが見せた賢者の石を手放させて勝利したと思われた瞬間。キンブリーは殺さない覚悟は立派だと称えながらももう一個の賢者の石を見せ、エドを部下のキメラ諸共爆発で吹き飛ばしてしまう。立坑に落とされたエドは生きてはいたものの、腹を鉄の鉄骨が貫通しており、重傷となっていた。
「あ、エドが……!」
「し、死んでしまいます……!」
エドは瓦礫に潰され出られなくなっていたダリウスたちを解放する。二人は何故自分の方が重傷なのに助けたのかと問いかけると、エドは勘違いすんなといい、腹に刺さった鉄骨を抜いてくれる人がいないと困ると言う。敵じゃないのかとダリウスたちは言うも、エドは頼むといい、二人は顔を見合わせると殺せという命令が出ていないといい、エドの鉄骨を引き抜くことになる。
鉄骨を抜いた後の傷は錬金術で治すというエドだが、賢者の石が無ければ無理だというダリウスたち。だがエドはいう。自分の命を使うと。エドの覚悟を受け、二人はエドから鉄骨を引き抜いていく。
『自分の命を、一種のエネルギー体と考えろ……!』
ダリウスがエドを掴み、鉄骨をハインケルが掴むと、徐々に引き抜いていく。当然のようにエドの全身に激痛が走り、悲鳴が上がる。
『賢者の石と同じだ……!!そうだ……オレは今、魂一個分の賢者の石!!思い出せ……あの時の、感覚を……あの……命を使う感覚……!!』
そして鉄骨が抜けた直後に自分の体に手を当て、練成を行う。その光が終わり、二人が生きているかどうか不安がっていたが、エドは勝手に殺すなと言い、なんとか成功したことが判明する。しかし、無事な組織を繋ぎ合わせて血を止めただけ。それでもキンブリーを追おうとするエドだったが倒れてしまう。それを見た二人はキンブリーが落とした賢者の石をついでに回収すると、ここで自分達を死んだことにし、キンブリーからも離反することを決意する。
『……で、こいつどうする?』
『死なせるわけにはいかねえだろ。俺達の命の恩人なんだから』
『そうだな……外へ出たら真っ先に医者を探さないと』
『ああ……!』
そして、二人に連れられ、エドは外へと出て行く。自分達の覚悟を貫いた結果、エド達は賢者の石と更なる味方を手に入れることになる。
「エドが助かってよかったです……!」
「……殺さない覚悟、ね……」
「アルフォンス、エドワード、ホーエンハイム、ブリッグズ……様々な場所で動きが見えていますが、お父様は何を狙っているのでしょうか。フラスコから出ることが目的であるなら、既にそれは達成していると思いますが」
「この後、わかるよ」
アル達の方もスカーの兄の研究書を解読した結果、錬丹術を組み込んで発動する、新たなアメストリス国土練成陣の存在が明らかになる中、敵国ドラクマを利用してブリッグズに血の紋が刻まれてしまい、国土練成陣への準備も着実に進んでしまう。そんな中、スラムに身を寄せていたマルコー達の下へザンパノから居場所を知らされたエンヴィーがやってくる。だが、マルコーは賢者の石を破壊する練成陣を作り出しており、その力でエンヴィーを破壊すると、エンヴィーは本体と思われる醜い小さな魔物のような姿になってしまう。それを瓶詰めしてメイに託すと、彼女をシンに返しアメストリスの事はアメストリスの国民だけでどうにかするとスカー達はメイを送り出すのだった。
デビルズネストの殲滅戦を生き延びたキメラの一体がセントラルに忍び寄ろうとする中、軍中央司令部では事情を知った上で大総統に与する味方と判断されたオリヴィエが、ある場所へと案内されていた。
『では、人を造るな。は?』
その中で錬金術師に禁じられた三つの制限についての話があった。金を造るべからず、軍に忠誠を誓うべし。この二つに加え、人を造るな。その意味をオリヴィエは錬金術師の間でも禁じられているからと答えるが、彼女をここに連れてきた軍人がそれは違うと言う。
『違うな。倫理などというのは時代や個人によって変わるものだ。理由はそんなものではない。個人が強力な軍隊を持たないようにするためだよ、少将』
その部屋には、大量の人形のようなものが保管されていた。人を造るな、というのは単純に武力を必要以上に持つな、というだけの意味であり、実際にはこのようなとんでもないものまで作られていたのだ。
「いよいよ軍もなりふり構わなくなってきましたね……」
「もう後半ですからね……それだけ終わりが近いということでは?」
「あ、あんまりメタ的な分析は駄目です!」
その後、リオールでアル達はホーエンハイムと再会し、情報を交換し合う。そしてグリードもまた、以前のグリードの仲間であったキメラを知らずに手にかけるのだが、直後、前の記憶を思い出してしまう。その記憶を見たリンが、グリードを叱責したことでグリードは怒りのままブラッドレイの下を強襲。前の記憶の中に、ブラッドレイがキメラたちを殺した光景をあったことで彼を襲うも、逆に仕留められかけ逃亡。その先は、治療を終え、軍に見つからないようにセントラル郊外にまで持ってきたエド達がおり、リンはグリードがお父様達と縁を切ったことを告げると、どさくさに紛れてグリードを乗っ取ったという。そしてエドはお父様は来るべき日に扉を開けようとしていると告げると再びグリードに乗っ取られてしまう。
そして紆余曲折あってエド達が手下になる形でグリードを仲間にすることに成功する。そして、アルとホーエンハイムからのメッセージは、各地にいる人々へ伝えられる。カーティス夫妻、ブリッグズ要塞、イーストシティ、マスタングの部下、そしてマスタングとどんどんその情報が伝えられる。
来るべき約束の日の存在。そして、約束の日に向けて、各々が準備を進め始めるのだった。