転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする 作:popoponpon
この日、先生はアビドスを訪れていた。定期的にアビドス高校を訪れ、借金返済へ向けた対策会議に顧問として出席しており、進捗を確認していくのだ。
「ん、銀行強盗をする」
「ダメです」
とはいえ、突拍子もない提案や現実的でない案が出て、それをアヤネが無理だと判断して会議が終わる、といういつもの流れに苦笑してしまう。五人の様子を見て何となく雰囲気が変わったような、どこか落ち着いたような感じがしていたので気になっていたのだが、変わってはいなかったようだ。
(ただ……何だろう、皆、落ち着いているような気がする?)
ただ一つ、変化を挙げるなら。どこか落ち着いている気がする。その疑問に答えを出すことができないまま、何事もなく会議は終了、するのだが。
「あ、先生って今日はこのまま帰っちゃうの?」
「ううん、今日は一日こっちにいる予定だけど……何かあったのかな?」
「先生が以前、アニメを貸してくれたと思うのですが……これからその続きを見るんです。途中からですが、先生もどうですか?」
「大丈夫、便利屋68も途中からだったけど凄く楽しんでた」
「あ、見ていてくれたんだ。結構長かったでしょ?それに、ちょっとその……重かったでしょ?」
対策委員会の心境に影響を与えていたのはやはり先生が貸し出したアニメだったようだ。先生も、今見ているシリーズが割とヤバめな宗教団体にドンドン生徒達が洗脳されていくという洒落にならない事態に陥ってるだけに、もしかしてノノミに貸し出したアニメ、やばいんじゃないのか?と今更ながら気付き、モルフォに確認を取ってみたのだ。
『ああ、確かに結構容赦がないですね。でも、だからこそ面白い作品だと思いましたよ。とはいえ最初に触れるのはお勧めしないので先にGXかZEXALから見た方がいいと思ったんですが……どうしたんですか?』
モルフォから聞いたその言葉に、少し間違ったかなと先生は少し悩んでいたのだが、その心配はなさそうである。
「まあ、重かったね……正直、先生が貸してくれたものじゃなかったら見るの途中でやめてたかもしれないかな」
「う……ごめん」
「まあでも、ちょっとだけ……自分を顧みる気には、なったかな……モルフォちゃんのでしょ?後でお礼言っといてよ。私だと嫌味を言わないでいる自信がないし」
ホシノから若干声音が低い言葉がぶつけられる。先生は内容を知らないが、他の四人の反応を見るにそれだけきつかったのかもしれない。一体どんな展開が待っているのか、後で確認してみようと思いながら、準備を進める五人を見つめるのだった。
★
クラッシュタウンから戻ってきた遊星達は、チーム5D'sを結成し、遂に開催される三人一組による勝ち抜きチーム戦で行われる世界大会WRGPに挑む。無事、決勝へと駒を進めた5D'sは、遂に動き出したイリアステル三皇帝の一人、プラシドと対峙する。ブルーノが変身した謎のDホイーラーのアシストもあり、新たな力を手に入れた遊星だったが、プラシドに過去のトラウマを突かれてしまう。だが、もう二度と悲劇を繰り返させないと過去を乗り越えた遊星は仲間たちとの絆を背負い、新たな境地、クリアマインドに覚醒、新たなシンクロ、アクセルシンクロ召喚によって新たな切り札、シューティング・スター・ドラゴンが招来し、眩い光をもたらす。
「!」
シティの人々を照らす暖かく、明るい光。そして何より、そのフォルムに先生はそして対策委員会は釘付けになっていた。
『スターダスト・ミラージュ!!』
新たな力、シューティング・スター・ドラゴンの連続攻撃能力により、機皇帝が撃破されプラシドは敗北する。Dホイールと上半身が分離する重傷を負ってホセ達に回収される中、合流してきたジャック、クロウもまたイリアステルと相見える。イリアステルの目的は歴史の修正であると語るホセは、ゼロリバースもまた未来を修正するための一手だと明かす。
それは失敗し、モーメントは世界から消えなかった。故に次の一手としてシティを滅ぼすと宣言するホセは自らの機皇帝グランエルの姿を見せると、決着をつけたければWRGPを勝ち進めと伝え、その場から消えるのだった。
「未来を変えるためにあんな酷いことを……」
「ゼロリバース……それで主人公は苦しんでるんだね」
「うん、遊星自身は悪くないのに……自分の罪であるかのように背負ってる。仲間がいて、支えられる人がいても……その本質は変わらない。多分一生、苦しみ続けちゃうんだろうね」
「……それでも、仲間がいるから前を進めるんだろうね」
先生が視聴を始めたのはWRGP編からだが、それでも遊星が十分苦しんできたことは伝わっていた。だが、その度に仲間との絆を信じ、前へ進む遊星の姿は、危ういところこそあれど、輝いてみえた。ここで時間が来たため先生はシャーレの方に戻ることになるが、その後も対策委員会の面々は視聴を続けていく。そして、この後は時間を作りつつ、先生も時間がある時に画面越しに一緒に見る、という形になる。
『シャトルの中に隠れるのよ!』
そんな中、イリアステルへの復讐を誓うシェリーと共に遊星、ブルーノはある企業に潜入する。イリアステルと繋がっている企業の調査中、シェリーはワームホールの中で時空の狭間へ消えてしまい、世界はイリアステルによる歴史改竄の影響を受ける。先ほどまで遊星達が潜入していた企業は歴史から抹消され、空からはシグナーだけが視認できる謎の建築物が現れる。
そして始まるWRGP本戦。その中で三極神を継承するルーンの瞳を持つ、チーム・ラグナロクとの激戦を制し、決勝戦。チーム・ニューワールドとして姿を現したイリアステル三皇帝との死闘が始まる。
『どうしてDホイールと合体しないんだ……』
「えぇ……」
遊星のとんでもない迷言にシュールな笑いが零れる一幕もありながら、デュエルを進める先鋒のジャックは、ルチアーノ、プラシドを撃破し、敵の大将であるホセとのデュエルを開始する……のだが。
『おおーっとどうしたことだぁ!?ラストホイーラー、ホセが自らの脚で走り出したぁああ!?』
『あいつ何やってんだ!?』
『Dホイールに乗らないのかよ!?』
プラシドの例から敵が機械の体を持っているのはわかっていたが、なんとDホイールに乗らずホセが走り始める。5D'sから飛んでくる、視聴者の意見を代弁したかのようなツッコミも追いつかず、ホセはDホイールと並走し始める。
『HAHAHAHAHA!!チーム5D'sよ、覚悟するがよい!ここからが本当の勝負!我らの力を思い知らせてやる!むぉおおおお!!』
『なんと!DホイーラーがDホイールと一体化した!これぞDホイールの最終進化形態!チーム・ニューワールド、優勝にかけるデュエリストの魂を見た!!』
『これが奴らの本当の姿だ』
Dホイールと合体してしまうホセ。あまりの光景に困惑する観客と視聴者を尻目に平常運転を続けるMCと冷静に本当の姿だと言い放つ遊星の様子に、先生は笑い声を漏らしてしまう。が、こんなギャグみたいな絵面から出力されたのは蹂躙。ホセは圧倒的な力でジャックとクロウを連続で破り、大怪我をした二人が医務室へと運ばれる中、大将の遊星が引きずり出されてしまう。
『ならば教えてやろう、愚かなる人類の歴史を』
戦いの中、ホセの手によって遊星達はあるビジョンを見せられる。それは、世界が滅亡した未来。そこでホセたちの過去を見ることになる。シンクロ召喚とリンクしたモーメントは回転を強め、世界は急激なスピードで発展していったが、その速すぎるスピードは、悲劇をもたらしてしまう。空から降り立つ無数の機皇帝。彼らは、町を、人々を次々と攻撃し始め、全てを破壊していく。
『これは僕の時代の記憶……』
機皇帝との戦争。その中で両親と共に逃げる子供、ルチアーノの姿があった。だが、機皇帝の攻撃によって彼の両親は消し飛んでしまう。愛してくれていた者を目の前で失い、絶望の叫びをあげるルチアーノの姿に、5D'sも、視聴していた先生達も絶句してしまう。
『これは俺の時代の記憶……』
場面は青年、プラシドの記憶へ。機皇帝に抵抗する武装組織の一員だったプラシドは、機皇帝を仲間たちと共に破壊しようとする。しかし、機皇帝によって、彼の目の前で、愛していた女性が死亡してしまう。それを見たプラシドは、絶望と怒りの叫びをあげながら機皇帝へ向けて引き金を引き続ける。
『……その時。突然モーメントは逆回転を始めた』
そして、人の心に反応したかのように世界中のモーメントが暴走、大爆発を引き起こして世界は滅びを迎え、老人ホセの記憶へと変わる。誰一人いない、滅びの世界を老人となったホセは彷徨っていた。誰でもいい、人に会うために。深い絶望と共に人類の歴史の終焉を見送ったのだ。
『……いや、運命は、未来はまだ、俺達の手にある!』
だが、破滅の未来を見せられても遊星は諦めなかった。絆が未来を切り拓くことを信じて足掻き、遂にホセに大きなダメージを与えることに成功する。だが、更地となってしまったフィールドを見たホセは呟く。
『おかげで、私のフィールドは焼け野原と化した……だが安心しろ。その運命は私達が、いやこのアポリアが修正してやる!』
絶望によって生まれた三つの魂が一つとなり、ホセ、プラシド、ルチアーノの三人がアポリアという真の姿へと変わり、デュエルが再開される中、アポリアは再び未来を見せる。全てが消えてなくなった破滅の未来でアポリアは、三人の老人と出会う。この世界の最後の生き残りとして、その使命を全うするために、希望の未来を取り戻すため、あらゆる方法を模索した。しかし、一人、また一人と寿命が尽きて死んでしまう。アポリアもまた、その宿命からは逃れられず、力尽きようとしていた。
だがアポリアは、生き残ったZ-ONEに自分の中の三つの絶望、愛してくれる者を失った絶望、愛する者がいなくなった絶望、愛さえ要らなくなった絶望に分けて、自らの僕として使え。希望を、未来を取り戻せと、Z-ONEに託す。そしてアポリアは現代に現れる、仲間との約束を守るため、未来を救うために。そのためにネオ童実野シティを滅ぼし、歴史から抹消すると言い、激しい猛攻を遊星へと仕掛ける。
デュエルの余波によって街が被害を受ける中、遊星はアポリアを人のいないエリアへと誘導しながら食らいつく。そこに、大怪我を押してジャックとクロウがボロボロの状態で遊星の下へ駆けつける。巻き込まれたらもう二度と立てなくなるぞと警告する遊星の言葉を一蹴し、遊星が戦っているのに大人しく寝てられるわけがない、俺達の未来は俺達三人の手でつかみ取ると声を上げる二人。その言葉にはっとなり、勝機を見出す遊星。そして、アポリアの攻撃を全て受け切り、遂に遊星は仲間たちと自分のドラゴンを場に揃え、三人の力によってアポリアを撃破する。
『ここまで来て、我らの計画が失敗するというのか……!?』
空に見えていたネオ童実野シティを滅ぼす神の居城アーククレイドルに手を伸ばしながら沈んでいくアポリア。遂に、未来は救われた。その喜びを分かち合うかのように、三人は拳を突き合わせる。
「……凄い話だったね……」
「うへ~、最後までたっぷりだよ~」
「でも、まだ20話ぐらい残って……」
「まあ、そうですよね……アポリアがあれで終わりってなっちゃうと、さすがに後味が悪いというか……」
悪役であったが、あのような辛いバックボーンを持つ相手をこんな形で処理するのは果たしていいのだろうか。やってきたことは許される事ではないのは事実だが、滅びの未来を救うために必死になってきた相手がこれで。そんな思いに呼応するかのように、遊星とアポリアのデュエルによってアーククレイドル出現のための条件が揃ってしまい、ネオ童実野シティの上空にアーククレイドルが出現してしまう。
「え、えっと……なんか普通に出てきちゃいましたけど……」
「次はあそこに行くことになるのかなぁ……そりゃそうか。まだ敵三人丸々残ってるもんね……」
逆回転するモーメントによって動くアーククレイドルの出現によって、現存しているモーメントは機能を停止してしまう。それだけでなく、アーククレイドルは12時間後には地上に激突することが判明。急いで避難活動が始まる中、それを止めるには、正の回転を行うモーメントをぶつける必要があることと、シグナーとルーンの瞳を持つチーム・ラグナロクだけがモーメントを動かせることが判明。だがそれもつかの間、アーククレイドルにいるシェリーから通信が入り、彼女は告げるのだった。不動遊星がアーククレイドルで死ぬという未来を見たと。Z-ONEのやろうとしていることは合っているのだと。ネオ童実野シティを犠牲にするのは間違っていると声を上げる遊星に、その結果、未来で遥かに多くの人が助かると言うシェリー。多くの犠牲の上に成り立つ未来は間違っていると遊星も反論するも、シェリーは意見を変えず通信を切ってしまう。
『父さん、俺は覚悟を決めた……この街に、ゼロリバースのような惨劇は二度と起こしてはならない……例え俺の命と引き換えになっても……』
「……うへ?」
どうやってアーククレイドルに乗り込むか。それが判明するまでそれぞれ休憩などを取っていた中、ラグナロクの手によってアーククレイドルに乗り込むための虹の橋がかけられることが判明。だが、遊星はそのことを仲間たちには伝えず、なんと一人でアーククレイドルに乗り込もうとしてしまう。その移動の途中で遊星の行動に気付いたジャックたちの通信を前に、遊星は初めてそのことを話す。
『そんな大事なことをなんで俺達に言わない!?』
『すまない皆、アーククレイドルには俺一人で行く!皆避難してくれ!』
だが遊星はそうとだけ告げて通信を切ってしまうが、それを聞いたジャックたちは急いで遊星の後を追いかける。そして、遊星に追いついたジャックたちは、俺達も行かせてもらうと言う。
『お前が行くのを止めはしない。どうせ言っても無駄だろうからな。だがそれは俺達も同じことだ!お前がどんなに止めようと、俺達はあそこに行く!お前が死ぬという未来を見過ごすことはできん!』
ジャック、そして仲間たちの言葉にはっとなる遊星。それを聞いた遊星は、嬉しそうに笑う。遊星が考えそれをやりたいと言うのならば構わない。ならば自分達は共に責任を負い、やりたいように共に走るだけだと。絆を改めて確認した5D'sは、未来を救うため、全員でアーククレイドルに乗り込む。道中、謎のDホイーラーも合流し、遊星達は三手に分かれてマイナス回転するモーメントを止めるために必要な、三つの遊星ギアの停止作業へと取り掛かる。だが、その内の一組、クロウとアキの前にシェリーが立ちはだかる。
戦いの中でシェリーはZ-ONEに協力することで、過去に死んでしまった家族を取り戻したいと語る。未来に希望を持っていないと語る彼女は、イリアステルの時空改変能力によって取り戻される家族に唯一の希望を抱いていたのだ。そして、クロウにも、ゼロリバースが起こらなかった世界を深層では望んでいるとシェリーは語る。自分に協力すれば、サテライトでクロウが面倒を見ていた子供達にも両親を取り戻させることができる、幸せな生活を送らせることができると言われ、クロウの心が揺らいでしまう。だがクロウはアキから自分は遊星に救われたと語る。その時に、自分の可能性を信じていれば未来は変わると信じるようになったのだと。子供達も未来を信じて今を生きている、決して不幸ではないし、それはクロウも同じだろうと。
『黙れ!私は会いたいのよ!お父様とお母様に!あの大きな手で抱きしめてほしい、あの優しい手で撫でてほしい、それがどうしていけないの!?何が悪いの!?』
『どうしてわかってくれねえんだシェリー!俺達が今を懸命に生きるのは、たった一度しか人生がないからじゃねえか!過去に戻ってやり直したって意味がねえんだ!そう思えば、どんなに辛いことや悲しいことがあっても、未来を信じて今を生きていくしかねえんだよ!』
そして、クロウは再び立ち上がる。そして呼び出された二人のドラゴンの力を合わせ、過去に囚われるシェリーを打ち破る。そしてシェリーは父の言葉を思い出していた。人生には辛いこと、悲しいことが起こるかもしれない。しかし、決してくじけてはいけない。自分の信念を、正義を曲げずに生きるんだと、そうすれば未来はきっと切り拓けると。
その言葉を思い出してシェリーは涙を流すと、自分のしてきたことを悔い始める。だが、クロウの今からでも遅くないと言われ、差し出された手を握るのだった。
「……ふぅ」
ホシノがシェリーの戦う理由に人一倍同情しながら時間を確認していると、どうも丁度いい時間になっていたことに気付く。
「今日の所はここまでかなぁ……」
「そうですね……先生もお疲れさまでした。ここ数日間ずっと一緒に見てもらっちゃって」
『あはは、気にしないでよ。ただ結構……重かったね、確かに……あ、そうだ。明日はちょっと余裕があるから、私もまたそっちに行くよ。そろそろ最後だろうし、折角なら直接見たいからね』
「ん、待ってる」
外を見ると陽が暮れ始めていた。続きが気になるところだが、それはまた翌日に回す。一人、また一人と教室から出ていき、最近軽めのばっかりだったから胃もたれがしちゃって少し休んでから帰ると言ったホシノだけが教室に残っていたが、やがて回復したのだろう。教室を出ようとすると、そこにはノノミがいた。
「あれ?ノノミちゃんまだ帰ってなかったの?」
「あ、はい……気になっちゃって。その、ホシノ先輩は……本当に過去が変えられるとしたら、どうするのかなって」
「……あー……」
ノノミはホシノの過去を他の皆よりは知っていた。だからこそ、このアニメを見るにあたり、度々気にはしていたのだろう。これまではノノミ自身アキからダイレクトアタックを受ける状況が多かったせいで気にかける余裕がなかったが、ここら辺はアキ以外の人物に色々来る状況だったので、漸く触れることができたというところか。
「……まあ、その時が来たら、迷っちゃうと思うよ?だってそうじゃん」
「……そうですよね……」
「でも、それでいいのかもしれないね」
「え……」
今日見た部分で思うところはたくさんあったし、過去を乗り越えても尚、その本質を変えられないというところも見た。だからこそ、今を繋ぐ絆が大事なのだと。過去を乗り越え、未来に向かうために必要なのは、そこなのだろうと。
「……結局人間ってそう変われないからさ……本質みたいなもんなんだろうね」
「そう……でしょうね」
「過去はいつだってついて回るし……過去で苦しむことだっていっぱいあるし、暴走しちゃうこともあるかもだけど……でも、どう乗り越えればいいかなんて、結構簡単なものかもしれないね」
「……かも、しれませんね。あの、ホシノ先輩」
「ん?」
帰り支度をし始めたホシノに、ノノミが聞きづらそうにゆっくりと口を開く。
「私達に……絆ってありますか?」
「うへ?急にどうしちゃったのそんなこと言っちゃって」
まさかの言葉に思わず、虚を突かれたような表情になってしまう。だが、すぐに笑って答える。
「まあ、もし絆がなかったらそうだねえ……そもそもシロコちゃんもセリカちゃんもアヤネちゃんも入学してないだろうし……ノノミちゃんもハイランダーに行ってたんじゃない?」
「……!ふふ、そうですよね……ありがとうございます」
そしてホシノの言葉を聞いたノノミも、笑顔を浮かべるのだった。