転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする   作:popoponpon

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美甘ネル達とピクミン

 

廃墟を走り回る影。建物の影から飛び出したその少女は、両手に携えたサブマシンガンを一点へ向けると勢いよく連射していく。それらは盾によって阻まれるが、それを読んでいたかのように少女は懐に潜り込むと、盾を勢いよく蹴り上げようとする。が、相手もそれを読んでいたかのように、完璧にタイミングを合わせたかのようなシールドバッシュが叩き込まれる。

 

「ッ!」

 

少女の蹴りとシールドの重みを活かした打突攻撃。いかに蹴りの威力があったところで、盾の重みには敵わず、冷静に盾を蹴り、盾からも押し出される形で空中に飛び出し、一回転する。空中で一回転した少女が再びサブマシンガンを相手に向けると共に、盾を構えていた少女もまた、愛銃であるショットガンを相手へと向け、

 

「!」

 

先にサブマシンガンの方が火を噴く。タイミングはベストではないためダメージには繋がらないが、先に引き金を引いて相手を牽制し、攻撃を止める。空中にいる自分では攻撃を避けられないからだ。しかし相手も攻撃を止めて一旦回避に入り、近くに落ちていた瓦礫の陰へと逃げ込む。

 

「はっ……随分チキってんじゃねえの?絶好のチャンスだっただろうに」

「別に時間に追われてるわけじゃないからね~焦って決着をつけようとしたらそこを狙ってたくせに……そうでしょ?ネルちゃん」

「はっ……」

 

同じように、空中を舞っていた少女も相手から狙えない位置に一度身を隠す。お互い、仕切り直しの状態になったところで、サブマシンガンをリロードしながら、相手の動向を探るようにネルが顔だけを建物から出す。距離を空けたところの建物から桃色の髪のオッドアイの少女がネルと同じように顔だけ出してこちらを見てくる。

 

(面白れぇ……ホシノのやつ、滅茶苦茶やるじゃねえか!)

 

ネルは興奮した様子でホシノを睨みつける。アビドスで共闘した時から、彼女の実力にはヒナ共々目を付けていたのだ。いつか一戦交えられたらいいな、とは考えてはいたものの、さすがにそうはうまくいかないだろう、なんて思っていた。そんな中、降って湧いたのがこの誘いだ。翌日が休みで本当に良かったとこの時ばかりは神に感謝してもいいくらいだ。

 

「うへ~、分かってたけどネルちゃん強いねぇ……おじさんも鈍ったかなぁ」

「煽ってんのか?」

「そんなつもりないけど?」

 

軽口を叩き合いながらもホシノの戦い方を考える。盾を使った戦い方、という意味ではネルの最も身近な人物はやはりモルフォになるだろう。しかし、彼女と比較した場合のホシノのスタイルを一言で言えば、上位互換。発砲を好まないモルフォと異なり平気でショットガンを撃ち込んでくるし、近接戦闘も必要とあらば講じる。単身での戦闘を考慮すれば、周囲の影響を考慮せずにネルに匹敵し得るその身体能力を発揮でき、その戦闘力はさらに跳ね上がる。ネル自身、感情論であれば負けるわけがない、と言うかもしれないが理性的に考えた場合であればホシノと本気で戦えば勝てるかどうかは状況次第、と結論を出すだろう。さすがにそこで相手の実力を見誤るようなことはこの相手にはできない。

 

「「……」」

 

会話もそこそこに、それぞれ得物を握りしめる手に力を込める。ホシノは時間を気にせずじっくり進めていくつもりのようだし、ネル自身それに付き合うこともやぶさかではないが、やはり、ガンガン攻めて無理やりこじ開ける方が性に合ってるし楽しい。それでいこうと方針を決めて建物から飛び出そうとした、その時だった。

 

「「……?」」

 

ネルとホシノの視線が同時にある一点へと向けられる。まるで、誰かに見られたような、そんな感覚。

 

「……誰か連れてきた?」

「いや、あたし一人だ。それにここは廃墟……わざわざここに来て見る奴なんていないはずだが……」

 

ミレニアムの自治区内で暴れたら後が面倒になると考えて戦う場所を廃墟の端っこ、ロボットなどの気配もまずない場所にしたが、わざわざ自分たちの戦いを見に廃墟までくるような人がいるのだろうか。そもそも、今日の予定自体、ネルは他の人物に伝えてないのだからそれが可能な人物など相当に限られる。

 

「……あれは……!」

 

そして、その正体とも言えるロボットが現れる。隠れるつもりもなく現れたそのロボットを見て、ホシノが首を傾げる。

 

「ロボット?なんだ、ここそんなのいるの?」

「……こいつだけか?」

 

しかしネルが考えていたのはロボットが現れた事ではない。こいつ一体だけならさっさと仕留めて再開すればいいのだが……

 

「……おっと?」

 

ロボット達が群れを成して現れたとなれば話が変わってくる。これを前にしてしまえば、二人で勝負の続きを、とは言えない。ホシノもネルも仕方なさそうに隠れていた建物の陰から出てくる。

 

「ここ、変なロボット達がいるねぇ」

「ちっ、嗅ぎ付けてきたか……まだまだこれからだってのによ」

「うへ~、もっといい場所なかったの?」

 

呆れたような視線を思わず向けるホシノに、それがあったらあたしが知りたいわと視線を逸らすようにロボット達を見据える。そして、面々が出揃ったロボット達は、ネル達へと銃口を向ける。それを合図としたかのように、ネルとホシノはロボット達へ向かって飛び出していく。

 

「……」

 

その様子を遠くから見つめていた少女は、(何をやっているんでしょうかこの人たち……)とどこか呆れながらある連絡を一人の少女へと行うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「だあああ!?なんだこいつ!?」

「また負けてやんの」

「ああ!?お前だってぼろ糞じゃねえか!」

「初心者と経験者の差はでかいからその言い訳は通じないんじゃない?」

「んだとてめえ……!」

 

その後。ロボット達を一掃したは良いもののすっかり水を差されてしまった二人は廃墟を後にして自治区の中にあるゲームセンターを訪れていた。あのまま廃墟にいたところでロボットがロボットを呼ぶ悪循環が続くというのは過去のゲーム開発部の廃墟調査で分かっているので、勝負の続きはもうできない。しかし、決着を付けずにというのも収まりが悪いとネルがホシノを連れてきたのはゲームセンター。そこで決着をつけようとしたのだが、アーケードに座ったネルが操作を間違えて対面の相手とマッチングしてしまった結果、ボロボロにされてしまっていた。

 

「じゃあてめえがやってみろよ!」

「これで初心者が勝ったらネルちゃんのプライドボロボロだけどそこはいいの?」

「どうせ勝てねえだろ!」

「さっきよりはできるようになってるけどね」

 

操作を間違えたとはいえマッチングした相手に自信満々で挑んだ結果、完璧に打ち負かされたネルをホシノが煽った結果、じゃあお前がやってみろよとネルが順番を代わり、案の定初プレイとなるホシノも負けた結果、何故かお互いに相手を煽り合いながら連コしてどうにか対面の相手を倒そうとしていた。

 

「この振り子鬱陶しいな……」

「ほんとこの害獣がよ……!」

 

このアーケードは三対三のチーム戦で行うのだが、対戦している相手の戦術がとにかく嫌らしい。チームメンバーと交代したり、控えのメンバーがサポート技で現在戦ってるキャラを補佐するのが醍醐味なのだが、相手のサポートの要であろう振り子を使用するレッサーパンダみたいなキャラがかなり鬱陶しい。初見では可愛いな、なんて思っていたのも束の間、一瞬にして二人はこの獣を害獣認定していた。

 

「うへ、負けた~」

「代われ!どうせお前じゃ無理だ!」

「うーんこの無限ループ」

 

相手がとにかくチームで罠に嵌めて殺しに来てるせいで全然勝てない。こちらもチームとして戦ってはいるはずだが相手の練度が高すぎる。交代したネルが躍起になってトラップの攻略に勤しむも、それが芳しくないことを早々に悟ると、誰がやってるのか姿だけ見てみようとふと思い立ち、台を回り込むことにする。

 

「……うへ?モルフォちゃん?」

「あ、どうもホシノさん」

 

そこでキャラを動かしていたのは、まさかのモルフォだった。モルフォはホシノと会話しながらも手慣れた動きで、彼女自身はどこかで見たことのあるキヴォトス産のパロディゲームでネルを叩きのめすと、ここでアーケードを終了する。すると、台の向こうから相手が退席したことを知ったネルが怒り心頭でこちらに向かってくる。

 

「ああ!?勝ち逃げなんて許さな……あ?モルフォ?なんでお前がここにいるんだよ」

「今日は格ゲーの気分なんで。ちょっと振り子を持ちたくなりました」

「お前かよ!?こんな嫌らしい戦術……いや、割とするか……」

「負の信頼感が凄いですね」

「何でもはやるだろうが別にそういう意味じゃねえよ」

 

モルフォの姿を見たことでネルも少し冷静になる。モルフォなら確かにこういう飛び道具とか罠とか使って個人で完結させない戦い方は好きそうだなと思うと、ああいうパーティになってたのはある意味合理的なのかもしれない。それはそれとして対戦している方はふざけんな!って台パンしそうになるが。

 

「そういえばお二人とも楽しんでますか?昨日の夜、ホシノさんからネル先輩のモモトーク教えてほしいって言われた時は大丈夫か気になってたんですが」

「え?まあそれなりに楽しんでるよ~?ね?」

「お、おう」

 

さっきまで廃墟に行って喧嘩してたけどロボット達がわらわら出てきて仕方なく出てきました、なんて格好悪くてとてもじゃないが言えない。モルフォから見れば二人とも遊んでいるだけのようにも見えるし、ある意味それで間違いではないのでここはモルフォに勘違いさせたままにすることにする。なお、

 

(この人たち廃墟で思いっきりさっきまで戦ってたんだよな……)

 

二人がさっきまで何をしていたかは、別件で廃墟で何かをしていたらしいトキが偶然映像を取ってモルフォに送り付けたことで完全にバレていた。決着つかずの状態で廃墟から出て行ったなら何らかの形で決着をつけるだろうし、ネルならゲームセンターに連れ込むと踏んでこうして二人がいた廃墟の場所から一番近いゲームセンターで待っていたのだが、ネルが操作ミスで対戦を所望してきたのでとりあえず戦っていた。ちなみにトキが自分に連絡してきた理由はおそらく自分かリオしか相手がおらず、あの状況なら自分に教えた方がいいと判断したのだろうとモルフォ自身は思うことにした。

 

(そういえばなんでトキは廃墟にいたんだろう……リオ会長の用事でもあるのかな……とりあえず話す必要はないってトキは判断したんだろうしいいかそこは)

「……それにしてもモルフォちゃんやっぱりゲーム強いねぇ。まだまだ初心者のおじさんはしょうがないけど、そこそこ経験してるネルちゃんもボッコボコなんて」

「うるせえ!こっから強くなるから問題ねえんだよ!」

 

うがー!とホシノに掴みかからんとするネル。これが自分の同級生達だったら涙目になりそうな光景だったが、へらへら笑っていられるあたり、これが同学年というものなのか、それともホシノ自身の強さから来る余裕なのかと感心するばかりだ。単純にホシノがこの関係をただ楽しんでいるだけなようにも見えるがそこは置いておくことにする。

 

「ち……決着つけようと思ってたのに完全に脱線しちまった……おいモルフォ、もう一回だ!座れ!」

「しかし……別ゲーの気分なんです……それに、ネル先輩ばっかりだとホシノさん置いてけぼりになりません?」

「ああ、そこは気にしなくていいよ~、ネルちゃんが阿鼻叫喚になってる様子は見てて楽しいし」

「おい!こいつも酷いことになるゲームにしろ!」

「酷いって……まあ、そうですね……」

 

ネルはともかく、ちょっと大丈夫か?と思ってはいたもののペルソナ3で命の答えに辿り着いたうえでこのノリでいられるホシノなら大概のものは大丈夫そうな気がするが、対戦系もいいが折角だし協力してやれそうなある程度の難易度がありそうなものがいいだろう。とはいえ、協力プレイも今のところ二人の練度の差もあるだろう。なんだかんだで色々遊んでるネルはともかく、先ほどの対戦を察するにまだまだおぼつかないホシノの事を考えれば、ネルに基本的にプレイしてもらう方がいい。となると、

 

「……あー、今あれ入れてたっけ……あれでいっか……」

「ん?」

「とりあえず、家に行きますか」

 

そう言い、二人を伴って寮の部屋へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え?この鈍器がゲーム機なの?」

「皆そう言いますよね。何故なのか……」

「ぶっちゃけこれが鈍器じゃないは色々無理があるぞ……取っ手が丁度よすぎるんだよ」

 

丁度ゲームキューブに入れたままにしていたソフト、ピクミン。それは、猛毒の大気に満たされた異星に墜落してしまった主人公オリマーが、現地で遭遇した謎の生物、ピクミンたちと協力して墜落した宇宙船のパーツを回収して修理し、30日という短いタイムリミットの中で星からの脱出を目指すというゲームである。だが、ネルが気になったのはそのコントローラーが一つだけということ。

 

「これ一人用なのか?」

「そうですけど、ホシノさんはまだ初心者らしいので、ネル先輩が基本的にプレイした方がいいかと思いまして。大丈夫ですよ、案外見てる方が色々気付けるゲームなので」

「ふーん……対戦ゲームじゃねえのか……まあいいか。お前のやらせるもんなら外れはないだろ……」

 

GCコンを受け取り、早速ゲームを開始するネル。ホシノも画面に注目する中、オリマーが宇宙船で移動しているオープニングが始まる。しかし、突然隕石と宇宙船が衝突、異星に墜落し、パーツもばらばらとなってしまったオリマーは、謎の物体を発見する。すると、オリマーに反応したようにその物体は花を咲かせ、三つの足を展開、さらに種を一つ吐き出す。

 

「なんかすげぇ始まり方したな」

「この植物すごい成長早くない?抜いて大丈夫な奴なの?」

「いやまぁ抜かなきゃ始まらねえだろ……な、なんだこの変な生き物」

 

その種を引き抜くと、葉っぱが頭から生えた赤い小さな人型の生き物が現れる。随分と奇抜な生き物だが、見ていると段々可愛くも見えてくる。その生き物こそピクミンであり、オリマーは一番最初に赤ピクミンと呼ばれる種族と遭遇する。ネルがチュートリアルに従いながらピクミンを増やし、一番最初のパーツであるエンジンを回収。それによってひとまずチュートリアルも兼ねた最初の一日が終わる。

 

「なんつーかこう……意外とちまちましてるゲームなんだな」

「そう?なんかわちゃわちゃしてて見てて楽しいけど」

「まあこれはこれでってのはわかるが……別に戦っちゃいねえしな」

「戦闘なら次のエリアからありますよ」

「なんだよ、早く言ってくれよ」

 

ちょっとだけ感じていた不満もすぐに解消され、嬉々として次のエリアである希望の森に向かう。順調にピクミンの数を増やし、小さいコチャッピーと呼ばれる敵を倒しながら話を進めていたのだが、そんな中、コチャッピーを大きくしたような敵と遭遇する。

 

「なんかでかいやつも出てきたな」

「うへー、強そう」

「はっ、こんなんでビビってられるかよ」

(あ……これは)

 

まあこれだけいるなら大丈夫だろうと、起きたチャッピーに向かってピクミンを投げつけていくのだが、ここで問題が発生してしまう。それは、起こしてしまったチャッピーの正面からピクミンを投げつけて攻撃するというやり方をネルが取っていたこと。それによってチャッピーに攻撃を許してしまい―――

 

「……は?」

「あ」

 

気付けばピクミンたちが一気に喰われていた。チャッピーの嫌にリアルな咀嚼音と共に手持ちのピクミンが即死していく光景に、思わずネルの表情に冷や汗が流れる。

 

「まっ、待て待て待て!こいつらHPないのか!?」

「ありませんよ、死ぬときは一発で死にます」

「ええー……いくらなんでもやばいじゃん……ほらネルちゃん一旦逃げた方が」

「にっ、逃げてたまるか!こうなったら意地だ!意地でもこいつをぶっ倒してやる!」

 

冷や汗を流しながらどうにかチャッピーの討伐を続行するネル。しかし、チャッピーを討伐した時には既に手持ちのピクミンは壊滅してしまっていた。

 

「た、倒してやったぜざまーみろ!」

「ピクミンが壊滅してるけど……」

「だったらお前がやってみろよ!?あーもう一日が終わっちまった……」

「いいけど……え?こんな状況で私渡されるの?」

「一応遭難地点に戻ればピクミンを安定して増やせますよ。敵も……確か後半になるまで出なかったはずですから」

「了解ー」

 

ネルからコントローラーを受け取ったホシノは三日目を使ってピクミンを増やし、再び四日目に希望の森の攻略を開始する。

 

「そういえばこの湖?の先にも橋があるけど……」

「そういや橋二つあるんだよな。あたしがやったときは片方しかかけられなかったけど、残りが湖を挟んだ状態であるから……」

「じゃあとりあえずそっちかけ……え!?」

「おい!?」

 

希望の森には湖を経由しては橋をかけるというギミックがある。なのでその橋をかけるべく、ホシノはピクミンたちと共に水の中に飛び込んだのだが、途端に赤ピクミンたちは苦しみ出し、全員溺死してしまう。

 

「あっあっあっ」

「おいおい……こいつら泳げないのかよ……つーかショック受けすぎだろ……」

「いや、だって……」

「ま、まぁ……次から気を付けような……」

「……うん」

 

何気なく水に入っただけでこうなるとは思わず、さすがのネルもショックを受けたホシノを慰めることしかできない。ピクミンたちが全滅して一日が強制終了し、またコントローラーがネルに戻る。そして攻略を進める中でピクミンを大量に死なせては一日使って補充し直す、という流れで少しずつ攻略をしていくのだが。

 

「な、なんだこの爆弾!?」

 

折角手に入れた黄ピクミンが持ってきたバクダン岩を誤爆してしまい手持ちのピクミンたちが大量に吹っ飛んでしまったり。

 

「うへー皆言うこと聞かないし殴ってくるよー!」

「うわ……洗脳とかえげつねえな……いや花生えてるしこいつらの場合は寄生なのか……?」

 

次のステージである樹海のヘソというステージに登場する、ボケナメコという二足歩行する巨大なナメコの放つ花粉によって敵になってしまったピクミンたちに総攻撃されて阿鼻叫喚になったり。

 

「うおあああ!?」

「うわぁ蜘蛛だぁ……うわ、なんか踏みつぶされる音が酷いよぉ」

(ダマグモきた)

 

第三ステージのボスである樹海のヘソのボスであるダマグモに中々攻撃が通らず、ピクミンたちが次々と踏みつぶされる衝撃的な光景を見せられて敗走することになったり。

 

「ねえこの黒いやつ赤い奴より強くない?」

「攻撃速くね?しかもなんかタフじゃねえか!?」

 

途中から慣れてきたのもあってピクミン補充の日も減ってきたことや、どうしてもやばいところはモルフォからアドバイスをもらったこともあってある程度余裕を持って辿り着いた大水源ではクマチャッピーと呼ばれる黒いチャッピーの強さに被害を出したり。

 

「こいつがラスボスか……!」

「うへぇさすがに強……まとめて食べられた……」

 

ラスボス、ダイオウデメマダラに蹂躙されたりしていたが、ここにきて、遂に残り日数が二日、一日をピクミンの補充にあてれば残るタイムリミットは一日という状況に追い込まれてしまう。

 

「……後、一日か。なあ、これ全部集めないとバッドエンドだよな?」

「だよね……ねえ。モルフォちゃんだったら倒せるよね?」

「?まあ、それはそうですが……いいんですか?」

「いやぁ、時間切れでバッドエンド見せられるぐらいならできそうな人にやってもらった方がいいかなって……なんか自分だけでどうこうしようとしても無理そうだし……」

 

ここでホシノが提案したのは、ラスボス戦をモルフォにやってもらうということ。ネルは眉をしかめるのだが、ここまで頑張って来てバッドエンドを迎えても、別に自分達が頑張った結果ではあるし、次はハッピーエンド迎えればいいよなと思わなくもないが、ミレニアムにいる自分とアビドスに住んでいるホシノは違う。なら後味がいい終わりにした方がいいかと結論付け、コントローラーをモルフォに差し出す。二回目は負ける気はない、とは考えつつも、勝ったところで最後のパーツの運搬など、まだまだ不確定要素はあるのだから。

 

「じゃあ、やっていきますね」

 

コントローラーを受け取ったモルフォは黄ピクミンをある程度用意し、赤ピクミンを可能な限り用意した100匹のピクミンたちを揃える。そして黄ピクミンでバクダン岩を回収すると、それをダイオウデメマダラに食わせてスタン、そして残りで総攻撃。一瞬でダイオウデメマダラのHPを全て刈り取って撃破する。

 

「「???」」

 

苦戦していたダイオウデメマダラを一瞬で倒してそのままパーツ運搬に入る様子に、最後のパーツが貯金箱……?なんてツッコミすら出てこない程二人は思考を止められていた。

 

「待て」

「待って?」

 

全てのパーツを回収し、エンディングが始まる。ピクミンたちに別れを告げ、宇宙へ飛び出すオリマー。いやーいい話だったなーと締めくくると同時に、正気を取り戻したネルとホシノの口が開かれる。

 

「なんだあの倒し方!?」

「え?もしかして他のボスにもああいうのあったの?だとしたらおじさん達の苦労は一体……」

「それも醍醐味ですよ。色々やってく中で効率のいい倒し方を模索するのもピクミンの面白さですから……だから最適解ってあんまり言いたくないゲームなんですよね、最初からそういうのが欲しいってなったら話は変わってきますが……どうでした?最後は私がやっちゃいましたけど……楽しかったですか?」

 

正気を取り戻した二人にモルフォが質問する。それを聞いた二人は顔を見合わせると、なんだかんだで面白かったし楽しんだのは間違いないと笑みを浮かべるのだった。

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