転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする   作:popoponpon

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飛鳥馬トキと星のカービィスーパーデラックス

「うーん……」

 

朝。目を覚ましたモルフォは伸びをしながら、ベッドから起き上がる。カレンダーを見て、今日は休日だということを確かめると、この休日はどう使おうか考え始める。またゲーム開発部の皆を呼んで何かしら遊んでもいいし、折角ならどこか別の地区に遠出してもいい。そんなことを考えながらスマホを手に取ると、モモトークに通知が届いていた。

 

「ん?これは……トキ?」

 

一時間ほど前に送られたそのメッセージを見て、時計を確認する。普段なら起きる時間だったが、今日は休日ということもあり一時間ほど余分に寝ていたせいでメッセージに反応できていなかったようだ。

 

「……私が起きる時間を把握してる……?」

 

いや、まさかそんなことはないだろうと首を横に振りながら、「ごめん今起きた」とメッセージを送って机の上に置き、顔を洗いに行く。そして菓子パンを咥えながら部屋に戻ってくると、机の上に置いたスマホに次のメッセージが入っていた。

 

(……早いな……トキも休みっぽいし暇なんだろうか)

 

野菜ジュースで菓子パンを喉に流し込みながら、「今日は予定ありますか」と送られてきたメッセージに「予定はないよ」と送り返し、寝間着から着替え始める。すると、僅か数秒後に再び通知音が鳴り響く。慌てて着替えを終えてメッセージを読むと、「今日は遊びに行っても大丈夫ですか」と書かれていた。まあ、今日は別に誰かが来るという用事もないし大丈夫だろうと、OKのスタンプを押した直後。「今から行きます」というメッセージが送られ、突然ベランダの窓から何かが叩く音が聞こえてくる。

 

「お……お!?え?今から行きますって……行くじゃなくて居る……ってこと!?」

 

恐る恐るカーテンに手をかける。そしてバっと勢いよく開くと、朝日の光を浴び、ベランダに佇むトキの姿があった。

 

「本当にいるー!?」

「おはようございます、モルフォ。お邪魔します」

「いやいやいや!?まあ上がるのはいいんだけどさ……いいけどさ……!とりあえず靴だけ玄関の方に置いてきなよ……」

 

こんなことある!?と叫びながら、ベランダの扉を開け、トキを招き入れる。トキは靴を玄関に置き直して部屋の中に戻ると、寝間着を畳んでトキが見えないところに移動させていたモルフォの姿が目に入る。

 

「えっと、トキ……ずっとベランダにいたの?」

「はい。私の姿は一部の者にしか明かせませんので、一時間程前からずっと―――」

「……それは……大丈夫だったの?というか誰にも姿を見られないようにって大変じゃない?」

 

さすがにそれは待機しすぎである。こうなると休みだからと惰眠を貪っていた自分が悪く思えてきたが、それはそれとしてわざわざベランダまでよじ登ってきたというのか。待つにしても普通に玄関の前で立っていればよかったというのに。

 

「問題ありません。リオ様と今はモルフォがいるので」

「いや……来年以降どうするのさ?」

「え?」

 

モルフォに出された座布団に座り、キョトンとした表情でモルフォを見上げるトキ。ゲームを探しながら、モルフォはトキの発言から感じた疑問を続ける。

 

「リオ会長三年生じゃん、来年以降卒業したらトキはどうするの?」

「……それは……」

 

じっと考え込んでしまうトキ。この様子を見るに、リオがミレニアムからいなくなった後の事を全く考えていなかったようだ。とはいえ、彼女がC&Cに所属しているのであればどこかのタイミングでリオからネル達に紹介されるとは思うのだが。やがて、考え込んでいたトキがモルフォに視線を戻す。

 

「ではモルフォの傍にいようかと思います」

「他にも友達作って一緒に遊ぼうよ。皆でゲームをやった方が楽しいだろうし」

「……それは……そうかもしれませんが」

「今度、リオ会長に聞いてみたら?まずはネル先輩達だけにも顔を通せないかどうかって」

「モルフォはそうした方がいいと思いますか?」

「え?それ私に聞いちゃう……?いやまぁ私個人の考えだったらさっさと面通させろって言っちゃうだろうけど……トキがどうしたいかが大事じゃない?他の人と交友関係持ちたくないのなら無理強いなんてできないし」

 

あ、これ悪くないな……と、いいソフトを見つけながら話を続ける。モルフォの言葉を聞き、トキは再び考え始めてしまうが、やがて不安な表情でこちらへと振り向いてきたモルフォの目を見る。

 

「それでいいのでしょうか?命令ではなく私の判断で決めてしまって」

「えっと……じゃあトキってリオ会長に言われて今日ここに来たの?」

「いえ……今日は任務続きだったので休暇を取る様にと言われ……休暇は友達と取るものだという知識があったので……」

「じゃあトキは自分で選んでここに来たってことでしょ?私と遊びたくて」

「……それは」

 

はっとした様子で、少し驚いた表情を浮かべるトキ。そんなトキに笑いかけると視線を外してスーパーファミコンを用意しながら、モルフォは話を続ける。

 

「じゃあ選べるじゃん。だったら後はトキのやりたいことを言ってみようよ。言いづらいなら私も付き合うからさ」

「いいのですか?」

「友達の頼みだからね」

「友達……」

 

ソフトとゲーム機の準備が終わり、もう一枚の座布団と飲み物を用意し、トキの隣に座り込む。そしてトキにコントローラーを渡すと、それを受け取りながらトキが笑顔を浮かべる。

 

「モルフォと言えど詳細は明かせませんが……今は大事な任務があるので、その後にもし、機会があったら……」

「うん、全然付き合うよ」

「ありがとうございます」

 

大事な任務。そういえば、以前廃墟で撮られたネルとホシノの映像もその途中で偶然撮れたものだったのだろう。その理由が分かったが、大事な任務というのなら自分が深く聞くわけにはいかない。

 

「じゃあ、そろそろゲームをやろうっか」

「何をやるのでしょうか?ポケモンですか?」

「いいや、今日やるのは……星のカービィスーパーデラックスだよ」

「……スーパーとデラックスって両方つくものなんですか?」

 

何か凄いを超えた凄いみたいな感じなんだと思うと付け加えながら、ゲーム機の電源を入れる。カービィと呼ばれるピンク玉の生き物がワープスターと呼ばれる星の乗り物に乗って飛んでいくオープニングの後にファイル選択画面に移り、その先へ行くといくつかのメニューが出てくる。星のカービィという作品は様々なシリーズがあるが、スーパーデラックスはその中でもオムニバス形式と呼ばれる、いくつかのゲームの中から一つを選択して遊ぶ形式となっている。

 

「ふむ……?メニュー画面がいくつかありますね」

「この中からやりたいゲームを選んでいく形になるね」

 

ゲーム画面には四つのアイコンがあった。はるかぜとともに、グルメレース、ダイナブレイド、洞窟大作戦。それらの横にはメタナイトの逆襲と銀河にねがいを、の二つのアイコンがあったが、それらは背景のコルクボードと同化したようなグラになっており、今は選択できないという事実を表していた。

 

「最初は既に選択されているはるかぜとともにをやればいいのでしょうか」

「そうだね。初めてならそこからかな」

 

はるかぜとともにをトキが選択すると、ゲームの内容が表示されてくる。プププランドという今作の舞台で全ての食べ物を奪った悪の大王デデデ大王を倒せというシンプルなストーリーを読むと早速本編を始める。チュートリアル画面が出てきたため、それを通して基本的な操作を終えると、最初のステージであるグリーングリーンズが始まる。

 

「右に進んでいけばいいんですね。あのビームを撃ってくる敵を吸い込んで吐き出せば……」

「あ、それだけじゃないよ。吸い込んだ状態で十字キーの下を押すと……」

「こうですか……む」

 

言われるがままに敵を吸い込んだ状態で十字キーを下に押す。すると、一瞬カービィがしゃがむと同時にカービィが黄色くなり、道化師みたいな帽子と杖を手にするようになる。左下のコピー能力欄を見ると、そこにはビームと表示されていた。

 

「変化しましたね」

「コピー能力って言うんだけど、そうやっていろんな敵の能力をコピーして戦っていくんだよ。ポーズ画面で技一覧が見れるし、能力がいらなかったらヘルパーにすることもできるから」

「ヘルパー?」

「そうそう、コピー能力を失う代わりに対応したヘルパーを召喚して一緒に冒険できるようになるんだよね。この場合だと私が操作することになるかな」

 

ビームの説明欄を見ながら話を聞いていたトキはすぐさまヘルパーを生み出す。すると、ワドルドゥと呼ばれる一つ目のオレンジ色の一頭身の生き物が出現し、その操作がモルフォに移る。

 

「成程、これでモルフォと一緒にプレイできるのですね。ちなみに私は能力を失ってしまいました」

「一回画面をスクロールさせればワドルドゥが復活するから大丈夫だよ」

 

その後、無事に復活したワドルドゥから再びビームのコピー能力を手に入れると、二人でステージを進行していく。途中でボムやカッターなど、様々な能力を試しながら進んでいく最中で、食べ物を見つける。

 

「食べ物が落ちていますね」

「回復アイテムだね」

「ふむ……少しダメージを受けてしまっているのでもらいま……?」

 

体力を回復し、再び探索に戻ろうとしたトキだったが、ここでカービィがワドルドゥと接触。すると、突然カービィがワドルドゥに口付けをし始めてしまい、思わず固まってしまう。

 

「あの、モルフォ。これって―――」

「口移しだね」

「キスでは?」

「食べ物を分け与えて相手のHPも回復させてるんだよね」

「何故そんなことを……?」

「食べ物がないから、かなぁ?」

「成程……」

 

それはカービィやヘルパーが食べた食べ物を相手に与え、HPを回復させる口移しアクションだった。しかし、傍から見ると急にキスしたようにしか見えなかったのだろう。理由を深掘りしてみればそもそもこの世界は食べ物がないのだからある意味当たり前という結論になってきてしまったが。

 

「よし、気を取り直してボス戦だね」

「とはいえ……そこまで強くはありませんね」

「まあ一面ボスだし」

 

一面ボスの巨大な木、ウィスピーウッズを倒すと、次の面に入る。そこでは新たなコピー能力、ファイターやアイス、ソードを得たり、無敵アイテムであるキャンディーを使って駆け回ったりしながら、双子のボス、ロロロ&ラララを攻略。そのまま第三面も順調に二人で攻略していき、第三ボスであるクラッコを倒すと、いよいよ最終ステージ、デデデキャッスルへと乗り込む。だが、

 

「……さっきの雲のボスの方が強いですね」

「まあぶっちゃけデデデは弱い……」

 

ボムのコピー能力でボムをひたすら投げ続けていたトキは、それだけでほぼ完封されてしまっていたデデデを見てあまりの弱さに呆気なさすら感じていた。デデデのすぐそばでブレイドナイトと呼ばれるソードから生まれるヘルパーの武器をツンツンしてたモルフォもこんなもんだよねぇとデデデの弱さを肯定していた。

 

「次はグルメレースですか……これはわかりやすいですね」

「食べ物を取ってレースに勝てばいいだけだからね」

 

グルメレースをプレイし始めたトキは最初こそ他のモードより足が速く、なおかつ妙に慣性の乗るカービィの動きや、最終レースに登場する初見の能力に戸惑いつつも、難易度自体はそこまで高くないのもあって難なくクリアする。そして二つ目のメニューもクリアし、次は白き翼ダイナブレイドへと入っていく。作物を荒らすダイナブレイドを倒すという話のようで、このゲームを始めようというところで改めてコピー能力のチュートリアルを受けることになるのだが、思わずトキの口から正直な感想が飛び出す。

 

「……あの、コピー能力の説明遅くないですか?」

「まあ、そうだね……」

 

とはいえ、元々はるかぜとともにはコピー能力がなかった時代の星のカービィの内容をリメイクしたようなもの。つまり、ある意味すっぴん縛りというコピー能力を使用しないのがデフォルトの攻略状態だったからあそこでは操作のチュートリアルしかなかったのかもしれない。そんなことをぼんやり考えながら、チュートリアルを進めていくトキの姿を見ていく。チュートリアルも無事に終わり、ダイナブレイドのマップへと移る。このゲームでは選んだステージを一つ一つ攻略していくアクションゲームとなっている。とはいえ、変わったのはそれと、クリア後にちょっとしたミニゲームがあること、そしてこれまで見なかったウィリーやハンマーといった新たなコピー能力が出てきたぐらいでゲーム性が大きく変わったわけではない。

 

「ふむ……このヨーヨーという能力はユニークですね。ただのヨーヨーなのに凄い動きがスタイリッシュで楽しいです。モルフォはやっぱりハンマーが好きなんですか?」

「ハンマーの火力は正義だからね。後はスープレックスとかもいいよね」

「では次はそれを試してみましょうか」

 

新しいコピー能力の使用感について楽しみながら、ハンマーやストーンでしか潰せない杭や炎属性の攻撃でしか着火できない大砲などのギミックを使用したり、中ボス連戦をしたりしながら、遂に最終ステージ、ダイナブレイドのいる場所へと辿り着く。山を登っていくと、巨大な鳥、ダイナブレイドと相見えることになり、羽攻撃や足による拘束、巨体を活かした踏みつけ攻撃など、デデデを遥かに超える難易度に被弾も増えていく。

 

「難易度が明らかに違う……強いですね。面白くなってきました」

「でも、そろそろだよ!」

 

ダイナブレイド戦でビームを選んだトキをサポートするように、モルフォはバーニンレオというファイアから生まれるヘルパーで攻撃を加えていく。火だるまぢごくという大技でダメージを効率よく与えていく。その甲斐もあって倒れることなくダイナブレイドを撃破することに成功するのだが、カービィが移動し始め、近くにいたダイナブレイドの雛達が住まう巣を見つける。それをウィスピーウッズの下へと連れて行き、リンゴを食べさせると、雛達が空を飛べるように手伝い、そして空を飛べるようになった雛達は親鳥であるダイナブレイドと思われる巨大な影と共に空の彼方へと飛んでいく一枚絵で話が締めくくられる。

 

「成程……あのダイナブレイドは子供を世話するために作物を荒らしていたのですね」

「やっていたのはともかくダイナブレイドもダイナブレイドの目的のために戦ってたんだね」

「……ええ、なんか思いっきり殴り倒してましたけど大丈夫なんでしょうか?」

「このゲームの中だけになっちゃうけど大体殴ればどうとでもなっちゃうことが多いからね……まあプププランド自体が割とそういう緩さでできてるからしょうがないけど」

「ゲームの世界も色々ありますね。さて、メタナイトの逆襲ができるようになりましたが……まずは洞窟大作戦の方からやりましょうか。ふむ……地上への脱出と宝探しがメインのようですね」

 

洞窟大作戦は巨大な地下洞窟を探索し、宝箱を回収しながら進んでいくというこれまた趣がこれまでと変わった話になっている。加えて、ダイナブレイドでも少しだけ出た杭や導火線を用いた大砲だけではなく他にも見えない壁や蝋燭の着火、強風とギミックが増えた上に謎解き要素も存在している。とはいえ、謎解きといっても程よい難易度のものも多く、二人の知恵があれば決して詰まるところがあるわけでもない。道中、いきなり半コマンド式のボス戦を行ったり、巨大なクジラやカメレオン、洞窟の主と思われる謎の魔神との激闘を制しながら地上を脱出し、洞窟大作戦もサクッとクリアする二人。そして遂に、ある意味一番気になっていたメタナイトの逆襲へとカーソルが移動する。そして概要を読んだトキは何かが引っかかったのか一旦はるかぜとともにの概要を確認する。

 

「……プププランドは呆れかえるほど平和な国と書いてますね」

「そうだね」

「国中の食べ物が消えて悪の大王を殴り倒しましたね」

「そうだね」

「作物を荒らすダイナブレイドをしばきましたね」

「そうだね」

「仮面の騎士メタナイトがプププランドを戦艦で征服しようとしていますが」

「そうだね」

「呆れかえるほど平和な国とは?」

「全部しばけば平和になるから……」

「ええ……」

 

もうそういうノリなのだということはわかっているが、それはそれとしてさすがのトキも困惑が隠せない。現在進行形でプププランドがキャッチコピー詐欺をしている有様だが、全シリーズをひっくるめたら果たしてプププランドはどれだけの危機を迎えているのだろうかと思わずモルフォが考えていると、トキがメタナイトの逆襲をプレイし始める。巨大戦艦ハルバードへと乗り込もうとするカービィ。だが、ヘビーロブスターというボスに襲われ、決着をつける間もなくハルバード発進の衝撃によって海まで吹き飛ばされてしまう。

 

「勝負は中断ですか……しかし乗り込めませんでした」

「次のステージに入ったね。とりあえず話を進めていこう」

 

そこでかつて子供達を救ったダイナブレイドと合流。ダイナブレイドの助力を借りて再びハルバードへと乗り込もうとする。

 

「話って独立しているわけではないんですね」

「あ、そうだね。ダイナブレイドの後に解放されるお話だから繋がってるんだ」

「過去に助けた相手が協力してくれるのは……悪くないですね」

 

ダイナブレイドはハルバードの大砲を喰らい、撃墜されてしまうも、なんとかハルバードへと乗り込むことに成功するカービィ。そこでヘルパーを呼び、トキとモルフォはコピー能力を切り替えながら、少しずつ、ハルバードを攻略していく。ダイナブレイドを撃墜した主砲を粉砕し、艦内へと潜り込むと再び現れたヘビーロブスターへのリベンジを果たし、遂にエンジン部へ到達。動力炉の破壊を狙うことになる。

 

「攻撃が当たりませんが……成程。会話でヒントが出ていますね。お望み通り、相手の攻撃を利用させてもらいましょう」

 

リアクターは通常の攻撃が通用しない特別な仕様だが、逆にリアクター自身の攻撃は通用するために相手のレーザー攻撃を誘導するというギミックになっている。トキはじっと待っていたが、相手のレーザー攻撃が来るまでは暇なので、モルフォが段々遊び始める。具体的にはずっと屈伸運動を始めたり意味もなく走り始めたり。

 

「…………」

 

最初は相手のレーザーを待っていながらモルフォの動きを観察していたトキだったが、一回レーザーが通り、二回目も変わらないことを確かめたところでモルフォに悪乗りするかのようにカービィを暴れさせ始める。

 

「……ふふ」

 

その様子が面白く、そして楽しいのか自然とトキの口から笑い声が漏れる。そんな中、レーザーがやってきたのでその時だけ二人とも中断してレーザーの誘導を始めて……を繰り返し、四回目。遂にリアクターが破壊されたことでハルバードは墜落が確定となる。船員たちが脱出したり、メタナイトへの忠義のために残ったりする中、カービィは部下たちを蹴散らしメタナイトの下へ向かう。メタナイトとの戦いではカービィのコピー能力がソードに固定されることになる。

 

「剣士らしく剣で勝負ということですか……いいでしょう、船と一緒に沈めてあげましょう」

「メタナイトは結構強いから気を付けてね」

 

サーキブルというカッターのヘルパーを使い、少しずつメタナイトにダメージを刻みながらモルフォがアドバイスする。メタナイトはカービィと同じぐらいのサイズな上に素早く、なおかつ攻撃も速い。剣を用いた多彩な攻撃は、ソード自体にそこまで慣れているわけではないトキよりも確実に腕が上である証であり、じりじりと追い詰められていく。だが、それはトキだけならの話。

 

「……そこです!」

 

相手が人間だったら力の差があれば反撃の間もなく終わっていたかもしれないが、これはゲーム。いくら強くとも相手の行動パターンは固定なのだ。で、あればいくらでも攻撃の差しようはある。モルフォが着実に削りを入れていたおかげで既に残り僅かになっていたメタナイトのHPに最後の一撃を叩き込むと、メタナイトの仮面が割れてどこかへと逃げ出してしまう。

 

「……む、まだ終わりませんか」

「でも次で最後だよ。後は脱出だけだから」

「成程、ここが最後の山場ですね」

 

戦闘が終わると同時にカービィはウィリーに乗り込み、脱出することになる。これが最後となれば再び気合を入れなければならない。だが、そこで再び仮面をつけたメタナイトが強襲。沈むハルバードからカービィを逃がさんと言わんばかりに激しい追撃を仕掛けてくる。

 

「しぶといですねこのボスは……」

「でも、ウィリーライダーは無敵判定があるから止まらない限りは基本的に問題ないはずだよ」

「はい、このお話も……これで終わりにします」

 

メタナイトの最後の抵抗も躱し、カービィは脱出に成功。夕日を背景に海に墜落し、沈んでいくハルバードを地上から見届けるのだった。

 

「……メタナイトの逆襲、これで終わりですか。面白かったですね」

「そうだね、でももうこんな時間か……」

 

次の話は銀河にねがいを。だが、それをやろうと思っていたトキとモルフォが時間を確認すると、既に昼を少し過ぎている時間帯になっていた。

 

「お腹空いたしお昼にする?」

「そうですね。ですが、外に出るのは……」

「じゃあ出前でも取ろうか?なんか割引とかやってたかな……なんか食べたいものとかある?」

「いえ、特に希望はありません」

 

一旦ゲームの電源を切り、出前アプリを起動するモルフォ。その様子を見ながら、次の話では一体プププランドで何が起こるというのか、トキはワクワクした様子で考えるのだった。

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