転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする 作:popoponpon
「これで最後です!ガノンドロフ!」
巨大な豚のような魔物、ガノンドロフと戦う赤い服を着たリンク。その手には金色の刀身を持つマスターソードが握られており、その鋭い一撃によってガノンドロフが硬直する。
「ここで必殺の銀の矢です!」
動きが止まったガノンドロフにリンクの放つ銀の矢が突き刺さる。それによってガノンドロフは断末魔を上げて消えていく。直後、リンクとガノンドロフの最終決戦のフィールドから奥の空間へと進む通路が出現し、リンクがそこへと進んでいく。そして、遂にエンディングが始まり、遂にアリスは「神々のトライフォース」をクリアする。
「遂に……アリスはクリアしました!このゲームを!世界を救った勇者になりました!!」
「おめでとう、アリス」
隣でアリスがゲームをクリアした様子を見届けてモルフォがアリスを賞賛する。嬉しそうに笑うアリスの様子を見つつ、胡坐をかいていた足を少し調節し直す。
「でも、まさか皆ミレニアムにいないなんてね」
ゲーム開発のための資金集めのためにモモイとミドリはアルバイトに出ており、ユズは今日はシャーレの当番でこっちにはいない。他の人と一緒でも大丈夫かなと思うが、先生がいるならとりあえず大丈夫だろうと考えておく。
「アリスもバイトした方がいいのでしょうか?」
「うーん、まあアリスがやりたいなら……?とりあえずやるならどこがいいか皆で探して、一旦誰かと一緒にバイトしてからって感じかな……」
バイト自体は別にいいのだが、どういう場所がいいか、一旦アリスには入りやすいところから触れた方がいいかもしれない。であれば、現在ゲーム開発部やシャーレの活動などで空けることも増えつつある自分がお世話になっているカフェとかいいかもしれない。店長には「モルフォのやりたいようにやればいい、それを応援しているさ」と言ってもらえているが、だからこその申し訳なさもあった。近いうちに予定を見つけて紹介できたらいいなと考える。
「まあ、今すぐバイトしようって言ってできるわけじゃないからね。色々準備とかもいるし。一応考えてることはあるけどまた皆が戻ってきてから話そうか」
「はい!」
モルフォの言葉に元気に返事を返すアリス。とりあえずまだ途中だった神トラはこれで終わったが、この先はどうしようか。次は時オカか、いっそここは初代ゼルダの伝説でもいいか?などと考えていると、アリスの視線がテレビの横に飾られていたあるプラモデルに向けられる。
「モルフォ、あの肩に新幹線が刺さっているロボットはなんですか?」
「ん?ああ、ガオガイガーだね。勇者王ガオガイガーっていうアニメの……」
「勇者王!?」
そこにあったのは、両肩が新幹線、胸はライオンという特徴的な姿を見せる厳ついロボット。その名はガオガイガー。「勇者王ガオガイガー」という作品に出てくる主役ロボットだ。だが、アリスが惹かれたのはそのフォルムもだが、それ以上に勇者王という名前。そのワードに反応したアリスがぐっと身を乗り出してガオガイガーを見つめる。
「これは勇者なんですか!?」
「まあそうだね……見てみる?」
「はい!」
まあ、こういうのもいいかと、ディスクを手に取る。そして、勇者王ガオガイガーを再生し始め、わくわくした様子で座ったまま待つアリスと共に視聴を開始する。
八年前の雪の夜、天海夫妻は謎のメカライオンと出会い、赤ん坊を託される。そして現代、人類存亡を脅かすゾンダーと呼ばれる謎の巨大ロボットが出現。脅威に対抗するために組織されたガッツィ・ジオイド・ガードことGGGは、八年前に出現したメカライオン、ギャレオンの解析によって会得した未知のテクノロジーを元に合体ロボ、ガオガイガーを生み出す。それを駆るサイボーグ勇者、獅子王凱とその仲間達はGGGとして、ゾンダーと、そしてゾンダーの背後に存在する機界四天王とそれらを率いる親玉パスダーとの熾烈な戦いに身を投じることになる。
「地下に巨大な組織……なんか凄いです!」
GGGの本部は海底に作られた基地に存在している。ゾンダーロボと呼ばれる巨大ロボの出現によって沈黙していたギャレオンが目覚め、どこかへ向かうように基地を破壊しようとする。未知の脅威を前に慌ただしく動くGGGは、謎のロボットを攻撃目標に定めたであろうギャレオンを解放。ギャレオンがゾンダーロボを攻撃しようとするも、ゾンダーロボはギャレオンを逆に凍結させて海へと沈めてしまう。
「え!?あの、モルフォ!?やられちゃいましたけど!?あのライオンが勇者じゃないんですか!?」
「まあまあ……」
『凱を呼べ!』
そして、問題はそれだけではない。EI-02と呼称されたゾンダーロボは機械などを取り込む性質があり、この時現れたゾンダーロボは子供達が乗っていた船を取り込んでいた。それによってEI-02は子供達を人質に取ってしまっており、その子供達を助けるべく、凱と呼ばれた青年が颯爽と現れ、ドリルガオーと呼ばれるドリルのついた戦車型マシンによって子供達を助けようとする。一度はゾンダーの変形能力によって救出に失敗するも、復活したギャレオンに乗り、凱は再びEI-02の前に立ちはだかる。そして、フュージョンすることによってガイガーという人型形態へ変形したギャレオンを操り、凱は子供達を助け出すことに成功する。だが、EI-02はガイガーのポテンシャルでは荷が重い。そこで凱は、ファイナルフュージョンという奥の手を使用することを決断する。
『しかし、ファイナルの成功率は限りなく0に近いんじゃがのぉ』
『成功率なんてものは単なる目安だ、後は勇気で補えばいい!』
しかし、GGG本部はそのあまりに低すぎる成功率に本当に行うべきかどうか葛藤していた。そんな中、GGG長官であった大河幸太郎は、既に人事を尽くして天命を待つばかりの身。後は勇気で失敗率を越えてみせろと、ファイナルフュージョンを承認。そして、ガイガーはライナーガオー、ドリルガオー、ステルスガオーと呼ばれる三機のマシンと合体し、遂に勇者王ガオガイガーが誕生する。
「こ、これが……勇者王ガオガイガー!不可能を可能にする勇者の王ですか!」
「いいよねこのシーン……」
圧倒していくガオガイガーだが、EI-02も再生能力で対抗する。その能力のせいでガオガイガーは攻め手を失ってしまう。そこでガオガイガーが打ち出したのは、必殺技であるヘル・アンド・ヘブン。その強力な技によってEI-02の核を抉り出し、遂にEI-02を破壊する。だが、その核を握りつぶそうとしたその時。凱が救った子供の一人である天海護が、突然光の羽を生やし、緑色に発光。コアの上に降り立つと、なんとコアを元の人間へと戻してみせる。
「あれ!?敵が人に戻っちゃいましたよ!?」
「これが正体なんだねぇ」
その後、護はどこかへと消えてしまい、凱も基地に戻ることになる。だが、ファイナルフュージョンの不完全な合体シーケンスのせいでガオガイガーに合体していた各機体、ガオーマシンが激しい損傷を受けており、凱自身も生死の境を彷徨う程の重体に陥ってしまう。
「あわわ……勇者は死んでしまうんですか?」
「いいや、勇者は死なないよ。皆が頑張ってるんだから」
どうにか凱は復活し、再び現れたゾンダーロボ、EI-03との戦闘でガオガイガーが再び出現する。戦闘の度に負傷し、機能不全に陥る凱だったが、彼の持つGストーンと呼ばれる動力が、護と共鳴。護の力によって凱が救われ、ゾンダーロボを倒すガオガイガーと、核を浄解と呼ばれる方法によって元の人間に戻す護、そして彼らをバックアップし、時には共に戦うGGGはガオガイガーをサポートするため、様々なハイパーツールと呼ばれる特殊装備、そして新たな勇者ロボたちを開発していくことになる。
市街地などへの被害を防止するために作られた空間湾曲を行うディバイディングドライバー。プライヤーズと呼ばれる三体のロボ達によって構成された、歪曲空間を捻じ切るディメンジョンプライヤー。ヘル・アンド・ヘブンの使用により凱の体に死の危険が及びかねない程の負担がかかることが判明したため、新たな決戦用のツールとして用意された、敵を光に変える最強のツール、ゴルディオンハンマーなどがガオガイガーの装備として生み出される。
さらにガオガイガーと並び立つ勇者ロボも増えていく。超竜神へと合体することができる双子の勇者ロボ、炎竜と氷竜。GGG諜報部に所属している、機動性や隠密性、特殊能力に長け、二体のガンマシンと合体することによってビッグボルフォッグとなるボルフォッグ。ゴルディオンハンマーを制御し、なおかつ戦闘でもサポートするため、ゴルディオンハンマーを勇者ロボへと変えることによって生み出されたゴルディーマーグ。アメリカから来た、音楽や音波、衝撃波で戦うマイク・サウンダース13世。
頼りになる仲間たちと、強力な装備を手に、激しくなっていく機界四天王との戦いを繰り広げていく勇者達。そんな中、機界四天王は最終作戦を開始。自らゾンダーロボとなった機界四天王は東京を複合バリアで閉じ込め、都民を人質に取る。バリアをハイパーツールの連続使用によって攻略した勇者ロボ達は機界四天王との激闘に突入していく。
「み、皆ボロボロです……」
「結構気軽に損傷するよね……」
機界四天王二人を相手取った超竜神は満身創痍になりながらも相討ちに近い形でどうにか撃破。ビッグボルフォッグも死闘の末に相討ちに近い形で勝利を収め、ガオガイガーもゴルディーマーグと共に因縁浅からぬ関係となったピッツァが駆るゾンダーロボを撃破するも、その後、パスダーの下へ向かった護を助けに生身で向かうこととなった凱は、同じく生身で現れたピッツァとの再びの死闘を制し、遂に護を助けることに成功する。だが、パスダーは真の姿である、初めて地球へ降り立ったゾンダー、EI-01を露わとし、取り込んだ山手線諸共宇宙へ向かおうとする。
ボルフォッグに救われ、脱出した二人はGGGと合流、全ての戦力を投入する総力戦を開始することになる。だが、東京中の電力を味方につけたEl-01はあまりにも強く、凱達は歯が立たない。そこで凱は、最後の切り札である弾丸Xの使用を決断する。勇者たちのエネルギーであるGストーンの力を爆発的に引き上げるものの、それは勇者の命すら奪う諸刃の剣。だが、大河達は凱達が死ぬかもしれないという危険なリスクを承知で、弾丸Xの使用を決断する。
(切り札にリスクがあるのは定番ですが……果たして大丈夫なんでしょうか……)
息を呑んで、勇者たちの決死の判断を見守る。だが、そもそも弾丸Xを使わなければパスダーの逃走を許すだけでなく、地球の平和も守れず、そして、勇者達の死も回避不可能なものとなる。ならばこそ、勇者たちが絶対に生き残ると信じ、発射される弾丸X。ガオガイガー、超竜神、ゴルディ―マーグ、そして弾丸Xと共に駆け付けたビッグボルフォッグがその力を受けている間、外では援護に駆け付けたマイクが決死の時間稼ぎを行う。
「あ……」
そして、空に緑色、Gストーンの光の柱が立ち上る。ボロボロになりながらも時間稼ぎをし終えたマイクが沈黙する中、EI-01をも超える力を手に入れた勇者たちは、己の身を削りながらパスダーを追い詰めていく。苦しみすら感じさせる咆哮と共に、守りを捨て攻め続ける勇者達。EI-01もまた苦しみ、咆哮を張り上げながら抵抗する。そして、凱がパスダーの核の場所を特定、月をバックにゴルディオンハンマーを手にする。
『ゴルディオンハンマァァァァァアア!!』
『ぬうううおおおおお!!』
月を背景に、緑色の光を纏った状態で最強の武器を手にするガオガイガーがEI-01へと飛んでいく。パスダーが激しいエネルギーをぶつけ、二つのエネルギーと力が拮抗し合う中、無敵と思われたゴルディオンハンマーにヒビが入っていく。その様子を見て、勝利を確信するEI-01。しかし、超竜神とビッグボルフォッグがEI-01への攻撃を絶えず続ける。それによって、ガオガイガーがその衝突を制する。
『EI-01!光になれえええええ!!でやああああああ!!』
「光に……!」
凱の魂の叫びと共に、EI-01の体が光へと変えられる。そして、ガオガイガーがEI-01に背を向け、ゴルディオンハンマーを地面に立てると共に、金色の光が背後から上がり、完全にEI-01は消滅。ゾンダーの手によって変化していた地形も元に戻り、夜明けと共に完全に戦いは終わる。だが、日の光の中で勇者たちは色褪せ、装甲もボロボロになり、ひび割れた姿で、戦いを、役目を終えたかのように鎮座していた。それが意味するものは、勇者の死。
運命を越えられず、世界と引き換えに己の命を散らし、安らかに眠る勇者達。彼らの死に涙を流し、悔しさ、哀しさを表情に浮かべるGGGの面々。そして、目を覚ましてほしい、答えてほしいという護の悲痛な叫びと、護の放つGストーンの光が、奇跡を起こす。機能を停止した勇者達のGストーンの輝きを取り戻し、その装甲に少しずつ、色が戻っていく。そして、目を覚ます凱達の姿を見て、奇跡が起きたと喜ぶGGGの姿と共に、エンディングへと入る。
「うぅ……これが勇者なんですね……!」
「格好いいよね……」
「はい!皆の為に命を懸けて戦う勇者達……そして、勝つためにあらゆる手を使い、不可能を勇気で可能とする……凄く格好いいです!特にアリスが好きなのはEI-15の回です!」
涙を流し感動していたアリスがぱぁっと笑顔を向ける。GGGの戦いは苦難の連続であり、機界四天王もまた、全力でガオガイガーを倒すために様々な策を弄する。ガオガイガーとゾンダーロボの戦いの裏では二勢力の技術と策のぶつかり合いが繰り広げられており、特にそれが如実に表れたのが、アリスの言うEI-15が出現した回、ファイナルフュージョンマニュアルが行われる話だろう。
ゾンダーは人を媒体として出現するのだが、この時狙われたのは元GGG職員の犬吠埼実という男。彼はゾンダーとなったことでGGGを爆破させようと企み、その結果、ボルフォッグ以外の勇者ロボが起動不可、ガオーマシンの合体プログラムも初期化されたことでガオガイガーへの合体が不可能になるという状況で、予備のガオーマシンと合体して生まれた、ゾンダー版ガオガイガーとも言えるEI-15と戦闘をしなければならないという絶体絶命の状況に追い込まれる。
しかし、各ガオーマシンにGGGの職員が搭乗してのマニュアルによる合体を行われることとなり、この時点で成功率は僅か30%。これでも第一話で限りなく0に近い成功率のファイナルフュージョンと比べれば雲泥の差ではあるが、そこにオペレーターのサポートによって成功率を60%にまで引き上げられ、残りを三機のガオーマシンに乗る職員とギャレオンに乗る凱がそれぞれ10%ずつ勇気で補えば100%という理論で合体を敢行、途中でアクシデントに見舞われることもありつつも見事ガオガイガーへの合体に成功し、EI-15に本当に大切なもの、勇気の力を見せつけ勝利する。全ての戦いがそうではあったが、機界四天王及びパスダーの決戦と並び、GGGの人と技術と力を結集して危機を打開したエピソードと言えるだろう。
「後は……やっぱりゴルディオンハンマーです!勇者には光の力が必要ですよね!武器が心を持って一緒に戦ってくれるのもいいです!」
そして武器に関してのアリスのお気に入りはダントツでゴルディオンハンマーだった。ガオガイガーが使う、ヘル・アンド・ヘブンに代わる最強武器。相手を光に変えるというその特性、そしてまだGツールと呼ばれていた頃のゴルディオンハンマーをガオガイガー本人が初使用した回、その次のディメンジョンプライヤーでGツールを持って使用した回では、その力を制御できずにガオガイガー及びプライヤーズが半壊する上に、ゾンダーロボの核すら光に変えかねないというとんでもないリスクを抱えていたものの、ゴルディーマーグが誕生することでゴルディオンハンマーとして制御可能にしつつ、ゴルディオンハンマーから分離したボディがマーグハンドとしてガオガイガーと合体することで、光の釘を核に打ち込み、釘抜きによって核を摘出、残ったゾンダーロボのボディを光に変える流れが出来上がり、完全に制御可能な力になるという経緯がある。
「やっぱインパクト強いよねー」
だがやはり、アリスが気に入っているのは敵を光に変える、光属性の武器という点だろう。原理的には重力とか衝撃波だったような気がするが、そこまで詳しく語ることはモルフォにはできないので、大体光に変えてるから光属性でいいかと流していたが、それだけの強力な力が切り札であるということ。何より切り札がリスクを抱えており、それをものにするために皆で試行錯誤していったこと。その試行錯誤によってゴルディーマーグが誕生するに至った経緯など、幾重ものドラマを経て生み出されただけあってその力は折り紙付きであり、ゴルディーマーグはこの勇者王ガオガイガー本編は当然のこと、次回作である勇者王ガオガイガーFINAL、覇界王ガオガイガーVSベターマンにおいても強力なメカノイドとして活躍していくことになる。
「……って、あれ?」
と、エンディングが終わったところで、シーンは宇宙に。そこには、パスダーと思われる核が浮遊しており、それを謎の無機質な少女のような存在が認識する。そして、パスダーの高笑いと共にその少女が口を開き、取り込んでしまう。そして、「情報収集完了」と不穏な発言をして話が終わってしまう。
「あの、これで終わりじゃないんですか?」
「むしろここからが本番かな……ただ、さすがに良い時間だし今日はここまでだね」
夜も良い時間だったため、視聴はここで一旦終わることになる。この後、パスダーを吸収したパリアッチョと、真の敵である機界31原種が登場し、機界四天王だったピッツァが浄解され、本来の戦士の姿を取り戻し、戦艦ジェイアークを駆り、第三勢力として原種と戦うソルダートJ、新たな勇者ロボ、風龍と雷龍など新規キャラ達が増え、地球存亡を賭けた戦いが始まるのだが、それを見るのはまた別の機会になりそうだ。
「……光の剣と一緒にゴルディオンハンマーは持てないのでしょうか。そうすればネル先輩とかが相手でも……」
「さすがにそれはネル先輩でも本当に死ぬから駄目だって!?」
EI-01とかはエネルギーとかで抵抗していたが、ゴルディオンハンマーの前では物質の耐久力はほとんど意味がないのだ。おそらく純粋な興味と憧れからではあろうが物騒な発言をするアリスにモルフォは慌ててツッコミを入れるのだった。