転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする   作:popoponpon

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ゲーム開発部達とアバンギャルド君

 

「……い、今更だけど私達、なんかとんでもないことに首突っ込んでる気がする……」

「本当に今更ですよ、コハルちゃん」

「そうだ。戦いを前に不安を抱いていては勝てるものも勝てないぞ」

 

エリドゥへと続く、資材運搬用の通路。そこを歩く突入組。C&C、ゲーム開発部、エンジニア部、対策委員会、補習授業部、先生。その中にエイミといった面々は、ミレニアムの方が攻撃された際の防衛用の戦力として残されており、突入に向けられたのはこれだけの面々であった。人の足音とアリスの車輪の駆動音だけがトンネルの中に響く中、コハルの呟きに他の補習授業部の面々が反応する。

 

「……なんかごめん……」

「き、気にしないで!えーと……モモイ?私達だって、好きで来てるんだから!」

「あら、熱烈なラブコールですね」

「え!?」

「そんなんじゃないわよ!」

「そ、そうだよね」

「ミドリ、あなたはなんでそんな挙動不審なの!?」

「あは、は……」

「あの時より随分賑やか……」

 

ハナコの茶々に伴い一年生達がワイワイと騒ぎ立てる中、その会話を後ろから聞きながら、カリンが呆れたような表情を浮かべる。

 

「こんな状態で大丈夫なんだろうか……」

「ま、変に緊張して実力を出し切れない、よりかはマシだろ。補習授業部とか言われてっから正直気になる部分はあるが……先生、大丈夫なんだろうな?」

「うん、そこは安心して」

「そうそう、セリカちゃんとアヤネちゃんもすっかり溶け込んでるみたいだし、問題ないんじゃないかな~」

 

先頭を歩いていたネルとホシノも、後ろの会話を聞いてどこかリラックスしたような状態で言う。とはいえ、警戒は未だに怠っておらず、エリドゥまでの案内をする一番先頭にいるトキがライトで照らす先を注意深く見つめている。最後尾では、

 

「……という感じでダイブ装置を使います」

「成程……」

『クラック用のプログラムとかも仕込んでおいたし、ダイブ装置が起動したらこっちからもサポートをする手筈は整ってる。だから安心して……とは正直断言できないけど、気を付けてね』

『はい!アリスはアリスの体を皆と力を合わせて取り戻します!この世界は名も無き神々の王女に好きにさせません!』

 

モルフォが殿を務める形で、アリス、エンジニア部、ヴェリタスと共にダイブ装置の使い方について再確認を行っていた。だが、その中である疑問を投げかける人物がいた。

 

『……だけど、一つだけ疑問が残るわ』

「……ふむ?」

『何故、名も無き神々の王女は負け筋にあたるアリスをゲーム機に移動させるだけの処置で済ませたのか』

 

それは、リオの指摘だった。そもそもアリスが生きていることに対する疑問だった。

 

「リオさん……それって」

「セミナーの会長さんは、アリスちゃんが死んでいないのはおかしい、と思っているということですか?」

『そういうわけではないし、アリスが生きていてくれたことは嬉しいわ。ただ……名も無き神々の王女の視点で言うなら、アリスを生かしておく理由がないはずなのよ』

『……同意はしたくないですが』

 

まさか、アリスが死んでいてほしかったというのかと、思わず考えてしまうヒフミとハナコに、そうではないと弁明しつつも、そう思うに至った疑問を口にするリオ。ヒマリも不本意といった様子を見せつつも、リオの意見に同意する。

 

『名も無き神々の王女の敗北条件は二つあるわ。一つは物理的に倒すこと。そしてもう一つは、体の制御権をアリスが取り戻すこと』

『あちらがアリスの体を乗っ取り、意思を追い出したということはアリスも同様の行動がとれるということはわかっているはず。名も無き神々の王女だって私達の反撃は予想しているからこそ、エリドゥを占拠し、Divi:Sionを内部に引き入れています。で、あれば負け筋を潰さないこの行動には疑問が残ります。一体、何が目的でアリスを追い出すだけに留めたのか……』

「……よくわからないけど、捕まえて吐かせればいいんじゃない?」

「そうですね~、分からないことは喋ってもらえばわかります」

(アリスを追い出しただけで留めた、か……名も無き神々の王女にも、何らかの意図が?)

 

ミレニアムの面々が頭を捻って考え始める中、それをバッサリいったのはシロコとノノミであった。色々考えてもわからないのは事実、確かに二人の言う通り、とりあえず暴力に訴えるべきだと納得したように皆頷く。先生も彼女の目的を訝しんでいる中、

 

「……それにしても、エリドゥとは一体何なんですか?この資材運搬用の通路なんて、つい最近まで使われていたように見えますが……」

「……確かに。てっきりあの廃墟の一部なのかなって思ってたけどこれ……ガッツリ整備されてるよね?ミレニアムでこんなの作ってたなんて知らなかったなぁ」

 

どうしても気になっていることをノノミが質問すると、ホシノもそれに便乗する。それを聞いたミレニアムの面々は途端に気まずそうに口を閉じてしまう。それもそうだ。これはリオが横領して作った都市なのだから。ミレニアムの中ではとりあえず無罪放免ということにはなったが、外部から突っ込まれたら話はまた変わってくる。

 

『じ、実験都市です!』

「実験都市?」

『そうです!当たり前のように爆発を起こしたり騒いだりする人達のために、実験のために都市を作ろうという計画で作られたんです!』

『ユウカ……』

 

そこに救いの手を差し伸べたのはユウカだった。ミレニアム内の施設や建物に被害を出さずに済むように作られた都市がこのエリドゥだと。

 

「ああ、その通りさ。私達としても毎回爆発を起こしたり建物を破壊して怒られるのもね……だから、こういうのはとてもありがたいと思っていたんだ。宇宙戦艦の作成もそのうちやる予定さ」

『危険そうなプログラムとかそういうのも走らせ甲斐があるから……』

『いや、さすがにそれをやるのは……まあ、エリドゥが壊れるだけならいいか……』

「派手にドンパチやっても全然平気だろうし、戦闘訓練にも使えるだろうな」

「!都市建造系のゲームに応用できたりして!」

『……なんか、凄いことになってきたわね』

『いいことじゃありませんか。しょうもない使い方をされるよりずっと建設的ですよ』

 

ユウカの言い訳を聞いた瞬間にあることないことを吹き込んでカバーストーリーを作り上げていくミレニアム生達。なんか裏はありそうだけども、用途としてはわからなくもない、そんな微妙なラインを全員でごり押すことで皆の納得を引き出していく。

 

「……そろそろ地上に出ます」

 

そんなことを話していると、トキから言葉を告げられる。その言葉に全員が一旦黙り込み、表情が強張っていく。

 

「……よし、確認するぞ。地上に出たらタワーを目指す。けど、エリドゥの変化する地形のせいで途中で分断されるはずだ。そうなったら四部隊で動くことになる」

 

最後の確認をするように、ネルから突入後の流れについて告げられる。一言一句を逃さないように、全員が静かに耳を傾けていく。

 

「C&C、ゲーム開発部とエンジニア部、対策委員会、そしてシャーレだ」

 

それぞれ、頷いていく。

 

「タワーにつき次第、名も無き神々の王女の体を押さえる。程度に関しちゃ、気絶させる程度には遠慮なくやっていい」

「了解……ちなみになんだけど。さっきヒマリちゃんがちょっと言ってたけど、物理的に倒すっていうのは、どういうこと?」

「……リオ」

『それについては気にしないでも大丈夫よ。アリスが存在している以上、その選択肢はないわ』

「オッケー、それを聞けて安心したよ」

 

名も無き神々の王女を気絶させるにあたって、ホシノがヒマリの発言から引っかかっていた部分を問いかける。しかし、リオの言葉を聞いて安心した様子を見せる。ホシノもそれ以外の質問がないのを見て、ネルも周りの面々を見る。

 

「んで、名も無き神々の王女を押さえて、ゲーム開発部とエンジニア部が到着次第、アリスの意識を戻す。それでこの戦いを終わらせる」

「理想論で言うならモルフォちゃん達より先に他の三部隊が到着するってのが好ましいわけですね」

「万が一ダイブ装置がぶっ壊れたらパーだからね……私達としても全力で守るつもりだけど……」

「そこまで贅沢言えるのかな……」

「さあな、とりあえず今言えるのはこれだけだ。いいな……先生」

 

これ以上の確認はないようだ。それを確認すると、ネルが先生に合図を出してほしいという意思を示す。先生もネルの言葉からその意図を汲んで頷くと、

 

「よし……皆、行こう!アリスのために!」

 

先生の号令と共に、少女達は既に予備電源によって明かりが復活し、既に名も無き神々の王女に乗っ取られたエリドゥの中へと飛び込んでいくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

既に空は暗くなっており、月の光が降り注ぐエリドゥ。その中には大量のDivi:Sionが存在しており、モルフォ達は戦闘を開始していた。

 

「っ……!」

「この!」

「う、後ろにも来ています!」

「コトリ!」

「はい!」

 

そんな中、エリドゥの変化する地形が分かれ道を作り出したことで既にモルフォ達は当初の予定通り、四手に分かれて行動していた。コトリが背後から迫るDivi:Sionの群れに弾丸を叩き込んでいき、一掃していく。さらに後方から迫る機体をヒビキとユズが迫撃砲とグレネードで吹き飛ばしていく。前方では、敵機が放つエネルギー弾をモルフォが盾になって防ぐと、モモイとミドリが的確に潰していく。

 

「……とりあえず落ち着いたかな?」

「そうですね……今のところは」

 

ダイブ装置とアリスを椅子のような形をしたセントリーガン、雷ちゃんと共に張り付く形で守っていたウタハが、敵が消えたのを確認して呟く。

 

「ふう、でもどこにいるのかわからなくなっちゃったね……」

「進行ルート上はちゃんとタワーに近づいているみたいだけど……」

「……他の皆はちゃんと進めているのかな」

 

一旦一息つく形でリロードしたりしながら、他の三組の進行度を考える。

 

『今のところは問題ありません、他の三組も順調に進んでいます』

『……エリドゥに配備しているAMASが出てこないあたり、既にやられてしまっているようね。となると、あの子も……』

「すみません、なんかあるんですか」

『ええ……エリドゥには―――』

 

リオがその詳細について語ろうとしたその時だった。キャタピラが稼働する音が聞こえてくる。

 

「……んん?」

「この音は……キャタピラ?」

「おかしいですね……確認されているDivi:Sionにキャタピラはないはずですが……」

「じゃあ新型!?」

 

まさか、新たな個体かと武器を構え、警戒心を強めていく。そんな中、キャタピラの稼働音が近づくにつれ徐々に大きくなっており、その音から主の大きさが伺える。そして、エリドゥの壁の一部が下へと下がる形で消えていき、その正体が露わとなる。

 

「……え」

「「「ええええ!?」」」

『な、なんですかあれは!?』

 

それは、巨大なキャタピラに上半身と四つの腕を取り付けたロボットだった。だが、その頭部は引き千切られたような跡があり、そこにDivi:Sionが取り付いているのが見える。

 

『そ、そんな……アバンギャルド君のシンボルが!?』

「なんて!?」

『アバンギャルド君の頭脳を取り外して乗っ取ったのね……なんて酷いことを……ああ……』

「いやアバンギャルド君ってなんです!?」

「来るよ!?」

 

リオがアバンギャルド君と呼んだそのロボットが、右腕の一本で持った巨大なグレネードランチャーをこちらに向ける。他にも、右腕にはシールドが、左腕にはガトリング砲とアサルトライフルで武装しており、グレネードに次いで向けた二丁の銃口も、生徒達を捉える。そして、ウタハの警告と共に一斉に銃口が開かれ、生徒達が対比した直後に一斉射が始まる。

 

「うわあああ!?」

「モルフォ!?」

 

シールドを構えたモルフォだったが、巨大なグレネードが衝突した衝撃と、アサルトライフル、ガトリングの集中砲火に耐えきれず、後方に吹き飛ばされる。

 

『モルフォー!!』

「ごふっ!?」

『うわーん!?モルフォが大ダメージです!!』

「受け止める相手が悪い!?」

 

アリスがモルフォを受け止めるが、今のアリスの体はAMASの鋼鉄のボディ。激突した痛みはむしろ殺されておらず、痛みに呻く。地面に激突しなかっただけマシと見るかどうかはわからないが、アリスが受け止めるリスクについてはヒビキの叫びが全てだろう。

 

「とっ、とにかく退避!!」

 

痛みに耐えながらモルフォ達は乗っ取られたアバンギャルド君から逃げ出す。近くのビルの影に隠れ、アバンギャルド君の動きを見る。

 

「お、追ってこない?」

「あくまでこの先に行かせないのが目的だろうね。しかしアバンギャルド君を突破しなければどうにもならないが……チーちゃん、ハッキングはできそうかい?」

『厳しいね。元の……アバンギャルド君だった時の接続回路とかは全部取り換えられてるんだろう?その上でオフラインとなると……』

「頭部にくっついてるのを引き剥がせばどうにか……?」

『理論上はそうなるけど……アバンギャルド君の武装を相手にするのは骨が折れるわよ。防衛戦において多くの場面を想定して造られているから』

『なんでそんな面倒な仕様にしたんですかあなたは!』

『こんな形で乗っ取られるとは思わなかったのよ!』

 

後方で騒ぎ立てる面々は一旦おいといて、あのアバンギャルド君をどう突破しようか悩むモルフォ達。やはり、無人機械が相手ならばハッキングを仕掛けるのが一番楽なのだが、Divi:Sionのせいでそうはいかない。

 

「……参ったな、何も思いつかない」

「……となると、残された方法は一つしかなさそうだね」

「というと?」

 

ふっ、と笑みを浮かべるウタハ。まさか何か奥の手があるのだろうか。下級生たちの目がウタハに向けられる中、目を見開いたウタハは、雷ちゃんに跨ると、

 

「どのみちアリスをタワーに連れて行かなきゃ始まらないんだ、正面突破だ!アリス、ダイブ装置を頼んだ!」

『ええ!?』

 

ダイブ装置をアリスに託し、ウタハが先陣を切るように飛び出していく。ウタハを確認したアバンギャルド君がガトリングを放つが、それを雷ちゃんの機動力でどうにか避けていく。

 

「「ウタハ先輩!?」」

「とりあえずぶつかって後は流れでどうにかしよう!そうすれば何とかなる!」

「なるかなぁ!?本当になるかなぁ!?」

『皆さん、気を付けてください!』

 

アリス以外の面々も次々と飛び出していく。アリスも飛び出そうとするが、ダイブ装置の事を破壊されたら全てが水の泡になることを思い出し、その場に立ち止まる。

 

『皆……!』

「うわっ!?」

 

ガトリングをウタハに向けたまま、アサルトライフルとグレネードをモルフォ達に連射していく。それらを回避しながら引き金を引いていくも、完全には回避しきれず、着実に弾が命中し傷ついていく。

 

「ヒビキ!ユズ!」

 

グレネードをシールドで受け止め、爆発の衝撃が腕に伝わってくる。だが、グレネードだけなら耐えられると、後ろに指示を出す。爆煙の壁を突き抜け、ユズとヒビキがグレネードと砲弾を放つが、煙を突き抜けて盾を構えて突進してきたアバンギャルド君に受け止められ、爆発はノーダメージで済まされてしまう。そればかりか、

 

「うっ!?」

「モルフォ!」

 

逆にアバンギャルド君の盾に吹き飛ばされてしまう。宙を舞うモルフォはそのままコトリと激突し、地面を転がる。

 

「コトリ!?」

「「「モルフォ!?」」」

 

そこをチャンスとばかりにアサルトライフルが二人に向けられる。コトリのお腹に背中をくっつける形で転がされていたモルフォは、慌ててシールドを構えると、通常よりも口径の大きい弾丸が次々と叩き込まれる。

 

「モルフォちゃんとコトリちゃんを離せ!」

「悪いが後輩達への暴挙は許さないよ……うおっ!?」

 

雷ちゃんのセントリーガンを放とうとするも、やはりガトリング砲のせいで攻撃に回れない。ウタハのおかげでガトリング砲を無力化できていると考えれば十分な戦果だが、今はそれ以上が欲しい。モモイ達もアバンギャルド君がカバーできない脇から攻撃しようとするのだが、ガトリング砲の握られていない左側に回るしかないため、そちらへ回るとシールドで受け止められてしまう。かといって正面に出ればモルフォとコトリを狙っていたアサルトライフルが牙を剥くため、そうなると被弾してしまう。

 

「どうしよう、このままじゃ……!」

「手数が足りない……!」

「く、うぅ……!」

 

倒れている状態から迂闊に動けば体勢が崩れてしまい、大ダメージに繋がってしまうかもしれない。それを避けるためには全く動くことができず、コトリに腕を回された状態で二人がかりで攻撃を受け止めるしかない。しかし、このままではじり貧になるだけだ。

 

「ど、どうすればいいんですか……!」

「これ、私達だけじゃ……!」

『うわあああああ!!』

「っ、アリス!?」

 

しかし、そこにアリスが割り込んでくる。モルフォとコトリの前に立ちはだかったアリスが両腕に装備されたガトリング砲を連射し、アバンギャルド君を攻撃する。その光景を見たアバンギャルド君は攻撃を止め、シールドを前方に構える。

 

『……?』

「皆、今だよ!」

 

それを好機と見たモモイの合図とともに、全員で頭部となっているDivi:Sionを攻撃する。ユズとヒビキの攻撃でヒビが入り、ミドリの放った弾丸でDivi:Sionに穴が空く。そしてモモイの連射で頭部から落下し、アバンギャルド君から分離させられたことで、ようやくアバンギャルド君は動きを止めるのだった。

 

「……やったか!?」

「嫌な事言わないでください!!」

 

洒落になってないんですよー!と抗議するように回した腕の力を強くしながらモルフォと共に立ち上がるコトリ。他の面々もDivi:Sionの下に近づくと、動くかどうかを確かめる。

 

「とりあえずもう動かないようだけど……このまま残しておくのは怖いな。壊しておこう」

「わかりました」

 

勢いよくハンマーを振り下ろして既にひび割れが酷いDivi:Sionを破壊する。これでもうこの機体が動くことはないだろう。そして残ったのは首のないアバンギャルド君だ。

 

「アバンギャルド君……も、壊すしかないですよね」

『…………そうするしかないわ。これ以上利用されるぐらいなら、あなた達の手で弔ってあげてちょうだい……外されてなければ自爆装置が使えるはずよ』

『そこまで悲痛にな……いやなるか……』

『ちなみに他の皆は順調に移動してるよー、C&Cと対策委員会はもうちょっとでタワーに到着するかも』

 

悲しい声を聞かせるリオの言葉に従い、ウタハがアバンギャルド君に搭載されている自爆装置を探し始める。頭部が残っていれば遠隔で爆破させられたのだが、この場合は仕方ないだろう。

 

「うーむ、リオ、どのあたりに自爆装置が?」

『それは……』

『!何か来ます!』

 

できるだけ時間をかけたくないが、頭部を替えれば名も無き神々の王女はまたアバンギャルド君を動かせるということ。この場で破壊しなければならないため、さっさと場所を教えてもらおうとする。が、アリスの声に全員が顔を上げると、通路の奥から大量のDivi:Sionがこちらに向かって突進してくる光景があった。

 

「げえっ!Divi:Sion!!」

「く……数が多すぎる!」

『皆、その場から逃げて!その先に行けば、先生達と合流できる!』

 

チヒロの報せを聞き、その場から飛び出すように走り始めるモルフォ達。Divi:Sionの群れがアバンギャルド君を呑み込み、ゆっくりと立ち上がる姿を見ながら、彼女たちはエリドゥの奥へと走り出すのだった。

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