転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする   作:popoponpon

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勇美カエデと蟲神器

 

百鬼夜行、百夜堂を訪れたモルフォ。今回、百夜堂を訪れたのはモルフォだけではなくアリス、ケイとユズも一緒だ。モモイとミドリは残念ながら都合がつかなかったが、以前百夜堂を訪れた際にはユズが都合がつかなかったことや、まだアリスとケイは目覚めてなかったこともあり、今回は三人の都合を優先することにしていた。

 

「いらっしゃいませー!……あれ、桜花祭に来てくれた……」

「久しぶりです、シズコさん」

「久しぶりですね!三名様でよろしいですか?」

「いえ、四名です!」

「?ああ、後で合流する方がいるんですね」

 

対応してくれたシズコはアリスの言葉に一瞬首を傾げるが、後で誰かが来ると解釈する。アリスが言っているのはケイのことなのだが、それを読み取れというのはいかにシズコといえど困難ではあったのだろう。

 

「いえ、そういうわけでは……」

『アリス……私を察しろというのは酷です』

「そ、そういうものでしょうか……?」

「ま、まあとりあえず席に座ろうか……」

「あ、はは……」

 

ケイの事を伝えようと弁明しようとするアリスだったが、ケイに窘められるとユズに手を引かれて席まで移動させる。そしてモルフォも一緒に座り、メニューを頼むと、フィーナがスイーツを運んでくる。

 

「お待たせしマシタ!当店のおすすめメニューデス!」

「うわぁ……美味しそうなケーキだね」

「はい!凄く美味しそうです!」

「それではごゆっくり!」

 

運ばれてきたケーキを見て、ユズが思わず感嘆の声を漏らす。アリスもわくわくした様子でケーキを見つめており、早速と一口口に運ぶと、

 

「甘くて美味しいです!」

『……』

「ケイの分もちゃんとありますよ!どうぞ!』

『いえ、それはわかってますが……」

 

アリスの中のケイが何かを期待するような声音をしていたが、途中からアリスの声と入れ替わるように外に出てくる。この二人いつの間にこんな喋りながらの切り替えまでできるようになったのかとモルフォとユズが驚いたように見ていると、ケイもケーキを口に入れる。

 

「お、美味しい……」

「あはは……気に入ってくれてよかったよ。百鬼夜行まで来た甲斐があったね」

「そうだね。百鬼夜行のお菓子はお土産で前買ってきてもらったけど、スイーツも美味しいね」

 

ユズも、美味しいということは最初からわかってはいたが、実際に食べてみてその美味しさに納得している様子だった。モルフォも久しぶりの百夜堂の味を楽しんでいると、

 

「あれ?確かミレニアムの子だよね?桜花祭に来てたさ!えっと……」

「モルフォだよ、カエデ。後、ミモリさんとツバキさんもお久しぶりです」

 

たまたま店を訪れていた修行部の三人が現れる。三人も、モルフォの顔を見て思い出したようでこうして声をかけにきてくれたようだ。

 

「あ、そうそうモルフォ!うん久しぶりだね!」

「今日は遊びに来てくれたんですか?」

「ゆっくりしていってね~」

「モルフォ、知り合いですか?」

「うん、前百鬼夜行に遊びに行った時に知り合ってね。こっちは同じゲーム開発部の花岡ユズと天童ケイです」

「よろしくね」

「は、はい、よろしくお願いします……」

「よろしくお願いします」

 

三人にケイとユズを紹介する。そして修行部と自己紹介を終えたところで、

 

「うわーん!まだアリスが自己紹介していません!」

「あら?」

「あれ、なんか感じが変わったけど……」

 

アリスが飛び出してくる。ケイからアリスへと切り替わったその様子に修行部は驚いていたが、

 

「!まさかこれは……もう一人の私展開では!?まさか、現実でそんな人物がいるなんて!」

「?アリスはアリスであってケイとは別人ですよ?」

 

突然カエデが目を輝かせてアリスを見つめる。確かにそういう展開は主にカードゲームとかではあるのだが、アリスのそれはちょっと違うのだ。とはいえ、さすがにアリスはロボットで二つの人格が一緒にいます、とまでは言えないのでカエデが認知しているように二重人格という体でいくしかない。

 

「おー、二重人格ってやつ?」

「初めて見ましたね……アリスちゃんもよろしくお願いします」

「はい!よろしくお願いします!」

 

そしてアリスも含めて自己紹介が終わったところで、カエデがアリスを改めて見る。

 

「アリスちゃんはムシクイーンやったことある?」

「?いえ、やったことはありませんが……どんなゲームなんですか?」

「ふふ、トレーディングカードゲームだよ!!」

 

カエデが数枚のカードを取り出してアリスに見せながら、ムシクイーンの名前を口にする。ムシクイーンとはキヴォトスの中でそれなりに流行しているカードゲームであり、カードに記されたステータスだけでなく効果も用いた戦略性のあるゲーム……ではあるのだが、

 

「モルフォは知ってますか?」

「名前は……でもやったことはないかな……」

「え、そうなの?結構色々やってるのにムシクイーンはやってないんだ……」

 

聞いたことのないアリスはモルフォに確認してみる。しかしモルフォも渋い顔を見せる。この手の物は色々知っているし大体触れていると思っていたユズも意外そうにモルフォを見るのだが、

 

「いやまぁそのね……やるタイミングを逃したっていうか。まあ虫系のカードゲームなら……蟲神器とかあるし……」

「「蟲神器?」」

 

カエデ共々モルフォが口にした蟲神器という名前に反応する。蟲神器とは20枚で組まれたデッキ同士で戦うカードゲームだ。ゲームを開始する前に山札から裏向きのまま六枚のカードを縄張りとして場に置き、この縄張りがない状態でプレイヤーを攻撃するか、どちらかが山札が切れてドローができなくなった時点で縄張りが多い方が勝利するというシンプルなゲームだ。

 

「こういうのなんだけど……あ、ガッツリ虫だから気をつけてね」

「あ、本物の虫だ!ここらへんはムシクイーンと違うね」

「おお、結構リアル」

 

蟲神器には虫カード、強化カード、術カードの三つがある。虫カードは場に出すユニットのようなもので、強化カードは虫カードに装備するカード、術カードは使い捨ての呪文のようなカードとなっている。虫カードにはコスト、体力、技、属性の四つが記されており、虫カードはターン中に技などによって体力以上のダメージを蓄積されると破壊されてしまう。属性は赤、青、緑の三属性が存在しており、赤→緑→青→赤といった形で三すくみが成立しており、属性有利な相手に技を使うと、そのダメージが倍になるという長所がある。

 

「ふむふむ……」

 

コストを支払うために必要なカードは、一ターンに一度、エサ場にエサとして手札を一枚置いていき、それらを用いる。エサ場に置かれたカードの枚数までしかコストを使用することができないのだが、この数値は毎ターン回復していくため、ターンが進めば進むほど高コストのカードを使えるようになるのだ。

 

「成程、ルールはシンプルっぽそうだね……面白そう!ねえねえ、やっていい?」

「いいけど……これ、こういう絵柄だけどいいの?ここ喫茶店だけど」

「……じゃあ部室に行こう!!」

 

カエデの発言に、ミモリとツバキも頷く。モルフォ達も顔を見合わせていたが、蟲神器なるカードゲームがどういう風に行われるのか興味があるのだろう、アリスとユズも修行部の面々についていく様子を見せ、モルフォも共に移動を始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

修行部の部室に招かれたモルフォ達。他校の生徒を招いてもいいのかとも途中で疑問に思ったものの、ツバキらから別に問題ないだろうと返されたため、それ以上は何かを考えることもなくついていっていた。そして、

 

「へー、なんかこれとかこれ繋がりそうだね?」

「そうそう、結構コントロール色が強いんだよね。こっちはね……」

「おっ、なんか強そう!よーし、コントロールも面白そうだけどこっち使っていい?」

「じゃあ、私はこっちのコントロール系のデッキにしようかな」

 

カエデとモルフォのバトルが始まろうとしていた。ユズ達が見守る中、六枚の縄張りと四枚の手札を用意する。そしてじゃんけんを行い、モルフォが先行を得たため、モルフォからターンが始まる。

 

「よーし、いつでもこい!」

「じゃあまずはドローフェイズ、先行一ターン目はドローがないのでそのままセットフェイズ、手札一枚をマナ……ではなくエサとしてチャージして、メインフェイズ……何もせずターンエンドだよ」

 

手札からカードをエサとして置き、ターンを終える。そのカードイラストも中々にリアルっぽく、虫が苦手な人が見ると抵抗が凄いかもしれない。しかし、あくまでカードのイラストである点、そして対戦相手がカエデというのもあってかそういうのは一切気にしないようにターンを進めていく。

 

「私のターンだね、ドロー!そしてエサを置いてメインフェイズ!ハグロトンボを召喚して強化カード、古の蜻蛉切を装備!」

 

カエデが呼び出したのは、化石デッキと呼ばれるデッキに投入される虫カード。1コストという低コストで呼び出された虫に、それぞれの昆虫が持つ科目に対応した、科目専用強化カードを装備し、パワーアップさせる。

 

「さあいくよ!このゲームは召喚酔いがないんだよね!ハグロトンボで縄張りを攻撃だー!」

 

ハグロトンボの攻撃で縄張りが一枚削られ、モルフォの手札に加わる。

 

「他には何もできないからこれでターンエンドだね」

「……今の所、相手の方が動き出しが速いぐらいしかわかりませんが」

「アグロ寄りなのかなこれ……」

「うーん、トンボだね」

「まあ、トンボが出てはいますが……」

「私のターン、エサをチャージして術カード、玉響の蠢きを使用。その効果で手札からユウレイヒレアシナナフシを場に出すよ」

「名前長い……長くない?」

 

先制攻撃を受けたモルフォだったが、術を使って大型昆虫を踏み倒す。その属性は緑。トンボ達が属する赤属性には不利ではあるのだが、下級昆虫であれば高い体力でそこそこタフに戦える。

 

「ユウレイヒレアシナナフシでハグロトンボを攻撃、ハグロトンボは破壊されて縄張りも一枚手札にいくよ」

「あー、そっか。昆虫が昆虫の攻撃で破壊されるとプレイヤーが縄張りを一枚手札に加えるんだっけ」

 

ハグロトンボと装備カードを捨て札に送りながら、縄張りを手札に加える。単純に昆虫を破壊されても縄張りが減っていってしまうため、思ったよりも縄張りの消耗が早く、ゲームスピードが見た目以上に速いのも特徴だ。

 

「そしてターンの終わりに玉響の蠢きの効果で出たユウレイヒレアシナナフシは破壊されるんだけど……このカードの特殊能力、霊体によって破壊される代わりに縄張りを二枚引くよ」

「お?もう縄張りを半分にしちゃうの?」

「……いえ、これは……手札補充ですね」

「はい……ゲームシステム上、ユウレイヒレアシナナフシの体力は序盤にしてはかなり高いので、現時点では縄張り二枚以上の防御力があると見ていいでしょう」

 

ツバキとミモリに、ケイとユズが冷静に解説していく。ユウレイヒレアシナナフシは1600という高い体力があり、これをカエデが突破するには合計火力800以上の赤属性昆虫達が必要になる。だが、先程召喚したハグロトンボはたったの攻撃力100であり、序盤では高い壁であることがよくわかる。

 

「成程……奥深いんですね」

「む、むむ……でも負けるもんか!私のターン!エサをチャージして……ここは一気に展開だ!ムカシトンボを二体召喚!」

「ムカシトンボ……あれ、これはコストが2では?エサが二つしかない以上、出せるのは一体だけ……」

「違うよミモリ先輩!古の蜻蛉切は捨て札にあるとき、ムカシトンボ科、もしくはムカシヤンマ科の虫はコストが1減るんだよ!つまり、本来2コストのムカシトンボは1コストで出てこれる!」

「捨て札にあると効果を発揮できるカードもあるんだね」

「ムカシトンボの持ってる生きた化石も似た感じかな。生きた化石が捨て札にいるとその枚数分生きた化石持ちの昆虫はコストが減るから」

 

残り手札が一枚になってしまうが、二体の昆虫を出して盤面を整えていく。残念ながらムカシトンボ二体分の攻撃力でもユウレイヒレアシナナフシは倒しきれないが、次のターンで片方だけでも残すことができれば攻めの布石になる。仮に破壊されてもそれはそれでこのデッキにおいてはコスト軽減にも繋がるので無駄はない。

 

「ターンエンドだよ」

「……リソースの差がえぐいことになってる気がします!」

「いや、手札だけ見ればそうだけど、生きた化石を主軸にしてるカエデちゃんのデッキはそうとはいえない。むしろ、捨て札を肥やせばそれが実質エサに変わるから、エサを増やす重要性が低くなる」

「……でも、モルフォさんもコストを踏み倒していましたよね?」

「はい、でもモルフォの場合はあくまで術で踏み倒しを行っているので……ものによってはコストも必要なはずです」

 

冷静に盤面を観察しながら、ユズ達が解説していく。その解説を聞きながら三枚目のエサをチャージしたモルフォは、ムカシトンボを一体撃破する。それによってカエデの縄張りも四枚に減り、手札が二枚まで回復する。

 

「ターンエンド」

「私のターン!エサをチャージして……ふふん、そろそろそのナナフシには退場してもらおうかな!オオヤマトンボを召喚!からの古の蜻蛉切を装備!これで、オオヤマトンボの攻撃力は700、ムカシトンボの300と合わせて1000、それが倍になって2000!これで撃破だ!」

「でも、霊体が……」

「いや、ここはユウレイヒレアシナナフシを破壊させる」

 

霊体で耐えることも可能だが、ここは一旦ユウレイヒレアシナナフシを破壊させ、消耗する縄張りを一枚に留める。これによって、残る縄張りは二枚となるが、これでカエデは厄介だった昆虫をやっと退けたことになる。

 

「ふっ……これで私の有利!ターンエンドだよ!」

「手札は使い切ったけど、二体いるから次に何もなければ三体目を出してそのままトドメだね」

「まあ、この手札でそううまくいくとは思いませんがね……」

「私のターン、エサをチャージして術カード、息吹の解放を二枚使用。このカードで虫を1つ選び、好きな数のコストを支払うことでその数×300のダメージを与えるよ。1と3、合計4コストを消費して300と900ずつ与えて二体の昆虫を撃破!」

「うわっ、強化カードでHPも300上がってたのに……でも、オオヤマトンボには特殊能力、トンボ返りがあるから、強化カードがついていれば破壊時に手札に戻るよ!」

 

術によって破壊される昆虫達。この破壊では縄張りは削られないため、カエデの手札を増やすことなく、モルフォは昆虫達を対処する。

 

「ターンエンド」

「ふう、危ない危ない……でも、こっから!私のターン!これで生きた化石は四枚あるようなもの!4コストまでならノーコストだ!本来4コストのムカシヤンマをただで出して、もう一回オオヤマトンボを召喚!総攻撃だ!」

「!モルフォの縄張りがゼロに……!」

「結果論ですが、ユウレイヒレアシナナフシを残しておけば縄張りが一枚残っていましたね……」

 

二体の昆虫による連続攻撃でモルフォの縄張りが遂にゼロになってしまう。後一撃を通せばカエデの勝ち。勝利が目前となり、カエデの表情に勝利を確信したような笑みが浮かんでくる。

 

「ターンエンド!」

「私のターン、エサをチャージして、術カード、塵芥虫の爆熱弾を二枚使用。一枚につき600のダメージを与えるよ、これでムカシヤンマとオオヤマトンボを撃破!」

「うわっ、また手札が増えない!?」

 

しかしその笑みは、モルフォが発動した術によって無意味なものへと変えられてしまう。術で破壊されたせいで縄張りを引くこともできず、次でドローしても手札は1枚。そこで昆虫を引かなければトドメまで持っていけない。

 

「ゴクラクトリバネアゲハ(幼虫)を召喚してターンエンド」

 

残った三枚のエサで出せる刺々しい見た目の幼虫がイラストとして描かれたカードを出す。これで、最低限の壁は生まれた。次で昆虫を引かれてもトドメまで持っていくことができなくなってしまったカエデは何とかしようとカードを引く。

 

(瀬戸際の虫時雨……エサにある同じ色の虫を2つまで場に出せるカード……でも、コストが4じゃ使えない……)

 

そこには、一気に二打点を生み出せる喉から手が出るほど欲しかったカードがあった。しかし残念ながらコストが足りず、使えない。このカードを使うにはもう一ターン待つ必要がある。

 

「ターンエンド」

「良いカードを引けなかったみたいですね」

「でも、ここで温存して次に……っていう可能性も。生きた化石なら余程高くなければノーコストも同然だし……」

「私のターン。エサをチャージしてゴクラクトリバネアゲハを召喚」

「うげっ、青だしHPたっか!?」

「コスト6……遂に大型を素出しできるところまで」

「踏み倒しのデメリットもないからこのまま居座れるね」

「ターンエンド」

 

しかし、まだ攻めない。ここで攻めて迂闊に手札を増やせば物量で押されると考えているのだろう。そしてそれは、残念ながら効果的な作戦であった。次のターン、カエデが引いたカードは、

 

(刺蠅の血盟……本来は4コストだけど縄張りを二つ捨てれば相手の虫を一体破壊できる……これはエサにしたくない……!)

 

最後の詰めの事を考えれば握っておきたいカードだった。これは手札に抱えて次に引いたカードをエサにして攻めることにし、ターンを終了。大きな動きが見えなくなってきたお互いの様子を見守っている中、モルフォはエサを増やさずにカードを繰り出す。

 

「アレクサンドリラトリバネアゲハを召喚してターンエンド」

「うぐぐ……どんどん増えてく、私のターン!エサを増やして……このままじゃこっちがじり貧だし、そもそも昆虫引かないし攻めるしかない!まずは刺蠅の血盟!縄張り二枚を捨て札に送って、アレクサンドリラトリバネアゲハを破壊!」

 

まずは術を使い、縄張りにあった瀬戸際の虫時雨と生きた化石持ちのテイオウムカシヤンマを捨て札に送り、相手の昆虫を破壊する。これで捨て札には生きた化石に該当するカードが実質五枚になったが、今はそれを活かせそうにない。

 

「瀬戸際の虫時雨!これでエサ場のニセハナマオウカマキリとテイオウムカシヤンマを場に!」

「!一気に二体に増えた……」

「テイオウムカシヤンマで幼虫を破壊して、そしてニセハナマオウカマキリは味方を一体犠牲にすることで2000のダメージを与えるんだ!これでもう一体も撃破だ!」

「凄い……カエデちゃんがまた盤面をリセットした!」

「ですが……代償があまりにでかすぎますね」

 

二枚の術を使い、モルフォが並べてきた三体の昆虫を一掃することに成功するカエデ。しかし、虫時雨のデメリットでニセハナマオウカマキリはターンの終わりに捨て札へと消え、さらにこの行動の為に四つあった縄張りは半分に減ってしまった。しかし、

 

「じゃあ私のターンだね。ゴクラクトリバネアゲハを召喚。このカードがコストを払って召喚されたことで捨て札の同名カードをノーコストで召喚するよ」

「えっ」

「ターンエンド」

「「「「あっ……」」」」

「……ムカシヤンマを召喚してターンエンド……」

 

ここにきて、二体の大型昆虫。これには見ていた五人も察してしまい、カエデもドローしたカードが最後の生きた化石、ムカシヤンマであったのを見て、結末を察したようにそれを場に出し、ターンを終える。そして、

 

「私のターン。術カード、白銀蜘蛛の糸でユウレイヒレアシナナフシとアレクサンドリラトリバネアゲハを場に出すよ。四体の昆虫で一斉攻撃をするよ」

「うわー!負けたー!!」

 

全ての縄張りを破壊され、カエデが敗北する。敗北したカエデは机に突っ伏してしまう。

 

「途中まで良い感じだったのにー!」

「押し切れなかったのが厳しかったですね……終盤は完全にコントロールされていましたし」

「でも……面白かったですね。見ているだけでもカエデちゃんとモルフォさんが凄く楽しそうにしているのが伝わってきました」

「そうだね……よしよし」

 

机に突っ伏してしまったカエデを励ますようにツバキとミモリが声をかける。そして、ユズ達も、

 

「うー……リベンジ!リベンジだよ!」

「アリスもやりたいです!ケイはどうですか?」

『ま、まあやっても……いいですが……』

「他にもデッキあるのかな?」

「うんあるよ」

 

リベンジを申し込むカエデや、自分もやりたいと名乗りを上げたアリス達、そして二人の対戦を見て興味を抱いたミモリとツバキも交え、蟲神器に少女達は興じるのだった。

 

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