転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする 作:popoponpon
「……海、ですか?」
「ん、ゲーム開発部は海行かないの?」
ポチポチとコントローラーを操作する。画面の中の三度笠の少年が手にした刀で巨大な蜘蛛のようなモンスター、女王グモを撃破する。そして女王グモを倒した先の部屋に行くと、赤い帽子と服を着た男たちが住む山の頂上にある居住区に辿り着く。そこでやるべきことをやりながら、シロコは隣に座っていたモルフォを見る。
「行かないですね……皆も海は興味ないんじゃないでしょうか」
「そっか」
まあミレニアムの人達はそんなものかとぼんやり考えながらモルフォの返答を聞くシロコ。ゲーム開発部の面々に海に行くかと聞いたところでアリスとケイはわからないがモモイやミドリ、ユズに関しては間違いなく渋るだろう。そうするぐらいなら部室やらゲーセンやらで遊んだほうが楽しいというだろうし、わざわざ水で遊ぶなら海よりプールにでも行くことになるだろう。海水でべたべたしたり砂でジャリジャリしたりと、楽しい部分こそ確かにあるのだが、モルフォを含めた面々はどうしてもそっちのネガティブな印象の方に目を向けてしまいがちだ。
「どこか行くんですか?」
「ん、もうすぐ行く予定。セリカが一発でかいのを当ててきた」
「へ~」
まあ、実際に行けばそれはそれで楽しみはするだろうが、ミレニアムの生徒に関してはその重い腰を上げさせるまでがハードルが高いのかもしれない。ではゲーム開発部は海に行かないで何を楽しむのかといえば、それは勿論、クーラーの効いた部屋で行うゲームである。それは、シロコがやっているこのゲームもである。
「ふぅ、これで次のダンジョン攻略で城も完成するかな……」
「一部が最高品質じゃないのでそこを壊されるかどうかが気になるところですが……」
「ん……」
シロコがプレイしていたゲームの名前は風来のシレン2鬼襲来!シレン城!という。過去にプレイさせてもらったスーファミ版の風来のシレンよりも後に出てきた、64版の風来のシレンであり、子供時代のシレンとコッパが旅の途中に辿り着いたナタネ村での一幕を描いたものとなっている。ナタネ村に立ち寄った二人はそこで食事を取っていたのだが、そこを鬼達が襲撃。その後、ひと騒動を経てシレンは城を作る役目を担うことになり、シュテン山と呼ばれる、ナタネ村からの三ルートと中腹と呼ばれる中間地点から山頂に続く三ルートを一つずつ組み合わせて登頂し、山頂にて城の部品を作り、それを村に持ち帰って城を作っていくという作業を繰り返すことになる。
「……最後に完成させるときに最高品質の材料で作ればよかった」
城を作る材料には三つの材質が存在している。何故材質が分かれているのかというと、今作では城が出来上がってくるとそれを察知した鬼達が襲撃をかけて城を壊そうとするのだ。それを、シレンや村人達も協力して撃退していくのだが、その戦闘によって城が破壊されると、破壊された箇所はまたシュテン山で材料を拾い、作り直す必要がある。良質な材料を使えば使う程、城は壊れにくくなり、最高の材料と呼ばれる一番質がいい材料だけで作られた部分は鬼達の襲撃では絶対に壊れなくなるのだ。が、シロコの作る城は最高の材料だけで城を作っているわけでなく、拾ってきた材料をとりあえず全部使って城を作っているため、どうしても不安定な部分がでてきてしまっている。
「……それにしてもノノミ、遅いね」
「色々買い物をしているって言ってたんですよね?」
「ん、春葉原のデパートで小物を買ってくるって言ってた。別にそこまで荷物がいるとは思えないけど……」
風来のシレンはちょこちょこプレイさせてもらっていたが、先日遂にフェイの最終問題という最後のダンジョンをクリアすることができたシロコは、満を持してモルフォに次のシレンをプレイさせてもらっている。すっかり骨までシレンジャーになってしまったシロコだったが、今日はモルフォとゲームをしに行く、という話を聞いて興味があったらしいノノミと途中で合流することになっていたようだ。しかし、そのノノミは買い物をしてから来ると言っているようであり、その間もこうしてゲームを続けていたのだが、
「シロコちゃん、すみませ~ん、待たせちゃいましたか?」
「ん、ノノミ。もう買い物は終わったの?」
「はい、モルフォちゃんもこんにちは~元気でした?」
「こんにちは、ノノミさん。ええ、元気ですよ」
ここでシャーレにノノミが到着したようで、シロコとモルフォがいる部屋に現れる。小物を買いに行ったという割には手には荷物のようなものはないが、おそらく家に宅配サービスか何かで送ったのだろう。
「ごめんなさい、色々気になるものが多くて……でも、その分良いものが買えたので!」
「ん、期待してる」
「……あ、すみませんモルフォちゃん、ちょっと話がわからないですよね?」
「あ、大体のことはシロコさんから聞いてるので大丈夫ですよ」
ノノミがシロコの隣に座ると、シロコから今やっているゲームの話を聞いていく。その間も、山頂からシレンは城を作るための材料を入れた巨大な箱と共に川下りを敢行しており、ナタネ村まで一気に移動を始めていた。
「これが、作っているお城ですか?なんか凄いでっかいですね」
「ん、ここまで頑張った」
ナタネ村まで戻ったシレンがそのまま城の建設予定地へと向かう。そこには青い髪の少年、リクと村人たちが待っており、シレン、コッパと共に城の建設の続きを始めていく。
「……ん、今日で水堀が完成した」
城は本丸、二の丸、内壁、外壁、水堀の五ヶ所に分かれていて、それぞれ四段階に分けて設計が行われる。そして鬼が襲撃した際には最新の段階部分が破壊されてしまうため、一番最後には最高の材料を使いたいのだ。
「ほぼできあがってますね~」
「ん、協力者も仲間もいっぱいできた。後は鬼に襲われなきゃ問題ない」
今作では、シレンが偶然選ばれし者となって城を作る役目を無理矢理担わされてしまう。それは、シレンとコッパだけで城を作れというもので、村人たちもシレン達に好意的ではありつつも、城作成には一切手を貸してもらえず、協力してもらえる部分も精々不思議のダンジョンに向かうシレンの持ち物を預かる、村で寝泊まりする寝床や食事を提供してくれる程度にとどまってしまう。しかし、ストーリーが続くにつれ、仲間も増え、城を一緒に作ってくれる人も出てきたことで次第に村人たちも手を貸してくれるようになり、終盤ではシレンにその役目を担わせた村おさらには黙って村人全員で城を作るようにもなっていた。
「……凄いですね、たった二人で頑張ってるところを自分達は手を貸そうとしてなかったのに、そんな人たちが意識を変えてこうやって皆で力を合わせて村の為に頑張るなんて」
先程、このゲームについてシロコから聞いた話を思い出してぽつりとノノミが呟く。当初、たった二人で城を作っていたシレン達の下に、リクが現れて共に城を作るようになるのだが、それはお告げとは違う、役目はあの二人だけで担うべきだという村人たちはその行為を良しとはせず、リクに戒めるように城造りを手伝うなと言うようになる。しかし、リクは手を止めることはせず、最終的に村人たちも、子供達だけで城を作るリク達の姿に心を動かされ、自分達も手伝うようになっていくのだ。
「……あっ」
「?」
そして城造りも完成直前、といったところで鬼の襲撃が起こってしまう。カンカンカンと鬼が襲撃してきたことを知らせる鐘の音が鳴り響き、シレンと村人達が必死に鬼を追い返すのだが、残念ながら城の一部が破壊されてしまう。
「……壊されてしまいましたね」
「ん……でも一番材料を使う本丸じゃないだけマシ。後一回は山登りしないといけなくなったけど……ノノミ、やってみる?」
「え?いいんですか?でも、私初めてですし……これ、ゲームも結構終盤じゃないんですか?」
「うん、どうせ後一回だし、それに初心者でも全然簡単だと思う。まあなんかあったら私もモルフォも言うから」
「そうですね、どうですかノノミさん?」
「……では、折角ですし……」
次の登山が確定となったが、それなら折角来てもらっているのだからノノミにやってもらった方がいいだろうと考え、シロコとモルフォはコントローラーをノノミに渡す。しかし、それを受け取ったノノミは疑問そうにコントローラーを見る。
「あの、これはどうやって持つんですか?」
「右と左を持ってください。これは真ん中のスティックは基本的に使わないので」
「そ、そうなんですか」
言われるがままにコントローラーを握り、シレンを操作し始める。その両隣にモルフォとシロコが座り、言われるがままにナタネ村にある訓練場を利用することになる。
「……これは、トラバサミですか?」
「そうですね、これを踏むと暫く移動できなくなるので避けながら攻撃していくことになります」
訓練場を使い、レベルを上げる。これで、序盤の攻略も楽になるだろう。次に、一緒に探索していく仲間を探すことになるのだが、
「仲間ってどれくらいいるんですか?」
「そうですね……まあ、色々いますが、仲間にできたりできなかったりします」
一緒にダンジョン攻略をする仲間もおり、リクは勿論、カッパのヒマキチ、シレンと同じ風来人の少女、アスカ、山の守り神マーモリ・ガーミの化身が宿ったタンスのマーモ、鬼の首領オヤブンの娘であり、シレンに助けられたことがきっかけで彼に惚れ、協力してくれるキララなどといった面々が登場する。この中で、ナタネ村の時点で仲間にできるのはアスカ以外、そしてエンディング前はある例外を除き仲間にならないキララを除いた面々が存在する。今回、仲間にできたのはリクだけであり、二人でシュテン山に入っていく。難易度もルートによって異なるが、初級のルートに入っていく。シロコの使ってたアイテムをロストする危険性も考慮し、持っていたアイテムは全部倉庫に置いてきているため、素潜りの状態になっているものの、先にレベルを上げていたこと、モンスターのラインナップも控えめになっているのもあり、初挑戦のノノミも順調に進めていた。
「成程……中々楽しいですね。拾っていったアイテムを使って戦っていくのは」
「ん、これが不思議のダンジョンの醍醐味」
途中で拾ったカタナと地雷ナバリの盾という二つの装備を手に、初級ダンジョンを越えて中腹に向かう。そこでアイテムを買い足したり、鍛冶によって武器を強化する、また、アスカがいれば彼女を仲間にできたりする。
「彼女は仲間なんですね」
「……あっ」
「シロコちゃん?どうしたんですか?」
「いや……まあ、いいか……大丈夫。別に悪いわけじゃないから」
「?」
シロコの気になる発言に首を傾げながらも、そのまま山頂へ続く初級ルートに入っていく。再び攻略を開始していく。
「きゃっ!?アイテムがモンスターに!?」
「ンドゥバ……こいつはアイテムに化けてるからこうやって拾おうとするといきなり攻撃を喰らう」
「や、厄介ですね……あっ、アスカちゃんが敵を一撃で……」
ンドゥバと呼ばれるアイテムに化ける敵は、シレンがアイテムを拾おうとする→正体を現して反撃する→味方の行動という形で行動を挟んでくる敵だ。そのため、隣接する味方がいれば即座に攻撃するのだが、アスカの放つ攻撃の威力が明らかにおかしい。レベル的にはシレンより下なのに、何故か攻撃力が高いのだ。
「……アスカの装備、鍛えたままだから……」
「ここにはケンゴウ系もいないですし、もうアスカだけでいいんじゃないかなってレベルにはなりますね……」
その理由は、アスカはシレンから装備を投げ渡され装備することができるという特性にある。なので、鍛えた剣や盾を装備させれば、シレンがもう一人いるという状態になるため、一気にステージ攻略が楽になるのだ。そんな最強の用心棒状態となったアスカを見ると、リクの火力の低さが悲しくなってくる。言ってみればただの村人なので仕方ないところもあるのだが、リクのある意味最大の長所はその火力と体力の低さである。その特性が主にクリア後にもののけ王国と呼ばれるコンテンツのために悪用されることになるのだが、残念ながらクリア前は放物線を描く遠距離攻撃、パチンコ以外はパッとしないキャラだろう。
「山頂につきました~、ここから城の材料を作ればいいんですね?」
「ん、材料はちゃんと拾えてる」
そして山で城の材料を作り、ナタネ村に持ち帰る。道中はそこまで辛くはなかったが、拾ったアイテムを駆使して様々な特性の敵を攻略していくのはやはり面白い。一周のプレイ時間がそこまで長くないことや入る度に姿を変える不思議のダンジョンの特性も相まって何度も山を登ることが苦になりにくいのもこのゲームの面白さと言えるだろう。そして、鬼達に壊された城を修復し、遂に城が完成する。
「……遂に城が完成した……」
「これからどうなるんでしょうか?」
城が完成した翌日の朝、シレンは村人達が待つ城へと向かう。だが、村人達と城が出来上がったことを喜んでいるのも束の間、鬼達が城を破壊するために過去一の規模による攻撃を開始。が、城が完成した上に外部から募ってきた兵もいる状況で、村人達も反撃に打って出る。
「凄いですね……鬼を追い払ってしまいました」
「ん、城一つでこんな変わるんだ……でもなんか思いっきり中に入られてるけど……」
「まあそこは映像の綾ってやつですね……」
その結果、鬼達は何の戦果も挙げることなく撤退させられ、村人たちの勝利に終わる。が、これだけでは終わらない。今度は村の方から鬼ヶ島に乗り込み、攻撃を開始することになったのだ。普段は中腹にいるアスカも降りてきて、冒険の仲間達全員も合わせ、兵、そして志願した村人達と共に鬼ヶ島へと乗り込んでいく。鬼達もまた、オヤブンの迎撃命令を受け、戦闘の準備を開始。激しい人間と鬼の戦いが起ころうとする中、シレン達はバラバラになって鬼ヶ島の中へと入っていく。運が良ければ落ち合おうといい、アスカ達も別れる中、この戦いにあたって、シレンと同じ三度笠と縞合羽を身に着けたリクからある話を告げられる。
「……この戦いが終わったらシレンと一緒の旅に……?」
「仲がいいんですね~」
戦いが終わったら一緒に旅に出たい。風来人になりたいというリク。彼と別れ、遂に鬼ヶ島に突入する。コントローラーをノノミから受け取ったシロコは、道中でキララ、アスカ、ヒマキチを仲間にして進んでいくのだが……
「「……あっ!?」」
シレンが通路を進んでいくと、謎の巨大な赤い袋のようなモンスターが立ち並ぶ部屋に入る。いかにも爆発しそうなそのモンスター達を、敵の指揮官であるガラハという鬼の命令によって爆破され、シレンが跡形もなく吹き飛んでしまう。これには鬼達もやりすぎたのではとちょっと後悔し始めていると、なんとそこにシレン達が現れてしまう。
「え?なんでシレンが……」
「じゃあこれって……!?まさか、リク君……!?」
それを見て、死んだのはリクだと気付くノノミ達。ガラハ達はその場から逃げ出してしまい、残ったシレンは、リクの遺品である三度笠と縞合羽を見て自分が付けていた装備をその場に捨ててリクの遺品を身に着けると無言で先へ進んでいく。その後、ガラハはリクの死に胸を痛めつつも、改めて鬼達を引き連れて男の勝負として襲い掛かってくることになる。
「……男の勝負なのに思いっきり囲んで叩きに来てる……」
「このゴツオニというモンスター、二回攻撃が厄介ですね……他にも遠距離攻撃してくる敵もいますし……」
二回攻撃を行う敵はこれまでも出てきてはいたが、ガラハはちゃんと陣形を組んで遠距離と近距離を組み合わせて効果的に攻めてくる。それらを巻物や杖などを駆使しながら着実に目の前の鬼を倒していき、最後に残ったガラハを撃破。ガラハはそのまま撤退し、鬼ヶ島攻略も後半戦に入ることになる。
「ここから後半戦って感じでしょうか」
「ん……敵のラインナップも変わってきてる……」
ここからは敵の種類もどんどん変わっていく。装備品を弱体化させるジャノメぼうずや二回攻撃と倍速移動を行うシップウ、シレンをおにぎり状態にして弱体化させてくるにぎり親方に満腹度を下げてくるハラヘリータ、レベルを下げてくるくねくねハニーだけでなく、単純にステータスの高いドラゴン、鈍足状態や麻痺状態にしてくるパオパ王、そして麻痺状態に変えてくる鬼サソリなど、洒落にならない敵も多く出る。それらを突破し、26F。遂に鬼ヶ島の最終フロアに辿り着くと、そこでシレンと鬼のオヤブンの一騎打ちが開始する。多くの鬼達が観客として見守る中、シレンは鬼達との最後の戦いに挑むことになる。
「ん、リクの仇……!私は勝つために何でも使う」
「何でも……まさかシロコちゃん、聖域の巻物を」
「ふっ……聖域の巻物の上に乗っている限り、相手は攻撃できない、これでかんぺき~んっ!?」
ここでシロコが取り出したのは、地面に置くとその場に張り付き、モンスターが上に乗ることができなくなるという聖域の巻物という強力なアイテム。これを使うとモンスターはシレンを殴ることができなくなるため、オヤブンを一方的に叩きのめそうとしたのだが、オヤブンはなんと炎を吐いて聖域の巻物を燃やし尽くす火柱を作り出してしまう。
「も、燃やされてしまいましたが……」
「んー!とりあえず炎を避けて……分身の巻物で……んんー!!」
「火柱は拡散するせいで分身を貫通してしまいますね」
聖域の巻物が使えなくなり、シレンの分身を作り出して敵のヘイトをそちらに向ける分身の巻物で時間を稼ごうとするも、再び炎で分身諸共焼かれてしまう。これではまずいと一旦移動し、オヤブンが分身を殴っている間に体力を回復させると、
「シロコちゃん、どうします?」
「ん……こうなったら最後の手段。復活草は壺一つ分ある……これ全部を使ってごり押す」
「ご、ごり押しですか……」
「ん、困ったら物理は全てを解決する」
搦め手や小技なんて知ったことかとノーガードでの殴り合いを開始。斬って殴られ倒れては復活し、再び攻撃を開始する。そうした攻防が何回か続いた末に、遂にオヤブンが倒れ、シレンが勝利する。その後、鬼達はシレンを前に集まり土下座。村を襲ったことを謝罪する。それをシレンは許すことにするのだが、コッパがリクは蘇らないことを指摘。それを受け、ガラハが自分が殺してしまったことを告げ、その責任を取るため、シレンの前に座り込むと、自分を好きにしろと言う。
「……なんか、あんまりいい気持ちじゃありませんね……」
「ん、やったのはこいつが悪いけども……いやでも酒は飲まないでほしいんだけど」
「ま、まぁこいつもやってられないんでしょう……」
『だれが死んだの?』
「「!?」」
と、そこにいきなりリクが現れる。それを見たガラハは勿論、他の鬼達も驚愕した様子で立ち上がる。幽霊でも見たかのような反応を見せる鬼達だったが、リクは生きてるといい、吹っ飛ばされて川に落ちてからは泳いでたらここに出てきたという。リクが生きていたことを知り、皆が安堵したところで、オヤブンは村にこれ以上悪さをしないことを改めて誓い、玉手箱をシレン達に渡す。そして、シレン達は城へ凱旋することになる。
「驚いたけど、生きててよかったね」
「そうですね……って、ん?」
だが、城に戻り、玉手箱を皆に見せた際に村人の一人が、これは城を吹き飛ばす爆弾ではないのかと発言したことで状況は一変。村人たちが一斉に玉手箱から距離を取る中、コッパやリクに後押しされてシレンが玉手箱を開けることになる。
「まさか、本当に……?」
「いやでも、完全に改心したのでは……?」
何かが爆発した音と共に玉手箱から光が溢れる。そして場面が変わると、そこには木々が桜の花びらを咲かせ、城の景観を彩り始めていた。そして、勝利の手締めと共に物語が終わり、エンディングに入ることになる。
「これで終わりですか……見たのは最後の方だけでしたが、それでも面白かったですね」
「ん……面白かった、難易度は前やった方が高かったけど、こっちはアイテムが強いのが多かったり、敵も色んな奴がいて面白かった。特にマゼルンは装備の在庫処分もしやすいし便利だった」
エンディングに入り、ゲームの感想を述べる二人。ノノミはシュテン山を一周しただけだったが、シロコの指摘した通り、今作はアイテムも比較的強めなものもあるが、敵の強さも相まって難易度が低めなのもあり、初心者でも取っつきやすい作品となっているのもあり、十分に楽しめたようだ。その後は経験者のシロコが鬼ヶ島を攻略するところを見ていただけだったが、自分と違ったプレイを見るのもまた、新鮮で面白かったようだ。
「こういうのがあるのなら、また機会があったらやってみたいですね~」
「きっと楽しめると思いますよ」
「ん、私もやりたい」
「わかりました、また機会があったらですね」
他のシレンシリーズにもまた、それぞれの特徴がある。それらをどのように二人は楽しんでくれるのか、それを楽しそうに考えながら、モルフォも頷くのだった。