視点の変更を減らしてみました。
どうでしょう?
2001年4月1日
side・黒川
蒼い空を光線級に気をつけながら低空飛行をしていた。
ときどき何気なしに着地し、歩行する。
その繰り返しだが、戦場以外で戦術機を動かすのは大陸以来だろう。
「こんな空を飛んだのはいつだったか。」
光線級のいない空は重金属の影響か何処までも蒼く広い。
ふと、足元には荒廃した市街地が見える。
記憶にある場所だったので着地し歩いていると看板が見えた。
【柊通り】
看板にはそう書かれてた。
『隊長、先に逝きます!!』
『ちゅ、中隊長!!せ、戦車級がぁぁぁぁあああ!?!?』
『中隊長、あんたは……。』
かつて俺の仲間達が散っていった戦場。
その光景が頭をよぎるが、頭を軽く振るい忘れる。
「もう無力じゃない。」
あの時とは違う。
もう2度と、仲間を失わない。
俺を慕ってくれるあの子達を、死なせたりしない。
再び跳躍ユニットを起動し、跳躍飛行する。
少しして、レーダーに【国連軍大西洋方面第11基地 横浜基地】と表示される。
予め後藤副司令から指定された周波数に合わせ、通信を試してみる。
「こちら相馬原基地所属、鋼の槍連隊外接実験部隊、鉄の盾中隊隊長、黒川敏行少佐。
横浜基地、応答されたし。」
『こちら横浜基地CP。黒川敏行少佐ですね。そのまま誘導灯の案内通りに飛行してください。』
「了解。」
そろそろか。しかし早朝からの出動は辛いものがあるな。
とりあえず着いたら着任報告して仮眠しよう。
いい加減、眠い。
『あ、副司令、どうかされましたか?』
『ちょっと代わって。』
通信士と女性らしき人が会話している。
何だ?
『聞こえるかしら?』
「……どちら様ですか?」
どこかで聞いたことのある声が聞こえる。
誰だ?
『香月夕子と言えば分かる筈でしょ。』
その名前には確かに覚えがあった。
極東の魔女。後藤副司令が高評価して知る、横浜基地の副司令官。
それが何の用だ?
と言うか、嫌な予感しかしない。
「後藤副司令から伺ってます。」
『でさ、ちょっと演習に付き合ってくれない?』
唐突すぎる提案に少し頭が痛くなる。
正直、後藤副司令と同じ臭いがする。
「当機は相馬原より巡航速度で航行したため推進剤が心許ない。それに武装など……。」
『滑走路にコンテナがあるからその中の物を使いなさい。ペイント弾だから問題ないわ。』
確かに滑走路には補給コンテナが置いてある。
準備がいいな……じゃなくて。
「推進剤は?」
『そのままで十分でしょ。』
おいおい。そこまで余裕が無いぞ。
とりあえず後藤副司令の名前で拒否するか。
幾ら国連軍でも、命令権は後藤副司令にあるし。
『あ、後藤ならこの事は承知してるわよ。』
……外堀はすでに埋めてたか。
なら仕方がないな。
「イージス01、了解。現時点よりAH戦闘開始する。エネミーの情報と機種を求む。」
『相手は私の子飼いの兵士。数は4機。機種は不知火よ。腕の方は戦って確かめなさい。』
つまり、どちらの犬が強いかって闘犬かよ。
いい性格してるな、この人も。
「イージス01、了解。」
滑走路に置かれた補給コンテナには一式備えられていた。
種類は87式突撃砲と74式長刀のみか。
「さて、どう行くか。」
とりあえず補給コンテナから87式突撃砲を両手に保有し、背部兵装にも2丁保持しておくか。
長刀は却下。近接戦闘はしないに越した事はない。
しかも突撃砲は米国戦術機とは相性が悪い。
まぁ、下手な鉄砲数撃てば当たるの理論で行くか。
装備を一式整え、指定されたエリアに向かう。
場所は先程通過した旧市街だった。
『ついたわね。それじゃ、始めて。』
「イージス01、了解。」
旧市街を警戒しながら歩いていると、レーダーに反応が映る。
「タイプ94を3機確認。12時の方向、500m、ビルの裏か。」
俺はビルを盾に36mm突撃砲を乱射する。
すると相手も撃ち返してくる。
取り敢えずビルの裏に隠れる。
隠れたビルが色取り取りに染まっていく。
「流石に不利だよな。」
相手は数の上では圧倒しており、正面突破は愚問。
そして最後の1機は所在不明。
不明機を仮定でスナイパーとしても、とりあえず正面のビルの2機から叩くとして。
取り敢えず、奇襲するか。
「上手く行くか。」
跳躍ユニットで一気に上昇し、ビルを飛び超えて敵の直上に出る。
そして足元にいた不知火2機を背部兵装の36mmでペイントまみれにする。
「っ!!」
嫌な予感がしたのと同時にペダルを踏み込み、跳躍ユニットで前方へ加速する。
その刹那、近くのビルにペイントが盛大に弾ける。
「く、やっぱり狙撃手か。」
だが、狙撃されたお陰で狙撃地点と次の行動が読める。
その直後、仕留めなかった不知火が追いかけてくる。
俺はビルを移動しながらスナイパーの射撃地点へ向かう。
すると相手は俺を視認したのか突撃砲を撃ちながら接近してくる。
「いい腕だな。だが、若い。」
跳躍ユニットを細かく操作し、止まることなく前進する。
しかし、ビルとビルとの間が狭い所では接触しそうになる。
すると相手は長刀を抜き、一気に近づいてくる。
「ちぃ!!」
そして、相手が長刀を振るう。
俺はレーダーを見ながらギリギリで避けていく。
「くっ。」
この戦術機は近接戦闘用の兵装がないので、殴り合うのは愚策。
しかし、ビルへの激突への警戒も密にしなければならない。
本気で精神的に来る作業だが、ギリギリまで粘る。
「もう少し。」
今までの経験と直感から狙撃手が居そうな位置へ移動する。
そして、予想通りの所にもう1機の不知火を視認する。
相手もこちらに気付いたのか87式突撃支援砲を構えるが、ここでは悪手だ。
俺の後ろにいる不知火のIFFで撃てないのだからな。
「これで、終わりだ。」
背部兵装を同時起動し2体の不知火をペイント塗れにする。
1マガジン分を撃ち尽くしたのか、弾が途切れる。
「CP、当該戦力の排除を完了。任務終了だ。」
『こ、CP了解!ご苦労様です。』
頭痛い。
眠気も限界だ。
もう、寝てもいいよな……。
目蓋がゆっくりと閉じていく……。
side・香月
「凄いわね。」
伊隅、速瀬、宗像、風間。
A-01の精鋭4人を相手に圧勝。
「これが、後藤の駒。」
正直、羨ましく思う。
これほどの手札を所有している事に。
これほどの実戦経験者を所有している事に。
「欲しいわね。」
まぁ、貰えないでしょうけどね。
さて、どうしたものかしら。
戦闘描写がキツイ。
自分では上手く書いたつもりでもどうだろうと。
感想、お待ちしてます。