MUV-LUV ALTERNATIVE ACE   作:もち猫

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今回の作品、難産なのに微妙かも(;=_=)
もしかしたら修正加える可能性があります。


外伝「雨の日」

side・黒川

 

昨日、後藤副司令に恨み言を言いながら釘を打ち付けて少し気が楽になった。

だが、今日も雨が降っている。

シミュレーションルームで何となく一服していると伊隅大尉が歩いてくる。

 

「どうかしましたか?何かぼーっとしてましたが。」

「あぁ。雨の日は嫌いでね。どうも気分が乗らん。」

「雨、ですか。」

 

伊隅大尉に頷いて答える。

 

「何、昔々の話さ。詰まらん所かクソみたいな話さ。」

「教えてもらえますか?」

 

隣から風間少尉が尋ねてくる。

よく見ると殆どの面子が終わったのかシミュレーターから出ていた。

俺はなんだかと肩を落とす。

 

「対して面白くない話だぞ。期待するなよ。」

 

 

 

それは9.6作戦後の頃だ。

俺達は遊撃部隊として各地を回っていた。

とは言っても結局は何でも屋のような事をしていたんだ。

まぁ、幸いなのは一人も欠ける事無く活動できた事だろうな。

 

 

 

……その日も今日みたいな雨だった。

俺は司令本部に呼ばれたんだ。

いつもの、周辺に出現したBETAの掃除かと思っていたんだ。

だが、俺の予想と違っていたんだ。

 

「コロニーで流行性のウイルスですか?」

 

避難している難民達が安全とされる所で集落を作っていたんだ。

その場所を俺達は総称でコロニー、と呼んでいた。

 

「そうだ。場所はここから近く、早く手を打たなければ致命傷になりかねない。」

「私の任務は、ワクチンを届ける事でしょうか?」

「いや、それなら陸上部隊を使う。その程度の事で戦術機は投入せん。」

「では、何故?」

 

そもそも、戦術機を使う時点で何をすればいいのか分かったんだ。

だが、それは無いと、あってはならないと心が否定したんだ。

だが、現実は残酷だった。

 

「問題は、そのワクチンを運んでいた輸送部隊をBETAに破壊された事だ。

同じものを作ったとしても運ぶまでにコロニーは全滅し、感染が広がるだろう。」

「では……。」

「極秘任務だ。貴官の任務はこのコロニーの滅菌作戦だ。」

「っ……。」

 

滅菌作戦。

 

この一言で全てが分かった。

そして、自分が成すべき事も。

 

「戦術機は野戦地で換装してくれ。ここでは発覚する可能性があるのでね。

ポイントはこの場所だ。命令は以上だ。」

 

そう言うと司令官は地図を俺に渡すと反対側を向いたんだ。

これ以上の詮索や質問を受け付けないと言うポーズなのは分かった。

だから俺は心で整理をつけならが敬礼する。

 

「了解。……失礼しました。」

 

そう言うとテントから退出する。

雨と湿気が鬱陶しかった。

 

 

 

既に愛機の翼竜には改修が施されていた。

主に両肩にミサイル発射ユニットが装着されていた。

 

「機体の規格は違いますが、簡単な改修で装備完了です。」

 

そう言うと整備員は愛機へ向かって行く。

ふと、何気なく亡くなった父の形見の懐中時計を開く。

 

「……。」

 

作戦開始時間まで残り1時間。

この時間が永遠に続けば良いと持ったよ。

若しくは、これが夢だったらどれだけよかった事か。

だが、現実は無情だった。

時間が来た事を告げるアラームが鳴った。

そして、整備員がこちらに来た。

 

「では装備ですが、AIM-54【フェニックス】と92式多目的自立誘導弾システムです。

フェニックス、自立誘導弾には油脂焼夷弾を使用しています。

ナパームB(特殊焼夷弾用燃焼剤)を使っていますので……。」

 

結局、説明が頭に入らなかったな。

 

 

 

現場に到着した時にも雨が降り続いていた。

目の前のコロニーでは人々が走り回っていたよ。

既にコロニーは射程内で、全弾発射準備完了だった。

そして、俺は自立誘導弾とフェニックスのトリガーを引いた。

ナパームを搭載したミサイル全てが500人程度のコロニーに向かい。

 

 

炎と煙がコロニーを包み、爆炎と共に全てを焼き尽くす。

 

 

焼け続ける炎が地獄の果てに見えた。

 

 

どれくらい経ったか、炎が収まったそこには地獄があったよ。

炭になった死体がまるで恨みを込めたような表情に見えた。

子供を抱いた死体、死体なのかも分からない死体、抱き合っている死体。

あそこの人たちは炎の暑さと煙や酸素欠乏による呼吸困難、さらに家屋の倒壊で死んだんだ。

 

 

他でもない、俺の手によって。

 

 

そう思った瞬間、吐き気が込み上げる。

 

 

自分が殺した。

無抵抗の市民を殺した。

市民を守る軍人が。

 

 

「う、うわぁ、うわぁああ……。」

 

慟哭が虚しく響く。

誰も答えてはくれなかったな……。

 

 

 

紫煙が空を漂う。

久々に吸ったタバコはまずかった。

 

「覚悟が足りなかった。」

 

当時を思い返して出す言葉は一つ。

 

「人を殺す覚悟はしていたと思っていた。

それが、どれほど半端な覚悟だったかも、あの一件で知らされたよ。」

「……。」

「まぁ、コレ以降も似た任務を複数こなしてからはいつの間にか作業になっていたよ。」

 

慣れればそうでもなかった。

心を殺す事は簡単だった。

けど、その過程で大切な何かを失った気がする。

 

「ま、これで俺の昔話は終了。」

 

俺は椅子から立ち上がるとそのまま部屋を出ていった。

外では雨が降り続けていた。

 




これの元ネタがあるのですが、知ってる人居ますかな?
まぁ、分かる人は分かるものですが。

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