クローンの君と半分エーテリアスの僕 作:kakerutakeda
そんなわけで、pixivにも投稿し始めました。
「はぁ、はぁ……」
息が続かない。肺が焼ける。
血の臭いが喉にまとわりつく。
クラルは瓦礫の山を越えて、重い足を引きずるように進んでいた。
ただ前へ。ただこの悪夢から逃れるために。
でも、行き着いた先にあったのは──
「……っ」
倒れていた。
仲間たちが。
目を閉じて、笑ったまま、静かに眠っていた。
手も足も──時には身体ごと──ばらばらになっていた。
動かそうとすれば砕けてしまいそうなほどに。
「……なんで、こんなことに……なったんだよ……」
あの日の光景だ。
もう二度と思い出したくなかった場所。
忘れたくて、忘れられなくて、心の奥に封じた地獄。
「お前のせいだ」
声がした。
「お前が殺した」
誰かが言った。
「お前が失敗しなければ、みんなは……!」
声が次々と降ってくる。上から、下から、耳の奥から、頭の内側から。
笑い声も、泣き声も、怒鳴り声も、全部──知っている声だった。
「やめて……やめてくれ……っ!」
頭を抱える。目を閉じる。だが、何も消えてはくれない。
視界の端で、誰かの身体がびくりと動いた。
目を見開く。
動かないはずの仲間たちが、起き上がろうとしていた。
「死にたくなかった……」
「お前が……守るって言ったのに……!」
「なんで……置いていったんだ……!」
彼らの瞳が、赤く濁っていた。
まるでエーテリアルのように。
それでも──彼らは仲間だった。
クラルは叫んだ。
「僕は……僕は、守りたかった……だけなのに……!」
身体が動かない。声が震える。
手元を見ると、血まみれの剣を握っていた。見覚えのある形。
けれど、これは──僕が、仲間を斬ったということなのか。
「やめろ……やめてくれ……!」
次の瞬間、霧の奥から“それ”が現れた。
かつて人だったもの。今は異形の姿となったエーテリアス。
その腕には、見覚えのある装備。
声を発しないまま、真っ直ぐにクラルへと迫ってくる。
「……誰だよ、お前は」
クラルは剣を構えることも忘れ、ただ後ずさる。
“それ”が腕を振り上げた瞬間──
視界が、真っ白に弾けた。
「──っ、はあっ!」
クラルは跳ね起きた。
息が荒い。手のひらには、血のぬくもりが、嫌と言うほど残っていた。
「ついてないね…」
だがその震えは、簡単には消えてくれなかった。
横には、治療を終えたばかりの少女──テトラが静かに横たわっていた。
眠っている彼女の顔は穏やかで、その存在が現実に引き戻してくれるような気がした。
(僕は……)
死ぬつもりだったはずの自分が、誰かを助けた。
それだけが、唯一確かなものだった
テトラとツイッギーは別人です
めっちゃ境遇似てるけど