クローンの君と半分エーテリアスの僕 作:kakerutakeda
◆ ホロウ内部・旧通信塔跡地
ホロウの靄が薄く晴れたその場所に、ひときわ異質な金属音が響いた。
テトラは、古びた軍の通信端末を修復し、ノイズ混じりの電波に繋がっていた。
何度目かの接続試行の末、ついに音声が応答する。
『……こちら第七戦略支部、識別コード確認。応答せよ』
テトラの表情に、わずかに生気が戻る。
「こちら、シルバー小隊・4号。任務中、ホロウにて一時的戦闘不能状態に陥るも回復。現在、孤立。……回収を希望する」
通信の向こうで、数秒の沈黙。
『4号、生存確認。回収班を現地点へ派遣する。ステイ状態を維持し、外部への接触は避けろ』
「……了解」
──ようやく、帰れる。
冷静を保とうとするその表情の裏で、胸の奥に小さな火が灯ったような安堵が広がっていく。
彼女はまだ“自分が捨てられていない”と信じていた。
だがその頃、極秘通信網を介した通信が軍に伝わっていた
『目標:コードネーム《銀の亡霊》。現在、ホロウ区画D7にて待機中。対象は初期制御コードを解除済み。
敵対反応の有無に関わらず、排除を最優先とする』
「確認した。排除班、出るぞ」
黒装束の兵士たちが、音もなくホロウの霧の中へと姿を溶かしていく。
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◆ 通信塔近辺
テトラは、瓦礫に腰を下ろして待機していた。
だが、静寂を破ったのは通信ではなく、足音だった。
ジャリ……ジャリ……
「っ……!」
振り返ったテトラの視線の先にいたのは――
黒いヘルメットに、光学迷彩のような機材を備えた兵士たち。
(……軍の回収班では、ない?)
「目標を確認。生体信号、正常。撃滅を開始する」
次の瞬間、光学スナイパーの照準が、彼女の心臓を捉えていた。
「……っ!」
身を翻す。肩を掠める銃弾。反射的にナイフを放ち、兵士の一人の動きを牽制する。
「どうして……応答したのは……回収班のはず……!」
背後の通信端末が、無音のまま赤く点滅していた。
それは最初から、識別コードに反応して自動的に送信される定型応答にすぎなかったのだ。
「これは……最初から……!」
その意味がすべて繋がった瞬間、呼吸が止まり、心臓が凍りついた。
錯覚のように胸が締め付けられ、思考が断ち切られる。
(……嘘……ずっと、信じていたのに。
生きていたことすら、ただの“誤算”だったんだ……)
指先が冷たくなる。足が動かない。
冷たい空気が皮膚を突き刺し、時間がゆっくりになったように
弾丸が真っ直ぐこちらに飛んでくる…
全てを諦めかけたその刹那
「伏せて、テトラ!!」
鋭く届いたその声が、彼女の意識に亀裂を走らせた。
白い残像が、視界を横切る。
次の瞬間、クラルがその身を盾にして、突撃兵の前に立ちはだかっていた。
その手に握られていたのは、深い黒を纏った長剣――
禍々しいまでに静かな刃は、蛍光のグリーンのエーテルの脈動をまとい、現実をわずかに歪ませている。
「なんで……!」
「君を迎えに来たよ」
クラルは、ほんの一瞬だけ笑って――前へと踏み込んだ。
読んでくれてありがとうございます
まだまだ駄文すぎるので手直しが入るかもしれません
プロットとクラルとテトラのpvの妄想ばかり膨らんでます