爆炎の英雄
数か月後
フィルトウッド王国に、緊急の依頼を受けたシズが訪れた。この国にいる「銀嶺」と呼ばれる二人の騎士が殺害されたというのだ。その犯人が悪魔ではないかという情報がどこからかもたらされたため、英雄であるシズに声がかかったのである。
「ようこそおいでくださいました、シズエ・イザワ様!」
案内してくれた騎士によると、すでに他の冒険者は到着しており、広間に集まっているという。
「ここでしばらくお待ちください。」
「わかったわ。ありがとう。」
案内された広間に入ると、様々な視線が向けられる。割合が大きいのは畏怖、尊敬あたりか。
「『爆炎の支配者』か、大物が来たな」
「英雄が来るほどの依頼ってことかよ・・・」
「悪魔説はほぼ確定か」
「勝ったな」
知り合いらしき冒険者も何人か見えたが、それよりも気になったのは、どこからかかすかだが妙な魔力を感じることだ。イフリートをその身に宿すシズだから気付いたが、他の冒険者は気付いていないようだった。
「ようこそおいでくださいました、自由組合の冒険者の皆さま。」
広間の最奥のステージのような壇上にきらびやかな服に身を包んだ老人が出てくて話し始めた。服の豪華さから推察するに、この国の大臣だろう。
「この国にいるとされる悪魔の討伐、快く引き受けて下さり誠に感謝いたします。もうすでに悪魔の居場所に見当はついております。しかし、銀嶺の騎士が倒されるような悪魔にはわれらの力では対処することが難しいのです。」
「銀嶺の騎士が倒されただと・・?」
「この国の英雄が・・・なんてことだ。」
冒険者の中からは不安そうな声も上がる。しかし、反抗的・消極的な反応を示す冒険者もいた。
「この国の英雄が倒されるってことは上位悪魔の可能性もあるってことだろ!やってられるか!」
「そうだそうだ!俺たちは帰らせてもらう!」
「お、お待ちください!まだ話は済んでおりませぬ!」
だが、そこで声を上げる冒険者がいた。
「すみませんが、質問を一つ。」
「な、なんでしょうか」
その冒険者は黒のローブに身を包み、気配を消していた人物であった。顔はうかがえないが、フード部分の下から鋭い眼光が大臣を見据える。その異様な雰囲気に、帰ろうとしていた冒険者も足を止め、様子をうかがっている。
(何て濃密な気配・・・今の今まで全く気配を感じさせなかった。)
シズは、この気配が今まで感じられなかったことに驚き、警戒心を強める。黒ローブの男はそのまま会話を続ける。
「私はあなた方の茶番に付き合うつもりはないのですが、先ほどから漂うこの妙な魔力について説明をしてもらおうかと思いまして。」
「茶番だと!?」
「貴様、われらを愚弄するか!」
広間の端の方にいる騎士が黒ローブの言葉に反応するが、手を上げることで大臣が諫める。
「落ち着きなさい。それで冒険者様、妙な魔力というのは一体何のことでしょうか。」
「とぼけないでください。先ほどから漂っているこの魔力、悪魔が出すものとは違います。しかも私が生きてきた中でこのような性質の魔力を持っているものと出会ったことがありません。ぜひこの魔力の持ち主とは一度話をしてみたいのです。」
「知りませぬな・・・」
「あくまでしらを切るつもりですか・・・ならいいでしょう。」
次の瞬間、広間に鈍い音が響く。黒ローブの男は広間の周囲にいた騎士の一人の横に、右腕を振り切った体勢で立っていた。広間に響いた音は、騎士の首が落ちる音だった。司令塔を失った体が崩れ落ちる。
「依頼もありますし、少々強引に聞き出すことにしましょう。」
「な・・・」
「や、やりやがった・・!」
「どうなってもしらねぇぞ!」
大臣は絶句し、周囲の冒険者たちも黒ローブの男を遠巻きに見ている。他の騎士たちは、黒ローブの男を囲み、剣を向ける。
「貴方たちじゃ手に負えないわ。下がってなさい。」
シズが、騎士たちの間を通り、黒ローブの男から騎士たちを守るように立つ。
「おや、あなたが相手ですか、あまり遊んでいる暇はないのですがねえ。」
「貴方、この場の全員を皆殺しにして、この魔力の持ち主を探し出すつもり?」
「クフフ、正解です。少々補足をするならば、抵抗するものは、と付け加えておきましょう。あぁ、この国の悪魔は全員殺します。」
「そう・・・私はシズ。貴方、名前は・・・?」
「クロ、とでもお呼びください。古き友人からの呼称のもじりです。」
二人の間に魔力が迸り、マントとローブが揺れる。
「あなたのその思考は、あまりに危険よ。止めさせてもらうわ。」
「クフフフ・・貴方にできますかね」
やがて二つの影は、一瞬で間合いを詰め交わった。
クラスごとの見出し(ヴァンパイアなど)
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章みたいになっていた方が良い
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その話の後ろについてればいい
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何でもいいから続きかきなよ