――――――かつて70億いた人類は約半数がオルフェノクに覚醒した。
―――――オルフェノクの勢力が大きくなるなか、赤き救世主は闇夜に輝く。
『スマートレディーでーす! 今回紹介するのはスマートブレイン社の新製品だぞ!』
町中に設置されている大型モニターに露出が多めの青い服を着ている女性が映し出され、
スマートブレインが新しく開発したという商品の紹介を行っている。
スマートブレイン……巨大複合企業であり、、未来創造を理念に掲げ、重工業や電子技術を中心に食品から医療、
さらには教育機関までと幅広い業種に事業展開を行っている……が、その会社にはこんな噂がある。
――――――灰色の体色をした化け物が会社の中には大量にいる。
「スマートブレイン……お前もあの会社製なんだよな」
ジュースが入った紙パックを片手に持ちながらもたれ掛っているバイクにそう声をかけるが、
バイクから反応が返ってくることもなく、俺の声だけが変に響いた。
なんかボディの部分に押しても全く反応しないボタンはあるわ、ハンドルは捻った瞬間に何故か、
片方だけ外れるわと正直、製品としてはあんまりなものだ。
まあ、拾ったんだけどさ。
「じゃあ、行くかな……ん?」
飲み干した紙パックを近くのゴミ箱に放り投げ、バイクに跨った瞬間に俺の視界の端で青い制服を着てじぇら流民ケースを抱えた女の子がしきりに後ろを確認しながら走っているのが見えた。
あの制服って確かスマートブレイン学園の制服だったよな……それにあの子が持っていたケース……。
そんなことを考えていると今度は黒いスーツを着た男一人が周囲を見渡しながら走ってきて、
女の子が逃げていった方向へ向かった。
――――――――――『助けて! 京ちゃん!』
あのケースを見た瞬間、あの日の記憶が一瞬だけ流れた。
「……ようやく見つけたぜ。”ベルト”」
そう呟き、バイクのエンジンを入れて二人が向った方向へバイクを走らせた。
あれを探し始めて早数年……手がかりすら見つけられなかったものがまさか、
俺の目の前を通り過ぎていくとはな……神様っているもんだな。
そんなことを考えながらバイクを走らせると壁の後ろに隠れてケースを持っている女の子が見え、
彼女の近くで停車した。
「だ、誰よ!」
「あ~警戒しなくていいよ。俺、君の味方だから」
「そう言って近づいてくる奴ほど警戒しろっておばあちゃんが言ってたわ」
そのおばあちゃんは少し危険に考えすぎだ……まあ、置いておいて。
「それ、ファイズギアでしょ?」
「っっ! なんであんたそれをっきゃっ!」
その時、壁が粉砕したかと思えば土煙の中から灰色の体色をした怪物が姿を現した。
「とりあえず、貸して」
「あ、ちょっと!」
彼女からケースを貰い、背中に隠してからケースを開けるとそこから、
ベルトと携帯の形をしたファイズフォン、そしてその他諸々の機材が落ちた。
『そのベルト……返してもらおうか』
「やなこった……こいつは俺に必要なんだよ」
『Standing・by』
ベルトを腰につけ、ファイズフォンを開き、5・5・5とナンバーを打ち込んで左端にあるEnterキーを押すと、そんな音声が響くとともにファイズフォンから待機音声が流れ始めた。
「変身」
『Complete』
ファイズフォンを閉じ、腰に付けたベルトのバックル部分に垂直にファイズフォンを挿した後、
90度に傾けるとそんな音声とともに俺の体に赤色に輝く線が走っていき、
周囲を赤く染め上げ、その輝きが消えうせると俺の体を銀と赤、
そして黒のカラーリングをした鎧が纏われていた。
『っっ! ばかなっ! き、貴様は555!』
「……これが赤き救世主」
「粗方の使い方は知ってる……さて。赤く染めてやるよ」
『ウオアァァァ!』
「はっ!」
『グァツァ!』
叫びながら殴り掛かってきた相手の拳を避けながら相手の腹部に拳を撃ち込むと鈍い音がするとともに、
苦悶の声を上げて相手は数歩、後ろへ後ずさった。
良いね良いね……噂には聞いていたけどここまでとは……俺の目的が達成されるな!
「おらっ!」
『ぐぁっ!』
後ずさった相手に追撃としてさらに全力の蹴りを加えると思いっきり吹き飛び、
壁に激突して地面に落ちた。
さてと、確か。
『Single Mode』
『グアアッァ!』
ファイズフォンを取り外して開き、103と入力した後にEnterを押し、開いた状態のファイズフォンの上半分を左斜めに倒すと銃となり、相手に向けて引き金を数回連続で引くとアンテナらしきところから、
光弾が数発連続で放たれ、相手に直撃した。
「さあ、止めだ」
『Ready』
地面に落ちていたレンズのようなものがついている機材を手に取り、ベルトに戻したファイズフォンからミッションメモリーと呼ばれている薄いメモリーをファイズフォンの表面から取り外してそれの差し込み部分に装填するとそんな音声とともに本体が伸長した。
「確か……あった、あった」
『Exceed Charge』
右足に穴があり、そこへ伸長したツールを差し込んで半回転させると足に設置することができ、
さらにファイズフォンを開いてEnterを押すとファイズフォンから赤色の輝きが足に向かって流れ、数秒経つと装着した機材が一瞬だけ赤く光った。
「よっと!」
『ぬぁぁ! な、なんだこれはっ!?』
「たぁぁぁぁぁ!」
『ぐあぁぁぁ!』
跳躍し、一回転した後に相手に足を向けた直後にツールから赤色に輝く円錐状のポイントマーカーが射出されて相手の体に突き刺さり、そこめがけて飛び蹴りを入れるとマーカーが高速回転し、それが貫通して俺が地面に降り立つと同時に赤色の炎を上げて爆発を起こし、灰になって消滅すると同時にφのマークが浮かび上がった。
「ふぅ。終了」
ファイズフォンを取り外し、Cancelを押すと、
赤色の輝きが発せられるとともに変身が解除された。
「……お願い。オルフェノクを倒して」
「……なんで?」
「……あいつらは未来を創造するとか言ってるけど実際は人類すべてをオルフェノク化させて、
オルフェノクが地球を支配する未来を創造する気なのよ。スマートブレイン学園で手始めに入学者をオルフェノクへと進化させる。私は寸前のところで脱出できたけど……お願い。555の力ならオルフェノクを抹殺できる。私はこの星からオルフェノクを抹殺したいの!」
変身を解除した俺に真面目な表情で少女はそう言ってきた。
………………俺としては複雑な気分だな。
「……分かった。ただ、俺にもやりたいことはある。殲滅は二の次になるぞ」
「構わないわ……ありがとう」
―――――こうして俺の長い戦いが始まった。
いまさらですが555の二次です。まあ、連載にはしない……かも。