有馬かなが過去に行くお話   作:Gran

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Episode1

時は2026年

有馬かなは俳優業に勤しんでいた

 

ハリウッド映画にも出演する事が出来、旗から見れば彼女の人生は順風満帆の時を過ごしているように見えるだろう。

 

 

だが、彼女には一生消えないような傷が残っている。

 

『想い人を失った』という大きな傷

 

彼の事を思い出す度、彼女は考えてしまう。

 

 

『私に何か出来ることがあったのではないか』と

 

 

 

『あの時こうしていれば』

 

『彼にこう言っていれば』

 

『私が止めることができていたら』

 

 

 

そんな『叶えもしないもしも』の話をずっと思考の隅っこに住ませていた

 

 

仕事が終わり、自分の他に誰も居ない部屋で有馬かなはたった一言だけ呟く。

 

 

 

 

「________過去に戻れたらな‥‥」

 

 

 

 

 

俗に言う回帰と言うやつだ。

 

ラノベや小説、ドラマやアニメで何度か観てきたテンプレの展開

 

そんな『非現実的な願い』を有馬かなは祈ってしまう

 

叶わないなんてことは知っている

分かりきってる

 

それでも考えてしまうのが人間の性というやつだ

 

 

 

 

 

 

 

『叶えてあげようか?その願い。』

 

 

 

 

 

 

その声と共に、有馬かなの物語は再び動き出す。

 

 

人間の言葉で表すならその声は正に

 

 

『悪魔の囁き』そのものだと言えただろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有馬かなに今の今まで身体が仕事によって疲弊してることすら忘れるほどの衝撃が走る

 

突然の声に振り返ってみると、そこには『人が立っていた』

 

そいつはまるで自分の部屋にいるかのように普段自分が使っている椅子に腰掛けてこちらを眺めていたんだ

 

それだけなら不法侵入者か何かと分かるようなものだが‥‥‥それだけじゃない

 

そいつの容姿、これが彼女の脳に甚大な衝撃を走らせる

 

 

そいつの容姿がなんと『有馬かな』と同じだったからだ

 

顔から身体的特徴、そして服装や髪型までまるっきり一緒なんだ

 

 

そんな光景を目の当たりにしたら普通の人間はどんな反応をするだろうか

 

 

大抵は彼女のように

 

 

 

「‥‥‥‥み」

 

 

 

『‥‥?み?』

 

 

「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああっ!!!????」

 

 

『うるさ!?』

 

 

 

 

 

まあこのように悲鳴を上げるに違いないだろう

当たり前といえば当たり前の反応だ

 

 

 

「え!?なに!?なになになに!?誰!?私!?私なの貴方!?どういうことこれ!!??」

 

 

 

『まあまあ、落ち着きなってとりあえず私の話を聞いて‥‥』

 

 

「もしかしてこれドッペルゲンガーってやつ‥‥!?」

 

 

『いや、だから私の話を‥』

 

 

 

「そんな都市伝説地味た話があるわけ‥‥いや、でも生まれ変わりとかありえるらしいし‥実在しないとは言い切れない‥‥」

 

 

『あの‥‥だからさ』

 

「ってことは私今日死ぬの!?えっ!?やだやだやだ!!死にたくn_」

 

 

 

 

 

『良いから落ち着けやゴラァッ!!!』

 

 

 

「割と痛いっ!?」

 

 

 

 

有馬かなと同じ容姿をしたソイツは我慢ならなかったのか知らないが彼女に対して割と強めのグーを御見舞した

 

普通なら顔に傷とか付きそうな勢いの顔面パンチだが、傷どころか痛みは殴られた瞬間だけであり外傷や痛みも全く無くなっていた

 

不思議に思いスマホで顔を確認するが、やはり血などは出ていなかった

 

 

 

この一連の流れでも不思議な体験をした有馬かなだったが、先程とは変わり至って冷静な思考の中改めて同じ容姿をするソイツに向き直る

 

 

 

「‥‥‥えっと、とりあえずよ‥‥貴方、何者?」

 

 

 

その質問に対する答えは想像を遥かに超えるような、そうでもないような

考え方によってはとってもシンプルな答えだった

 

ソイツは少し顔をニヤつかせながら答える

 

 

 

 

『私はね、君達の言う神様って奴だよ』

 

 

 

「‥‥‥‥へ?」

 

 

 

 

勿論、突然そんなことを言われても納得出来るはずがない

というか信じる奴なんか普通居ないだろう

むしろ居てもらっては困る

 

冷静な思考を出来るようになったからこそ、改めてソイツに対して疑念が生まれ始めるのも必然と言えよう

 

私にめちゃくちゃ似てる格好をしてるだけのタダの不法侵入者がハチャメチャな宗教勧誘しに来た

という線を考えてしまうのも無理もない

 

 

 

『まあ、確かに突然そんなこと言われても信じろってのが無理な話だよね。

それくらいは分かるよ?この私でもさ』

 

 

「じゃあ何?なにか証拠でも見せてくれるわけ?私の願いを叶えてくれるとか?」

 

 

『勿論。というより、むしろそれが目的で現れた訳だしね

最初に言ったでしょ?叶えてあげようかって』

 

 

 

なんのことを言っているの?と聞こうとした瞬間、有馬かなは自身が先程まで何を考えていたのかを思い出す。

 

 

 

 

『過去に戻れたらな‥‥』

 

 

 

独り言としてボヤいた、叶えられないと分かりながらも願ってしまったことだ。

 

それをソイツは『叶えてやろうか?』と言って現れたのだ

 

 

有馬かなは恐る恐る問いかける

 

 

 

 

「‥‥‥で、きるの‥?」

 

 

 

『勿論、神様だからね』

 

 

 

 

 

 

当たり前のように答えるソイツに嘘をついてるような素振りは無い

 

だが、だからこそ疑問に思うことがある

 

もしも、コイツが本当に『神様』だという普通なら考えられないような上位的存在なのだとすれば

 

私達人間が祈るような立場の存在なのだとすればだ。

 

 

 

「‥‥‥なんで、私の前に現れたの?‥‥どうして‥‥私の願いを叶えようと思ったの?」

 

 

 

そりゃそうだろう。

有馬かなという人間は普通の一般人に過ぎない。

霊能力者だとか、神様を信仰していただとか、そういった類の人間でもない。

 

そんな人間なのにも関わらず、何故『自分が選ばれたのか』

 

そう疑問に思うのも普通だ。

 

 

それを聞いた神様は、少しニヤついた後に答える

 

 

 

『それはねぇ‥‥君は私の推しだからだよ。』

 

 

「‥‥‥‥へ?」

 

 

 

返ってきたのは思いも寄らない答えだった

神様が、私の事を『推し』だと言ったんだ

困惑‥‥どころの話ではない

思考がしばらくフリーズした

 

 

「‥‥えっと、それってどういう‥?」

 

 

『言葉のまんまだよ。そうだな‥‥分かりやすく言うんなら、アニメやドラマ、漫画や映画、好きな物語があったとするだろう?

私こと神様からすれば君達人間の生とはそういった鑑賞物に過ぎないんだ。』

 

 

『つまり、この物語におけるキャラクターで一番気に入ったのが君。

だから力を貸してあげようって思ったんだよ

君も一度は考えたことはあるだろう?このキャラクターが記憶を持ったまま過去に戻ったらどうなるんだろう‥‥!ってさ』

 

『こうやって貴方の姿をしてるのも、貴方のことを気に入ってるからだよ?

私には本来肉体という概念がないからさ〜、かなちゃんもせっかくおしゃれとかするんなら自分が一番したい格好にしたいでしょ?』

 

 

 

 

「‥‥‥‥‥あはは‥‥そりゃ、光栄なものね」

 

 

 

理解が追いついていないし、未だに旗から見ればただの異常者が長々と語っているようにしか見えないだろう。

 

だが、それでも、有馬かなは

 

 

『過去へ本当に戻れるかもしれない』

 

 

そんな期待が彼女を狂わせていたのかもしれない

 

有馬かなはベッドから起き上がり、『神様へ顔を向ける』

 

 

 

 

「‥‥‥行かせてよ。過去に」

 

 

 

『勿論だよ。かなちゃん』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして有馬かなの物語は再び動き始める

 

 

 

 

_____次は必ず、彼を助けてみせる。

 

 

 

 

そんな強い意志と共に

 

 

 

 

 

彼女はきっと、過去へ戻り想い人である彼を助けることが出来るだろう。

 

 

どれだけ辛い目に会おうとも、

 

 

 

どれだけ残酷な目に会おうとも。

 

 

 

 

『どれだけ死を経験することになろうとも』

 

 

 

 

 

 

______え?推しが可哀想とは思わないのかって?

 

 

そりゃあ可哀想とは思うけど‥‥‥推しの頑張ってる姿はやっぱり美しいじゃん?

 

 

 

まあ‥‥‥本当の意味で死んじゃったら、まあそれはそれで残念でしたってことでさ

 

 

 

 

とりあえず、一緒に見てみない?

 

 

 

『推しの子』の物語をさ。

 

 

 

 

 

 

 

 




この神様に名前とかはありません。
ハッピーエンドで終わるかは‥‥‥決めてはいませんね
なく頃にシリーズに影響を受けて書いたのでタイトルが似たような感じにしましたが、なんか違うなと思ったので変えました
面白いと感じていただけたら嬉しいです

それではまた
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