青春の記憶を落としてす、しまったのですが!   作:えのきたけ(準国産)

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この小説には以下の要素が含まれます。

・駄文
・一発ネタ




リハビリ作です。

多分続きません。


第1話

 

 

 

 私の個人的な考えにはなるが、人間には誰しも必ず黄金期というものがあると思う。

それは人生で一番稼いでいた時期…という意味ではなく、思い返した時に一番輝いて見える、幸福であるといった意味での黄金期…平坦にいえば最も人生が楽しいと思えた時期のことだ。

私にとってそれは学生時代であった。

友人との交流、日々を彩った数々のイベント、初めての恋人や恋愛の過程、大泣きした初失恋や何でもない日の退屈な授業中に描いていた落書きでさえも今思えばとても輝かしく感じるわけで。

とまぁ、その黄金期の輝きに脳を焼かれた若き日の私は何をとち狂ったのか教師などという輝きからほど遠い職業を選んでしまった。

 

知っての通り、教師という職業は激務である。

増え続ける業務、生徒の親からのよく分からない苦情電話、生徒の成績不振に、上から目線の無能ハゲ教頭。

就いて一年で能天気だった私からあの日々の輝きは消え去り、二年で私の目からも輝きは失われた。

教師になって年月が経つごとに熱意は失われ、いかに手を抜くか、面倒事を避けるかという事ばかりに意識が割かれるようになった。

 

そんな調子だったので、晩年の私はとてもじゃないが良い教師とは言えなかったと思う。

 

私の享年は32歳、死因は包丁で刺されての失血死であった。

赴任していた学校の校内に侵入していた不審者にグサッと刺されてバタンキュー、だった。

 

生徒を護って刺されたとかなら格好ついたものだが、生徒を避難させることを意識しすぎて普通に避けきれずに刺されてしまったという何とも言い難いオチであり、私の背後にいた生徒からは信じられないものを見るような目で見られた。

 

死に際の私について唯一誇れることがあるとしたら、刺してきた不審者の手ごと刺さった包丁を掴み続け(昔から握力だけは強かった。)、同僚が不審者を拘束するまで不審者を拘束し続けた事だろうか。

お陰で事件による被害者は死者1名(私)、負傷者0名であった。

死ぬ直前にそこそこ仲の良かった同僚が涙ながらに教えてくれたので多分間違いないだろう。

というか、これで他に死傷者が居ようものなら生前の私に誇れることが何一つとして無くなってしまうのでそうであってほしいと思っている。

 

して、私は転生した。

 

いわゆる異世界というものであろうか、私の知る歴史や科学技術の体系とは別の発展を遂げた世界に第二の生を受けた訳だ。

 

幸いにして、私の転生した世界は前世と大きな違いは無かった。

 

いや、無かったという訳でも無いのだが精々が地図が違うとか電力の代わりに魔力が使われているとか、世界各国で王政や貴族階級が未だに持続しているという程度の違いだけだった。

…魔力については大きな違いといってもいいかもしれないが、まぁそれはそれとして。

言うなれば、現代風異世界に転生したといったところだろう。

 

そして、そんな異世界に転生した私は…歓喜した。

年齢が30歳近く若返った事による身体のギャップや性別が前世とは違ったりなど、色々変化した点もあったがそんな事は気にならなかった。

何故なら、転生した事により私は再度あの輝かしき青春を享受出来るチャンスを得たのだから。

 

私の今生の目標は、再びあの輝かしき青春を満喫することである。

ついでに今生は教師などといったカスの仕事ではなく、しっかりと労働基準法(この世界に存在するかはわからないが)の適応されるホワイトな職業に就職したい。

 

そうなれば、先ずは勉強である。

 

何故?と思う人間も居るかもしれないが、早めの勉強は後々自由な時間を作るためにかなり重要な事である。

私の持論だが毎日適切に予習復習をしていれば、たとえテスト週間すべてを遊びつぶしても8割程度は取れるのだ。

 

全ては輝かしき青春のために。

先んじて出来る努力をしておくのも悪くない、と私は考えたのである。

 

 

 

 

 

 

 

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努力しすぎてしまった。

 

今生の両親の「やだ、うちの子天才かも!?」という言葉に調子づいてせこせこと勉強をしていたところ、気づけば私立の小中一貫校の受験の話が出ていた。

 

当初は断ろうかと思っていたのだが、両親どころか通っていた幼稚園の先生までもが「園始まって以来初めての天才」、「うちの幼稚園の希望の星になって欲しい」などと超乗り気で断りづらく、また両親が「学歴社会だから今のうちにいい学校に行っておいた方が就職のとき有利だよ」というのでそれもそうかと思い受験をしてしまい、調子に乗って前世の知識などもフル動員した結果、よりによって首位合格をしてしまったのが最大の過ちだった。

 

どうやら私の合格した学校は学力重視の超進学校であったらしい。

しかも国内有数の。

 

入学当日、ある程度趣味の合う友達が出来たらいいな、などと能天気な思いで新入生代表スピーチのために登壇した私を出迎えたのは同級生とその親達、合わせて数百人分の殺意のこもった視線であった。

 

小中合わせて9年、地獄が確定した瞬間であった。

 

して、周りが全員殺意を向けてくるという●ョン・ウィック2の映画ポスターのような極限環境の中、誰とも仲良くなることもなく、(前世込みで)年齢が30歳ばかし年下の子どもに成績で負けるのも嫌だったので意地で首位を取り続けた結果、国内最難関の学園にそこそこの成績で合格した。

 

学園の名前は「王立ジェリニウス高等学園」。

王族とか宰相の子供とか大臣の子供とか大貴族の子供とかその他やんごとなき身分の方々の子息専用みたいな学園である。

 

ちなみに私は超ド平民である。

というか学園史上初めての平民入学者である。

過剰なストレス環境下に置かれた私は子供相手に意地を張りすぎた。

その結果、輝かしい青春を送るという人生の目標に対して、私は誰が見ても分かるほど明らかに、そして致命的に進学先を間違えたのだ。

 

当然と言えば当然だが、平民とやんごとなき身分の方々と話が合うわけがなく、結果入学初日から教室の隅で勉強する愚か人(おろかんちゅ)が爆誕するに至ったのだった…。

 

 

「お〜い平民クン。」

 

 

さらば、わが青春。ハローストレスフル生活。

 

 

「…聞こえてないのかな、ねぇ君だよ君。」

 

 

私の計画(ノープラン)はここに潰えたのであった。

 

 

「え、ボクの言葉無視してるの?腐ってもボク王族なんだけど…?」

 

 

 

 

〜完〜

 

 

 

 

「ねぇ、さっきから君に声をかけているんだけど。流石に無視は酷くないかい?」

 

 

気づけば目の前に女の子が立っていた。

 

金髪碧眼のショートカット、キリッとした目つき、スレンダーな体型…なんというか可愛い系というよりは王子様系というのだろうか、そんな娘だった。

 

どうやらしばらく前から私に声をかけていたらしい。

…それは非常に申し訳ない事をしてしまった。

 

「やっと気づいた…。で、君が噂の史上初の平民合格者クンで間違いないかい?

…なんでそんな露骨に嫌そうな目をするのかな。」

 

 

 

ずっと話しかけてくれていた彼女には申し訳ない…が。

ストレスが溜まっていたせいだろうか、彼女は少々気に障る喋り方をするな、と感じた。

貴族だから当然なのかもしれないが、平民クンと、上からというのが少し気に入らなかった。

…前世で嫌いだったハゲ教頭に喋り方が似ているのもちょっと腹立たしかった。

だからだろうか、私は彼女につっけんどんな態度をとってしまっていた。

 

 

_明らか身分不相応な学校にうっかり来てしまった事を嘆いているだけですが?

_あとこの目つきはデフォルトです。

 

 

「うっかりって…思ったより愉快なキャラしてるね君。」

 

 

_そうですか。

 

 

「…君さ、もうちょっと愛想とか無いのかい?せっかく話をしてみたいと思って来たっていうのに。」

 

 

_生憎と私は平民なもので。正しい言葉遣いも分からなければ、それこそ貴族様にお話できる事など持ち合わせていないんですが。

 

 

…貴族っていうか王族だけど…よし分かった、敬語禁止の無礼講でいこう。君の思っている事を包み隠さず言ってほしい。」

 

 

 

その時の私は限界だったと思う。

…受験のストレス、消え去った青春、思い出されるハゲ教頭。

目の前の娘に嫌われてもいい。

とにかくストレスが捌けたかった。

だから私は思いの丈を言うことにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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【速報】青春始まる

 

 

 

 

どうやらあの娘は神か仏の化身らしい。

 

ストレス発散のために思っていた事を(今考えれば大人気ない行動だったが)全て言った所、めちゃくちゃ笑われた。

 

曰く

 

「この学園に来て、友達が出来ない事を憂いている人は初めてみたよ。」

 

とのことで、どうやらこの学園では友達なる関係は表面上のもので、将来のために派閥を作ったり、敵対する派閥を追い落とすために内偵役を用意したりとドロドロとした人間関係が構築されるのが普通の事らしい。

 

なるほど、流石は貴族専用学園である。

と関心するのも束の間、私はとんでもない羞恥心に襲われた。

前世で生徒に向かってアレほど進路はキチンと考えて決めろと言っていたはずなのに、私自身が目の前の事に手一杯でしっかりと進路調査をしていなかったというのがどうしようもなく恥ずかしかったのだ。

 

そんな私の心を知ってか知らずか彼女は

 

「ボクと友達にならないかい?表面上の関係じゃない、本当の友達に。」

 

と笑いながら言ってくれたのである。

 

私は感涙した。どうやら彼女…シルヴィエットも真の意味での友達は居ないらしく、せっかくならそういう関係も知っておきたいからということだった。

 

かくして私はシルヴィエットという今生初めての友人を得たのである。

 

学園から帰宅し、通信端末を見ればそこには煌々と輝くシルヴィエットの連絡先。

灰色だった今生に一気に色がついたような感覚。

明日登校するのがとても楽しみだ。

取り敢えず今日は早めに寝よう、そう思って布団に入るも心臓が跳ねてなかなか寝付けなかった。

 

 

 

 

 

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…窓から光が射していた。

 

見覚えのない白い天井。

 

不思議に思って周りを見ようとするもやけに動きの悪い身体。

 

なんとか首を捻って横を見れば、何故かそこにはシルヴィエットが居た。

 

うつらうつらと船を漕いでいたが気がついたのか、ふと目が合う。

 

 

「…っ、リザっ!!!」

 

 

_ぐふぁっ

 

 

何故か、猛スピードで彼女に抱きつかれ私の口から変な声が出る。

彼女の良い匂いに包まれながらも私の頭の中にはクエスチョンマークが浮かんでいた。

 

気の所為でなければ、シルヴィエットがなんか大きくなっている。

 

昨日会った時にはスレンダーな体型だった気がするのだが、今日はやけに胸とかいろんな部位が大きい気がする。

…着痩せするタイプなのだろうか。

にしてはデカすぎる。

 

それに_

 

_シルヴィエット、髪伸びたか?

 

 

記憶が正しければ彼女はショートカットだった気がしたのだが、目の前の彼女はロングヘアーである。

昨日の今日でこんなに髪って伸びるのだろうか?

 

 

「…リザ、冗談は辞めてよ。ボクは去年からずっと髪伸ばしてたでしょ?それにシルヴィエットって…いつもみたいにシルヴィって呼んでよ、気持ち悪いなぁ。」

 

 

ん?

 

 

_去年?私達、昨日友達になったばかりじゃないか。

 

 

 

「……………え、?嘘だよ…ね?

 

………ボク達、1年生の頃から、今、3年生の今までずっと親友だったんだよ…?」

 

 

 

 

 

 

 

…………………あ、あるぇ????

 

 

 

 




○リゼリア・クライス
→主人公。TS転生者。アホ。勉強をストレスとは思わないが、人間関係のストレスに弱い。
なんか色々あって3年間の記憶を落とした。

○シルヴィエット・リル・ジェレニウス
→ジェレニウス王国の第三王女。聖人。王立ジェレニウス高等学園の生徒会長。アホ(主人公)の親友。
アホが目覚めるまでの1ヶ月間懸命に看病していた。
カワイイカワイイね。


…何だこの小説。(賢者タイム)


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