観覧車の下で夜明けを待ち続ける六人。
空は相変わらず暗いままで、誰もが疲れ切った顔をしていた。
ふと、カナエがアミの名札とUSBメモリを見つめて言った。
「……このUSB、アミさんが残してくれたものだよね」
「中身、調べてみよう」
ナオキがうなずく。
「でも、パソコンのバッテリーが切れてる」
シュンスケが苦い顔でノートPCを持ち上げる。
「パークの管理室なら電源が残ってるかも」
タケルが提案する。
「行ってみよう。何か手がかりがあるかもしれない」
リョウタが立ち上がる。
六人は慎重に管理室へ向かった。
建物の中は薄暗く、埃っぽい空気が漂っている。
シュンスケがコンセントを探し、ノートPCをつなぐと、かろうじて電源が入った。
「USB、挿すよ」
カナエが手を震わせながらメモリを差し込む。
パソコンの画面には、暗号化されたフォルダがひとつだけ現れた。
「パスワードがかかってる……」
シュンスケが眉をひそめる。
「アミさんの誕生日?」
カナエが入力するが、違っていた。
「何かヒントがあるはずだ」
ナオキがアミの名札や、これまでに見つけたメモを見直す。
「“観覧車の下”とか、“A.H.”のイニシャル……」
「もしかして、事故の日付?」
リョウタが事故の記録を思い出し、日付を入力する。
すると、フォルダが開いた。
中には、パークの監視カメラ映像や、スタッフの記録、
そしてアミが自分で撮影したと思われる短い動画ファイルが入っていた。
「これ……事故当日の映像だ」
シュンスケがファイルを再生する。
画面には、夜のジェットコースター付近で慌ただしく動くスタッフたちの姿。
その中に、制服姿のアミも映っていた。
「この人……途中で消えてない?」
カナエが画面を指差す。
映像の中で、一人のスタッフがコースターの影に消えたまま、二度と現れなかった。
「やっぱり、あの日から何かがおかしくなったんだ」
ナオキが低くつぶやく。
さらに、アミが自撮りで撮った動画が再生される。
「もしこれを見ているなら、私はパークの“夜”の真実に近づいている。
この場所には、まだ誰も知らない“出口”があるはず……」
アミの声は震えていた。
「出口……」
サヤカが希望を込めてつぶやく。
「でも、“夜の真実”って?」
タケルが首をかしげる。
「この映像、他にも何かヒントがあるかもしれない」
リョウタがファイルを一つずつ確認する。
だが、映像は途中でノイズが入り、最後は突然途切れてしまった。
「アミさん、本当にここで何を見たんだろう」
カナエが名札を握りしめる。
「とにかく、出口の手がかりを探そう」
ナオキが決意を込めて言う。
六人は再びパークの闇の中へと歩き出した。