夢幻パーク   作:砂漠のデスラクーダ

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夢幻パーク 第2幕 シーン5/個別行動:怪異・犠牲・アミの痕跡

夜のパークに散った六人は、それぞれ孤独と不安を抱えながら、自分の選んだ場所で異常な現象や“何か”の気配に直面していた。

 

 カナエは観覧車の下で、アミの名札とペンダントを握りしめていた。

 ベンチに腰を下ろし、静かな夜空を見上げる。

 (どうして、こんなことになったんだろう……)

 ふと、足元で何かが光る。

 拾い上げると、それは小さなメモだった。

 「鏡の奥に出口がある」

 アミの筆跡だ。

 カナエはミラーハウスのことを思い出し、胸がざわつく。

 「……アミさん、あなたはどこにいるの?」

 

 タケルはジェットコースターの脇で、レールの錆びた音に耳を澄ませていた。

 出口を探して歩き回るが、どこにも抜け道は見当たらない。

 (何か、ヒントが……)

 その時、背後で金属音が響いた。

 振り返ると、誰もいないはずのコースターがゆっくりと動き出している。

 車両の中には、幼い妹の幻影が座っていた。

 「……どうしてここに?」

 タケルは呆然と立ち尽くす。

 妹は無言で手を振り、次の瞬間、コースターは闇に消えた。

 

 シュンスケは売店の裏で、カメラを回していた。

 「この映像、誰かが見つけてくれたら……」

 ファインダー越しにクラウンくんの影がゆっくりと近づいてくるのが映る。

 だが、肉眼で見ると誰もいない。

 「ふざけるなよ……」

 シュンスケは背筋に冷たいものを感じ、カメラの映像を確認する。

 そこには、自分の背後に立つマスコットの姿が映っていた。

 「……やめろ……」

 恐怖でカメラを落としそうになりながら、シュンスケは後ずさる。

 

 サヤカはミラーハウスの前で立ち止まっていた。

 「……呼んでるのは、誰?」

 扉の奥から、かすかな歌声が聞こえてくる。

 サヤカは震える手で扉を押し開けた。

 中は鏡の迷路。

 懐中電灯の光が、無数の自分を映し出す。

 その中の一枚の鏡に、見覚えのない“もう一人の自分”が立っていた。

 その姿がゆっくりと手を振る。

 サヤカは恐怖に駆られ、扉を閉めて後ずさった。

 

 リョウタは観覧車の下で全体を見張っていた。

 「……誰も、消えるなよ」

 ふと背後に気配を感じて振り向くと、パークのマスコットたちが静かに並んでいる。

 クラウンくん、ポポリちゃん、ミラミィ。

 「……何か、始まるぞ」

 リョウタは身構えた。

 

 ナオキは園内を巡回していた。

 「みんな、無事でいてくれ……」

 途中、妹の幻影やアミの声を聞いた気がした。

 「出口を見つけるんだ」

 自分に言い聞かせながら、暗闇の中を歩き続ける。

 

 その時、パークの奥から再びパレードの音楽が流れ始めた。

 音楽はどこか歪んでいて、懐かしさよりも恐怖を呼び起こす。

 観覧車のゴンドラが、誰も乗っていないのにゆっくりと動き出す。

 遠くで誰かが叫ぶ声が聞こえた。

 

 カナエは観覧車の下で、アミのメモを握りしめながら立ち上がった。

 「鏡の奥……ミラーハウスに行かなきゃ」

 その瞬間、背後でクラウンくんの影が現れた。

 カナエは恐怖で足がすくむが、必死で走り出す。

 

 タケルはジェットコースターの脇で、再び妹の幻影を見た。

 「お兄ちゃん、こっちだよ」

 幻の声に導かれるように、タケルはレールの下へと歩き出す。

 

 シュンスケは売店裏で、クラウンくんの影に追い詰められていた。

 「やめろ、来るな!」

 叫びながら、カメラを振り回す。

 だが、影はどんどん近づいてくる。

 

 サヤカはミラーハウスの鏡の中で、“もう一人の自分”と目が合った。

 鏡の中の自分が、ゆっくりと微笑む。

 「こっちにおいで」

 その声に引き寄せられ、サヤカは鏡に手を伸ばした。

 

 リョウタは観覧車の下で、マスコットたちに囲まれていた。

 「……やめろ」

 リョウタは懐中電灯を振り回すが、マスコットたちは微動だにしない。

 

 ナオキは園内を駆け回りながら、遠くで誰かが叫ぶ声を聞いた。

 「みんな!」

 ナオキは声のする方へと走り出す。

 

 夜のパークは、さらに深い闇に包まれていく。

 それぞれが怪異や幻覚、アミの新たな痕跡と向き合う中、

 誰かが“消える”あるいは“襲われる”予感が、パーク全体を支配していた。

 

 

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