ミラーハウスを後にした七人は、園内の奥へと足を進めた。
道は徐々に細くなり、両脇の植え込みは手入れされないまま荒れ放題になっている。
遠くに、巨大な鉄骨のシルエットが見えてきた。
それはパークの名物だったジェットコースター――今は錆びつき、レールの一部は崩れかけている。
「これが、事故があった場所……」
カナエが立ち止まり、鉄骨の全体を見上げる。
「ニュースで見たことある。スタッフがいなくなったってやつだろ?」
シュンスケがカメラを構えながら低くつぶやく。
「閉園のきっかけになった事故です」
アミが静かに言う。
「夜の営業中、急にコースターが止まって、何人か怪我をして……。そのとき、スタッフの一人が消えたんです」
「消えた?」
タケルが眉を上げる。
「はい。監視カメラにも映ってなくて、警察も結局見つけられなかった」
アミの声には、どこか遠い記憶をたどるような響きがあった。
「現場、近くで見てみよう」
リョウタが先頭に立ち、みんなも後に続く。
足元には錆びたボルトや割れたプラスチック片が散らばり、コースターの車両はフェンスの内側で朽ちていた。
「これ、動かそうと思えば動くのかな」
タケルが興味本位で車両に手をかける。
「やめてよ、壊れたらどうするの」
カナエが苦笑する。
「さすがにもう無理だろ」
ナオキがタケルを軽くたしなめる。
「事故の時、何があったか覚えてる?」
シュンスケがアミに尋ねる。
アミは少し考えてから、
「私はその日、別のエリアにいました。でも、突然悲鳴が聞こえて……。駆けつけたら、みんなパニックになっていて。スタッフルームで点呼を取ったら、一人だけ来なかった」
「それが、行方不明になったスタッフ?」
サヤカが不安げに尋ねる。
アミは静かにうなずいた。
「事故のあと、パーク全体が変わった気がしました」
アミの言葉に、みんなが黙り込む。
「それまでは、どこか明るい雰囲気があったのに……」
「人が消えるなんて、現実にあるんだな」
タケルが小さくつぶやく。
「この辺り、何か残ってないかな」
リョウタがフェンスの周りを歩きながら探す。
「見て、これ……」
カナエが地面に落ちていた古びた名札を拾い上げる。
「スタッフの名前が書いてある」
「もしかして、行方不明になった人の?」
タケルがのぞき込む。
「名前、消えかけてるけど……」
シュンスケがカメラで名札を撮影する。
「この名札、事故の後に見つかったって話は聞いてないです」
アミが不思議そうに名札を見つめる。