夢幻パーク   作:砂漠のデスラクーダ

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夢幻パーク 第1幕 シーン8/アミ捜索の焦燥と手がかり発見

 アミが姿を消してから、六人は園内をくまなく探し続けていた。

 夜のパークは、時間が経つほどに静けさを増し、どこか現実離れした空気が漂っている。

 懐中電灯の光が草むらやベンチの影をなぞるたび、ひそやかな不安が胸の奥に広がっていった。

 

 「アミさーん!」

 カナエがメインストリートで呼びかける。

 返事はない。

 「どこに行っちゃったんだろう……」

 サヤカが心細げに呟く。

 

 「パークの外に出たとは考えにくいよな」

 タケルが周囲を照らしながら言う。

 「そもそも、こんな時間に外に出るのは危ないし」

 リョウタも辺りを警戒するように見回す。

 

 「アミさん、何か手がかりを残してくれてないかな」

 シュンスケが足元を照らしながらつぶやく。

 ナオキは、ふとメリーゴーランドの柵のあたりで何かが光るのを見つけた。

 「これ……」

 ナオキが拾い上げたのは、小さなキーホルダーだった。

 「アミさんのだ。スタッフ時代からずっと付けてるって言ってた」

 カナエがすぐに気づく。

 

 「ここで何かあったのかな」

 サヤカが不安げにキーホルダーを見つめる。

 「でも、落としただけかもしれないし……」

 タケルが言いかけて、ふと黙り込む。

 

 「とにかく、他にも何かないか探してみよう」

 ナオキが皆を促す。

 六人は、メリーゴーランド周辺や売店の裏、ミラーハウスの脇道まで、懸命にアミの痕跡を探した。

 

 「これ、見て」

 カナエが売店の裏手で、紙切れを拾い上げた。

 「“観覧車の下”って書いてある」

 「アミさんの字だ」

 シュンスケが紙をライトで照らして確認する。

 「観覧車の下……何かあるのか?」

 タケルが顔を上げる。

 

 「とりあえず、行ってみよう」

 ナオキが決意を込めて言う。

 六人は観覧車の方へと歩き出した。

 

 観覧車の足元は、昼間なら子供たちが集まる場所だった。

 今は雑草が伸び放題で、ゴンドラの影が地面に落ちている。

 「アミさーん!」

 サヤカが再び呼びかけるが、返事はなかった。

 

 「ここに何か……」

 カナエが地面を照らしながら歩く。

 「これ、見て」

 シュンスケが観覧車の基礎部分、点検口の近くで何かを見つけた。

 「名札……?」

 リョウタが拾い上げる。

 「アミさんのだ」

 ナオキが名札を受け取り、胸に力を込める。

 

 「やっぱり、この辺りに来てたんだ」

 タケルが観覧車の下を覗き込む。

 「でも、どこにもいない……」

 サヤカが声を震わせる。

 

 「観覧車の下に、何か隠し場所があるのかも」

 カナエが周囲を調べ始める。

 「点検口、開くかな」

 タケルが扉を押すと、ギギギと音を立てて少しだけ開いた。

 

 「中、暗いな……」

 シュンスケが懐中電灯を差し込む。

 「何か見える?」

 リョウタが覗き込む。

 「奥に、誰かいる……?」

 サヤカが不安げに声を上げる。

 

 「アミさん!」

 ナオキが呼びかけるが、返事はなかった。

 「……誰もいないみたいだ」

 タケルが点検口から顔を出す。

 

 「でも、ここに名札やキーホルダーが落ちてたってことは……」

 カナエが言いかけて、ふと黙り込む。

 「アミさん、自分から何かを残していったのかも」

 ナオキが名札を強く握りしめた。

 

 「とりあえず、もう少し周辺を探してみよう」

 リョウタが周囲を照らしながら言う。

 六人は観覧車の下や周辺をくまなく探したが、アミの姿はどこにもなかった。

 

 「……本当に、どこ行っちゃったんだろう」

 サヤカがため息をつく。

 「でも、何か伝えたかったんだと思う」

 カナエが名札とメモを見つめる。

 「観覧車の下に、何かあるのかもしれない」

 ナオキが低くつぶやいた。

 

 夜のパークは、ますます静寂に包まれていく。

 観覧車のゴンドラが、夜風に揺れて軋む音が遠くから響いていた。

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