アタシは朝があんまり強くない。仕方がない。アタシだから。
「「「モトちゃん!おはようございます!」」」
もちもちすべすべ触感が安眠を約束!
光らないけど喋る!血を吸う!いろんなことしてくれる!
等身大トガちゃん抱き枕!なんと無料!
アタシだけの完全受注生産品!
トガちゃんズのウェイクアップコールで変なテンションになってしまった。
なにせ今日は『支配者』の日…月に一度の何でもしていい日だ。
「モトちゃん、あーん…」
「モトちゃん、マッサージ気持ちいいですか?」
「モトちゃん、私の座り心地はいかがですか?」
「お、俺はお二人を支えます…食事を楽しんでください…」
朝食もトガちゃんズ(with治崎)を侍らせ堪能する。最高すぎる。
お前の身分でトガちゃんのお尻を堪能できるんだからもっと感謝しろ。
「モトちゃん、お野菜残しちゃだめです。ちゅーしませんよ?」
「食べる。…うええ、ミニトマト嫌」
「ちゅー…」
ミニトマトが好きになった。
ちなみにアタシとちゅーをするのは本物のトガちゃんだ。
額に『本物』って言うシールを張ってくれている。
「お昼の放送を始めるわ。今日のゲストは…『ショート』と『クリエイティ』。
二人とも個性消失弾を打ち込んで縛ってあるわ。早速インタビューしましょう。」
荼毘さんと芦戸が縛られた二人を会場に入場させる。
「くそ…俺達を見せ物にするつもりか…!」
「塩導さん!こんなこと止めてください!」
「とても元気でいいですね。早速だけど…ショートには火あぶりになってもらうわ。
クリエイティは…水風呂にでも入ってもらうかしら。冷たくて気持ちいわよ。」
荼毘さんが轟に青い炎を灯す。
「ぐ、う、があああ!やめろ!えんどおおお!」
「哀しいな、轟焦凍。」
叫ぶ轟を見て、荼毘さんは嬉しそうに笑う。
「やっぱり右側の方が燃えるわね。左側は慣れてるみたい。」
「轟さん!…塩導さん!どうしてこんなひどいことができるのですか!」
八百万のくだらない質問にアタシは答えてあげた。
「アンタらみたいな『偽善者』への見せしめよ。
恐怖による『支配』…平和ボケしてると忘れちゃう奴がいるのよね…」
「あああ!があああ…」
ついに轟は叫ぶことすらできなくなった。
「くくく…これで親父と仲良くできるなあ?」
荼毘さんはとてもうれしそうだ。
「ああ、そんな…轟さん…」
浴槽の色が薄黄色になっていく。
「ところで水風呂で冷えたでしょ?温めてあげるわ。アタシの"個性"で。
水酸化ナトリウムの溶解熱ってすごいのよ?水風呂もお風呂にできるのよ。」
「…もう、好きにしてください…」
八百万の反応がつまらなくなってきたから次のお楽しみにいく。
「いい感じに温まってきたわね…ここでスペシャルゲスト…
『本物の』ショートさんよ。入れてちょうだい。」
「…え…?」
荼毘さんが再び轟を連れてくる。
「八百万!クソ!離せ!」
「轟さん!?や、やめてください!お願いします!轟さんとお話をさせてください!」
八百万の反応が面白くなってきた。アタシはたたみかける。
「…アタシ達の仲間になってくれる?」
「なりますから!」
交渉成立だ。アタシはアシスタントの芦戸に指示を出す。
「芦戸、彼女を出してあげて。あと中和してあげて。」
「ハイ…塩導サマ…」
死んだ目をしている芦戸が酸を八百万にかける。
「あ、芦戸さん…貴女」
「轟と話せよ。別の意味で風呂に沈めるぞ?」
「…最っ低ですわ…!轟さん!大丈夫ですか!?」
面白いギャグだと思うんだけどなあ…仁さんは笑ってくれたのに。
「ごめんなさい…私のせいで…」
アタシは轟にハンドサインを送る。
「大丈夫『です』…八百万『ちゃん』が無事なら大丈夫『です』。」
「え…?」
「ばあ!轟君の血もおいしかったです!」
轟がかあいいかあいいアタシのトガちゃんに変わる。
「…嘘…それじゃあ…『本物の』轟さんは…」
「目の前で灰になったのを忘れちゃいましたか?」
トガちゃんが先ほど灰になった『元』轟を指さす。
「あ…ア…アアア!!!」
八百万の目から光が消えた。こうなったらこちらのものだ。
「…さあ、新しい仲間の歓迎パーティーよ。ディナーは豪華にするわ。」
夕食は豪勢に焼肉にしてもらった。八百万のおかげでいい七輪と炭が準備できた。
「モトちゃん、タンが焼けました。あーん…」
「モトちゃん、焼き野菜も食べなきゃダメです。あーん…」
「モトちゃん、ウーロン茶です。口移しで飲ませてあげます。」
夕飯もトガちゃんズにお世話してもらう。
「それは本物のトガちゃんからじゃないとやだ。」
「それじゃあ、本物がやってあげます。ちゅー…」
トガちゃんの口からアタシの口にウーロン茶が注がれる。
「んー…ごくごく…ごめん、ウーロン茶は冷たい方がいいかも。」
「…そうかもしれないですね。ぬるいウーロン茶は私もいやです。」
気持ちは嬉しいけどね。愛が熱すぎるのがよくないね。
お風呂でもトガちゃんズに洗ってもらう。
「モトちゃんの髪、サラサラになりましたね。」
「モトちゃんの肌もすべすべです。気持ちいいです。」
「モトちゃんのおっぱいはいつ大きく」
「トガちゃんはそんなこと言わない。
トガちゃんはアタシの小さいおっぱいでもかわいがって…」
…額に『本物』ってあった気がする。嘘だよね、トガちゃん?
流石に寝るときは本物のトガちゃんだけと寝る。
「…トガちゃんひどい…アタシ気にしてるのに…」
「じょ、冗談です…ちっちゃいモトちゃんもかあいいですよ。」
「…愛してくれなきゃ許さない。」
「いっぱい愛してあげますよ、モトちゃん…」
まだ『支配者の日』だ。日付が変わるまで愛してもらおう。
百合と残虐描写のサンドイッチで実質百合を見た気分になれるはずです。
今度はどのヒーローの心を砕こうかな。