エンド・オブ・ヒーロー   作:神剣狩刃

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第六話 変わっていく

林間合宿での生徒誘拐、生徒の救出に失敗どころか死亡と敵堕ち、

果てはエリちゃんの保護作戦失敗により、ヒーロー社会は大いに揺れた。

各地では敵が暴れ、自警団が暴れ、両者をヒーローが止めるという事態になっていた。

もはや治安はがたがたと言って良いだろう。

 

「ということで!ちょっと遅れたけど!

トガちゃんの活躍による作戦成功パーティーを開催するわ!乾杯!」

「「「カンパーイ!」」」

「かん…ぱい…?」

お陰で略奪してきたもので豪華なパーティーが開けるわ。

 

手口は簡単。結成した略奪部隊をトゥワイスにコピーしてもらう。

そして本隊以外はその場でヒーローと戦う。

どれが本物かわからないし、そもそも本物がいない時もある。

この治安で私たちを捕らえるのは到底不可能だ。

物はコンプレスさんが圧縮するから好きなだけ持ち運べる。

 

「いい加減にしろ!」

ノリの悪いスピナー君が机をたたいて怒鳴る。

「俺はステインに触発されてここにいる!この現状は」

「これこそ『ステイン』の望みなのよ…分からないかしらスピナー君?」

スピナー君の口にサンドイッチを詰め込んで黙らせる。

 

「無法がまかり通り、悪が楽しく笑い、正義が非難される…

こんな最悪の状況の中で立ち上がるやつがいたら…『真のヒーロー』じゃない?

彼は社会への警鐘のために人を殺していたわね。だったら…

『敵がパーティーを開いて楽しんでいる様を世間に見せつける』ぐらいするわよ?」

「…!えんほお…!」

スピナー君はサンドイッチをもぐもぐしながら目を輝かせている。

 

「…すまなかった。俺の理解が足りていなかったようだ。存分に楽しもう!」

スピナー君が私の手をガシリと握る。ちょっと痛い。

これからは『ステインならこうする』で手綱を握れるな。

「…では改めて…乾杯!」

何事なかったかのようにパーティーが続く。

 

「エリちゃん。どれ食べたいですか?好きなもの食べていいんですよ。」

「リンゴ…すきだから…」

トガちゃんがリンゴのウサギをエリちゃんに食べさせている。うらやましい。

 

対しアタシは…

「早く何食べたいか言いなさいよ。水の代わりにアタシの塩基飲みたい?」

「さ、サンドイッチで大丈夫です…」

顔が塩基によって焼け、怯え切った治崎の世話をしている。

エリちゃんにしてきた仕打ちを聞いて、アタシはこいつを『分からせて』やった。

今ではエリちゃんの"個性"のいい練習台だ。

 

「サンドイッチィ?アタシの手を煩わせるもの食べるつもり?」

「か、唐揚」

「アンタ、メイン食べられる身分だと思ってる?」

「…さ、サラダで…」

「ほら。食いな。」

コンビニのカップに入ったサラダを治崎に与える。

 

治崎の世話を終えたアタシはトガちゃんの隣に座る。

「トガちゃん。あーんして。」

「モトちゃんは甘えんぼさんです。はい、あーん…」

トガちゃんがリンゴを食べさせてくれる。世界で一番おいしいリンゴだった。

 

「トガちゃんも。あーん…」

「あーん…唐揚げおいしいです。エリちゃんも食べますか?」

「からあげ…おいしい…」

エリちゃんの口からよだれが垂れてる。

 

「エリちゃんも食べていいんだよ。はい、あーん…」

「あーん…おいしい…」

エリちゃんがちょっと笑った気がする。かあいい。

この子はアタシとトガちゃんの間に産まれた子に違いない。

 

「微笑ましいねえ…おじさん眩しくて見てられないや…」

「コンプレス、恋する乙女はすごいのよ。」

モトちゃんも見違えるように可愛く、美しくなったわ。」

「トガちゃんを取られた気がするぜ…喜んでくれてやるよ!」

「あれが元雄英生って信じられるか、荼毘?」

「どう見ても生粋の敵だよ。"個性"も"性格"も。」

 

すごく楽しい。『敵になって』よかった。




ほのぼの()日常回です。
次回は異能解放軍との戦いです。
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