淫夢厨社会人と封印から出れない妖狐   作:狐耳大すこすこすこてぃっしゅふぃーるど侍

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映画とロンダルギア

 ロンダルキアでの苦闘の翌日。

 

 ファミコンの電源を切り、銀狐は少し放心気味に畳に座り込んでいた。

 

 「……仲間とは、こうも頼もしくもあり、時に苦労の種でもあるのじゃな」

 

サマルトリア王子、彼こそが唯一蘇生ができる仲間にして一番よく死ぬ王子である。

 

即死の連打の道中は彼に頼らざるをえない、蘇生がないとすぐチームは壊滅だ、だから一番頼りにしていて……そして一番すぐに死ぬもっとも頼りにならない王子である。

 

なんだか矛盾しているが矛盾していない王子に銀狐はなんとも言えない顔になる。

 

 「まあ、それが仲間ってもんだよ」

 

 男はタブレットを手に、ニッと笑った。

 

 「というわけで、今日はこの映画。**『RED/レッド』**を観ようぜ」

 

 銀狐が首をかしげる。

 

 「赤? 血の色か?」

 

 「それもあるけど、正式には“Retired Extremely Dangerous(引退した超危険人物)”の略。元CIAのエージェントたちが、命を狙われて再びチームを組むって話」

 

 「ふむ、また火の神みたいな戦いの話か?」

 

 「そう。ただし……全員、年季入りすぎてるけどな」

 

 映画が始まる。

 

 冴えない年金生活者に見える元CIA、フランク・モーゼス。

 だが、敵に命を狙われた瞬間、驚異の戦闘力で反撃開始。

 

 彼が旧知の仲間たちを再び呼び集め、派手にドンパチやりながら陰謀に挑む。

 

 銀狐、最初はぽかんとしていたが――

 

 「ぬう、この老婆、渋い活躍をするのぉ!」

 

 「ヘレン・ミレンだね。元MI6で、今は庭いじりが趣味」

 

 「昔と違って強い女性、しかも老婆が活躍するというのは時代の違いを感じるのぉ」

 

 中盤あたりで、銀狐は目を輝かせながら言った。

 

 「すばらしいのう……儂も“引退した超危険妖狐”として、外に出てこうして力を振るえたなら……!」

 

 「外に出られるようになるといいねぇ」

 

 物語が佳境を迎える、仲間が互いを信じ、悪の合衆国副大統領を襲撃、命を懸けて共闘する場面。

 

 銀狐はしみじみと呟いた。

 

 「仲間とは良い物じゃな、時を重ね、共に修羅場をくぐった者こそ、本物の“戦友”じゃ」

 

 映画が終わると、銀狐は押し入れの奥から小さく笑った。

 

 「儂にも、仲間と呼べる者ができたのじゃな」

 

 「うん。俺も、同じチームだと思ってるよ」

 

 「“封印された超危険妖狐”と、“社畜戦士”……妙な取り合わせじゃが、悪くないの」

 

 ロンダルキアも、CIAの陰謀も、

 “ひとりでは超えられない物”だ。

 

 だからこそ仲間がいるということが力になる。

 

「さーて、また仲間を信じてロンダルギアに行ってみるとするかの、次こそは突破できるとええんじゃが」

 

「逃げて逃げて逃げるのがコツだ、冗談みたいだけどね。」

 

「そうするとレベルが上がらぬではないか、いや、レベルが上がったとて即死を連打されてはあまり関係ないのはわかるのじゃが……」

 

ロンダルギアを突破できるかは火力さえ足りてれば後は10割運だと言ってもいい、だから男は神にお祈りは済ませた?と言おうとして……止めた、元神様に言う事じゃないなと思ったからだ。

 

こうして銀狐のロンダルギアへの突撃は何度も繰り返された。

 

そして10回に及ぶ突撃の末、結局突破は許されず銀狐はふてくされて寝た。

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