百合は何処へ!?薔薇がトゲを刺しに来るんだけど!?   作:マメットナイツ

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Q、新章開幕と言えど投稿が遅すぎませんか?
A、いやほんとにすいません………アイデアの泉が枯れ果ててたんですぅ……!!!!!許して!なんでもしないから!!!!!


2章:白きカラスが溺死するまで
11話


 

【鳳暦2021年 7月9日】

 

おばあちゃん、おじいちゃん、お元気ですか?

 

チヨは元気にしています。

………やっぱり嘘です。

チヨは少し元気無いかもです。

別に同僚の人と揉めたりとか、不幸かあったわけじゃ無いですよ!

ただ………最近、先輩とどう話せばいいのかわからなくなって。

その先輩は、すごくカッコよくて、いつだって頼れるような背中で、でもちょっとだけ情け無いところもあって………それが色々な人を惹きつけるような、そんな先輩なんです。

………でも、先輩は大きな怪我をして……今はすっかり暗くなってて、そんな先輩に私は………声をかけられなくて…。

数ヶ月経ったけど、接すればいいか、わかりません。

だから、今は自分にできることを、ひたすら頑張ってみます。

私の頑張りが、少しは先輩を元気にする手助けになると信じて。

 

 

………………まぁ、でも、スッね。

 

 

「待てッスゥゥゥ!!!!!」

〈ガッキャ!ギャ!!〉

[チヨ、分岐ポイントまであと500!]

「了解ッス!!全力で飛ばすッス!!!!!」

 

地下鉄を全力疾走は辛いッス!!!!!!!!!!

 

「テイマーさん!はっはっあのッ!ツバキさんはどうでスか!?」

[チヨの直上、いや、少し後方で飛行中!地下から地上路線に出たタイミングでクビナガ級の足を止める。それまで耐えてほしい!]

「オッケーッッスッ!!!!!」

 

………テイマーさんに言った手前ッスけど、正直言って足が千切れそうッス〜〜〜〜〜〜!!!!!

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「ハ"ァ"………ハ"ァ"ハ"ァ…"……」

「お疲れさん、コレ、スポドリやで。」

「ツ、ツバキさん………ありがとう、ございますッス………。」

 

線路上に横たわる巨骸の前でツバキとチヨは、肩で息をしながらそれを見上げる。

巨骸の周囲では、すでにメイ女医を中心とした解析班が巨骸の肉と筋を切り分けていた。

切り取られた肉片はサンプルとして瞬間圧縮冷凍され、残った大部分の機械部品は輸送機へと運ばれる。メイ女医はそれを部位ごとにリストアップしながら、額に指を当てて顔を顰めていた。

 

「うーん…、やっぱりおかしいわね……。」

[どうかしたの、メイさん。]

「テイマー……。これを見てちょうだい。」

 

メイ女医が記述しているリスト表を横から覗くようにテイマーはメイ女医に話しかける。

テイマーの疑問に対し、メイ女医は手元のタブレットの画面をリスト表から切り替え、簡易的な分析結果を見せる。

 

「本来なら水中でしか活動できないはずのクビナガ級が地上に適応しただけでなく、線路上を走行できるように車輪機構まで搭載していた……。明らかに進化が進みすぎているわ。」

[確かに。今までもダイナストの環境適応…進化こそありましたけど、ここまで原種とかけ離れた個体は初めてだった……。]

「以前にストレイフの生存が確認されたことを考えると、この異様な進化は偶然とは思えないわ。10年前と同じことが、起きようとしてるのかもしれない。」

[10年前と同じ……。]

 

メイ女医はそう所感を述べつつも、熟考する中で小骨のように引っかかる疑問を感じていた。

それは10年前にも浮かんだ疑問、かつて戦乱の激化でいつのまにか無散していた疑問。

 

「(なぜ、ダイナストは鉄道に……そして人型になって人類文明に適応できるように進化したの?ダイナストは……人類を否定する存在なのに。)」

 

ずっと、それをメイは一人、考えていた。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

…………

 

 

 

………ずっと、ドアの前に立って、楽しいかい、サチカ?

 

 

「…起きて、らっしゃっていたんですね。」

 

 

まぁ、ね。寝るのにも、あきちゃったから。

 

 

「今日はテイマー様は県外へ出向いてらっしゃいます。その……気分がよろしければ一緒に食堂にでも。」

 

 

ごめん、よくないんだ、気分。テイマーがいても、いなくてもさ。

 

「そう、ですか……、でも!今日はケイさんが食堂でカレーパーティをと!」

 

 

ケイには謝っておいて。大丈夫、余ったら冷蔵庫にでも入れておいてくれたら、勝手に食べてるから。

 

「………わかりました。その…失礼、しました。」

 

 

…………………

 

………最近、会話はこういうのばっかりだ。だれかが部屋に訪ねて来て、俺がそれをテキトーに対応して……どいつも最後は気落ちして、黙りこくって去っていく。

 

ここ数か月、ずっと、ずっとそうだ。

 

どいつもこいつも、みんなそうだ。

 

みんな、俺に寄り添ってくれてる。

 

片腕の俺を、支えようとしてくれてる。

 

飛べなくなった俺を、安心させようとしてくれる。

 

なぐさめてくれる。はげましてくれる。ささえてくれる。たすけてくれる。

 

 

 

 

 

 

………………

 

 

 

どいつもこいつも、俺を憐れんでる。

 

もう戦えなくなった、この俺を。

 

 

 

「ッ!!!!ふざけんなッッッ!!!!!!!」

 

 

俺は憐れじゃない!おれはまだ戦える!!!!おれはまだとべる!!!!

 

だっておれは!!!おれはあいつらとおなじ!

 

 

「おれは……、しょきがたで、みんなのせんぱいで……」

 

 

ちせいがたのやつらに、ゆいいつたいこうできて……

 

 

 

しょきがた(あいつら)が、いのちをすててまで、まもってくれたのにぃ……!!!!!!!」

 

 

 

なんで、おれは、たたかえないんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

かちゃりとコップを置く音が響くような、閑散としたカフェで我がテーブルを拭いていると、

 

「もうあがっていいよ、ゼロちゃん。」

 

コップを磨いていたはずの店長がそう言ってきた。

窓の外を見れば、すでに日は傾き、夕日の美しい赤が町中を染めていた。

 

 

「いや、まだ少し残ろう。客足が少ないと言えど、店長だけではいざという時、心配故な。」

「そうか?なら、ありがたく働いてもらおうか。」

「ふん、望むところだ。」

 

 

店長は会話をそう切るとカウンターに戻り、またコップ磨きを始める。

私もテーブル拭きに戻り、ふと窓の外に視線を向けた。

 

 

「今日も、貴様は来なかったな。」

 

 

 

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「テイマー様。」

[どうかしたの、サチカ?]

 

積み上げられた書類の山を捌きながら、テイマーは後ろからかけられたサチカの声に返す。

 

「どうして、シロさんの下に行ってあげないんですか。」

 

そしてそう言われると、テイマーはピタリと一瞬だけ作業の手を止め、

 

[私が、ハニーに言うことは何もないよ。]

 

とだけ言い、また作業に戻る。

 

 

対して、問いかけた側であるサチカは何も言うことはできなかった。

サチカはテイマーの、冷たく聞こえる一言に、強い信頼の色があることが分かっていたからだ。

だが、それでも、サチカは苦悶の表情を隠せなかった。

テイマーは、そんな彼女の表情を一瞥しても、何も言わず、その日はもう、シロの名を出すこともなかった。

 

 

 

 




開幕から短くってすまない…………!
夏は更新頑張るから許してクレメンス!!!
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