百合は何処へ!?薔薇がトゲを刺しに来るんだけど!? 作:マメットナイツ
非力な私を許してくれ……
私は彼女と…シロと出会った日を、決して忘れることはないだろう。
鳳暦2012年。人類によって鳥娘が生み出され、鳥娘のための教育機関が作られることが世間へと公表された。
鳥娘達は見た目こそ、普通の女の子だ。
しかし鳥娘としての力を解放すれば、その肉体に鳥の特徴を浮かび上がらせる。
その特徴は鳥娘によって様々で、ある子は背から翼を、ある子は腕そのものが翼に、ある子は脚が鳥と同じモノになったりする。
しかもその身体能力は、常人のソレを遥かに超えている。
そんな彼女達に実戦的な教育、さらには戦闘指揮を行う存在「テイマー」は全国より適性のある人間が選ばれることになり、当時はただの地方教師であった私に何故か白羽の矢がたった。
突然のことに私は戸惑いながらも、当時はまだ建造中のネスト本部へと足を運んだ。
「君が……テイマー、なのかな?」
透き通った、降り頻る雪のような声だった。
振り返れば、そこには1人の少女。
病的なほどに曇りない純白の髪を短く切り詰め、桜桃のような赤色の瞳を輝かせた、誰もが見惚れてしまうだろう美しい少女。
「お……、僕はシロ。よろしくね!」
………………呼吸すら忘れてしまうような光景から意識を戻し、彼女へと返事を返す。今思えばあの時に私は……、彼女の容姿に一目惚れしてしまったのだろう。
[私は……⬜︎◽︎⬜︎◻︎⬜︎。君の……テイマーだ。よろしく、シロ。]
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[全く痛いじゃないか、マイハニー。]
「マイハニーじゃないし、痛くしたから当然だよ。」
赤く腫れた鼻をさすりながら、クソテイマーは温和な表情を崩さない。
いや崩せよ、鳥娘の全力はたきを受けたなら崩せよ普通。
というかマイハニーやめろホントに恥ずかしいから。
[うーん染みるねぇ……11時間振りの罵倒は!]
「その舌切り詰めてあげようか?ん?」
「あらまぁ、出会い頭にお熱いねぇお二人さん。」
「違うからトキ!熱いどころか冷めてるからね僕は!?」
トキもこの反応だし!
というか何で俺の場所バレたし、ここってネストからは離れてるはずなんだけどなぁ……。
[ありがとうトキ。トキが連絡してくれたおかげだよ。]
「いえいえ〜、テイマー君が雑務でお疲れだったからねぇ〜。シロちゃんとなら、いっぱいリラックスできるかなと思ったからねぇ。」
居たわここにバレた要因。というか結局連絡してたんかい!
あとテイマー、お前って俺以外には普通に会話するの何?
なんなら最初の頃は俺に対しても普通の会話と対応だったよね?
なんなの本当に?
どうしてこうなったんだよぉ〜……。
「トキぃ〜……、僕はむしろ疲れるよ。」
「まぁまぁ、テイマー君と仲良くねぇ〜。おじゃま鳥はここで去るよぉ〜。」
俺のゲッソリする仕草を無視してトキは、背から翼を広げ空へと飛び去ってしまった。
「ああもうッ!トキ!覚えててよね!」
[……そんなに嫌なの?私と居るの?……グスッ…ひどいなハニー……。]
「いやその言動が嫌なんだよ……。……ッ…。」
わざとらしい泣き真似をするテイマーに呆れてる俺は、ふと吹いた風に目を閉じる。
……そして風越しに感じた"イヤな感覚"に、俺は思わず顔を歪めた。
テイマーも俺の様子で気づいたのか端末を取り出し、その画面を覗いて舌を打つ。
「テイマー、ダイナストだ。それも近く。」
[そうだね。既にトキが向かっているみたいだ。]
俺は背中から翼を広げ、テイマーの脇から手を入れる。
テイマーは懐からモノクルを出し、右目へと装着する。
「テイマー、振り落とされないようにね。」
[ハニーの荒っぽい羽ばたきには慣れたよ。]
「ッ……舌噛まないでね!」
テイマーの言葉を無視して俺は勢いよく翼をはためかせ、テイマーを連れて空へと舞い上がった。
一応バトルファンタジーなので戦います。
ギャグだけではない……はず!