旧都陥落報告書
旧都陥落事件
人類史上最悪の事件であり多すぎる死者を出した。
この報告書は旧都陥落を時系列にまとめたものである。
—ゼロ号ホロウ拡大
今回のゼロ号ホロウの異常拡大を受け、ダーラン長官は全治安官に武装命令を発令した。動ける治安官や非番の職員の殆どが出動し、交通整理や市民救助に当たる。騎馬治安官隊や機動隊、銃器対策部隊、SATにも出動命令が出される。
同時刻に消防署からは多数の消防車と救急車が火災鎮火と人命救助の為に全力出撃する。
—5分後
治安局は放送で市民に新エリー都まで避難することを指示する。緊急サイレンを流す。一部騎馬治安官とパトカーが避難指示の為にエリー都を駆け回る。
—10分後
救助活動をしていた治安官がエーテリアスと接触。拳銃とショットガンで応戦し対処する。これが、旧都陥落時に起きた最初の戦闘であると思われる。
—30分後
軍は先遣隊を派遣。ライアー小隊、ネメシス小隊もこの時にゼロ号ホロウに派遣される。
―47分後
火災現場にてエーテリアス、トラキアンが出現。その場に居合わせた治安官とライアー小隊によって処理される。その際に治安官1名が殉職する。
—1時間後
避難する市民により大通りは渋滞を起こす。そのため、2名の治安官により交通整理が行われる。各地で治安官が取り残された市民の救助とエーテリアスの排除に当たる。
鉄道会社の職員は本部からの命令が無かったものの、異常事態と判断し新エリー都と旧都を往復し市民の救助にあたる。また、航空会社も飛行船と旅客機を出して市民を新エリー都に避難させる。
—1時間10分後
大量のエーテリアスが大通りに向かって進撃。機動隊は大盾と警棒で武装し、大通りへと続く道をバスで封鎖してエーテリアスを迎え撃つ。同時刻、中央総合病院にエーテリアスが攻め込むが治安官と警備員によって撃退。各地で防衛軍先遣隊による対エーテリアス戦が開始される。
救助ヘリ1機が謎のエーテリアスの攻撃を受けて墜落。以下は最期の通信である。
「こちら消防局救助ヘリ! ビルみたいなデカさの浮遊型エーテリアスの攻撃を受けている!」
「墜落する! 墜落する! メーデー! メーデー!」
「⋯っもう駄目だ!!」(直後に爆発音)
この通信から恐らくニネヴェの攻撃を受けて墜落したものと思われる。
—1時間30分後
機動隊は第一波のエーテリアスを撃退。第二波が10分後に来るがこの時点でアルペカの液弾エーテル攻撃で多くの怪我人が出ていた。放水車による高圧放水で小型エーテリアスを排除し、被害拡大を防ぐ。
—1時間50分後
防衛軍基地に浮遊型エーテリアスが多数襲来。近くにいた市民を乗せた治安局トラック、救急車にも襲いかかる。しかし、軍の対空砲部隊と治安官の必死の防衛戦により撃退する。同時刻、銃器対策部隊によりデパートに避難していた多数の市民が救助される。救助された市民はそのままホロウ外へと脱出。
—2時間10後
治安局に避難してきた市民を収容。その直後に多数のエーテリアスが襲撃。残っていた治安官によって防衛戦が行われるが、数の差とタナトスとデュラハンが多数いた事で治安官に多くの殉職者が出る。
―2時間40分後
地下鉄の駅構内にエーテリアスが侵入。駅員や警備員などにも犠牲者が出るも治安官が時間を稼ぎ、最後の電車が新エリー都に向かって発進する。
—2時間45分後
各地で大規模な火災が発生。消防隊員により必死の消火活動が行われるが、既にキャパを超えている状態だった。また、消防局にエーテリアスが襲来した影響もあり適切な指示が現場に届かず、通信が混線した影響もあって現場は混乱する。
同時刻、空港にエーテリアスが侵攻。派遣されていた軍の対空砲部隊と治安官、警備員によって防衛戦が開始される。
—3時間30分後
大通りに続く道にデッドエンドブッチャーが出現。機動隊員に殉職者が多数出る。また、阻止線を突破された事で大通りに大量のエーテリアスが侵攻。同時刻、消防局が陥落するが消防隊員は各自で判断し救助と鎮火にあたる。また、SATが学校で学生と教師を保護、近くを通りかかった逃げる途中の市バスに入れ、2名の騎馬治安官の護衛のもとゼロ号ホロウの外へと脱出させる。
—3時間40分後
ホロウ災害による建物倒壊と火災により避難経路が塞がれるが、消防隊と治安局の装甲ドーザー部隊の活躍で避難経路を確保する。しかし、各地で治安官と消防隊員、救急隊員の殉職者が多くなってくる。同時刻、今回のホロウ拡大とエーテリアス増殖がイレギュラーとし軍上層部は増援の派遣を打ち切り、全部隊に新エリー都まで撤退を命令。この際、軍先遣隊と治安局には撤退命令が伝えらなかった。そのため、各地の治安官は軍の増援を待ちながらも戦闘及び救助活動を続ける。
空港から最後の旅客機が飛ぶ。生き残った軍人と治安官、警備員は装甲車で脱出を目指すが完全に包囲されていたため空港内に立て籠もる。
―3時間50分後
大型エーテリアス(ジェペット)による攻撃で基地が陥落。基地前の医療場にも被害が及び、救急隊員や治安官は負傷者と共に各地に避難する。
—4時間後
渋滞している大通りに暴走車が突っ込み火災が発生。直後にエーテリアスが大量に現れる。2名の治安官が応戦するも、片方がトラキアンの槍を受け殉職。残った治安官はショットガンで市民が安全圏に避難するまで応戦する。(この際に逃げる市民を庇いながら1人でタナトス2体、トラキアン1体を撃破するなど凄まじい戦果をあげる)
—4時間20分後
大通りで戦っていた治安官と基地前の医療場から逃げてきた治安官が合流、大通りを爆破する事でエーテリアスの侵攻を大幅に遅らせることに成功する。その際、2人の治安官は爆発に巻き込まれて殉職した。
同時刻、空港内に撤退中の軍用輸送ヘリが着陸。立て籠もっていた軍人、治安官、警備員など7名を乗せて脱出し空港は陥落。
―4時間40分後
SATが大型エーテリアス(ジェペット)に追いかけられている治安局のヘリに遭遇。隊の3割を喪失するが撃退する。
—4時間50分後
外から攻めこんでくるエーテリアスとエーテリアス化した患者との戦闘で中央総合病院で戦闘が発生。病院職員と治安官、警備員の多くが犠牲になるも一部は患者を連れて脱出に成功する。同時刻、治安局にエーテリアスが侵入。署内での戦闘が発生し、その場にいた消防士2名も斧を使い応戦する。
—5時間
銃器対策部隊とライアー小隊が謎の巨大エーテリアスに遭遇(恐らくニネヴェと思われる)。ライアー小隊は負傷者を出したので、退避時間を稼ぐ為に銃器対策部隊は殿となって交戦するが多数の殉職者を出して壊滅する。生き残った銃器対策部隊は散り散りになり、各自で判断し行動する。
―5時間10分後
ネメシス小隊の生存者2名が治安官に救助される。
―5時間20分後
軍上層部はエリー都の放棄を決定。ゼロ号ホロウ拡大を抑える作戦として、人為的に渓谷を作り出すことを計画する。命令により工兵隊が式輿の塔14基にエーテル爆弾を仕掛ける。
—5時間40分後
中央綜合病院は機能を完全に喪失。SATと銃器対策部隊の生存者が合流、共に市民救助を行う。
—5時間45分後
治安官2名がライアー小隊全員をトラックに乗せ、大通りを避けてホロウ脱出を目指す。その際に同様にゼロ号ホロウからの脱出を目指す救急車と騎馬治安官を発見。ライアー小隊とネメシス小隊の生存者を救急車に乗せ、治安官らは再び市民救助の任務に当たる。(その10分後に救急車と騎馬治安官はゼロ号ホロウを脱出している。騎馬治安官はホロウに戻り救助活動を再開する)
—6時間後
治安局は全機能を喪失。ダーラン長官は今回の事件データを部下に託し、最後に通信機で「諸君らの働きに感謝する。旧都は陥落した。生き残った者はゼロ号ホロウからの脱出を目指せ」と命令。自らは旧都陥落の責任を取って自決。生き残った治安官2名と市民3名、救急隊員1名は救助に来た軍のヘリコプターで治安局を脱出しゼロ号ホロウからも脱出する。だが、脱出の際に治安官2名が時間を稼ぐ為に残り、殉職する。
—6時間20分後
ライアー小隊を救助した治安官2名がマンションで立て籠もっていた市民3名とペット1匹を発見。トラックに乗せて脱出を図るがその場に大型エーテリアス(恐らくニネヴェ)が現れる。治安官2名は免許を持っていた市民にトラックを運転させて大型エーテリアスの足止めを行う。(この2名の生死は未だ不明であり行方不明である)
—6時間30分後
パトカーで脱出途中の治安官1名が炎上する星見家で刀を持った子どもを保護。パトカーに乗せて脱出を目指す。同時刻、生き残った10名のSATが市民数名と徒歩でゼロ号ホロウを脱出する。
—7時間後
ゼロ号ホロウから最後の脱出車両2台が現れる(前述のパトカーと市民が運転する警察トラック)。軍上層部はこれ以上の生存者は絶望的であるとし、式輿の塔14基の爆破で新エリー都との間に渓谷を作りゼロ号ホロウの拡大を抑える。
—7時間10分後
最後の最後に救助ヘリ1機がゼロ号ホロウから脱出。
—7時間15分後
旧都陥落
治安官生存者⋯7(6)名
機動隊生存者⋯2名
銃器対策部隊生存者⋯3名
SAT生存者⋯10名
騎馬治安官生存者⋯4名
装甲ドーザー隊生存者⋯2名
※治安官の生存者の内1名は事件から半年後、忘れ物を取りに行くと言いゼロ号ホロウに入り自殺した。
治安官死者数⋯694名 (行方不明5名)
機動隊死者数⋯248名 (行方不明2名)
銃器対策部隊死者数⋯96名 (行方不明2名)
SAT死者数⋯50名
騎馬治安官死者数⋯145名 (行方不明1名)
装甲ドーザー隊死者数⋯25名(行方不明3人)
今回の旧都陥落でダーラン長官含む治安官の大半が殉職した。我々は彼らの死から学ぶ必要がある。
そもそも、今回の旧都陥落の際に多数の殉職者を出したのは治安官が高性能な対ホロウ装備と重火器を身に着けていないこと、そして対エーテリアス戦闘法を知らなかった事が原因として上げられる。(それでも、多数のエーテリアスを排除し多数の市民を救助した彼らの働きは凄まじく、賞賛に値するものであると確信している)
そのため、新しく高性能対ホロウ装備とアサルトライフルなどの重火器、攻撃ヘリなどの支援兵器、治安官の育成プログラムに対エーテリアス戦闘法の導入が必須である。 また、旧都陥落事件と同程度のホロウ災害を想定した、避難計画の立案も必須である。
他の要因としては弾薬と医薬品の兵站問題である。旧都陥落時には治安局とエリー都の各地に臨時の補給所を設置したが、混乱の中では効果的な補給ができなかった。また、戦闘から一度離脱し補給所に行くのも時間的コストを考えれば非効率である。そのため、専門の補給部隊と要請があれば、その場に赴ける医療班の新設が必要である。
また、人材不足解決とホロウ内での避難誘導、危険任務での治安官の命を守る為に、カスタマイズされたポンプの導入を検討する。
機動隊、騎馬治安官隊、銃器対策部隊、SATなどの特殊な部隊は壊滅し人員の損失が激しいため再編は困難である。そのため、現在は治安官一人一人の質を上げる事が急務である。
最後に旧都陥落で混乱と自身の命も危険の中で最後まで戦い、市民を助け、命を落とした者たちの犠牲が未来に反映されることを願う。