運命の赤い糸☆キラキラ学園ラブパニック! 作:Gemini
シャイニング☆スターフェスティバルまで、あと三日!
教室は、もうすっかり星空の世界! 天井にはキラキラ光る星屑がたくさん吊るされて、壁には幻想的な宇宙の絵が描かれて……。みんなで頑張って作ったプラネタリウム、すっごく綺麗なんだ! カフェで出すお菓子も、レンくんが手配してくれた有名パティシエのケーキのおかげで、超豪華になりそうだし!
私のポエム朗読も、ドキドキするけど、精一杯頑張るつもり! レンくんに「悪くない」って言ってもらえたんだもん、自信持たなきゃね!
クラスの雰囲気も、準備が進むにつれて、なんだか一つになってきた気がする。最初はバラバラだったけど、一緒に何かを作り上げるのって、やっぱり楽しい!
「ふわりちゃん、この星、どこに飾ったら可愛いかな?」
「うーん、こっちの壁の方が、流れ星みたいに見えるかも!」
クラスメイトの子たちとも、前よりずっと気軽に話せるようになったんだ。嬉しいな!
……でもね。そんなハッピーな空気の中に、一人だけ、ドス黒いオーラを放っている人がいたんだ……。
そう、姫川ローズ様!
私がレンくんと実行委員になってから、それに、この前のポエム事件以来、ローズ様の私への敵意は、もう、隠そうともしないくらい、むき出しになっちゃってた。
廊下ですれ違えば、わざとぶつかってきたり、「あら、まだ学園にいらっしゃったの?」なんて嫌味を言われたりするのは、もう日常茶飯事。うぅ……。
でも、みるくちゃんがいつもそばにいてくれるし、レンくんも、たまーにだけど、さりげなく助けてくれる(気がする!)から、なんとか耐えてたんだ。
それに、学園祭が成功すれば、きっとローズ様だって、少しは私を認めてくれるかも……なんて、甘い期待も、ちょっぴりだけ、してたんだよね……。
だけど、そんな私の甘い考えは、今日、粉々に打ち砕かれることになるなんて……!
その日の放課後。
私は、明日のリハーサルのために、朗読するポエムの最終チェックを、教室で一人でしていたんだ。みるくちゃんは、カフェの備品の買い出しに行ってくれてる。レンくんは……どこにいるか分からないけど、きっとまた、陰で何かすごい準備をしてくれてるんだろうな! えへへ。
「えーっと、『キラキラ光る、一番星……それは、遠い日の、淡い約束……』うん、いい感じかも!」
自分のポエムの世界に浸って、ちょっとだけうっとりしてた、その時。
ガラッ!
教室のドアが、乱暴に開けられた!
そこに立っていたのは……やっぱり、ローズ様! しかも、今日は取り巻きの子たちも一緒だ! な、なんだか、いつもより雰囲気が怖いんですけど……!
「……あら、桜坂さん。まだ、こんなところで、くだらないポエムごっこをしていらっしゃったの?」
ローズ様が、意地悪な笑みを浮かべて、ずかずかと教室に入ってきた。彼女の周りの紫色のオーラが、まるで毒蛇みたいに、とぐろを巻いている!
「ひ、姫川さん……! 何か御用ですか……?」
私、怖くて声が震えちゃった。
「ええ、もちろん。あなたに、最後の忠告をして差し上げようと思いましてよ」
「ちゅ、忠告……?」
「そうですわ。いい加減、身の程をわきまえなさい、ということですの」
ローズ様が、一歩、また一歩と、私に近づいてくる。ひぃぃっ!
「実行委員だなんて、おこがましい! 黒崎様のお隣に立つなんて、100年早いですわ! あなたのような存在は、このキラキラ☆シャイニング学園には、ふさわしくありませんのよ!」
「そ、そんな……!」
「ですから、わたくしが、あなたにふさわしい場所を、教えて差し上げますわ!」
ローズ様が、パチン!と指を鳴らすと、取り巻きの子たちが、ニヤニヤしながら動き出した!
一人は、私が一生懸命作った、壁のキラキラ星飾りを、ビリビリッ!て破き始めた!
「きゃっ! やめて!」
もう一人は、天井から吊るした、ふわふわの雲(綿だけど!)を、ぐしゃぐしゃって握りつぶしてる!
「ひどい……! みんなで頑張って作ったのに……!」
そして、ローズ様自身は……!
私がポエムを書いていた、大切なノートに向かって、まっすぐに歩いてくる!
「そ、それだけは……! やめてください!」
私は、必死にノートを守ろうとしたけど、取り巻きの子に腕を掴まれて、動けない!
「あらあら、抵抗なさるの? 無駄ですわよ」
ローズ様は、私のノートをひったくると、意地悪く笑って、ページをパラパラとめくり始めた。
「まあ、なんて幼稚で、陳腐なポエムなんでしょう。こんなもの、読む価値もありませんわね」
そう言うと、彼女は……!
ビリビリビリーーーッ!!!
私の、大切な、心を込めて書いたポエムノートを、目の前で、破り捨てたの!
「あ……ああ……!」
言葉が出なかった。目の前が、真っ暗になるって、こういうことを言うんだ……。
ハラハラと、床に舞い落ちる、ノートの切れ端……。私の、キラキラした気持ちが、夢が、希望が、全部、ズタズタに引き裂かれていくみたい……。
「ふふふ、おーほほほ! これで、少しは自分の立場がお分かりになりましたこと?」
ローズ様は、勝ち誇ったように高笑いしてる。取り巻きたちも、クスクス笑ってる。
涙が、止めどなく溢れてきた。悔しくて、悲しくて、もう、どうしたらいいか分からない……。
「……うぅ……ひっく……」
私は、その場にへなへなと座り込んで、ただただ泣くことしかできなかった。
どうして、こんなひどいことするの……?
私の、キラキラ☆ハッピー学園ライフは、もう、これで終わりなのかな……?
レンくん……みるくちゃん……助けて……!
教室の窓の外は、もう夕焼け色に染まり始めていた。でも、私の心は、真っ暗な闇の中に、突き落とされたままだった……。
ローズ様の、高笑いだけが、がらんとした教室に、いつまでも響いていた……。