運命の赤い糸☆キラキラ学園ラブパニック! 作:Gemini
シャイニング☆スターフェスティバル、いよいよ明日から!
教室の飾り付けも完璧! カフェの準備もOK! レンくんが手配してくれた超絶美味しいケーキも届いて、クラスのみんなのテンションはMAXだよ!
「明日、頑張ろうね!」
「絶対、成功させようぜ!」
みんな、キラキラした笑顔で、明日の本番を楽しみにしてる。
……私を除いては。
放課後の教室。もう誰もいなくなって、窓の外は綺麗な夕焼け色に染まっているのに……私の心は、どんよりとした曇り空のままだった。
(どうしよう……ポエムが、全然書けない……)
あの日、ローズ様にノートを破られてから、私の頭の中は、真っ白なまま。どんなに頑張っても、キラキラした言葉が、全然浮かんできてくれないの。
ノートに向かっても、ただ時間だけが過ぎていく。焦れば焦るほど、心は空っぽになっていくみたい……。
「……はぁ……」
深いため息をついて、机に突っ伏しちゃった。
明日は、朗読会のトリ。私が、自分のポエムを読むことになってるのに。このままじゃ、ステージに立てないよ……。クラスのみんなの期待を裏切っちゃう……。レンくんにだって、がっかりされちゃうかもしれない……。
(やっぱり、私には才能なんてなかったんだ……。先生やレンくんが褒めてくれたのも、きっと、気の迷いだったんだよ……)
ネガティブな考えが、またぐるぐる頭の中を回り始める。涙が、ぽろってノートの上に落ちた。滲んだインクみたいに、私の心も、ぐちゃぐちゃになっていく……。
「……うぅ……」
もう、ダメかもしれない……。諦めちゃおうかな……。
――カタン。
不意に、教室の後ろの方で、小さな物音がした。
はっとして顔を上げると、そこに立っていたのは……!
「れ、レンくん!?」
どうして、まだ教室に……? 彼は、いつもなら、とっくに帰ってるはずなのに。
「……まだ、残っていたのか」
彼は、いつものクールな表情で、私の方に歩いてきた。
「う、うん……。ちょっと……」
破られたノートを、慌てて隠そうとする私。こんな情けない姿、彼に見られたくない……!
でも、レンくんは、私の手元をじっと見つめて……。
「……書けないのか? ポエム」
……!
ど、どうして分かったの!? 私、何も言ってないのに!
彼の深い藍色の瞳が、まるで私の心の中を、全部お見通しみたいに見つめてくる。うぅ……恥ずかしい……。
「……」
私は、何も言えなくて、ただ俯くだけだった。涙が、また溢れてきそうになる。
レンくんは、しばらく黙っていたけれど、やがて、私の隣の席に、静かに腰を下ろした。
「……」
「……」
気まずい沈黙……。どうしよう、何か話さなきゃ……! でも、何を話せばいいの……?
「……星が、綺麗だな」
不意に、レンくんが、窓の外を見ながら呟いた。
「え?」
私も、つられて窓の外を見る。いつの間にか、空は深い藍色に変わって、一番星が、キラキラと瞬き始めていた。
「……本当だ……綺麗……」
「……あの一番星に、願い事をすると、叶うらしいぞ」
「え? ……そうなの?」
初めて聞いた。なんだか、ロマンチック……。
「……お前も、願ってみたらどうだ?」
「え……?」
「……ポエムが、書けますように、って」
レンくんが……私に、そんなことを言ってくれるなんて……。
彼の横顔は、夕闇の中でも、やっぱり綺麗で……。その周りの藍色のオーラが、星の光を映して、優しくきらめいているように見えた。
「……」
私は、黙って、窓の外の一番星を見つめた。
(……ポエムが、書けますように……。私の、本当の気持ちを、言葉にできますように……)
心の中で、そっと、お願いしてみる。
すると……。
不思議なことが起こったの!
さっきまで、真っ白だった私の頭の中に、突然、キラキラした言葉たちが、流れ星みたいに、たくさんたくさん、降ってきたんだ!
まるで、魔法みたい!
「あ……!」
私は、慌ててペンを取って、ノートの新しいページを開いた。さっきまでの悩みなんて、嘘みたいに、言葉が、想いが、溢れてきて止まらない!
サラサラサラ……。
ペンを走らせる音だけが、静かな教室に響く。
レンくんは、何も言わずに、ただ静かに、私の隣に座って、窓の外の星空を眺めていた。
彼の存在が、彼の優しいオーラが、私に勇気とインスピレーションをくれたのかもしれない。
あるいは、本当に、一番星が、私の願いを叶えてくれたのかも……?
どれくらい時間が経っただろう。
気づいたら、私のノートには、新しいポエムが、完成していた。
タイトルは、「星降る夜の、小さな奇跡」。
今の私の、ありったけの気持ちを込めた、最高のポエム!
「……できた……!」
私は、達成感で、胸がいっぱいになった。顔を上げると、レンくんが、いつの間にか私の手元を覗き込んでいた。
「……読んでも、いいか?」
「……う、うん……!」
ドキドキしながら、ノートを彼に差し出す。
彼は、黙って、私のポエムを読み始めた。彼の表情は、相変わらずクールだけど、その瞳の奥が、ほんの少しだけ、揺らいだように見えた。
読み終わると、彼は、ゆっくりと顔を上げて、私を見た。
「……」
ど、どうかな……? 変じゃないかな……?
緊張で、心臓がバクバク鳴ってる!
「……悪くない」
彼は、ボソッと、そう言った。
「……いや、むしろ……」
「……?」
「……すごく、いい」
―――!!!!!!!!!!
きゃあああああああああああああっっっっっ!!!!!!!!
い、今! 今、レンくん、私のポエムのこと、「すごくいい」って言ってくれたよね!? 聞き間違いじゃないよね!?
嬉しすぎて、もう、意識が飛びそう! 天にも昇る気持ちって、こういうことなんだ!
私の周りのオーラも、きっと、ピンクとオレンジとゴールドの、超ハッピーカラーで、キラッキラに輝いてるはず!
「ほ、本当ですか!?」
「……ああ。……お前らしい、真っ直ぐな言葉だ」
彼は、少しだけ照れたように、視線を逸らした。きゃー! クールなレンくんの照れ顔、レアすぎる! 超絶可愛い!
「……明日の朗読会、楽しみにしてる」
「……は、はいっ!」
私は、力強く頷いた。もう、不安なんて、どこにもない!
奇跡を信じてよかった! そして、レンくんがそばにいてくれて、本当によかった!
明日の学園祭、絶対に成功させてみせる! 私のポエムで、会場中のみんなの心を、キラキラにするんだ!
そして、レンくんにも、私の本当の気持ち、届け!
星が瞬く帰り道。私の足取りは、スキップしたくなるくらい、軽かった。
奇跡って、本当にあるんだね!
明日は、きっと、最高の1日になる! そんな予感で、胸がいっぱいだった!