運命の赤い糸☆キラキラ学園ラブパニック!   作:Gemini

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4.涙のあとには虹が出る…かも?

 レンくんに助けてもらって、ちょっとだけイイ感じ(?)になれたかも!って浮かれてた私だけど……やっぱり、現実はそんなに甘くなかったみたい……。トホホ。

 あの日以来、ローズ様の私への風当たりは、ますます強くなっちゃったんだ。

 

「あらあら、桜坂さんのノート、こんなところに落ちてましたわよ?」

 

 休み時間、私の大事な数学のノートが、なぜか廊下のゴミ箱の横に……! しかも、表紙には意地悪な落書きまでされてる! ひどい! 絶対、ローズ様の仕業だ!

 

「……わざとじゃ、ありませんわよ?」

 

 抗議しようとしても、ローズ様は「あら、わたくしは親切で拾って差し上げただけですのに。失礼ですわね!」って、おーほほほ!って笑って、取り巻きたちと去っていっちゃう。うぅ……悔しい……!

 

「見て見て、ふわりちゃん! ロッカーに変な手紙が入ってたよ!」

 

 みるくちゃんが、青い顔で持ってきた手紙には、「ドジでのろまなカメは学園から出ていけ!」なんて、ひどい言葉が……! 差出人の名前はないけど、こんなことするの、ローズ様に決まってる!

 

「ひっく……うぅ……」

 

 さすがに、涙がポロポロこぼれちゃった。どうして、私がこんな目に遭わなきゃいけないの……? 私、何も悪いことしてないのに……!

 

 教室移動の時、わざとぶつかってきて、「きゃっ! ごめんなさーい!」って言いながら、私の教科書を床にぶちまけられたり。

 私がレンくんと少しでも話そうとすると、わざと大きな声で割り込んできて邪魔されたり。

 給食の時、私の椅子にこっそり画鋲が置かれてたり……(これは、みるくちゃんが気づいてくれて、寸前でセーフだったけど!)

 もう、毎日が針のむしろだよぉ……。

 

「ふわりちゃん、大丈夫……?」

 

 放課後、教室で一人で泣いてる私を見つけて、みるくちゃんが優しく声をかけてくれた。

 

「みるくぢゃん……うわーん……! もう、私、ダメがもしれない……!」

 

 私は、みるくちゃんに抱きついて、わんわん泣いちゃった。もう、限界だったんだ。

 

「そんなことないよ! ふわりちゃんは、全然ダメなんかじゃない!」

 

 みるくちゃんは、ぎゅーって私を抱きしめて、よしよしって背中を撫でてくれる。あったかい……。みるくちゃんの友情オーラが、私の冷え切った心を、少しずつ溶かしてくれるみたい……。

 

「ローズ様が意地悪なのは、きっと、ふわりちゃんに嫉妬してるからだよ! ふわりちゃんが、可愛くて、優しくて、それに、レン様にも気にかけられてるから!」

「そ、そんな……まさか……」

「絶対そうだよ! だから、自信持って! ローズ様なんかに負けちゃダメ!」

 

 みるくちゃんの力強い言葉に、私は少しだけ顔を上げた。

 

(そっか……嫉妬……。だから、あんなに意地悪なのかな……)

 

 そう思うと、少しだけ、ローズ様のことが可哀想にも思えてきた……かも? いや、やっぱり思えない! あんな意地悪するんだもん!

 

「……うん……。そうだよね……! 私、負けない!」

 

 みるくちゃんのおかげで、また少しだけ、前を向く勇気が湧いてきた。涙をぐいって拭って、私は立ち上がる。

 

「ありがとう、みるくちゃん! 私、頑張るね!」

「うん! 私も、ずっとふわりちゃんの味方だからね!」

 

 私たちは、にこって笑い合った。やっぱり、親友って最高だ!

 

 涙を流した後って、なんだか空気が澄んで見える気がする。教室の窓から見える空には、うっすらと虹がかかっていた。

 

(わぁ……きれい……)

 

 涙のあとには、虹が出る。……うん、きっとそうだよね!

 私の学園生活も、今は辛いけど、きっといつか、虹みたいにキラキラ輝く日が来るはず!

 そう信じて、私は歩き出した。

 

 ……と、思ったんだけど。

 帰り道、校門を出ようとしたら、またローズ様とその取り巻きたちが待ち構えていた。うげぇ……。

 

「あら、桜坂さん。まだ帰っていらっしゃらなかったの?」

 

 嫌味たっぷりの声。

 

「ちょうどよかったわ。少し、お話がありましてよ」

 

 そう言うと、ローズ様は、取り巻きたちに目配せした。取り巻きたちが、ニヤニヤしながら私を取り囲む。な、何する気!?

 

「……あなた、黒崎様のことを、まだ諦めていないようですわね?」

「そ、そんな……!」

「しらばっくれても無駄ですわよ。この前の放課後も、二人で馴れ馴れしく話していましたでしょう?」

 

 見られてたんだ……!

 

「いいこと? 黒崎様は、わたくしたちのような、選ばれた人間とお付き合いなさるべき方。あなたのような、ドジで、何の取り柄もない庶民が、隣に立つことなど、万死に値しますのよ!」

 

 ひ、ひどい言われよう……! さすがに、カチンときた。

 

「そ、そんなことありません! レンくんは、そんなことで人を判断するような人じゃ……!」

「黙りなさい!」

 

 ローズ様が、ヒステリックに叫んだ。彼女の周りの紫色のオーラが、毒々しいくらいに渦巻いている!

 

「分からず屋には、少し、お灸を据えて差し上げませんとね……!」

 

 ローズ様が、パンッて手を叩くと、取り巻きの女の子二人が、私の両腕をがっしりと掴んだ!

 

「きゃっ! な、何するの!?」

「ふふふ……。少し、あなたのその大事にしているものを、汚させていただきましてよ」

 

 ローズ様が、意地悪く笑いながら、私の通学カバンをひったくった!

 

「や、やめて!」

 

 カバンの中には、今日書き上げたばかりの、大切なポエムノートが入ってるのに!

 ローズ様は、カバンの中から乱暴にノートを取り出すと、近くにあった水たまりに向かって……!

 

「それだけは、やめてーーーっ!!」

 

 私が必死に叫んだ、その時!

 

「――そこまでだ」

 

 低くて、静かだけど、有無を言わせない声が響いた。

 はっとして顔を上げると、そこには……!

 

「れ、レンくん!?」

 

 そう、レンくんが立っていたの! いつものクールな表情だけど、その瞳の奥には、氷のような、冷たい怒りの色が浮かんでいる!

 彼の周りの深い藍色のオーラが、まるで嵐の前触れみたいに、ビリビリと空気を震わせている!

 

「く、黒崎様……!?」

 

 ローズ様も、取り巻きたちも、予想外の登場に、固まってる。

 

「……何をしている?」

 

 レンくんが、冷ややかに尋ねる。

 

「こ、これは、その……! 桜坂さんが、わたくしの悪口を……!」

 

 ローズ様が、慌てて嘘をつこうとする。

 

「……嘘をつくな。見苦しい」

 

 レンくんの一言で、ローズ様の顔が真っ赤になった。

 

「……そのノートを、返せ」

 

 レンくんが、ローズ様が持っている私のポエムノートを指差す。

 

「い、嫌ですわ! こんなもの……!」

 

 ローズ様が、ノートを破り捨てようとした、その瞬間!

 レンくんが、目にも止まらぬ速さで動いた! (え? レンくんって、そんなに足、速かったっけ!?)

 あっという間にローズ様の目の前に移動すると、彼女の手から、ノートをひょいっと取り上げた!

 

「きゃっ!」

 

 ローズ様は、なすすべもなく、ノートを奪い返されてしまった。

 

「……くだらない真似は、やめろ。見ていて不愉快だ」

 

 レンくんは、冷たく言い放つと、ノートを私に返してくれた。

 

「あ、ありがとう……!」

「……行くぞ」

 

 彼は、私の手首を掴むと(きゃっ!)、そのまま私を引っ張って、呆然としているローズ様たちの前を通り過ぎていった。

 後ろで、ローズ様が「く、黒崎様ぁ〜!」って叫んでる声が聞こえたけど、もう気にしない!

 レンくんの大きな背中を見ながら、彼の手に引かれながら、私はただ、ドキドキする胸を押さえることしかできなかった。

 やっぱり、レンくんは私の王子様なんだ!

 涙のあとには、虹が出る……ううん、虹だけじゃなくて、素敵な王子様まで現れちゃった!

 私の学園生活、まだまだ波乱万丈みたいだけど、なんだか、すっごく楽しくなってきたかも!

 

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