運命の赤い糸☆キラキラ学園ラブパニック! 作:Gemini
学園祭の準備は、いよいよ大詰め!
私たちのクラスの「キラキラ☆星空カフェ&ときめきポエム朗読会」も、レンくんが手配してくれた有名パティシエの絶品スイーツ(超美味しかった!)のおかげもあって、カフェ部門はほぼ完璧! 教室の飾り付けも、みんなで頑張って、本当にプラネタリウムみたいになってきたんだ! キラキラの星屑が天井から降り注いで、ムード満点だよ!
私も、朗読会で読むポエムの最終仕上げに集中! レンくんに「悪くない」って言ってもらえた、あの瞬間を思い出して、ドキドキしながら言葉を紡いでる。私の、今の、精一杯のキラキラした気持ち、届け!
そんなある日の放課後。
私は、実行委員の仕事で使う模造紙が足りなくなっちゃったから、学校の購買部に買い出しに行ってたんだ。
「えーっと、大きな模造紙はどこかなー?」
キョロキョロしながら店内を探してたら、ふと、文房具コーナーの隅っこで、見慣れた後ろ姿を見つけちゃった!
(あ! レンくんだ!)
彼は、一人で、何か難しい顔をして、高級そうな万年筆のショーケースを眺めてた。いつものクールな雰囲気とはちょっと違って、なんだか、すごく悩んでるみたい……。
彼の周りの深い藍色のオーラも、今日はいつもより濃くて、まるで嵐の前の海みたいに、ざわざわと揺らめいてる。低い、苦しそうなチェロの音色が、私の心にも聞こえてくる気がする……。
(レンくん……どうしたんだろう……?)
心配になって、私は、そーっと彼に近づいてみた。
「あ、あの……レンくん?」
声をかけると、彼は、はっとして振り返った。その瞳には、一瞬、驚きと、それから、何かを見られたくないっていうような、戸惑いの色が浮かんだ気がした。
「……桜坂か。……何か用か?」
すぐに、いつものクールな表情に戻っちゃったけど。
「ううん、用っていうか……。レンくんが、なんだか元気なさそうに見えたから……。何か、悩み事でもあるのかなって……」
で、出すぎたこと言っちゃったかな!? でも、心配なんだもん!
レンくんは、私の言葉に、ちょっとだけ目を見開いて、それから、ふいって視線を逸らしちゃった。
「……お前には、関係ない」
……また、そのセリフ。
分かってるよ。私なんかに、レンくんの悩みを打ち明けられるわけないってことくらい。でも……でも、やっぱり寂しいな……。運命の赤い糸で結ばれてる(はずな)のに、全然、力になれないなんて……。
しょんぼりして、俯いちゃった私を見て、レンくんが、ため息をついたのが分かった。
「……別に、大したことじゃない」
「え?」
「……少し、家のことで、面倒なことになっているだけだ」
「家のこと……?」
もしかして……!
「あのね、私、聞いちゃったことがあるんだけど……。レンくんって、もしかして、すっごいお金持ちの……例えば、大きな会社の社長さんの息子さん、とか……?」
恐る恐る聞いてみたら、レンくんは、ギクッて感じで、一瞬動きを止めた。
「……どこで、それを……」
「えへへ、学園の噂で……」
やっぱり、本当だったんだ! レンくんって、リアル王子様だったんだ!
「……まあ、そんなところだ」
彼は、観念したみたいに、小さく頷いた。
「俺の家は……黒崎財閥っていう、まあ、そこそこ大きなグループ企業を経営している」
く、黒崎財閥!? 聞いたことある! 日本でも有数の、超巨大企業グループじゃん!
「そ、そんな……! レンくんって、リアル御曹司様だったの!?」
「……だから、どうした」
彼は、迷惑そうに顔をしかめる。
「家の跡継ぎとか、そういうのが、色々とうるさいんだ。……くだらない」
そう言って、彼は、どこか遠い目をして、窓の外を眺めた。彼の周りの藍色のオーラが、深い悲しみと、苛立ちと、そして、どうしようもない諦めみたいな色で、ぐちゃぐちゃに混ざり合ってる……。
(レンくん……そんな悩みを抱えてたんだ……)
いつもクールに見えたのは、そういう複雑な家庭環境のせいだったのかもしれない。お金持ちにはお金持ちの、私なんかには想像もつかないような、大変なことがあるんだ……。
なんだか、彼のことが、もっともっと知りたくなった。そして……。
「……私!」
気づいたら、私、大きな声を出してた。
「私が、レンくんのこと、支えるから!」
「……は?」
レンくんが、ポカーンとした顔で私を見てる。
「私には、お金も力もないけど……でも、私、レンくんの味方だから! レンくんが、辛い時とか、苦しい時とか、いつでも話を聞くし、応援するから! だから、一人で悩まないで!」
一気に、まくし立てちゃった! ああ、また、でしゃばりすぎたかな……?
でも、これが私の、今の、精一杯の気持ちなんだ!
レンくんは、しばらくの間、唖然とした顔で私を見ていたけど……。
やがて、ふっ……て、息を漏らすように、笑った……気がした。
え? 今、笑った? あの、クールなレンくんが!?
「……お前、本当に、変なやつだな」
彼は、呆れたような、でも、どこか、ほんの少しだけ、嬉しそうな声で言った。
彼の周りの藍色のオーラの中に、温かくて、優しい光が、星みたいにキラキラって瞬いた!
きゃーーーーっ!!!
私、もしかして、レンくんの心を、ちょっとだけ、動かせた!?
嬉しくて、嬉しくて、胸がいっぱい!
「……まあ、お前のその、根拠のない自信だけは、認めてやらなくもない」
彼は、照れ隠しみたいに、またクールな表情に戻っちゃったけど。
「……行くぞ。模造紙、買うんだろう?」
「は、はいっ!」
私たちは、また並んで歩き出した。さっきまでの、ちょっと重い空気は、もうどこかへ飛んでいっちゃったみたい。
レンくんの悩み、全部解決できたわけじゃないけど……でも、ほんの少しでも、彼の力になれたのかな? そうだといいな。
だって、私たちは、運命の赤い糸で結ばれてるんだもんね!
どんな困難だって、二人で力を合わせれば、きっと乗り越えられる!
そう信じて、私は、レンくんの少し後ろを、ドキドキしながらついていくのだった。
……でも、この時の私は、まだ知らなかった。
レンくんの悩みと、ローズ様の嫉妬が、これから、もっともっと大きなトラブルを引き起こすことになるなんて……!
学園祭まで、あとわずか! 波乱の予感は、まだまだ続く!